平成19年1月 選句結果

                     
得点 兼題 「初」 作者 戴いた人
4 東京の言葉に慣れし初電話 春雪 夕花 零風 霜月 和泉 門名無
4 欲もなく頭を下げて初詣 まさき ちあき 晶子 ゆき 瓢六
3 はつ恋の記憶もすこし毛糸玉 あきこ しおみ だいご 緑茶
2 朝明けの吾も世に在る初湯かな ゆき 小自良 朱夏
2 初勝負パパ参謀で孫の勝ち 朱夏 春雪 桜桃
2 初夢や二泊三日の夫婦旅 桜桃 門名無
2 初詣で願ひも僅か五円玉 だいご まさき 福助
2 百万の吾もひとりや初戎 霜月 桜貝 静歩
1 占いをすこし信じる初詣 もも ウクレレ
1 霜柱踏んで撞く鐘初もうで しおみ もも
1 初囃子ひょっとこ面の下の酔ひ 晶子 あきこ
1 古部屋に掛け替え終わる初暦 零風 CGE
得点 雑詠 作者 戴いた人
6 片手だけ母のぬくもり達磨市 まさき もも 晶子 ウクレレ 静歩 桜桃
5 彼の人も杖ひく齢賀状書く ゆき あきこ 夕花 零風 CGE 静歩
3 生きてまた七草粥を啜りけり 桜貝 ゆき 福助 CGE
3 一月やどこか腑抜けし炊事の手 霜月 だいご 瓢六
3 上履きに妻の体温冬の朝 だいご 桜貝 緑茶 福助
3 大声もこだまとならぬ眠る山 静歩 だいご 和泉 門名無
3 年飾り終へてわが身の軽さかな 晶子 朱夏 小自良 和泉
3 冬の雨夜の長さのままに降る 夕花 しおみ まさき 桜桃
2 寒風に凧も鳶も同じ空 緑茶 もも 朱夏
2 黒セーター脱げば気弱になりそうで 夕花 小自良 霜月
2 玄関で受けしコートの2℃の冷え 夕花 瓢六
2 ふる里のゆげあたたかく雑煮かな ちあき 桜貝 門名無
2 向き合って妻の愚痴きく寝正月 福助 ゆき まさき
2 六十の家風を継ぎて三ヶ日 まさき ちあき 春雪
1 凍て星や火の番小屋の火の温さ 静歩 あきこ
1 木枯しにどんどやぐらが建ちあがる 門名無 春雪
1 雲掃いて冨士を見下ろす奴凧 桜桃 緑茶
1 煤払い菩薩も少し目尻下げ 春雪 ウクレレ
1 尋ね来よ里山淋し冬木立 桜貝 晶子
1 茶を酒に替へる口実松の内 だいご 零風
1 床で聴く鴉の声の御慶かな 春雪 霜月
1 冬の朝紅茶に浸すパンの耳 晶子 しおみ
1 振り袖の裾ひる返す祝い風 桜桃 ちあき
1 山之辺の名残の色に冬の雨 だいご 春雪
私の選んだ一句
東京の言葉に慣れし初電話 春雪 「新春らしい様々な「初」がありましたが、その中でこの句の「初」に止まりました。転勤か、引っ越しかで遠い東京に行って、心配しているそれを察しての新年の電話。声を聞いて安心しているのは親御さん、様々な想いが交錯している状況を「言葉に慣れ」のたったこれだけの措辞で見事に言い表して秀逸です。」(夕花)
「京都の人から言わせると東京の言葉はけんかを売っているようだとか。威勢が良いと言っていただきたいんですけどねぇ・・・初(最初の変換です) これも季語ですね。初メールとかも。初567 これはちょっと無理があるかもね。」(和泉)
欲もなく頭を下げて初詣 まさき 「このような境地にゆくゆくはなりたいモノ!」(ちあき)
「本当に何を願うでもなく、私も手を合わせてきました。健康とほかにあるかしら?」(晶子)
「良い感じですね、皆さんはお願い事をなさるのに、今年も神様に一杯お願い事をしたわたくしです」(ゆき) 
「神を敬うと、欲を別に’頭を下げる この生き方は私も好き」(瓢六)
はつ恋の記憶もすこし毛糸玉 あきこ 「なにが恋のきっかけになるやら、拾って貰って。実は、イニシアルの入れ方なのか。女三宮と、柏木のときは猫でした。」(しおみ)
「私も初恋を歌いたいと挑戦していたのですが挫折しました。少し古びた毛糸玉がとてもしっくりと気持ちに馴染みました。」(緑茶)
朝明けの吾も世に在る初湯かな ゆき 「これ温泉なら最高!」(小自良)
初勝負パパ参謀で孫の勝ち  朱夏 「作句者も既に好々爺。」(春雪)
初詣で願ひも僅か五円玉 だいご 「神社には、5円をあげること、最近知りましたが村の鎮守様に願いごとは沢山してしまいました。欲張りです。次回からは少しにしましょう。」(まさき)
初囃子ひょっとこ面の下の酔ひ  晶子 「お神楽でしょうか、お酒の入る機会の多いおめでたい新年の楽しい句とおもいました。」(あきこ)
片手だけ母のぬくもり達磨市 まさき 「寒い時に母に手を引いてもらって歩いたことを急に思い出しました。懐かしいですね。」(晶子)
彼の人も杖ひく齢賀状書く ゆき 「賀状で一年最初の挨拶を交わすとき、相手の様々を思いながら。年月の重さを感じました」(夕花 )
生きてまた七草粥を啜りけり 桜貝 「歳を重ねますと季節の営みのなんと理に叶ってる事でしょうか、先人の知恵の深さをしみじみと感じます」(ゆき)
一月やどこか腑抜けし炊事の手 霜月 「昔は’おせち で正月だけでも主婦の手を省こうとしたんだろう ’腑抜けし炊事の手 には吹き出した・主婦でこそ」(瓢六)
上履きに妻の体温冬の朝 だいご 「冷たい朝の、陽だまりのような暖かさを実感ですね。同居人がいるのは、いいものですね。時々。」(緑茶)
大声もこだまとならぬ眠る山 静歩 「こだまは木霊とも書きますね。木の霊も眠ってしまってお返事が出来ないのね。」(和泉)
年飾り終へてわが身の軽さかな 晶子 「これ実感、年金生活者?の感慨かな。」(小自良) 
「正月飾りは気にかかるものなのでしょう。キリスト教徒はクリスマスの飾りを4週間前からにこだわるのと同じです。仕来たり通り飾り終えると一仕事終えたようにほっとすることでしょう。また松が終わってしまうのも例年のごとくでしょう。ちなみのクリスマスの飾りをしまうのは1月6日とされています。これは3人の博士が星に導かれて幼子イエスに会い黄金、もつ薬、乳香を贈って帰った日とされているからです。ただし日本ではお正月という最大イベントに取って代わられるようで 25日が過ぎるとそそくさと片付けますが。」(和泉)
冬の雨夜の長さのままに降る 夕花 「師走には4〜5日ごとにふりました。作の意図は小町あやかりだったのでしょう。」(しおみ)
黒セーター脱げば気弱になりそうで 夕花 「こんなのが好きですね。」(小自良)
玄関で受けしコートの2℃の冷え 「外から帰ってきた家族、それともお客様、玄関のドア一枚を隔てての心と身体の温度差、優しさを見事に表現された句です。」(夕花 )
「俺 外から帰った猫を抱いた時を思い出したし 塾から帰った娘とも想像する・客?主人?ま どうとでも(^○^)」(瓢六) 
向き合って妻の愚痴きく寝正月 福助 「愚痴は相手がございませんと口から出てまいりませんわ、聴いてあげてくださいませ独りの寝正月も良かりけりでした(笑)」(ゆき)
六十の家風を継ぎて三ヶ日 まさき 「それぞれの家庭の儀式があって永年つづけてこられ、何となくのんびりとは行かない三が日なのでしょう。ワタクシは若い人に任せてのんびりしているのですが、ちょっと煩わしくても懐かしんでいます」(ちあき)
雲掃いて冨士を見下ろす奴凧 桜桃 「壮大な景色に身も心も晴々します。いい年が明けたな〜とおもいました。」(緑茶)
尋ね来よ里山淋し冬木立 桜貝 「冬の人気無い侘しい空間を感じました。誰か訪れる者が無いか、栗鼠でも遊びに来ないかな。そんな静かな気持ちがいいです。」(晶子)
冬の朝紅茶に浸すパンの耳 晶子 「終わりの五文字で絶対はずせない。」(しおみ)
振り袖の裾ひる返す祝い風 桜桃 「成人式もいろいろ。彼処であれていますがやっぱり新成人はよいですね。初々しくて!」(ちあき)