平成19年7月 選句結果

                     
得点 兼題 「夏蒲団」 作者 戴いた人
5 胎動にそつと掛けやる夏蒲団 夕花 ウクレレ しおみ 春雪 小自良 CGE
3 蝶の恋夏蒲団しばしざわめけり もも まさき だいご 門名無
2 居眠りにそっと掛け遣る夏蒲団 零風 いくこ おさむ
2 頼られて邪険にされる夏蒲団 だいご ちあき 零風
2 泣き止んでよく寝る孫や夏衾 静歩 244 ゆき
2 母迎ふ日は新調の麻蒲団 霜月 あきこ もも
2 老骨をミシリと鳴らし夏蒲団 暖流 夕花 霜月
1 押入れの青き千鳥や夏布団 桜貝 晶子
1 夏ふとん足で抱き寄す悪しき癖 春雪 緑茶
1 夏布団ねぞうの悪い背なに掛け いくこ 桜桃
1 亡き母の夏がけ抱いて一眠り 緑茶 櫻貝
1 臥せし母暑さ悲しき夏布団 244 静歩
得点 雑詠 作者 戴いた人
6 風紋をリレーしてゆく青田風 霜月 しおみ 春雪 まさき 緑茶 和泉
244
5 青田風鎌で二つに切られけり まさき ウクレレ ちあき 晶子 静歩 もも
5 友きたる近況つなぐ鱧の皮 だいご あきこ 晶子 櫻貝 小自良 門名無
3 一日の余白を埋めて薔薇真赤 あきこ ちあき 緑茶 ゆき
3 散りぎわも薄桃色に蓮の舞 緑茶 春雪 だいご 桜桃
3 爪きればわたしでなくなる鳳仙花 もも だいご 244 桜桃
2 裏木戸に紫蘇の裾分け妻の声 春雪 小自良 CGE
2 秩父路に浄土の花や酔妃蓮 静歩 いくこ まさき
2 鬨あげて子らプールへと跳躍す 暖流 霜月 おさむ
2 人の世を嗤ひ高見の不如帰 夕花 しおみ ゆき
2 まなざしも共に流れおり山女釣り 和泉 ウクレレ 門名無
1 奥多摩の流れにふたつの缶ビール 和泉 おさむ
1 片蔭を抜けて光へ消えし人 暖流 静歩
1 くちなしや夢のつづきの漂ひて だいご もも
1 結願の晴れやかなりし山青く 晶子 いくこ
1 すずらんの丘より眺む一つ星 春雪 零風
1 七夕の願ひの文字や雨に濡れ 桜貝 CGE
1 梅雨滂沱堅き扉の石宝殿 244 夕花
1 古民家の外ぶくれして夏暖簾 まさき 櫻貝
1 北限の風を諾ひ忘草 あきこ 夕花
1 またとないいいことずくめ水無月よ しおみ 和泉
1 見当たらぬ野球のボール草いきれ 零風 霜月
1 湯上がりの夜風を纏う涼しさや いくこ 零風
1 寄りよりて一品づつの夕涼み いくこ あきこ
私の選んだ一句
胎動にそつと掛けやる夏蒲団 夕花 「文句なしに女性の特権。機械発言は暴走でした。」(しおみ)
「夏蒲団との取り合わせが優しくて嬉しいですね。」(小自良)
居眠りにそっと掛け遣る夏蒲団 零風 「優しい心情良いですね。」(いくこ)
「そっとかけるに 親心が現れている」(おさむ)
頼られて邪険にされる夏蒲団 だいご 「最近こんな体験をしたような気がして 親しみを感じました。 かってな感想ですが」(ちあき)
泣き止んでよく寝る孫や夏衾 静歩 「絵を見ているようです、お孫さんの寝顔をいとしく眺めるやさしさが嬉しいですね」(ゆき)
老骨をミシリと鳴らし夏蒲団  暖流 「『まだまだ老いぼれとは言わせないぞ』の気骨が痛快です。」(夕花)
「俳諧味のある、楽しいお句ですね。我が身にも覚えがあります。『ミシリ』は日本語ですので、俳句では平仮名で表示なさった方が良いようですね。」(霜月)
押入れの青き千鳥や夏布団 桜貝 「この表現が美しく、また意外性があって面白いとおもいました。押入れに千鳥がいたなんて言い方はなかなかです。」(晶子)
夏ふとん足で抱き寄す悪しき癖  春雪 「あつかったり、涼しかったりの夜を過ごすのに手も足も必需品ですね。」(緑茶)
風紋をリレーしてゆく青田風 霜月 「そうなんですね、その風景が眼前に浮かびます。昔の農道では長いものが横切ることも。」(しおみ)
「私もその風を一緒に浴びているように、さわやかです。」(緑茶)
「駆け抜ける一陣の風 稲の葉の揺らぎが見えます。」(和泉)
青田風鎌で二つに切られけり まさき 「とっても!いさぎよい、気分のいい感じです」(ちあき)
「大胆に鎌で切られたと表現できたのが秀逸です。言葉の使い方を教えて頂いたように感じました。」(晶子)
友きたる近況つなぐ鱧の皮 だいご 「親しき友とひさしぶりにあって 一献かたむけながらのお互いのこの頃を語り合う〜男だったらこんな一晩を。近況つなぐ という措辞がなかなか良いと思いました、弾む会話が見えます。」(あきこ)
「きっとお酒を酌み交わしておいでなのでしょう。鱧の皮は小説の題にもあるように、言葉の味もあるものですね。」(晶子)
「こんな友が来てくれる夏、良いですね!ガラスの小皿が見えますね!」(小自良)
「冷えたビールに鱧の皮、故郷に居る友達の近況を話題に盛り上がること間違いなし!」(門名無)
一日の余白を埋めて薔薇真赤 あきこ 「薔薇はとても存在感があります。ましてや真っ赤ですもの充分でしょうね」(ちあき)
「とても、色っぽい一日だったのでしょうか?羨ましいかぎりです。」(緑茶)
「一日の疲れが薔薇の赤に癒されますね」(ゆき)
裏木戸に紫蘇の裾分け妻の声 春雪 「夏の夕方の気分かな?情景が見えます。」(小自良)
秩父路に浄土の花や酔妃蓮 静歩 「浄土とはこのような所なのでしょうか、お釈迦様とカンダダの、「蜘蛛の糸」を思い出しました。」(いくこ)
鬨あげて子らプールへと跳躍す 暖流 「プールへ飛び込む瞬間を、上手く詠まれて感心しました。子供達の元気さが伝わってきますね。『鬨あげて』と言うのが、一斉に上げる勝鬨のイメージがあるので、この場合『歓声の』くらいでも良かったのではないかと思いましたが、私の無知な考えかも知れません。」(霜月)
「少しぐらいの雨もなんのその待っていた夏プール」(おさむ)
人の世を嗤ひ高見の不如帰 夕花 「これまでの生き方はホトトギスサイドでしたが、笑われる方が気楽なようで、転換を心がけています。」(しおみ)
「不如帰も呆れるほど 不可解な出来事の多いこの頃ですね、こちらは高見見物とは行きませんが」(ゆき)
まなざしも共に流れおり山女釣り 和泉 「狙ったポイントに流れ着くか、どうか。緊張の一瞬。釣りの醍醐味が伝わってくる」(門名無)
奥多摩の流れにふたつの缶ビール  和泉 「歩いて汗をかいた後のビールの美味いこと」(おさむ)
結願の晴れやかなりし山青く 晶子 「狩谷さんの「トホ徒歩・・・」を思い出しました。」(いくこ)
北限の風を諾ひ忘草 あきこ 「『北限の風』どんな風が吹くのか想像がふくらみます。」(夕花)
またとないいいことずくめ水無月よ しおみ 「そんなにいことがあったんだ。! なに? 教えて。」(和泉)
見当たらぬ野球のボール草いきれ 零風 「誰でも経験のありそうな、何気ない一こまを切り取られて、今、草いきれを思い起こしましたよ。ちょっとリズムが悪いように思うのですが、語順を入れ替えられたら良いのでは?と思いながら、鑑賞させて頂きました。」(霜月)