新天地:近つ飛鳥・2006.6.25
 

6月3日、古事記ゆかりの土地、近つ飛鳥に引っ越した機会に、神戸、大阪、奈良の「古事記に親しむ会」の有志の方々に新居のお披露目もかねて第一回野外研修会を開催しました。当日はあいにく小雨交じりの梅雨空でしたが、近つ飛鳥博物館と風土記の丘の見学を終えて我が家に来てくださるころには雨が止んでくれたので、庭で二胡の即興演奏会も楽しめて、おかげさまで思い出に残る素敵な集会になりました。
大阪府立:
近つ飛鳥博物館


みなさんは飛鳥という地名が「近つ飛鳥」と「遠つ飛鳥」の二つあることをご存知だったでしょうか? ほとんどの方が私達が近つ飛鳥に引っ越すことになったとお話ししたら「奈良県人」になるんですねと言われます。

「飛鳥」と聞けば誰もが最初に思い浮かべるのは奈良県側にある飛鳥でしょう。ところが大阪にも「飛鳥」があって飛鳥川も流れているのです。そのことを私たちもすっかり忘れていました。

『古事記』にはちゃんと「近つ飛鳥」と「遠つ飛鳥」という二つの地名が書かれているのですね。では何をもって近い・遠いとしたのでしょう? その視点の中心は当時の宮廷の在った場所。つまり4,5世紀頃、仁徳天皇が住んでおられた浪速の高津の宮からみて近いほうが「近つ飛鳥」遠い方を「遠つ飛鳥」と呼んだというわけです。つまりこの周辺は奈良の飛鳥より古い時代、謎の倭の五王「河内王朝」の頃に栄えた土地なのです。

その近つ飛鳥古墳群(一須賀古墳群)の一部を宅地開発した時に数百基あったともいわれる古墳のなんと半分近くを破壊してしまったそうなんです。ことの重大さにようやく気付いたときは後の祭り。工事の規模を縮小して残った古墳を急遽、調べて保存したのが「近つ飛鳥風土記の丘」の古墳群です。ここの展望台からの眺めはすばらしく、良く晴れた日には仁徳陵を初めとして淡路島まで見渡せるそうですよ。

そしてお詫びの印? に、安藤忠雄氏に設計を依頼して鳴り物入りで建設したのが写真のように立派な「近つ飛鳥博物館」というわけです。ただし、大阪人もその他の人もここにこんなすばらしい博物館があることをほとんど知りません。展示内容も歴史の好きな人は必見のものばかりですが、館内はいつもガラガラ、平日は訪れる人もほとんどいません。もったいない話ですよね。

周辺には聖徳太子のお墓や推古、孝徳、用明、敏達などの天皇陵や古墳群が目白押しにあってエジプトの王家の谷にちなんで「王陵の谷」と呼ばれているのです。すごいところにご縁を頂いたものだとゾクゾクしています。



マイ・イワクラのご紹介

ところで、私達の家は住宅地の南斜面に面していて、裏は崖になっています。この崖を降りたところは小さな森になっていて(敷地の中の裏庭)、なんと、なんと! 小さな陰陽のイワクラがあったのです。初めて見たときには目を疑ったのですが、今はこのイワクラが私達を呼んで導いてくださったのだと2人で確信しています。

ちょうど引っ越して二週間ほどした頃、6月21日が夏至だったので、それまでに腐葉土に埋もれていた部分の土をのけてイワクラの全容を掘り出して白い玉石を敷して麻縄で注連縄を巻きました。この写真の約半分ぐらいまで土に埋もれていました。


夏至の朝日のラインと一致!

掘り出してみると二つの石は二上山の雄岳、雌岳のように大きさもバランスが取れていて三輪神社にある「夫婦石」の磐座や少名彦の磐座に感じがそっくりです。東側の隣接地のコンクリートの壁に阻まれて夏至の朝日が差し込まないのが残念ですが、方角はピッタリなので、古代は二上山辺りに昇る朝日がこの二つの磐の間に差し込むようにつくっていたに違いありません。

ある友人が、この二つの磐の間にエネルギーを通すためには、東に立ちはだかるコンクリートの壁に○をつけてみてはどうかと助言してくれました。なかなかいいアイデアなので、今度夜中に懐中電灯を磐の間から照らして壁にポイントを付けようと思っています。

写真は朝八時ごろの夏至の朝日が木の間から差し込んだ瞬間です。晴明さんの大きさと比べて見てください。ちょうど手ごろな形の良いいわくらだということがわかるでしょうか?

きっと、古代にはこのいわくらの間から朝日が差し込む時期(夏至)を目安にして田植えを始めたのではないでしょうか? いまもこの裏一帯は小さな川が流れていて、田んぼや畑があり、水がきれいなので念願の蛍も十匹ほど飛んでいるのをこの目で見ることができました。ちなみに私は自然の蛍を見たのは何十年ぶりのことです。青くて儚い夢のような光景に感激しました。10分ほどで太子温泉に行けますし、庭でスイカやトマトも植えられます。田舎暮らしのキーワード「蛍・温泉・畑」の三つがすべて叶ってほんとうに満足しています。


もうひとつの自慢は大きな泰山木

さて、マイイワクラもすごいのですが。もうひとつのご自慢は先住者のおばあさんが植木鉢から写して植えたという、30年者の泰山木です。崖の下から真っ直ぐ空に向かって伸びているので木の高さは約12〜13メートルはあるでしょうか? 大きな真っ白い花は子どもの顔より大きいかも? しかもその香の良いことと言ったらとても文章に表せません。ちょうど二階の事務所のパソコンの前に座っていると風に乗ってそこはかと,,えも言われぬ良い香が運ばれてくるのです。

ほとんどの泰山木の花は高い木の上で咲くので、下からでは花は見えません。自分の目の前や目の下で花をじっくり眺めて香を楽しめることができるのはちょっと他にはないかも? それもこれも我が家が崖の上にあるからと思えば感謝です。梅雨が終わる頃まで八十個ほどの見事な花を咲かせてくれました。最後の一花が7月30日に散りました。



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