平成19年2月 選句結果

                     
得点 兼題 「春浅し」 作者 戴いた人
3 喪の花の一輪紅や春浅し 晶子 しおみ 静歩 夕花
3 逝きしひと佇むひとや春浅し もも 春雪 桜貝 CGE
2 春浅しベンチに温もり忘れけり まさき 小自良 244
2 春浅しととのわずして句会あり 和泉 ちあき 瓢六
2 店先の淡いパンプス春浅し だいご まさき 霜月
1 下宿先探す親子や春浅し 霜月 晶子
1 浅春や午後のわたしは無聊猫 夕花 もも
1 庭半分土蔵の影や春浅し 静歩 緑茶
1 春浅し実のなき枝を飛びかひぬ 朱夏 だいご
1 春浅しふるさと遠く眠りたる あきこ 門名無
1 春浅し訃報メールに涙あふる ちあき あきこ
1 春浅し朝に吹きたつ千の風 244 零風
得点 雑詠 作者 戴いた人
4 二ン月や影を濃くして逝きしひと 霜月 ちあき 小自良 静歩 桜貝
3 あふためのわかれとおもふ春の雪 あきこ 晶子 だいご 桜貝
2 アポロンの足跡つづく野焼きかな まさき しおみ もも
2 おどおどと里人の引く弓神事 244 まさき 静歩
2 寒月を引き込む水母あをあをし 夕花 あきこ 244
2 友悼み手折ればはらり椿散る 桜貝 春雪 CGE
2 春の句に模様替へして「お〜いお茶」 霜月 まさき 小自良
2 美容師の指の動きや春近し 春雪 あきこ 霜月
2 われもまた大河のしづく春の星 あきこ ちあき 緑茶
1 曙の大気なごめり梅蕾む 晶子 零風
1 幼子をさしあげて行く初恵比寿 零風 晶子
1 寒椿声を残してつばさ去る 春雪 だいご
1 貨物車のカラオケ舞台春祭り 静歩 春雪
1 寒白梅これほど心細き景 夕花 瓢六
1 寒明けて最後のピース(紙片)おさまりぬ 和泉 夕花
1 散歩道五感にかんず春兆し ちあき 零風
1 山門に禅寺の文字しだれ梅 静歩 門名無
1 水仙の花に似合はぬ逞しさ だいご 緑茶
1 倒されし株の白さに冬日射す 244 夕花
1 散りて逝く葉の軽さかな二月尽 まさき 244
1 晴れ着より二の腕伸ばし針供養 零風 もも
1 冬の都会(まち)巨大な夕日落ちにけり 朱夏 しおみ
1 不穏な病抱へて2月は冷たかり 朱夏 瓢六
1 連凧や天突き破るかのぼりゆく もも 門名無
私の選んだ一句
春浅しベンチに温もり忘れけり まさき 「春浅しに一番ぴったり感じました。」(小自良)
春浅しととのわずして句会あり 和泉 「ワタクシは何時もこのようです でも参加だけでもがんばっています」(ちあき)
「(上五文字の微妙さ・兼題句の面白さね」(瓢六)
店先の淡いパンプス春浅し だいご 「そろそろお店も冬物から春の装いを飾る時期でしょうか「淡いパンプス」・・・ ルンルンとした気分になりますね。先日、私は白い運動靴を買いました。春は、もうすぐそこまできています。」(まさき)
「本格的な春はまだ先だけれど、店先には春らしい色のパンプスが並んでいて、一足先に春を謳歌しているよう。早く颯爽と街を歩きたい作者の気持ちが伝わってきますね。2月の句会にとてもふさわしいお句と思いまして戴きました。」(霜月)
下宿先探す親子や春浅し 霜月 「暖かな情が感じられました。「千の風」も良かったのですが、親子の暮らしぶりが垣間見られ心配事も淡くなります。親の心はありがたいもの。」(晶子)
庭半分土蔵の影や春浅し  静歩 「陽射しはあるのに、ひんやりとした土を足の裏に感じた頃を思いだしました。」(緑茶)
春浅し訃報メールに涙あふる ちあき 「ようやく春の兆しが見えようかという頃、今年の花も見ずに旅立たれてしまいました。惜しまれて惜しまれていった大切なお友達でした。共感の一句です。」あきこ
二ン月や影を濃くして逝きしひと  霜月 「ほんとうに深いです 狩谷さんのこと偲んでよまれたのですね」(ちあき)
「刈谷さんを偲んで」(小自良)
あふためのわかれとおもふ春の雪 あきこ 「別れは逢った時から決まっていること。けれど辛いことです。叉の世があればと悲しみを裏還して感じたいのですが・・・」(晶子)
アポロンの足跡つづく野焼きかな まさき 「砂浜に付いた足跡をたどるCMがあります。  野焼きは秋吉台かどこか。ところどころに露出の石灰岩が足跡なのかなあ。」(しおみ)
友悼み手折ればはらり椿散る 桜貝 「椿も哀悼の意を。」(春雪)
春の句に模様替へして「お〜いお茶」 霜月 「如何にも春らしい。幸せな亭主関白ぶり。」(小自良)
美容師の指の動きや春近し 春雪 「多くのことを言わず、美容師の指の動きだけを切り取って、作者に想像を委ねた、素晴らしいお句であると思います。美容院は、星の数ほど有り、同じことをしているようでも、其々に特色があります。読者は其々に、自分の美容院での景を思い浮かべ、季語の春近しで、はさみの、また美容師の体の動きも軽々と、躍動しているのだと想像を膨らませる事が出来るのではないでしょうか。」(霜月)
われもまた大河のしづく春の星 あきこ 「セツナイ気もしますが、大宇宙のかけらでも 存在している自分!なんだか幸せな気分です」(ちあき)
「日々の雑事にうんざりしても、そうだ!私も宇宙のひとしずくと思うとすがすがしい気持ちになり、優しい心も持てるようなー気分です。」(緑茶)
幼子をさしあげて行く初恵比寿 零風 「大阪の初恵比寿は賑やかで派手なものと聞いております。子供は肩車でもしなければ危ないのでしょう。熱気のあふれた賑やかさを察することが出来ました。」(晶子) 
貨物車のカラオケ舞台春祭り 静歩 「操作場か? それとも廃車?」(春雪)
水仙の花に似合はぬ逞しさ だいご 「誰が手入れをしている訳でもないのに、季節がくると芽をだし、花開く水仙を何気なく愛でてましたが、逞しかったのですね。はっきりしました。」(緑茶)
冬の都会(まち)巨大な夕日落ちにけり 朱夏 「都会で大きな太陽が落ちるのは、ビルの谷間に、線路が延びているところなどです。来月にはもう右のビルの陰で同じ景色は見られません。」しおみ