平成19年3月 選句結果

                     
得点 兼題 「目刺」 作者 戴いた人
5 連なりて波の青さの目刺かな 桜貝 門名無 暖流 緑茶 まさき 霜月
4 はらわたのはぜて目刺の焼きあがる 霜月 あきこ ちあき 244 和泉
2 妻の愚痴食卓にあり目刺焼く まさき 静歩 小自良
2 焼き過ぎに入れ歯悲しき目刺しかな 瓢六 ウクレレ しおみ
1 恙なき暮らしいつまで目刺し焼く あきこ ゆき
1 電気瓦斯ならぬ七輪目刺かな だいご おさむ
1 縄のれんくぐればそこに目刺おり 門名無 零風
1 浜暮るるまだ干されゐる目刺かな 夕花 だいご
1 日の恵み風の恵みや目刺干す 暖流 春雪
1 ほほざしに独りの命継ぎ足せり ゆき 桜貝
得点 雑詠 作者 戴いた人
6 春雷や尖って生きていいですか 夕花 あきこ ゆき 緑茶 だいご 244
和泉
4 思い出と共に船出の雛流し 瓢六 静歩 零風 春雪 桜貝
3 生涯の杖は一杖遍路みち あきこ 瓢六 静歩 まさき
3 ポケットにしまふ旅路の桜貝 春雪 暖流 零風 霜月
2 梅干をついばむ箸や寒もどる しおみ ゆき 小自良
2 かざぐるま幼き日々のよく廻り あきこ 緑茶 夕花
2 恋猫の傍若無人よ道成寺 244 しおみ 門名無
2 縄文の杉の梢に春の雲 春雪 ウクレレ 夕花
2 背の子にさあお歩きと春の草 霜月 しおみ 桜貝
2 坪庭のものの芽神のよりどころ 晶子 244 和泉
2 鳥雲に入る雲よりもなほ白く 桜貝 門名無 暖流
2 雪解けの水滔々と岩を噛む ゆき ちあき 霜月
2 酔ふほどに哀しみとなる春愁 暖流 あきこ 春雪
1 暖かく手ごたえのない冬がゆく 緑茶 おさむ
1 菜の花の充ちて幸撒く里住ひ ゆき ちあき
1 入学のランドセル買う爺と婆 零風 おさむ
1 春服のなびくそよ風軽々と 晶子 ウクレレ
1 雛の裳を十重に彩る古代裂 暖流 だいご
1 二人の目線辿りて行けば春の海 まさき
私の選んだ一句
連なりて波の青さの目刺かな 桜貝 「この句に接して、一つの句を思い出しました。
木枯らしや目刺にのこる海の色   芥川龍之介  
芥川龍之介の俳句は冬の句ですので、海の色はおそらく群青色。一方、掲句は春の句の波の色ですから、明るい花紺青色あたりかな。  “青さ”という表現と漢字を用いたことによって、そんな風に真っ青な波の色が反射的に目に浮かび上がります。また“連なり”と“波”が相互に響き合っていて、隙のない俳句に仕立て上がっていると感じました」(暖流)
「目刺しであったり、串刺しであったり、魚は辛いな‥ 海の青の中で生きていたことが救いでしょうか。」(緑茶)
「波の青さ」の表現が素晴らしい、塩のかおりが句から漂ってくるようです。感性豊な方なんでしょうね。」(まさき))
はらわたのはぜて目刺の焼きあがる 霜月 「目刺の句が こんな風にできたらと感動していただきました。いかにも美味しそうに焼き上がりました、この方もいきいきと生活されておられることでしょうつつましやかのなかに幸せを感じました。目刺も 本望ですね。」(あきこ)
「♪なんだか ニオイまでまで漂ってきます」(ちあき)
「50年ほど前までは 目ざしは質素な食事の代名詞だったような・・・ 今は はらわたのはぜるまで焼けることが贅沢のような不思議な雰囲気があります。換気扇を回してもあの匂いは懐かしくもあり敬遠したくもあり。そしていつの間にか鰯は高嶺の花?」(和泉) 
妻の愚痴食卓にあり目刺焼く まさき 「映画に出てきそうな風景ですね」(小自良)
焼き過ぎに入れ歯悲しき目刺しかな 瓢六 「IHのグリルでは上・下からの熱で程よくやけます。旅行もしんどいしでこの投資は成功。私事で失礼。」(しおみ)
恙なき暮らしいつまで目刺し焼く  あきこ 「お互い恙ない平穏な日々の続きますように、祈るのみです」(ゆき)
電気瓦斯ならぬ七輪目刺かな だいご 「備長炭で焼くと最高の肴に」(おさむ)
春雷や尖って生きていいですか  夕花 「つぶやきが好きですわ、私もつっぱって生きてますもの、同感いたします」(ゆき)
「闇の稲妻と 落雷の音を恐れながらも、わくわくする気持ちが抑えられません。とんがって生きるのもありですよね。私など、知らないうちにもう、棘だして嫌われてますが。」(緑茶)
「尖って生きればあちこちが当たって痛いですよ。お世間様を渡るのも 尖がりが刺さってつらいですよ。でも尖がりたいのね・・・春雷に心の奥底がもち上がってきましたね。」(和泉)
生涯の杖は一杖遍路みち あきこ 「読んですーっと気持ちに入りこんだんよ 言葉も気持ちも捏ねくり回して放り出す自分にも嫌気差してんでね そこへ発想の粗末さが輪をかけるって始末・<しょうがいのつえはいちじょう > この五七(六八だけど)は名セリフだよ 遍路だから後のみちは余分かも ま強調ともとれるけど・いちゃもんつけても大好きな句だ’妻と歩く道 お互いを支え歩く道 それは遍路のように安らかで清らかでありたい’杖を妻と解いたよ・比喩によって意味が変わるから 自戒を込めてね(^○^)」(瓢六) 
ポケットにしまふ旅路の桜貝 春雪 「言葉やさしくそしてリズムに乗っていて、読み手の心も優しくしてくれるお句ですね。こんな作風に憬れます。」(霜月)
梅干をついばむ箸や寒もどる しおみ 「寒いですね、春ですのに、梅干も近頃甘みが多くて昔の梅干の味が懐かしいこの頃です」(ゆき)
「梅干しは 暖かいおかいさん(粥)にぴったし。」(小自良)
かざぐるま幼き日々のよく廻り あきこ 「かざぐるまのカラカラと回る音が聞こえて、頬杖をついて思い出に浸りました。」(緑茶)
「一読して郷愁がうかびました。」(夕花)
恋猫の傍若無人よ道成寺 244 「大蛇が猫化けに換骨奪胎はおみごと。」(しおみ)
縄文の杉の梢に春の雲 春雪 「雄大ですね。縄文杉の風格に春の雲が趣を添えて佳句だと思います.」(夕花)
背の子にさあお歩きと春の草 霜月 「少子化それどこの事?おばあちゃんが誇らしげに、オブっている姿、いいですねえ。」(しおみ)
坪庭のものの芽神のよりどころ 晶子 「我家の庭にも「ものの芽」がいっぱいです。春は万物を作られた神の存在を最も感謝したい季節ですね。」(和泉)
雪解けの水滔々と岩を噛む ゆき 「♪水とはなんとすごい力がありますね、激流の水も、また1滴のしずくも、(雨だれの水、石おもうがつ)の中学の卒業サイン帳に先生に頂いた言葉を思い出しました、」(ちあき)
暖かく手ごたえのない冬がゆく 緑茶 「今年の暖冬は異常です。地球が狂い出しましたか」(おさむ) 
菜の花の充ちて幸撒く里住ひ ゆき 「♪長閑な里住まい、時に厳しくもあるがやっぱり幸せと思えてこそ!の里住まいです」(ちあき) 
入学のランドセル買う爺と婆 零風 「待ちに待った この日 この時」(おさむ)