平成20年12月 選句結果

                     
得点 兼題 「大根」 作者 戴いた人
6 諍いも煮込んで大根味深し 雪音 あきこ ちあき ゆき もも 静歩
緑茶
4 大根煮て大根のいのち透きとほる あきこ 晶子 しおみ まさき 桜桃
3 あの甥が髪薄くなる大根汁 晶子 小自良 雪音 暖流
3 大鍋も拝まれてをり大根焚 櫻貝 弓子 ウクレレ だいご
3 棄てがたき大根の葉と古手紙 暖流 かれん 零風 春雪
2 大根を両手に持たせ妻を撮る 零風 おさむ いくこ
2 不揃いなラインダンスや干大根 春雪 霧子 櫻貝
1 茅葺きの軒に大根吊し終え 桜桃 CGE 暖流
1 不機嫌を鍋に押しこめ大根汁 まさき 和泉
1 無造作にくくり売らるる冬大根 ゆき むらさき
得点 雑詠 作者 戴いた人
9 山小屋の男所帯や冬銀河 春雪 晶子 もも まさき 弓子 櫻貝
雪音 だいご 桜桃 暖流
4 ふと母に会いたくなりて蜜柑買ふ ゆき あきこ おさむ もも CGE
3 湖水吹く風のなすまま帆掛け舟 緑茶 晶子 むらさき まさき
3 閉じ込めし優しき嫁のむかごめし 櫻貝 零風 和泉 緑茶
3 藁塚のよけるすべ無き時雨かな 晶子 霧子 小自良 暖流
2 赤唄う緑惜しみて黄もうたう 緑茶 ウクレレ 雪音
2 顔見世や玉三郎の艶やかさ もも いくこ 零風
2 枯蓮のくの字に並ぶ里の池 櫻貝 しおみ 弓子
2 錦秋の保津川下る櫂の音 春雪 いくこ 桜桃
2 着膨れて母逝き夜のなお寒く 櫻桃 ちあき だいご
2 好物を知りたる友の歳暮受く 零風 ちあき CGE
2 誰も居ぬ屋上遊園日短か 暖流 ゆき 静歩
2 母の手のぬくもりいまも雪の夜 あきこ かれん 春雪
2 盲導犬主(あるじ)の脇の日向ぼこ まさき ゆき むらさき
2 湯豆腐や喪中の知らせ今日もまた 和泉 小自良 櫻貝
1 顔見世や隣の顔のエトランゼく だいご 春雪
1 白障子あたらしき紙ふるき紙 まさき ウクレレ
1 障子まで朝日の届く優しさよ  晶子 和泉
1 住所録ルーぺでさぐる年用意 ゆき 静歩
1 澄む空に干し柿ひとつ残りけり ちあき おさむ
1 禅寺の時雨に澄ます心耳かな だいご 桜桃
1 注射する看護師大きなマスクして 静歩 しおみ
1 流れ雲山腹めぐり影紅葉  しおみ 霧子
1 ぷいと出てゆるり流れる川眺め 雪音 緑茶
1 窓に見るオリオン星座とつるし柿 むらさき あきこ
1 落葉の後凛と立つ1本樹 ちあき かれん
私の選んだ一句
諍いも煮込んで大根味深し 雪音 「大根はなかなか愛すべき野菜なんですね。句にすると愛嬌がありとても楽しかった。 味は付けようの大根がみんなな美味しそうな句ばかりでした。この句はまきこまれた諍いが大根 ぐっと 美味しくしたんですね、甘みも苦みも増したわね (^。^) それにしても なにが原因、、かなかな きっと ごちそうさまでした(^。^)」(あきこ)
「年の瀬に生活の中で起こるさまざまな出来事を、煮具合をみながら 大根煮は総決算してくれそうですね。(ちあき) 
「ユーモアも有り私も煮込んでますわ(笑)」(ゆき)
「料理は得意でなく、家族の不評を素直に聞けず憤慨ばかりですが、鍋の中でことこと湯気がたち、出汁の香りがすると豊かな気持ちになります。」(緑茶)
大根煮て大根のいのち透きとほる あきこ 「とても素直な描写が気に入りました。上手な言い回しですね。」(晶子)
「大根が重複できる面白さ。」(しおみ)
「我が家は、毎日のように食卓におでんが出ていますが、まさに、『いのち透きほる』とは的を得ていると感心しました。煮込むほど味がしみこみ、大根の美味しさが出てきますね。」(まさき)
あの甥が髪薄くなる大根汁 晶子 「湯気のむこうの薄い頭 何となくこの感慨が大根汁とよく似合います。」(小自良)
「なんだか身につまされる俳句で、大いに共感しました。薄くなった甥の髪を見て、光陰の速さを思い、ご自分の年齢をも、しみじみと顧みられたことでしょう。滑稽でありながら情感の深さを感じました。季語の斡旋も見事です。」(暖流)
棄てがたき大根の葉と古手紙 暖流 「なんだか自分が作ったような気がします。本当にそう 捨てられません。」(かれん)
大根を両手に持たせ妻を撮る   零風 「豊作の喜び 妻と共に味わう いや 足が四本に見える」(おさむ) 
不揃いなラインダンスや干大根 春雪 「色の白い綺麗な足。でもスマートばかりでは、この場のラインダンスからは、落とされてしまうでしょう。大根足が一番」(霧子)
山小屋の男所帯や冬銀河 春雪 「山小屋に何も余計なものがない、さっぱりと風雅な面影が窺われます。『冬銀河』はロマンですね。」(晶子)
「季語の『冬銀河』に籠められた雄大さと凛とした厳しさがストレートに感じられました。揺るぎない骨太な俳句です。因みに「山小屋」は晩夏の季語ですが、まったく不自然さが感じられません。」(暖流)
ふと母に会いたくなりて蜜柑買ふ ゆき 「私も母が亡くなって今年はたくさん母の句をつくりました。母は生んでくれ育てくれ、亡くなってもいつまでも、こどもへ励ましをくれている、有難い母の句 読むのもつくるのもグッドです。 蜜柑に優しいお母さんをおもわれての句でしょうか」(あきこ) 
「みかんが好物である母に暫く逢っていないな」(おさむ)
湖水吹く風のなすまま帆掛け舟 緑茶 「頼りなげな小船、本当は船頭は気侭に船をあやつっているのでしょうが。風情があります。」(晶子)
閉じ込めし優しき嫁のむかごめし 櫻貝 「嫁と姑は・・・・と決まっていますが良い嫁で良かったですね。」(和泉)
「一緒にお相伴になりたいです。」(緑茶)
藁塚のよけるすべ無き時雨かな 晶子 「詠われた、作者の心優しい、何事にも関心を持たれて居られる様に感じました」(霧子)
「今のご時世を感じます。」(小自良)
「『藁塚』は晩秋、『時雨』は初冬の季語ですが、この句は初冬の情景とみるべきでしょう。一片の感情をも交えない写生句なのに詩情が滾々と溢れだすようです。」(暖流)
赤唄う緑惜しみて黄もうたう 緑茶 「瓢七さんの絵を思い浮かべたのは、わたしだけ?・・・」(雪音)
顔見世や玉三郎の艶やかさ もも 「本当に玉三郎の鷺娘思い出しました」(いくこ)
枯蓮のくの字に並ぶ里の池 櫻貝 「昔なじみ裏の池、蓮池のなにげない冬景色。」(しおみ)
錦秋の保津川下る櫂の音 春雪 「保津川下り綺麗な景色が目に浮かびます」(いくこ)
着膨れて母逝き夜のなお寒く 櫻桃 「いくつになっても母の存在は温かい!服をいくら着ても、母の存在を埋めてくれないのですね。」(ちあき) 
好物を知りたる友の歳暮受く 零風 「好物が届くと嬉しい!です でも毎年悩み〜なやみ品選びします。」(ちあき) 
誰も居ぬ屋上遊園日短か 暖流 「遊園地の経営も厳しいそうです。少子化の所為もあり子供の外で遊ぶ姿は少なくくなりましたね。」(ゆき)
母の手のぬくもりいまも雪の夜 あきこ 「晩年の手を引かなけりゃ 足元が危なくなった母、その姿が脳裏に浮かんで思わず落涙」(かれん)
盲導犬主(あるじ)の脇の日向ぼこ まさき 「お互いの信頼関係がほのぼのと感じます」(ゆき)
湯豆腐や喪中の知らせ今日もまた 和泉 「今年も喪中が沢山来ました。」(小自良) 
障子まで朝日の届く優しさよ  晶子 「冬至が近くなって日差しが奥まで届くのですね。歳時記によると障子を通してほのかに光の入った部屋は落ち着いて気持ちが良いとあります。朝日が良い一日を思わせます。」(和泉)
澄む空に干し柿ひとつ残りけり ちあき 「こ守り柿のつもりで残すのか」(おさむ)
注射する看護師大きなマスクして 静歩 「入院中看護師さんには世話になりました。夜の当番は眠りを邪魔しない気遣い。たいてい起きていましたが。これでも一句創れたのだなあ。」(しおみ) 
流れ雲山腹めぐり影紅葉 しおみ 「同じ景色、毎日眺めますが、このように表現が出来なく、同感します。」(霧子)
ぷいと出てゆるり流れる川眺め 雪音 「歳とると丸くなるより、メッキが剥げて自己主張が強くなるのは、私達だけ?と思わなくていいのでしょうか。とても共感します。」(緑茶)
窓に見るオリオン星座とつるし柿 むらさき 「夜空のオリオンと 窓辺のつるし柿  遠近の対比がよくまた意外性があって新鮮な句でした。」(あきこ)
落葉の後凛と立つ1本樹 ちあき 「好きなんです 寒空にすくっと立つ樹 悲しみを感じてくれて」(かれん)