平成20年11月 選句結果

                     
得点 兼題 「冬支度」 作者 戴いた人
8 何処にも冬支度無き禅の寺 むらさき 雪音 かれん 晶子 小自良 だいご
弓子 桜貝 緑茶
2 家々の自慢の漬物冬用意 いくこ もも 唯人
2 狭き部屋ちゑが勝負の冬支度 だいご しおみ 静歩
2 冬支度切って貯め置く古小布 晶子 桜桃 いくこ
2 冬支度母在りし日の椅子ひとつ 雪音 瓢七 むらさき
2 松吊りの縄目新し冬支度 もも おさむ 零風
2 めぐりきていつものこの日冬用意 ちあき ゆき 和泉
2 山風に背を押されつつ冬支度 桜貝 CGE 暖流
1 北国の風音早し冬支度 あきこ 霧子
1 地下足袋や梯子操る冬支度 桜桃 まさき
1 妻に贈るハンドクリーム冬支度 暖流 あきこ
1 冬支度山から里に移動中 静歩 ちあき
1 冬支度マフラー鏡に見せもして ゆき ウクレレ
1 冬じたく深夜放送母と聴き まさき 春雪
得点 雑詠 作者 戴いた人
7 尋ね犬ビラ褪せしまま冬近し 春雪 CGE 桜桃 もも 和泉 だいご
まさき むらさき
5 頑なな父がもの問う新酒かな ゆき おさむ もも 小自良 いくこ 暖流
5 コーヒーの香りの揺らぐ冬の朝 まさき 霧子 雪音 あきこ ちあき 桜貝
4 悪態も行き着く先は白い菊 しおみ ちあき 和泉 唯人 緑茶
4 葉牡丹や女ばかりのティタイム あきこ 瓢七 雪音 いくこ 弓子
3 銀輪の一団山茶花躍らせる もも 霧子 弓子 まさき
3 溜息も白く染まりて落ち葉掃く 桜桃 瓢七 春雪 静歩
3 干し柿の種ふきとばす狭き庭 零風 かれん 桜桃 緑茶
2 花梨の実天上からの落し物 まさき 晶子 むらさき
2 北窓を塞ぐ海光断ち切つて 暖流 かれん 桜貝
2 黄葉をくぐりくぐりて杣の家 むらさき だいご 春雪
2 霜の朝いつもの人も早足で 櫻貝 CGE ゆき
2 妻の香のあたたかきかな今朝の冬 だいご ウクレレ 静歩
2 母にまた出逢へさうなる小春空 あきこ ゆき 暖流
1 秋ついり灯もともさずに喪の家は ゆき あきこ
1 産声を包むまなざし暖かく 緑茶 しおみ
1 さざれ石黄菊の似合う御用邸 静歩 零風
1 ざんぶりとススキの海原銀の波  雪音 ウクレレ
1 ドコドンドン園児の和太鼓小春空 もも 晶子
1 流行り風邪臥せ寝の窓の流れ雲 いくこ 零風
1 晩秋の賞味期限をにらみけり だいご 小自良
1 富士真近戦車学校すすき原 静歩 しおみ
1 夜明けには猫出勤すそぞろ寒 晶子 唯人
1 老人は散歩を避けて日向ぼこ 零風 おさむ
私の選んだ一句
何処にも冬支度無き禅の寺 むらさき 「嵐山の天龍寺を思い浮かべました。ちらちら小雪の舞う中早朝の禅寺は清冽で鎮まりかえっておりました。」(かれん)
「禅寺は特に冬を迎える支度は無いものなのでしょか。泰然として寒さ暑さは俗人の意識するものなのでしょうか。」(晶子)
「今も足袋無しでしょうか?」(小自良 )
「いずこにも、音も動きも色さえ見えない。中空に浮かぶ無我の境地か」(弓子)
「季節を超越した禅寺の佇まいが、冬の訪れにも毅然としているようです。」(緑茶))
狭き部屋ちゑが勝負の冬支度 だいご 「便利と快感追求でどこまで増えるか着物や道具。」(しおみ)
冬支度切って貯め置く古小布 晶子 「コタツに入って針仕事。古布で何が出来るのかな〜。キッと素敵な作品が出来る事でしょう。」(桜桃)
「外仕事も無くなってお炬燵に入りながらパッチワークでもするのでしょうか?私は、お手玉を作ろうと小布を切って貯めてました。」(いくこ)
冬支度母在りし日の椅子ひとつ 雪音 「『背を見せて育てた子らが冬支度』この頃、人様の句を読んで連想するんだけど自分じゃ発想しない・ 悲惨だよ(^○^)だから、その元詩には 最大の賛辞を」(瓢七)
松吊りの縄目新し冬支度   もも 「年中行事の「兼六園」の松吊りのニユースを見ると 冬近しの感あり」(おさむ) 
めぐりきていつものこの日冬用意 ちあき 「毎年同じ事をしながら過ぎてゆきます今年もまた同じ手順で冬用意ですね」(ゆき)
「ストーブなど出してきて気が付けば去年もこの日だったなぁ大根干しや 柚子の取り入れも。」(和泉)
山風に背を押されつつ冬支度 桜貝 「戸外で冬支度の作業をしているその背に、山風が吹き付けて、まるで作業を急かされているように感じられたのでしょう。『山風』の一語で、情景が鮮明に浮かんできます。」(暖流)
妻に贈るハンドクリーム冬支度 暖流 「TVの気象予報士さんが毎日のように『今の内に冬仕度を』と言っています。冬服は出したし、冬タイヤに取り替えたし、あれこれ、後は?こんな冬仕度もあったのですね、暖まる一句。」(あきこ)
冬支度山から里に移動中 静歩 「冬に向かう時期なのに、軽やかで楽しい雰囲気がして嬉しくなりました。」(ちあき) 
尋ね犬ビラ褪せしまま冬近し 春雪 「色褪せる前に迷子のワンちゃん見つかって欲しかった・・・」(桜桃)
「ワンちゃんはもうどこかのお宅で飼われていると思ってください。」(和泉)
頑なな父がもの問う新酒かな ゆき 「酒に目の無い 父でした」(おさむ) 
「頑なも新酒には もろくほだされるか。」(小自良)
「お酒がお腹を暖めて、口がゆるむのでしょうね微笑ましいです。」(いくこ)
「頑固一徹で、人に教えを乞うことなどしない父親なのでしょう。そんな父親が新酒の芳醇さに、思わず銘柄や産地のことなどを尋ねた。そこから話の接ぎ穂が育って近況などを語り合う。しみじみとした光景です。」(暖流)
コーヒーの香りの揺らぐ冬の朝 まさき 「年中朝は、コーヒータイムが有りますが、冬のコーヒーの暖かいゆったりした、雰囲気、香りまでPCの中に入りそう。」(霧子)
「肌さす寒さの残る朝、目覚めたらコーヒーの香りが・・・・・いいですねえ」(雪 音)
「香りの揺らぐ、がゆったりとしていいと思いました。 寒いけれど、冬も楽しんで過ごしたいです。」(あきこ)
「コーヒーの大好きなワタクシはこのようなゆっくりした朝を、過ごしたいと思いながらたいした1日のスタートでもないのにバタバタと過ごしています。」(ちあき)
悪態も行き着く先は白い菊 しおみ 「どんな悪たれさんも、やがて老いて誰もが向かう先なのですね・・・・ 自分にはまだ遠い先と、なんとなく思っているワタクシです。」(ちあき)
「我儘な夫と頑固な妻がよく下らないことで口論します。いい歳してと思います。反省。」(緑茶)
葉牡丹や女ばかりのティタイム あきこ 「男性 女性? 詠み人は?必ずしも、花が結実するとは言えないが、観葉植物は派手であるほど虚しさを、ときどき(^○^)(偏見も人格)  567のある女性を想像して、"書こうか!・ 7年過ぎても 許容範囲が判らない。」(瓢七)
「ふふふふ、何を話してるんでしょう?」(雪音)
「楽しそうですね、葉牡丹が効いてる様に思いました。」(いくこ) 
「したたかで、しなやかな女の性が、とうがたつまでの鮮やかな葉色に映えて」(弓子)
銀輪の一団山茶花躍らせる もも 「若さと躍動感を感じます。」(霧子) 
「さざめきあり、華やかな色どりあり、一瞬の躍動あり・・・禅の寺とは好一対の佳句」(弓子)
「先日、サイクリングのイベントがあり初参加。小雨の降る中でしたので、花びらの躍らせる風景はありませんでしたが、友と楽しいひと時でした。」(まさき)
溜息も白く染まりて落ち葉掃く 桜桃 「 『吐く息も白く染まりて落ち葉掃く』 と平凡に来ない(^○^)都会の主婦が、!<落ち葉の無い街路樹を>と 叫びを汲んだのか?・シニアの皮肉も味がある」(瓢七) 
干し柿の種ふきとばす狭き庭 零風 「のんびりと秋の味覚を味わっているちょっとお行儀の悪いお方、お庭は柿の木だらけじゃありません (^ー^* )フフ♪」(かれん)
「子供の頃、毎年母が干し柿を吊るしてました。すこし柔らかくなると揉んで早く早くと思ったものです。種も飛ばしてました。懐かしい。」(緑茶)  
花梨の実天上からの落し物 まさき 「馨しい花梨は地上のものとは思えない。天のとりこぼしか、かと思いたくなる、そんな心でしょうか。柿の中一つ入れてくださったこともありました。」(晶子)
北窓を塞ぐ海光断ち切つて 暖流 「断固とした姿勢が好きです。海に近いお住まいの冬の厳しさが伝わります。 教えていただきたいのですが 『塞ぐ』は『北窓』に掛るのでしょうか?『海光』に掛ってくるのでしょうか?」(かれん)
霜の朝いつもの人も早足で 櫻貝 「吐く息も白く感じます、早足が効いてます。」(ゆき)
母にまた出逢へさうなる小春空 あきこ 「優しい思い出は小春空に現れてますわ」(ゆき)
「あまりにも美しい小春日の空を見ていると、まるで夢の中にいるようで、ふと母がやさしい笑顔で帰ってくるような気がして、胸が痛くなる。とても情感のこもった、切なく美しい俳句です。」(暖流) 
秋ついり灯もともさずに喪の家は ゆき 「秋の雨も侘びしく 寂しい句ですが、このようだなあと喪の家の有様よく伝わってきます。」(あきこ)
産声を包むまなざし暖かく 緑茶 「産声が読めなくても、わかればいいよ、学力テスト。」(しおみ)
ドコドンドン園児の和太鼓小春空 もも 「近頃は和物がもてはやされるようになりました。結構なことと思っています。可愛いですね。」(晶子)
晩秋の賞味期限をにらみけり だいご 「今の時代のあやふやを読み取るように」(小自良)
富士真近戦車学校すすき原 静歩 「曽我兄弟、邪教、自殺、しょせん俺は月見草のぼやきなどなど。」(しおみ)
老人は散歩を避けて日向ぼこ 零風 「歩く事が 痴呆予防になるのだが 寒さには 勝てません」(おさむ)