平成22年01月 選句結果

                     
得点 兼題 「若菜」 作者 戴いた人
6 七草菜三つ不足の粥を炊く 優美 瓢七 西寿 零風 だいご 春雪
静歩
5 七草の臆病になる塩加減 だいご もも 優美 弓子 初凪
4 肩書きが取れて若菜を妻と摘む 静歩 おさむ 暖流 可不可人 小自良
3 若菜粥おれは鳥かと云う息子 七海 霧子 ちあき ゆき
2 七草や人を笑顔にする笑顔 暖流 しおみ ししうど
2 薺打つ音のみ残し母の逝く 春雪 七海 まさき
2 若菜摘む帰らぬ娘の分までも まさき すすむ 葱坊主
1 吟行の小昼の旨し薺粥 ゆき あきこ
1 鍬先に若菜からみしかゆにせん ちあき 晶子
1 七草の厨あかるき朝かな あきこ いくこ
得点 雑詠 作者 戴いた人
5 寒星の煌めき縫うや宇宙船 しおみ 霧子 ちあき 暖流 静歩 葱坊主
5 賀状来る淡き交わり五十年 だいご おさむ あきこ 可不可人 七海 初凪
4 三が日過ぎて独りを堪能し 七海 西寿 可不可人 小自良 零風
4 注連飾るめでたき歳の母のゐて ゆき 暖流 すすむ まさき 春雪
4 鳥翔ちて裸木はまた孤に戻る 桜貝 晶子 いくこ 春雪 初凪
3 江戸富士の美男子ぶりや三が日 ししうど 晶子 ゆき 優美
3 子等の声のせて比良へと凧上がる 春雪 あきこ すすむ もも
2 あるだけの林檎と檸檬の初湯かな もも ちあき 弓子
2 乳母車並んだ双子冬日和 しおみ 狂平
2 海霧が金色ベール瀬戸の海  零風 狂平 だいご
2 雑煮餅廊下渡りて孫と来た ちあき しおみ 小自良
2 初詣変わらぬ願い神手抜き 狂平 おさむ 霧子
2 箱根路に汗の襷が春を呼ぶ 初凪 西寿 いくこ
2 マカロンは全十五色冬銀河 暖流 まさき 弓子
2 道はただ一直線に初浅間 まさき ししうど もも
2 ゆっくりと迫りて迅し初日の出 だいご 静歩 葱坊主
1 大空を独り占めして初日の出 静歩 七海
1 おませな子口先ばかり初笑ひ 春雪 しおみ
1 菜園に啄む群れや初雀 優美 だいご
1 ダンディな高英男いて雪が降る もも 優美
1 願い事なき事願い初詣 初凪 瓢七
1 ハゼだしの雑煮食む町に老いにけり 七海 ししうど
1 拍子木に犬もこたへし夜警かな 西寿 ゆき
1 冬の夜や人と光りのルミナリエ 西寿 零風
1 瞬くは父の星なり冬北斗 あきこ
私の選んだ一句
七草菜三つ不足の粥を炊く 優美 「何でもお金を出せば手に入る時代、七草とて、スーパーに陳列されていて簡単に食べられます。でも、野に出て七草を摘まれたのでしょう。三つも足りなくても家族は愛情を充分に感じて胃に優しいお粥を食べたことでしょう。ほのぼのしてきます。」(春雪)
肩書きが取れて若菜を妻と摘む 静歩 「定年退職されたのかな。二人の会話が聞こえそう。」(おさむ)
「肩書きという重しが取れて、初めて時間にも気持ちにも余裕が生まれたのでしょう。穏やかで優しい情景がとても眩しく感じます。」(暖流)
「ほのぼのとした退職後が嬉しいね!」(小自良) 
七草の臆病になる塩加減 だいご 「高齢化を見事に捉えられた句だなと感心しています。」(薫)
「臆病になる・・・この言葉が凄く気になりました。塩分を控えている人の為に塩加減で躊躇されたのでしょうか。塩加減は味見の時と少し置いたときでは感じ方が違いますね。料理人の良い塩梅の難しさでしょうか。」(優美)
「 出しはいっぱし取れても塩加減こそ難しい。緑と香りを生かすも殺すも主婦の腕。指先がふとためらう」(弓子)
若菜粥おれは鳥かと云う息子 七海 「同じ様な言葉を言われ若者には向かない時代になったのかな? コンビニでおにぎり買ってくる始末。 しきたりも、いにしえの物になりつつなのかな。七草の見分けが付かない親ですが。」(霧子) 
「親子ならこその いやみの軽口も たのしい『季節の粥』の食事風景が想像されます。(ちあき)
「楽しそうな親子の会話が嬉しく感じますね」(ゆき)
七草や人を笑顔にする笑顔  暖流 「笑顔の連鎖。平和で良いですね。世の中すべて、こうありたい。」(ししうど)
若菜摘む帰らぬ娘の分までも まさき 「仕事や勉学多忙で帰られないのでしょうか」(葱坊主)  
吟行の小昼の旨し薺粥 ゆき 「初春から一歩ふみだし吟行へ、 俳句も健康もよいスタートできそうですね。」(あきこ)
鍬先に若菜からみしかゆにせん ちあき 「穏やかな春を寿ぐ句だと思いました。」(晶子)
寒星の煌めき縫うや宇宙船 しおみ 「昔の作品でしたらない言葉 宇宙船だとおもいます。新しい感覚を感じました。」(霧子) 
「地球から見れば 星を縫って飛行しているように見えるでしょうね。まだ目視できていない、ワタクシは 国際宇宙ステーションをサイトで確認しては チャンスを狙っているのですが・・・・千載一遇の好機に恵まれません・・・が 素敵な気分にしてくれました。」(ちあき)
「野口飛行士の柔和な表情が目に浮かびました。スケールの壮大な斬新で美しい一句です。」(暖流)
「人智も宇宙までロマンが少し減りました。」(葱坊主)
賀状来る淡き交わり五十年 だいご 「賀状だけの付き合いだが お互いに健康ならこそ。」(おさむ)
「年賀状は整理を、とおもったりしますが 賀状で旧交を温めるのも良いのではないかとこの頃思います、年に一度でも 短い添え書きをつけて。」(あきこ)
三が日過ぎて独りを堪能し 七海 「連れ合いを亡くしたお正月とすれば侘びしい」(小自良)
注連飾るめでたき歳の母のゐて ゆき 「米寿でしょうか、卒寿でしょうか。お正月にふさわしい、ほのぼのとした目出度い俳句ですね。」(暖流)
江戸富士の美男子ぶりや三が日 ししうど 「富士山が江戸から見えなくなって50年でしょうか。見えた富士は美男ですとも。」(晶子) 
「今年の三が日は本当によか男ぶりの富士山でしたわ、ロングドレスの艶姿の富士山も優雅そのものでした」(ゆき)
「関東の三が日はとても良い天気で富士山が遠くからも望めました。富士は美男子・・・デンと構えた立ち姿に魅了されたのでしょうね。私も大好きで惚れ込んでいる富士山です。」(優美)
子等の声のせて比良へと凧上がる 春雪 「続いていってほしい新春の風景です。」(あきこ)
鳥翔ちて裸木はまた孤に戻る 桜貝 「孤独は何時のこと。当然ながら鳥さえ行ってしまった独りは静か過ぎます。仕方なしなんですが。」(晶子)
あるだけの林檎と檸檬の初湯かな もも 「なんと 贅沢でしゃれてますね。心身が暖まりますね 湯気の香りがうーーーん いいですね」(ちあき)
「湯に浮かべるなら柚子か菖蒲。林檎と檸檬の思いつき がフレッシュで、新春にぴったり」 (弓子)
乳母車並んだ双子冬日和 しおみ 「瓜ふたつの愛くるしい顔が、ほんわかと浮び微笑ましい。」(薫)
雑煮餅廊下渡りて孫と来た ちあき 「孫も来て、賑やかになったお正月嬉しいね!」(小自良)
初詣変わらぬ願い神手抜き 狂平 「神様は手抜きしません。お賽銭を手抜きしましたな。」(おさむ)
「神も私も、手抜きは同じ、ゼスチャーだけです。」(霧子)
マカロンは全十五色冬銀河 暖流 「まず、新鮮な感じを受けました。私には出てこない作風です。マカロンなる物を知りませんでした。お菓子なんですね。『全15色』、クレヨンをイメージさせる言葉で、カラフルな色合いを想像しました。」(まさき)
「マカロン〜カテリーナ・デ・メディチ〜占星術〜冬銀河・・・ 考え過ぎ、かな」 (弓子)
道はただ一直線に初浅間 まさき 「この句の、きりりとした感じ、が好きです。一途に、まっすぐに・・正月にふさわしい。」(ししうど)
ゆっくりと迫りて迅し初日の出 だいご 「初日の出の感激もとっくに忘れていました。」(葱坊主)
ダンディな高英男いて雪が降る  もも 「中学校の講堂で始めてシャンソンを聴いたときは外人さん?と。『雪が降る街を・・・』これは山形で雪降る景色を見て作曲されたとか。今も雪が降ると口ずさみホッペが真っ赤だった三つ編みのあの当時を思い出します。」(優美)
願い事なき事願い初詣 初凪 「無事息災ネ 人にも神にも 願い事頼み事をせず ♪頼み事せずに賽銭三人分 と 除夜の鐘突く時 ・出来てれば (^_-)-☆」(瓢七)
ハゼだしの雑煮食む町に老いにけり 七海 「ハゼだし、とは粋ですね。宮城の人の句かな? 老いたりとも、年初の雑煮に手抜きはなし。」(ししうど)
拍子木に犬もこたへし夜警かな 西寿 「犬も手もち無沙汰していて、夜警の方に応援のサインかも、ユーモラスで好き!」(ゆき)
瞬くは父の星なり冬北斗 あきこ 「すごく共鳴しました。雄大な冬の星座、寒さも忘れ見入っておられる様子が浮びます。年中みられる北斗をお父様の星に指定されて・・・ 」(薫)