平成20年4月 選句結果

                     
得点 兼題 「櫻」 作者 戴いた人
5 全山にただ一本の桜かな 和泉 唯人 まさき 暖流 桜貝 むらさき
3 悲しみのいつかは薄れ夕桜 るい CGE 瓢七 緑茶
3 踏まぬやふ歩幅気遣ふ散り桜 桜桃 ウクレレ 春雪 零風
3 本堂のいらかと競う糸桜 桜貝 いくこ 桜桃 だいご
2 老い桜誘いも恥ずかし小夜嵐 瓢七 和泉 小自良
2 櫻さくおもいで多き日となりし むらさき おさむ 霧子
2 何もかも空に放ちて桜かな だいご もも 雪音
2 夜桜やけもの道へと迷うごと もも ゆき 弓子
1 雲に乗りノンちゃん逝きし花の雨 春雪 るい
1 散り敷きてなおも薄れぬ櫻かな ゆき 晶子
1 葉桜の父の言葉に気がおもく まさき しおみ
1 北上す後の櫻を待つもよし いくこ あきこ
1 山桜誇り高きにひっそりと 霧子 ちあき
得点 雑詠 作者 戴いた人
10 ジーンズの正座もありて春野点 ゆき CGE いくこ 春雪 唯人 もも
桜桃 和泉 弓子 るい 小自良
6 病む妻の伸びし爪切る春の宵 だいご 晶子 春雪 ゆき 零風 雪音
むらさき
5 春衣ふじ色と決め逢いにゆく もも CGE ウクレレ 晶子 弓子 雪音
4 門くぐる拳も固く新入生 緑茶 おさむ 唯人 だいご 桜貝
3 還暦の未だ決めかねし花いかだ 桜桃 瓢七 るい 小自良
3 恋という風船の紐キャッチして 暖流 ちあき まさき むらさき
3 菜の花のはなはなはなが咲き溢れ まさき ウクレレ いくこ 暖流
2 いくたびもいくたびも生れ桜咲く あきこ ゆき 和泉
2 老いてまだ桜見物酒抱え 霧子 あきこ 零風
2 竹林の風ざわめきて利休の忌 桜桃 もも まさき
2 春の瀬戸さざなみ重ね夕日入る ちあき 霧子 桜貝
2 秒針の音なく回る日永かな るい 暖流 だいご
2 深爪をせし一瞬の花の冷 るい しおみ 桜桃
1 いささかの運さずかれと伊勢参り ゆき 緑茶
1 顔のしわ拾うが如く日脚伸ぶ だいご 緑茶
1 公園は隅々までの花の宴 零風 霧子
1 千の風集めて速し花筏 瓢七 おさむ
1 地下走るロマンスカーや春の風 静歩 しおみ
1 菜の花やパパが押してる乳母車  むらさき ちあき
1 汝が肩も我が肩も濡れ花の雨 暖流 瓢七
1 ミッキィーの電報送る入学式 和泉 あきこ
私の選んだ一句
全山にただ一本の桜かな 和泉 「この一本の桜の木は、杉や檜などの常緑樹の中に咲き、そこだけが明るく浮かび上っている光景が、観える様です。」(唯人)
「ひっそりとした山の中、枝いっぱいに花をつけた桜が一段と浮き出たその姿は見事なものだったでしょう。」(まさき)
「上野や吉野などの花の名所の絢爛豪華な桜ではなく、春の山の万緑の中に絵筆でサッと撫でたような淡い桜。誉められもせず、愛でもされず、ただそこに在る山桜。その凛々しさに視線を据えた作者に脱帽いたします。」(暖流)
悲しみのいつかは薄れ夕桜 るい 「午後は居眠り 食べたい物は野菜 ’こってりは句でも齧るの躊躇 逡巡。」(瓢七)
「満開の桜にどんなに日々心洗われたことか、桜眺めてムチウチになりそうでした。」(緑茶)
本堂のいらかと競う糸桜 桜貝 「京都らしい風景ですね」(いくこ)
「奇麗に伸びたいらかと垂れ桜。長く伸びた縦線が目に浮かびました。」(桜桃)
老い桜誘いも恥ずかし小夜嵐 瓢七 「いくつになっても 華やいでいたいものです。」(和泉)
「何となく色っぽい句ですね。タダの擬人だけでしょうか?」(小自良)
櫻さくおもいで多き日となりし  むらさき 「人 それぞれに桜には年と共に思い出が いっぱい」(おさむ)
夜桜やけもの道へと迷うごと もも 「夜さくらの本性は何の化身でしょうか妖しくも美しい」(ゆき) 
「夜桜にけもの道、そこへ迷うも、つき過ぎているけれど、 その妖しさに惑わされるのが人の常」(弓子)
雲に乗りノンちゃん逝きし花の雨 春雪 「石井桃子さんを偲んでいただきました。花の雨が合ってますね。」(るい)
散り敷きてなおも薄れぬ櫻かな ゆき 「まだまだ桜は散っていくのに、花の数は減った様にも見えず、圧みを残したまま咲き誇っている。花は年に一度、ゆっくり咲いて欲しいです。」(晶子)
葉桜の父の言葉に気がおもく まさき 「大人になって、なお生存の父性は、経験できなかった。子供たちに重いことばを発したことない無責任親でした。」(しおみ) 
山桜誇り高きにひっそりと 霧子 「思いがけなく桜に出会い、日本人だからこその気持ちでしょうか」(ちあき)
ジーンズの正座もありて春野点 ゆき 「若者か外国の方でしょうか微笑ましいです。」(いくこ)
「567クラブのウォーキングでも見かけられる一こまか?」(唯人)
「よく着物姿の野点を見ますが気軽にジーンズで戴くお手前も乙な物と微笑ましく思えました。567ウォーキングの一コマの様。」(桜桃)
「野点ですから飛び入りも歓迎です。春。いいですね。」(和泉)
「長い手足をもてあますようにかしこまっている別嬪さん。手もとのお薄に花びらが散りかかる」(弓子)
「好ましい風景ですね!ジーンズが若々しい。」(小自良)
病む妻の伸びし爪切る春の宵 だいご 「爪を切ってあげる、何ほどのことは無さそうでも、お互いの思いやりが、はっきり判ります。寝ている者の爪は硬いものです。優しさがじんわりと伝わります。羨ましい。」(晶子)
「お優しいのですね、ご苦労を共になさった戦友を労わるような情景で羨ましいような。」(ゆき)
春衣ふじ色と決め逢いにゆく もも 「藤の花も美しい、けれど好きな紫の着物を身にまとって、あの方はなんといって褒めてくれるかしら?そんあ期待が底に流れているような、女心が感じられます。もしかして詠み手は男性かも・・・」(晶子)
「久女の花衣を連想。ふじ色は儚げですが、なんの、ここは譲れぬ勝負どころ、と見ました」(弓子)
門くぐる拳も固く新入生 緑茶 「緊張で胸も拳もカチンカチン」(おさむ) 
「緊張している子供の様子が良くわかる、句と思います。」(唯人) 
還暦の未だ決めかねし花いかだ 桜桃 「千の風集めて速し花筏 対句じゃなく追句?みたいで面白いと思ってね 比べて味わうも一興」(瓢七) 
「この逡巡、、花いかだの危なかしさで判りますね。未だ老いず、されど老い。」(小自良)
恋という風船の紐キャッチして 暖流 「素敵ですね。すり抜けそうでもしっかりキャッチした確かな予感を感じます。(ちあき)
菜の花のはなはなはなが咲き溢れ まさき 「黄色の一面がず〜と続いてさぞ気持ちが良いでしょうね。」(いくこ) 
いくたびもいくたびも生れ桜咲く あきこ 「毎年待ちこがれる櫻、又来年美しく生れてこの世にも人にもそそぐように咲いて欲しいわ」(ゆき)
「この桜は去年も見ました。10年前にも・・・そして来年も、10年後も見たい桜です。」(和泉)
老いてまだ桜見物酒抱え 霧子 「お酒を抱えお花見をたのしんで、きっと寿命がのびましょう。咲き満ちる桜には元気をもらえる、その力がありそうです。」(あきこ)
深爪をせし一瞬の花の冷 るい 「ラヂオペンチで、足の爪をいじると やってしまいます。おしゃれのひとつで、爪切り屋さんに頼むべし。」(しおみ)
「爪を切りすぎて背中がゾクゾクとする思い。経験有り!花の冷えとは表現がお上手ですね。」(桜桃) 
いささかの運さずかれと伊勢参り ゆき 「伊勢参りとは、いきませんが、毎月1日は、運を頂に近場の神社お参りは、欠かせません。」(緑茶)
顔のしわ拾うが如く日脚伸ぶ だいご 「なんだかとても実感してしまいました。」(緑茶)
千の風集めて速し花筏  瓢七 「芭蕉を彷彿させますな」(おさむ)
地下走るロマンスカーや春の風 ゆき 「地下から地上 出たり、入ったりの地下鉄、各地に。」(しおみ)
菜の花やパパが押してる乳母車 むらさき 「いまどきのパパ〔息子〕はママにも赤ちゃんにもやさしいのですよね。まあ平和でいいです」(ちあき)
汝が肩も我が肩も濡れ花の雨 暖流 「’汝が肩 を婆さんの肩と想像する貧困さだが童女の面影が残ってるのは救い(^○^)惚気?」(瓢七)