平成18年4月 選句結果

                     
得点 兼題 「花」 作者 戴いた人
6 白鳥の胸に砕けし花筏 暖流 みずき 晶子 春雪 夕花 だいご
244
5 花吹雪地蔵の頭巾真新し もも 門名無 あきこ 桜桃 アツコ
3 姉の手のくせ字なつかし花便り いくこ 小自良 まさき 唯人
3 草枕分相応の花見かな 和泉 緑茶 与作
2 川並の水を呑まんか枝の花 晶子 ウクレレ 桜貝
2 雪洞の川面に映える花の宿 零風 霜月 いくこ
2 見上ぐれば微笑みかえす山桜 だいご 暖流 零風
1 筏にもなれず宙舞う悩み花 桜桃 静歩
1 お花見や歯抜けし男の大笑い 244 しおみ
1 観音の胎を登るや花の雲 静歩 弓子
1 山門に托鉢飛び込む花の雨 まさき 福助
1 体調のことはさておき花の中 与作 おさむ
1 だれぞかれ一期一会の花筵 与作 ちあき
得点 雑詠 作者 戴いた人
6 片栗や木曾をつらぬく水の音 暖流 みずき 霜月 弓子 いくこ 桜桃
244
6 野良着もて百姓なりの花衣 244 みずき ウクレレ まさき 福助
与作
4 父は背で旅立ち送る春の朝 霜月 ウクレレ 門名無 春雪 桜桃
4 乳離れの嬰児(やや)にほぐせし桜鯛 霜月 ちあき 暖流 零風 静歩
3 海原を行くあてのあり鳥帰る 夕花 あきこ 零風 与作
3 苦しきを全て忘れて今日の花 与作 ちあき 桜貝 いくこ
3 とびこえてまたとびこえて春の泥 あきこ 晶子 だいご 244
2 開け放し春の光に掃きだしぬ まさき 夕花
2 木の芽風忍者の里を駈け抜けし 春雪 小自良 静歩
2 雉の声するどいなかに想いあり 唯人 もも 小自良
2 黒塀の彼方が薫る春の宵 しおみ 霜月 緑茶
2 十年前母と見上げたさくら咲く 和泉 いくこ しおみ
2 花守りの藪に入り込む箒かな まさき 暖流 夕花
2 花の雲五六七仲間の野点あり 門名無 もも 唯人
2 丸薬をこぼしたままや春の縁 もも しおみ 緑茶
1 乙女子が茶屋に飛び込む春の雷 零風 おさむ
1 筧水とどめて居りぬ黒椿 晶子 アツコ
1 蜘蛛の糸たゆとう先に新芽吹く しおみ 春雪
1 ざぜん草北の近江は春の雪 もも 晶子
1 春暁や眠れぬ儘の旅枕 いくこ 福助
1 竹とんぼパパの手作り春休み ちあき 門名無
1 時をまち風にうなずくユキヤナギ 桜貝 だいご
1 花吹雪乙女の髪を飾り居り 零風 桜貝
1 雛段の後ろもの煮る山の宿 みずき 弓子
1 踏み入れば息吹き聞こえて竹の秋 だいご アツコ
1 松に花都見下ろす札所寺 門名無 唯人
1 流氷を流氷の裂く海のうた 暖流 あきこ
1 我蜂になりて菜花の迷路かな 桜桃
私の選んだ一句
白鳥の胸に砕けし花筏 暖流 「純粋に美しい情景です。格調高い句です。」(みずき)
「川面を見ているようで春らしいいい句だと思います。」(晶子)
「白鳥と花筏と冬と春の季重なりですがあえてこの句を選びました。近くの湖には北に帰らない白鳥がいます。そして湖畔の桜が水面を漂っています。なぜ、その景を見ていながら詠まなかったのだろう。」(夕花 )
花吹雪地蔵の頭巾真新し 「新しい地蔵よりも、古色蒼然とした由緒ありそうなお地蔵さんのほうが 似合いそう!」(門名無)
姉の手のくせ字なつかし花便り いくこ 「綺麗な句ですね。」(小自良)
草枕分相応の花見かな 和泉 「桜の下で本当に癒された季節が私なりの花見でした」(緑茶)
川並の水を呑まんか枝の花  晶子 「満開の花をつけて枝が重く垂れ下がって、水面に付いているのか水面に映った満開の花があたかも水を飲んでいるのかどちらの情景も目に映ってきます。」(ウクレレ)
体調のことはさておき花の中 与作 「今日は気分が良い 花を見たい気分になった」(おさむ)
片栗や木曾をつらぬく水の音 暖流 「私の感性ではとうてい出来ない句です。俳諧とはこんなものでしょうか、芭蕉が頭に浮かびました。」(244)
野良着もて百姓なりの花衣 244 「花咲き緑溢れる田畑の中に、作業の正装ともいえる野良着をきて気持ちも新たに作業を始める決意と喜びが感じられようです。」(ウクレレ)
父は背で旅立ち送る春の朝 霜月 「花が咲き乱れ、希望に溢れる季節ですが、その中にも新しい世界に向かう旅立ちもあります。嬉しさや誇らしい気持ちの中にも一抹の寂さを感じながらも精一杯旅立ちを祝福している父親の姿が目に浮かびます。」(ウクレレ)       
「就職か、はたまた海外留学か。春は躍進の時ですが、同時に別れ時でもあるのですね。」(門名無)
乳離れの嬰児(やや)にほぐせし桜鯛 霜月 「明るく華やいだ光景が目に浮かびます。桜鯛の季語が生き生きと輝いていて、春らしさが溢れ出るような佳句です。」(暖流)
海原を行くあてのあり鳥帰る 夕花 「気力体力もさることながら 渡り鳥をうらやましくも思ったりします(^_^)」(あきこ)
とびこえてまたとびこえて春の泥 あきこ 「重ねた言葉が面白みを加えてその姿が見えるようです。今は泥濘が余り無いのですが、やはり季節を感じて良いですね。」(晶子)
開け放し春の光に掃きだしぬ 「春の陽気に、あけ放された障子から間から何が掃きだされるのか永い冬の寒さが、春の暖かさと入れ替わるのでしょうか静かな時の流れを感じます。 感動の句です。」(まさき)
「春の晴れた朝の何気ない日常を見事に切り取ってすぐれた句に仕上がっていると思います。」(夕花 )
木の芽風忍者の里を駈け抜けし 春雪 「甲賀、伊賀は私の商いの道でした。新緑の頃は本当に素晴らしいところです。」(小自良)
雉の声するどいなかに想いあり 唯人 「そのとうり! 最近は聞いたことがありません。」(小自良)
黒塀の彼方が薫る春の宵 しおみ 「艶めいた風が吹くと、鼻を膨らまして、出奔したくなります。」(緑茶)
十年前母と見上げたさくら咲く 和泉 「『年年歳歳花相似 歳歳年年人不同』唐詩そのものですな」(おさむ)
「ぽっかりあいた庭の空間。2本の桜があったのです。重機出入りのため、伐ったのでした。」(しおみ)
花守りの藪に入り込む箒かな まさき 「よく見ていらっしゃる。花の句は満開の花や散る花びらに目が行きますが、この句、視点が優れていると思います。」(夕花 )
丸薬をこぼしたままや春の縁 もも 「散薬 狙い外れて、着衣にそして、絨毯に。おーい!掃除機;自分で取ってこい。」(しおみ)
「詠んだとたんに風景が浮かび、それは、眩しくセピア色でとても懐かしいものでした。」(緑茶)
ざぜん草北の近江は春の雪 もも 「北近江をよくしりませんが如何にもざぜん草が、しっくりと合っていて趣があります。」(晶子)
竹とんぼパパの手作り春休み ちあき 「昔懐かしい竹とんぼで遊ぶ親子がほほえましい。若いパパなら、なお 一層ピッタリ。」(門名無)