平成19年11月 選句結果

                     
得点 兼題 「冬支度」 作者 戴いた人
4 荒縄に巻かれ庭木の冬支度 いくこ もも CGE 唯人 春雪
4 背を押されやうやく老いの冬支度 櫻貝 ちあき 瓢六 零風 まさき
3 一年と一生二つの冬支度 瓢六 暖流 桜桃 夕花
3 山古志の鯉の池上げ冬支度 もも しおみ いくこ あきこ
2 大雪山白抱きしめて冬支度 あきこ 晶子 零風
2 冬支度独りのごみを出しにゆく 暖流 小自良 雪音
2 冬支度ステップ軽く模様替え 春雪 ウクレレ 和泉
1 いま少し生き残りたい冬仕度 零風 静歩
1 ガス止めて電気仕掛けで冬支度 しおみ おさむ
1 雑然と一間狭まる冬支度 だいご 緑茶
1 フックラと猫の毛並みも冬支度 唯人 だいご
得点 雑詠 作者 戴いた人
7 結願の日は紅さして秋遍路 暖流 もも 唯人 春雪 まさき 桜桃
静歩 和泉
5 一輪車影ゆらゆらと冬ぬくし ちあき もも 晶子 だいご 和泉 桜貝
5 さりげなく手が添えられて秋に病む もも 瓢六 小自良 雪音 暖流 零風
5 貧しさを愛がおぎなふ七五三 暖流 ちあき 雪音 いくこ 桜桃 静歩
4 ぬばたまの闇にちちろの鳴き納め 桜桃 零風 あきこ だいご 桜貝
2 秋彼岸寺に臨時の花の店 静歩 まさき 夕花
2 秋の野に一両電車見えかくれ 春雪 唯人 緑茶
2 高速の下に小さき秋祭り 瓢六 暖流 夕花
2 深秋の色に染められ野も畑も いくこ ウクレレ CGE
2 七輪が珍しがられ秋刀魚焼く いくこ おさむ 晶子
1 居眠りがしっかと抱えるアケビかな 瓢六 小自良
1 介護車を止めて癒しの秋桜 静歩 ちあき
1 銀杏を拾ふ人あり杜の朝 桜桃 CGE
1 雀二羽きそいて木守柿を喰む 櫻貝 おさむ
1 花野ゆく手押し車の轍のあと まさき あきこ
1 ひょっこりと顔出す友と冬座敷 零風 瓢六
1 文化の日鼠を見しと叫ぶ声 晶子 しおみ
1 水洟に予後の身体を労わりぬ 零風 いくこ
1 満ちあふるポインセチアの愛真っ赤 あきこ 緑茶
1 行虫のオリオン仰ぐ弱い声 だいご しおみ
1 夕焼けがとんとん肩に暖かし 緑茶 ウクレレ
1 ワイマールゲーテにまつわる銀杏散る 和泉 春雪
私の選んだ一句
背を押されやうやく老いの冬支度 櫻貝 「冬支度の決心をさせたものは なんなんでしょうねーーワタクシもなんとなく整理しなくっちゃとおもいつつ 三歩進んで二歩下がるです 潔いことですね」(ちあき)
「さすられて もんでもらって おされてやっと!甘えてんだヨ こりゃ〜(^○^)」(瓢六)
一年と一生二つの冬支度 瓢六 「ごめんなさい、二番目にあったこの句を目にして、三番目以降の句は素通りです。秀句を逃したかもしれませんが・・・・」(夕花)
山古志の鯉の池上げ冬支度 もも 「事件がこう多くては、忘れる場所でした。」(しおみ)
大雪山白抱きしめて冬支度 あきこ 「恐らく北海道の方でしょう。雪が山を彩れば人間も追われて冬の支度に気が急かれましょう。心持が分かります。」(晶子)
冬支度独りのごみを出しにゆく  暖流 「わびしさがにじみ出てますね。」(小自良)
「独りのごみに、いろいろの思いを感じました」(雪音)
冬支度ステップ軽く模様替え 春雪 「冬支度というと何となく寂しさ、寒さなどを感じてしまいがちですが、これらの前向きに立ち向かっていくような気持ちを感じます。」(ウクレレ)
「ご本人にとっての冬支度は明るいんですね。良きことあっての模様替え、ルンルンですね。」(和泉)
ガス止めて電気仕掛けで冬支度  しおみ 「ガスは中毒が怖い」(おさむ)
雑然と一間狭まる冬支度 だいご 「夏と秋と冬のもので部屋一杯の我が家を覗かれたかと思いました。」(緑茶)
結願の日は紅さして秋遍路 暖流 「秋の夕焼け、時として空を真っ赤に染めることがあります。待っていても、なかなかチャンスがありません遍路の最後に、素敵な西の空を見たのでしょうか?」(まさき)
「辞書によると「結願」とは、「日数を決めて行った法会や願立てなどの予定日数が満ちること。満願。また、その最終日。」その日が 好天に恵まれたとのことでしょうか。嬉しいことですね。」(和泉)
一輪車影ゆらゆらと冬ぬくし ちあき 「ちょっと小春と言いたい暖かさなのでしょう。ネコを押しながら車と共に暖かさも揺らいでいる、「ゆらゆら」が両方にかかるらしい、と読みました。」(晶子)
「一輪車とは農業で使うものでしょうか。収穫も終わり冬日を浴びて 藁でも運んでいるのでしょうか。」(和泉)
さりげなく手が添えられて秋に病む もも 「何処で誰が何故?みんな曖昧模糊として・’癒しもこんな風に呉れるなら俺も素直サ (^○^)」(瓢六) 
「他人の手のぬくもりが嬉しいが、病むのはつらいものです。」(小自良)
「秋の日の柔らかくて薄明るい日差し、病む身にそっと添えられた手のぬくもり、コスモスの花が揺れてそうです。」(雪音)
貧しさを愛がおぎなふ七五三 暖流 「せつないですが 親心に感激です」(ちあき) 
「こんな七五三だったら嬉しい!今でもきっとありますよね、こういう七五三」(雪音)
秋彼岸寺に臨時の花の店 静歩 「とてもリズム感良くストンと入って来た句でした。お彼岸もこういう切り口で詠まれると斬新ですね。遠方に暮らし、お彼岸とて、親のお墓参りさえしない私を親はあの世からどう思っているのでしょうか。ちょっと胸がチクッとします。」(夕花)
秋の野に一両電車見えかくれ 春雪 「童話の世界に遊んでいるようで野原と電車が目の前に広がります。楽しいですね。」(緑茶)
高速の下に小さき秋祭り 瓢六 「高速道路の高架を屋根代わりに、小さな神輿などを安置して、町内会か子ども会のささやかな秋祭りが営まれているのでしょう。ほのぼのとした、しかしどこか淋しい秋の風情を感じます。」(暖流)
「どんな時代になって、どんな暮らしになっても日本人の原点のようなものは受け継がれていくべきだし、実際に受け継がれているのですね。 都会の秋なんですね。」(夕花)
七輪が珍しがられ秋刀魚焼く いくこ 「七輪を知らない子供が居る時勢」(おさむ)
「昔の家事用具がほとんど見られなく成りました。淋しいこと。我が家でも「十能」が戸棚から出てきましたら、不思議そうに聞かれました。40を過ぎているのですよ。炭が使われなくなったのですね。それでも長火鉢を取って置いてと申します。(笑)」(晶子)
居眠りがしっかと抱えるアケビかな  瓢六 「これは電車の中の風景?最近アケビなんて見たこと無い!」(小自良)
介護車を止めて癒しの秋桜 静歩 「コスモスの群生でしょうか 思わず見とれますし、癒されたでしょう」(ちあき)
雀二羽きそいて木守柿を喰む 櫻貝 「早く食べないとカラスに取られる(スズメの独り言)」(おさむ)
ひょっこりと顔出す友と冬座敷 零風 「軒に干し柿、戸障子を開け放ち 奥に長い日差し・都会ではどうなんだろう? バリの与作さんなら裸?」(瓢六)
文化の日鼠を見しと叫ぶ声 晶子 「ほんまかいな?そうかいな?ええ〜〜。文化の日でしたから、良句です。」(しおみ)
満ちあふるポインセチアの愛真っ赤 あきこ 「どうして、あんなに真っ赤なんだろうと思ってました。愛だったのならクリスマスカラーにぴったりです。」(緑茶)
行虫のオリオン仰ぐ弱い声 だいご 「オサムシ・手塚治虫まで行ってしまった。カナ読みをいれて欲しかったです。注目しましたので、1票です。(しおみ)