平成21年03月 選句結果

                     
得点 兼題 「朧」 作者 戴いた人
6 鐘朧炎の走る二月堂 零風 ウクレレ しおみ あつこ 霧子 桜桃
いくこ
4 終電車人それぞれに朧かな まさき おさむ オーク 桜貝 だいご
3 朧月かなしき夢を照らしけり 桜貝 かれん 西寿 暖流
3 何処へと朧月夜の車椅子 暖流 まさき 小自良 摩耶
2 おぼろ月今日は何処まで送らうか 晶子 あきこ ゆき
2 野良猫の肩寄せ仰ぐおぼろ月 春雪 もも 七海
2 抽斗につまる歳月朧の夜 あきこ 木屑 春雪
2 酔い少し朧な月の溶けそうな ゆき 晶子 静歩
1 朧月鐘の音ながる飛鳥寺 西寿 ちあき
1 朧月出入り激しき猫の跡 桜桃 緑茶
1 時を打つ川越宿の鐘朧 静歩 零風
1 夜釣り船見送る明かりおぼろ月 霧子 摩耶
得点 雑詠 作者 戴いた人
6 春の字に日も人も在るあたたかさ 暖流 おさむ 木屑 ウクレレ 七海 春雪
摩耶
5 繰り言のひとつひとつや蜆汁 だいご 緑茶 晶子 ゆき まさき 静歩
5 春耕の跡継がぬ子を思いおり まさき オーク あきこ 西寿 桜貝 だいご
5 独り居の湯船の窓や春の雪 春雪 木屑 しおみ 晶子 暖流 ゆき
4 あたたかや病よき日の厨ごと ゆき 緑茶 あきこ 小自良 いくこ
3 初恋のひとも還暦初桜 暖流 ウクレレ 桜貝 春雪
3 いちにちを雛の国に遊びけり あきこ まさき 暖流 あつこ
3 園児らの折り紙遊び春うらら いくこ もも 静歩 春雪
2 啓蟄や仲仙道の菰はずし 静歩 霧子 零風
2 琴の音の誘うごとし梅開く 西寿 オーク ちあき
2 里山や道から道へ梅の花 桜貝 かれん 零風
2 地図ひろげモンゴル草原悠々と 七海 おさむ しおみ
2 遠き日のわれに逢ひけり雛祭 あきこ あつこ ゆき
2 春の宵ぶらり銭湯定休日 春雪 小自良 だいご
2 雛納め細きゆびさき折れまじと いくこ あつこ 桜桃
1 いつか見た椿の蜜を吸ったころ 緑茶 かれん
1 いぬふぐり生きたあかしの写真帳 桜貝 ちあき
1 雨後の路しずかに柳青みけり  まさき 桜桃
1 観梅は歴史と巡る偕楽園 桜桃 いくこ
1 靴ひもを結び直して梅の山 桜桃 もも
1 挿し木の芽しっかり根づき時を待つ ちあき 摩耶
1 二月堂春呼ぶ炎古都を染め 零風 霧子
1 梅林の漂う香り妻消ゆる だいご 七海
私の選んだ一句
鐘朧炎の走る二月堂 零風 「おぼろ月 転じて鐘朧となった。」(しおみ)
「分かっているようで何も知らない二月堂のこと。お水取りのこと???」(桜桃)
「二月堂の炎が走る欄干目に浮かぶ様です。」(いくこ) 
終電車人それぞれに朧かな まさき 「夢か、うつつか、不況も朧になって欲しい」(おさむ)
朧月かなしき夢を照らしけり 桜貝 「月の光を浴びるのは不吉とか。でも『月光の曲』もあるし・・・・寝室のカーテンはめったに閉めないので よくベッドから月を見ます。いろんな夢を月が優しく照らしてくれています」(かれん)
「切なく美しい俳句ですね。胸が痛くなるようです。」(暖流)
何処へと朧月夜の車椅子 暖流 「ふらりと迷い出た車椅子の気持ちが快い!」(小自良)
おぼろ月今日は何処まで送らうか   晶子 「この句に参りましたね。一度は言われてみたい名場面、おぽろ月にぴったりでございます。」(あきこ)
「良い感じの作風ですね、何処まで送るのでしょうね。」(ゆき)
抽斗につまる歳月朧の夜 あきこ 「年輪を重ねた詠みての深い思いがにじみ出ていて上品な趣を感じました。」(木屑) 
酔い少し朧な月の溶けそうな ゆき 「秀句が多くて迷いました。終わりのほうにあるので何度か読み返しましたが、これに致しました。酔いがおぼろであり、月もその眼には朧に見えるのを上手く言い表して、ほんのりした様子が乱れずにいる良さを表していると思います。」(晶子)
朧月鐘の音ながる飛鳥寺 西寿 「飛鳥にあこがれます 梵鐘の音を聞きながら朧月に照らされた飛鳥寺をまぶたに思い浮かべました」(ちあき)
朧月出入り激しき猫の跡 桜桃 「ねこの鳴き声の季節がきます。正直に生きているのが少し羨ましいかも?」(緑茶)
春の字に日も人も在るあたたかさ 暖流 「なるほど、春と言う字を分解すると・・・・」(おさむ)
「おおらかな作者のご性格が醸し出す楽しいユーモラスな着想に感服しました。」(木屑)
「『春』の字、言われてみればそうですね。これも発見。下五に使われた季語の斡旋も的確です。」(春雪)
「春の字って・・・・・・!!そうなんだってハッと気がつきました。(*^-^)
辛いという字に一本足せば幸せって字になる・・・・・漢字って面白いですね〜〜」(摩耶)
繰り言のひとつひとつや蜆汁 だいご 「お椀の中で身を寄せ合っている蜆たちも、こんな目に会うとは、想定外だと語り合っているようです。」(緑茶)
「小さな蜆の姿に、繰言の細かさを微笑ましく覚えます。取り合わせのうまさでしょうか。」(晶子)
「蜆は小さくて数が多いから繰り言には最適ですね。」(ゆき)
春耕の跡継がぬ子を思いおり まさき 「走馬灯のように頭をよぎるのでしょうねぇ〜?」(オーク)
独り居の湯船の窓や春の雪 春雪 「一人旅の客愁を感じさせる一方、ロマンチックな情景描写心に残る一首ですね。」(木屑)
「どうしても独り居が気になるのは、時代でしょうか。句の心は春の雪のはず。」(しおみ)
「わが身も独り身、湯船も溢れさせること無くひっそりとしたもの。春の雪はやがて本当の春になる前知らせと、幾らかのゆとりを感じさせます。」(晶子)
「静謐なる空間と時間。じんわりと胸に沁み入ってくる俳句です。作者はどのような思いで窓に降る雪を見ているのでしょう。」(暖流)
あたたかや病よき日の厨ごと ゆき 「気持ちの良い空気が伝わって、私も手をかけた料理を作りたくなりました。」(緑茶)
「喜びが伝わります。」(小自良)
「我が身に置きかえて身に沁みる物が有ります。」(いくこ)
初恋のひとも還暦初桜 暖流 「自分ばかりが歳をとっているように思うけど、あの美しい人も。でも、美しい人はいくつになっても美しい、と季語に語らせています。」(春雪)
いちにちを雛の国に遊びけり あきこ 「お雛さまを出してきて、飾り終えるまで大変ですね。娘さんやお孫さんの成長を思いながらの飾りつけ、時のたつのも忘れ没頭する、そのような思いなんでしょうか。」(まさき)
「『雛の国』。お伽の世界のようなイメージが伝わります。簡潔で、修飾を排した詠み方に熟練の力量を感じました。」(暖流)
琴の音の誘うごとし梅開く 西寿 「琴の音と梅の情景が浮かび優雅な気分です」(ちあき)
里山や道から道へ梅の花 桜貝 「ミステリーウオークはまさにこの通りの梅林を通り抜けましたね」(かれん)
「奈良の 月ヶ瀬 に行つた時の事を思いだします。」(零風) 
地図ひろげモンゴル草原悠々と 七海 「グーグルアースに行くと、もっと臨場感が・・・・」(おさむ) 
「悠々の草原も利権の争奪の渦に巻き込まれて。」(しおみ)
遠き日のわれに逢ひけり雛祭 あきこ 「今のお雛さまは丸顔、昔はうりざね顔でしたね、懐かしいひな祭りです」(ゆき) 
春の宵ぶらり銭湯定休日 春雪 「気分よく行ったのに当て外れの滑稽さが面白い」(小自良)
雛納め細きゆびさき折れまじと  いくこ 「お雛様の白魚のような指が欠けないようにと柔らかい紙や布・綿で優しく包んで箱の中。又会う時までの一年は狭い箱暮らし。毎年これを繰り返してもう何年経ったのかな。」(桜桃)
いつか見た椿の蜜を吸ったころ 緑茶 「あの頃はおかっぱで 夢見がちな女の子だったっけ」(かれん) 
いぬふぐり生きたあかしの写真帳 桜貝 「最近は写真に写りたくないですが やはり 懐かしく写真を眺めています 瞬時にその時の情景が浮かびますよね まさしく写真自叙伝ですね」(ちあき)
雨後の路しずかに柳青みけり まさき 「雨の後の植物は勢いを増します。深呼吸を繰り返して色を増していく春。」(桜桃)
観梅は歴史と巡る偕楽園 桜桃 「水戸の偕楽園色々案内して頂く筈でした。何時か遠い未来に御願いしましょう。旅行の出来ない身が恨めしいです。」(いくこ)
挿し木の芽しっかり根づき時を待つ ちあき 「小さな木に新しい命が宿る!うまく根付いてくれたのがわかった時に挿した木から元気をもらえますね〜我が家の庭にも挿し木した沈丁花が咲いています。」(摩耶)