平成20年7月 選句結果

                     
得点 兼題 「炎昼」 作者 戴いた人
5 犬小屋の脚だけ見せて日の盛り ゆき ウクレレ 唯人 弓子 だいご 桜桃
5 炎昼の父の思いは田へ畑へ まさき あきこ ちあき 桜貝 いくこ 雪音
3 炎昼や原爆ドーム忘れまじ あきこ おさむ 春雪 しおみ
3 炎昼や肩で汗拭くエースかな だいご 小自良 緑茶 霧子
2 炎昼や着メロ変えてみましょうよ 春雪 まさき 和泉
1 炎昼や空に散水虹を見る ちあき ウクレレ
1 炎昼に米機影なくもう来ない しおみ かれん
1 炎昼や翔んで逃げたき風見鶏 桜桃 零風
1 炎昼やノート広げて深ねむり 桜貝 ゆき
1 炎昼や汽笛たゆたう港町 雪音 暖流
1 さざ波がギラギラ光る灼くる海 霧子 アコ
1 老病の命縮める炎昼日 零風 静歩
得点 雑詠 作者 戴いた人
8 白壁を一筆描きに夕燕 だいご アコ 小自良 春雪 しおみ 緑茶
かれん 唯人 暖流
4 愛されて金魚一匹つつがなし あきこ ちあき もも 和泉 だいご
4 掬はれて家族となりし金魚かな あきこ 桜貝 弓子 暖流 桜桃
4 振り向かず夏帽あげて路地曲がる 春雪 もも まさき だいご 桜桃
3 回覧といっしょに回る水羊羹 桜貝 あきこ 緑茶 弓子
3 父の日に遺言書けと子等の言ふ 春雪 ちあき しおみ 雪音
3 膝の児と内緒のはなしシャボン玉 ゆき ウクレレ まさき 静歩
2 幼き手胡瓜むんずとまるかじり 雪音 零風 唯人
2 くろとんぼかの人ならむゆらゆらと しおみ 小自良 雪音
2 ごろごろと音に飛び込む蚊帳の中 桜桃 ゆき 春雪
2 梅雨晴れ間除草はかどり気もはれて ちあき おさむ かれん
2 水無月の雨を撫でゆく父の杖 暖流 ゆき 桜貝
2 みずすまし流されまいと弧を描き 桜貝 零風 静歩
1 朝顔の手入れなくとも伸び伸びと 桜桃 霧子
1 赤城峰の水面に揺れて青田風 まさき あきこ
1 小百合ありやさしさは同じ母の名も 和泉 ウクレレ
1 泉水も水遊びする子の世界 零風 いくこ
1 梅雨あけしパラソル歩道にひしめいて 緑茶 アコ
1 坪庭や名前負けした七変化  静歩 霧子
1 箱根山アジサイ電車あともどり 静歩 おさむ
1 独りゐのうつらうつらと藤の椅子 ゆき いくこ
1 夕虹にヴァイオリンの弓かがやかせ 暖流 和泉
私の選んだ一句
犬小屋の脚だけ見せて日の盛り ゆき 「ワンちゃんも暑いよね。頭は小屋の中に収まっても足だけはみ出てしまう小屋の小ささ。ワンちゃんが大きくなりすぎたのかな。」(桜桃)
炎昼の父の思いは田へ畑へ まさき 「老いた身には昼間の暑さはこたえますが、、自分が大切に育てている作物の成長が気になりますよね。」(ちあき)
炎昼や原爆ドーム忘れまじ あきこ 「63年前の今日 17日 ポツダム宣言が作られました。それを受託していたら 広島 長崎の悲劇は無く 国の指導者で国民の幸 不幸は決まります。 そして この句は生まれていないのに」(おさむ) 
「既体験者は、地球広しと雖も、広島、長崎の人以外には無いのですから・・・。」(春雪)
「昭和世代には、8月敗戦の記憶がつきまとう。そろそろ、呪縛から脱却できないものか。」(しおみ)
炎昼や肩で汗拭くエースかな だいご 「いよいよ高校野球真っ盛り。日本の一番暑い日です。」(小自良)
「まったく、炎天下のアスリート!ですね。」(緑茶)
「甲子園目指し練習する学生達の姿が思い浮かびます。」(霧子) 
炎昼や着メロ変えてみましょうよ  春雪 「これぞ2008年の句なり。着メロ変えてもやっぱり暑いか。」(和泉)
炎昼に米機影なくもう来ない しおみ 「思わずドキッとしました。あの音も無い夏の昼下がり もう防空壕に隠れなくていいんだと思ったこと 忘れられません。」(かれん)
炎昼やノート広げて深ねむり 桜貝 「覚えがございますわ、その眠りの心地良い事。まわりの音が音楽に聞こえましたね。」(ゆき)
白壁を一筆描きに夕燕 だいご 「見事な筆裁き!お見事です。」(小自良)
「「一筆描き」が、光っている。」(春雪)
「夕方は虫が沢山飛いでいる。土蔵の白壁に夕日が。」(しおみ)
「墨絵を見たような、すがすがしさを感じました。」(緑茶)
「まあ 絵心のある方!松園の絵を垣間見たようです。いまごろ 白壁など見たくても手近にありません。」(かれん)
愛されて金魚一匹つつがなし あきこ 「まあなんと! 平和な雰囲気なのでしょう、家庭のこどもたちもこうであったならば、〜」(ちあき)
「最初は2,3匹買ってきた金魚。今は一匹だけ残ってしまった。 家族だから愛されています。余計なことですがお連れ合いをお買いになっては。」(和泉)
掬はれて家族となりし金魚かな あきこ 「夏祭りの一コマですね。藍染めの浴衣に赤い鼻緒の下駄履いて。袂をちょっと左手で持って金魚掬い。まだ経験のない私です。」(桜桃)
振り向かず夏帽あげて路地曲がる 春雪 「お友達でしょうか? こんな情景を見たら楽しくなりますね。」(まさき)
「すれ違ったのはどんな人かな。着物姿のご婦人だったらキッと振り向いたでしょうね。」(桜桃)
回覧といっしょに回る水羊羹 桜貝 「この頃は、めっきり見かけぬ風景ですが、懐かしくほのぼのとします。」(緑茶)
父の日に遺言書けと子等の言ふ 春雪 「リアルで、世知辛い感じがしますが、思わず!!愉快になり笑っちゃいました。」(ちあき) 
「子供たちに言いたい。君たち親より長生きできるのと。」(しおみ)
くろとんぼかの人ならむゆらゆらと しおみ 「トンボの喪服が思いを一層に引き立てますね。」(小自良)
ごろごろと音に飛び込む蚊帳の中 桜桃 「青蚊帳、懐かしいですね、大きな蚊帳を部屋の四隅から吊り上げた青の空間 雷と蚊から身を守ったものです。」(ゆき)
「雷が鳴ると幼きボクを抱っこして、母は蚊帳の中に逃げ込むのです。そして「くわばら!くわばら」と呪文を唱えていたのが、昨日のように思い出されました。」(春雪)
梅雨晴れ間除草はかどり気もはれて ちあき 「湿っていて根から楽に引く事が出来る」(おさむ) 
「(?_?) エッ?エッ? 私が創ろうと思ったのにイ 植木屋さんが入るまで、裏庭に出るたびに草葎を見ないようにした毎日でした。」(かれん)
水無月の雨を撫でゆく父の杖 暖流 「「撫でゆく」見事な表現ですね。その通りでずわ、勉強になります。ありがとうございました。」(ゆき) 
朝顔の手入れなくとも伸び伸びと 桜桃 「手間要らずの花が大好きです。夏をいち早く感じます。」(霧子) 
坪庭や名前負けした七変化 静歩 「山水庭、坪庭、皆さん暑さで、原型が変化。御近所も難儀されています。池のある方は、魚の移動にうろうろ。」(霧子) 
箱根山アジサイ電車あともどり 静歩 「スイッチバックで上に上に上がって行くのですね。」(おさむ)
夕虹にヴァイオリンの弓かがやかせ 暖流 「虹の弧。ヴァイオリンの弧。重なりが見えます。」(和泉)