秋晴れの明日香路2001年


  秋晴れの一日(9月24日)おにぎりを持って奈良県明日香村を歩き回ってきた。

近鉄南大阪線岡寺駅で降り、益田(ますだ)の岩船石へ。ここは一般の観光コースから外れているので祭日にもかかわらず、ほとんど訪れる人がいない。

高さ5m、幅11m×8mの立方体で飛鳥地方の謎の石造物の中では一番大きい。この石の上には二つの四角い大きな穴が掘られているが、それが何の目的で建造されたのか、なぜこの場所にあるのかいまだに解明されていない。

小高い丘の上にでんと置かれた岩船の上に登ると、眼下に明日香村を望むことができる。

おにぎりを食べ終わった頃に3人の中学生がやってきた。どうやら寝袋をもっているところをみると昨日からこの周辺でキャンプをしていたようだ。

都会の中でゲームセンターに入り浸っている子供もいれば、彼らのように野山をリュックを持って歩いている子供たちもいるのだと思うとうれしくなってきた
 午後からは石舞台を目指して岡寺方面へ。岡寺駅の周辺は開発が進み、田んぼがどんどん宅地に変わってきている。のんびり明日香を回りたいと思っていたの車に神経を使いながら車道を歩くはめになった。

30分ほど歩くと亀石のレンタルサイクリング場にでた。そこから車道をさけて遊歩道へ。ようやく車の喧騒から離れて、のんびり彼岸花を見ながら歩くことができた。

ただし、彼岸花は少し盛りが過ぎて色あせているのが残念。一週間前ならきっと燃えるように真っ赤な群生を見ることができただろう。

聖徳太子生誕地、橘寺の門前で田んぼの周りを飛び回る赤とんぼに遭遇。まるで彼岸花と赤い色を競っているかのようにほんとに真っ赤だった。例によって超接近し、一センチのマクロ写真を写すのに成功。
夕方近くに石舞台へ。この頃になると日がかなり西に沈み、斜めの夕日が石舞台古墳の土手に群生している「猫じゃらし」を照らしてきらきらと輝いてとてもきれいだ。

デジカメでこの光が映るだろうかと思いながら何枚もシャッターを切る。草むらの中に入って夢中で写真を写していると、こおろぎやばったの声に混じって透明な鈴虫の鳴き声を聞いた。

いつかここに住めるといいなあと思いつつ、白い彼岸花に見送られながら黄昏の明日香をあとにした。
 

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