平成13年5月 選句結果

得点 雑詠 作者 戴いた人
4 老父ゆへそっと手を添へ桜坂 手毬 静歩 京子 志尾里 静水
3 一人ゆえ一人で齧る青りんご 暖流 みずき あきこ 手毬
3 大かすみ能登の岬は宙に在り 洋司 みずき 暖流 244
3 逝く母の頬に百合香の花粉付く 静水 暖流 久須夜 洋司
2 ふかみどり秩父の空の見え隠れ 静歩 あきこ 久須夜
2 もみじの手見上げて拍手こいのぼり おさむ 福助 和吉
2 お裾分け筍づくしの晩の膳 桜桃 和吉 まぐろ
2 通雨箒に重き落椿 竹峰 手毬 244
1 遠足の列を見守る農夫かな 和吉 まぐろ
1 メーデーも遠き日なりき吾れ老いぬ 久須夜 竹峰
1 うららかや明日のことは明日にする 洋司 おさむ
1 青葉風窓全開の愛車かな 京子 竹峰
1 大輪の湖に落ちゆく夏花火 あきこ 静歩
1 花みかん匂ふ朝のチャイム鳴る 244 洋司
1 釣り糸の先にはなびら桜樹あり 久須夜 福助
1 風青し句帖ひもとく祖父の文字 手毬 静水
1 鈴鳴らしリュックが行くや山笑ふ 京子 明日の空
1 春深し秩父の仏のおだやかさ 和泉 京子
1 新緑のかなたに白き富士の山 和吉 明日の空
得点 兼題 「母の日」 作者 戴いた人
3 母の日や葱きざむ音懐かしき 244 おさむ 京子 竹峰
2 母の日や魚沼産のコシヒカリ 静歩 福助 あきこ
2 母の日に届く小包母の文字  静水 みずき 手毬
2 母の日や乳房失くすも母は母 手毬 静水 まぐろ
2 母の日に孫の笑顔がプレゼント 志尾里 明日の空 和吉
1 母の日に花1輪が子の心 おさむ 暖流
1 母の日や我が胸中の母を呼ぶ 暖流 おさむ
1 母の日や今年も遺影を拭く至福 洋司 静歩
1 母の日や箪笥の底に足袋の爪 竹峰 洋司
1 母の日や母の生まれた国を訪ふ 和泉 久須夜
1 母の日の海辺に魚の顔干され みずき 244
1 母の日になお逢いたくて里の母 桜桃 志尾里
私の選んだ一句
一人ゆえ一人で齧る青りんご 暖流 今の若者を彷彿とさせる句ですね。何も若者に限った情景ではないでしょうが,青リンゴの象徴がそうさせるのでしょうね。 ちょっぴり孤独を噛みしめて居るような 楽しんでいるような・・・。(みずき)
大かすみ能登の岬は宙に在り 洋司 霞の向こうに能登の岬が宙に浮いているように見えているのでしょう。能登金剛あたりでしょうか?視線がはるか遠くに向けられていて、スケールの大きな句だと思います。(暖流)
荒かった冬が過ぎ霞みに包まれて岬だけしか見えない。蜃気楼を柔らかくしたような情景が浮かんできます。能登半島に行きたくなりました。(244)
老父ゆへそっと手を添へ桜坂 手毬 老父ゆへそっと手を添へ桜坂.親孝行の娘の姿が見えます(静歩)
お裾分け筍づくしの晩の膳 桜桃 「お裾分け、、、」筍のオンパレード程、頂く時は旬のもの一時である。旬お味が食卓にピッタリであり、上手く捉えられています。(和吉)
春深し秩父の仏のおだやかさ 和泉 春遍路でしょうか。 桜がもう葉桜に変わりかけた頃、 秩父を歩いている。 札所で仏さまを拝むとおだやかなお姿。 それは拝む人も穏やかだから。帰依の心が一杯に表れています。(京子)
ふかみどり秩父の空の見え隠れ 静歩 地元の誇り得る風景を高らかに謳いあげているのが素晴らしい。そして洗練されたものを感じます。12日に快晴の妙高高原から戸隠高原を走りながら、この句を思い出されました。 (久須夜)
母の日や乳房失くすも母は母 手毬 病み上がりの母を見て詠み者の心優しい気持ちが見えます。技法的に少し何がありますが 母は母できまりました。今回は類想の中でこの句がひかりました。ドラマをかんじました。脱帽です。次回に凄い句がみたいです。優しく心を打つ小さな感動を。(静水)
女性として、女性の象徴を恐らくは悪性の腫瘍で切除されたのでしょうが、失ったことへの悲しみや、腫瘍への怖れを超越し、姿や形よりも母性としての優しい心までは、失うまいとの決意を感じました。斯様な人は、病にも打ち克って日々を楽に、過ごされるとの思いです。(まぐろ)
母の日に届く小包母の文字  静水 さりげない日常をさらっと詠みながら、母のありがたさをわからせてくれる句です。母の文字は、懐かしさとともに愛情深さをも感じさせてくれます。(手毬)
母の日に孫の笑顔がプレゼント 志尾里 近いところに住んでいる人たちは、感じ方が違うかもしれないけど(明日の空)
母の日や我が胸中の母を呼ぶ 暖流 私と同じ考えになられる人も居られると思い感無量です(おさむ) 
母の日や魚沼産のコシヒカリ 静歩 母の日だけに親孝行するのではありませんが、母の日があることはお互いに嬉しいことです、 この句は 母の優しさがよく表われていますね〜作者も日頃お母さんに尽くされておられる様子が分かります。(あきこ)