平成16年 10月

【自由季題の部】

【コスモス】
投      句(作者) 得点 選  者 私の感想
コスモスの揺れをリズムに童唄   いくこ  4 コスモス、紫、桜桃、
クエン酸@里山
コスモスの里となりたる休耕田   あきこ  4 晶子、唯人、いくこ、
福助
こすもすの空はこすもすだけの空  夕花  2 可不可人、静歩
コスモスの 向うに恋が 見え隠れ  慧  2 アコ@大阪、244
コスモスに会えると散歩距離延ばし  黄桃  2 矢野、春雪
コスモスや語らいもなく妻といる  静歩  2 アコ@大阪、竹峰
コスモスは見上げし客の品定め   福助  2 みずき、オーク なるほど、と思います、コスモスにカメラ向けるとコスモスが揺れ(風?)イヤ、イヤされるのは嫌われている?揺れていたコスモスが一瞬動きを止め、ハイポーズ気に入られたかな??(=^0^=) (オーク)
コスモスや男にもある更年期    みずき  1 大森
コスモスを 左右に分けて 風奔る   矢野  1 まさき
秋の陣コスモスの陰児のひそむ   晶子  1 大上 憐なコスモスは風に揺れながら若い頃の思い出を、まさぐらせる。決して同じ思いでは無い。けれども、通じており互いに解っている。夫婦とは良きものである (大上)
園児らの 肩の高さや 秋桜    更  1 久門
倒されしコスモス空に向けて咲く  244  1 夕花

10 月
投      句(作者) 得点 選  者 私の感想
逆縁の流灯一つ遅れけり      大上  5 あきこ、唯人、
夕花、244、矢野
秋の野の真澄の空や少年期     竹峰  3 可不可人、コスモス
クエン酸@里山
からっぽの空に秋蝶見失ふ     あきこ  3 久門、大上、244
露地植の曲がりし菊も添えて活け いくこ  3 久門、コスモス、
静歩
音の無き 川のごとくや 霧流る  更  3 オーク、いくこ
クエン酸@里山
絵になりますね (オーク)
新米研ぐ流れし三粒を拾い入る  244  3 しおみ、紫、
桜桃

毎日朝夕、同じことをしていますが、句になるのに気付かなかった自分の不明に恥じてです。
(しおみ)
露けしや静かに戻る消防車    みずき  2 夕花、紫 着眼点がいいですね。 サイレンを鳴らし大騒動で火事場に急行した消防車、消化活動を無事終えて。季語と静かに戻る様子とぴったりで喧噪のあとの虚脱感がうまく表現されています。
(夕花)
秋うらら急須の尻を叩きけり    竹峰  2 晶子、大上
空高し貰いそこねし恋の文     晶子  2 みずき、あきこ こんな情熱的な句をお作りになるのは何方さんかいな〜なんて野次馬根性から・・・。 空が高いから良かった〜 (みずき)
すすき野やこれから先は隣村    静歩  2 竹峰、春雪
草刈りて 手ごたえ固し 小豆の木  更  2 大森、昌子
手に温み 産みたて卵 秋の朝   紫  2 矢野、アコ@大阪 子供の時、母親と鶏舎で毎日のごとく、採卵を手伝って産み立ての卵を、手のひらにのせて温かい卵を何時までも持っていて、良く叱られた事を思い出しました。ほのぼのとした句です。
(矢野)
夕野分け菓子職人のいきいきと  みずき  1 福助、
荻の花 わんどに沿いて 並びおり 矢野  1 オーク、 見たまんま、わかりやすくて良い、(オーク)
くずの花葉っぱの下で居眠りし  まさき  1 みずき
萩こぼれ水に流れのありにけり  大上  1 竹峰
コンバイン 稲穂刈り取る 響きよし
                唯人
 1 矢野
秋の夜に茶筒開くれば音の立つ  夕花   1 あきこ、
ハングルの溢るる通り月おぼろ  夕花  1 まさき
長城を 穿つ補陀落 ある祈り  しおみ  1 春雪
流れ来る 川の向こうの 祭り笛   紫  1 静歩、
台風の過ぎし浜辺のおきみやげ  黄桃  1 いくこ
故郷の作家逝きけり星月夜    春雪  1 福助、
すすき野やこれから先は隣村    静歩  1 春雪 平易に思える表現だが、昔人の垣根意識は、現代人の想像を絶するものがあったに相違ない。私達だって、幼時、他地域の小学校(区)を超えねば行けぬ街は、遠い存在だった。(春雪)