平成22年02月 選句結果

                     
得点 兼題 「春」 作者 戴いた人
4 春灯を消さば忽ち孤独なり だいご 霧子 和泉 あつこ
4 瀬戸の海島を眠らせ春霞 弾正 すすむ もも ちあき 初凪
3 クレープにたつぷりはさむ春の風 暖流 春雪 晶子 あきこ
3 庭下駄や素足迎へる春の朝 初凪 ウクレレ 狂平 小自良
3 春待つやさくら色したランドセル 七海 もも 可不可人 西寿
3 春よ来い僕の人生アンダンテ 春雪 七海 櫻貝 優美
2 四国路やともに白髪の春を行く ししうど いくこ 静歩
2 春光の讃岐うどんを太うする 晶子 ゆき 暖流
1 飼い猫にひと言み言春となり ゆき まさき
1 春立つや通園の子のよき笑顔 西寿 だいご
1 春立つ日退院をする媼かな 零風 おさむ
1 春寒し友を連れ去る救急車 櫻貝 零風
1 パープルの靴紐むすび春の雲 まさき ししうど
1 陽光に輝く金糸春の海 霧子 摩耶
得点 雑詠 作者 戴いた人
6 奥山のしじまに耐へし節分草 櫻貝 霧子 西寿 いくこ 初凪
あつこ
5 雪の朝灯油置き場へ道つくり 静歩 おさむ 春雪 零風 摩耶
4 煩悩は不滅にありて追儺かな だいご 霧子 いくこ 摩耶 櫻貝
3 工事場に残りし梯子冴ゆる月 西寿 しおみ ゆき 七海
3 煮かぶらのとろりくずれし夕餉かな 七海 小自良 初凪 あきこ
3 畑縫いマラソン来るや春浅し ちあき ウクレレ 春雪 暖流
3 藁ぼっち座禅の如き寒牡丹 優美 もも 零風 しおみ
2 遺伝子という宇宙あり冬銀河 七海 可不可人 まさき
2 梅の雪ゆるびて落つる土黒く 晶子 すすむ 小自良
2 帰り道夕暮れ伸ばし春風も  霧子 おさむ 狂平
2 寒梅の一輪咲きて空青し 西寿 すすむ 狂平
2 三寒やナンプレに埋もれ四温待つ 初凪 ちあき 和泉
2 点しおく胸の一灯冬ごもり あきこ だいご あつこ
2 俄か雪リアスの湾に白い幕 しおみ 櫻貝 優美
2 物干の影柔らかき春隣 初凪 まさき 優美
2 立春や大き翼の飴細工 暖流 ししうど あきこ
2 子ら去りて砂場に残る落椿 櫻貝 ゆき 暖流
1 寒見舞い喪の人々に添え書きて 春雪 和泉
1 ささやかに幸せを呼び春夕焼 あきこ 七海
1 水仙は星と勝負の庭の雄 だいご 晶子
1 節分のお化けは何処と小さき声 春雪 だいご
1 茶筅振る春光障子明るくし 晶子 ウクレレ
1 年酒は灘の美酒なり妻と酌む 弾正 静歩
1 春の雪市松人形にかしずかれ もも 晶子
1 春の月人工衛星北へ飛ぶ 静歩 ちあき
1 春の風ジョンレノンの曲にのり まさき 可不可人
1 鼻面や毒を拾ってひとクシャミ 優美 ししうど
1 引鶴や妹を案じて里ごころ ししうど 静歩
1 水ぬるみ童の声や散歩道 狂平 西寿
1 右も春左も春の散歩道 狂平 もも
私の選んだ一句
春灯を消さば忽ち孤独なり 櫻貝 「『忽ち』に 春の浅さ、孤独の深さを読みました。」(和泉)
「暗闇と心の中の暗黒を、重ねあわせた作に感動しきり」(薫)
瀬戸の海島を眠らせ春霞 弾正 「内海の小島にどでかい高値つく。」(しおみ)
「ゆったりした感じがして 琴の調べが似合いそう。素敵です。」(ちあき)
「春眠暁を覚えずを幻想的な春霞で表現されて清しいです」(初凪) 
クレープにたつぷりはさむ春の風 暖流 「一番春らしさを感じる句で選びました。苺ジャムなど、平凡な言葉でしたら決して選びませんがはさんだものが秀逸でした。」(春雪)
「若さが感じられるので戴きました。四国道はやっぱり、若い方が好い。」(晶子)
「クレープもほのかな春の色で、いっそう美味しそうです。」(あきこ)
庭下駄や素足迎へる春の朝 初凪 「ひんやり心地よい」(小自良)
春待つやさくら色したランドセル  七海 「二番目の孫が小学生になります」(可不可人)
春よ来い僕の人生アンダンテ 春雪 「音楽記号の粋な使い方に拍手。何だか目が覚めた気がしました。今日の私は忙しくてアンダンティーノの一日でした」(優美)  
四国路やともに白髪の春を行く ししうど 「ご夫婦でお遍路出来たら良いですね。お互いに助け合って、のどかな風景が思われます。」(いくこ)
春光の讃岐うどんを太うする 晶子 「うどん大好き人間ですので戴きましたうどんと春、斬新な取り合わせですね」(ゆき)
「春の光にかがやいて、讃岐うどんの真っ白な太麺が更に太く見えた。なんという見事な写生眼でしょうか。リズムも良く、内容に無駄のない腰のしっかりした名句です。満点。」(暖流)
春立つ日退院をする媼かな 零風 「媼にも春が来た。二重の喜び」(おさむ) 
パープルの靴紐むすび春の雲 まさき 「春を迎える華やいだ気分が、良く出ていると思います。」(ししうど)
陽光に輝く金糸春の海 霧子 「山の上から見下ろした春の海は波も穏やかでお日さまを反射してキラキラ輝いています。小さな釣り船が数隻ゆったり漂って漁をしています。 そんな風景を連想するような句ですね〜」(摩耶)
奥山のしじまに耐へし節分草 櫻貝 「しんとした静けさを感じます。」(いくこ)
「あまりにも小さい節分草、その健気さが詩情に滲み出て・・・」(初凪)
「写真で節分草を拝見し、素朴な姿に感動、俳句で再会し、また節分草への深みが増しました。」(薫)
雪の朝灯油置き場へ道つくり 静歩 「雪国の人の暮らしの句ですね。」(おさむ)
「雪国の冬の大変さを平易な言葉で表現されています。」(春雪)
「今冬の身近な最大ニュース、豪雪をとらえられたのはお見事」(薫)
「今年は本当に雪の多い年でしたね〜こちらでは滅多に雪が積もることはないのですがそれだけに雪国の方のご苦労がしのばれます。”冬来りなば春遠からじ”もうすぐ灯油のいらない季節がやってきますね。待ち遠しい春の訪れですね〜」(摩耶)
煩悩は不滅にありて追儺かな だいご 「幾ら払っても、影の様に離れない煩悩 足るを知って、相手を思いやる事で少しは煩悩から、離れる事が出来るのでしょうか・・・難しいですね。」(いくこ)
「特別な事は望まないけど平凡で自由な毎日を送りたい。鬼さん、鬼さん、生きにくい悪いものをみ〜んな持って行ってください。」(摩耶)
工事場に残りし梯子冴ゆる月 西寿 「この冬はとりわけ、月見に絶好でした。」(しおみ)
「冴える月に浮かぶ梯子の容が見えます」(ゆき)
煮かぶらのとろりくずれし夕餉かな 七海 「美味しそう」(小自良)
「寒さに弱い体に優しく染み込みました」(初凪)
畑縫いマラソン来るや春浅し ちあき 「上五であぜ道に応援の父兄が厚着して並んでいる学校のマラソン大会を想像しました。」(春雪)
「このような情景を目の当たりにしたことがあります。村民マラソン大会。広々とした景色も、ランナーの姿も、3D映画のようにくっきりと浮かびます。早春の季語にふさわしい、明るく若々しい俳句です。『畑縫ひ』が新仮名づかいになってしまっているのが、ほんの少し残念ですが。」(暖流)
梅の雪ゆるびて落つる土黒く 晶子 「つるが気にな。落ちてではだめ?」(小自良)
帰り道夕暮れ伸ばし春風も  霧子 「日脚しも伸びて、共に風も穏やかな夕昏」(おさむ)
三寒やナンプレに埋もれ四温待つ 初凪 「このごろの 気分ですね。パソコンが退屈を紛らわせてくれます。着々と 脳と指を訓練して・・・”四温 ”の日に活動の準備できていますね!楽しいです。(ちあき)
「ナンプレと数独は同じものですか。少しの時間でも熱中しています。私の妹は。脳トレーニングで ○○防止。頭すっきりで春を迎えましょう。」(和泉) )
物干の影柔らかき春隣 初凪 「2月半ば、まだまだ寒い日が続いています。陽が昇り洗濯物を干しながら感じた春の日差しでしょうか?光の春、すごそこまで春が来ていますね。」(まさき)
立春や大き翼の飴細工 暖流 「大き翼といえば、翼竜。つい、『アバター』からの連想。」(ししうど)
子ら去りて砂場に残る落椿  櫻貝 「子らは何をして遊んだのでしょうね。ママが迎えに来たので大急ぎで帰ったのでしょう」(ゆき)
「無人の公園の砂場。『子ら去りて』とありますから、時刻は残照の頃でしょうか。夕日にかがやく砂の上の真紅の落椿。寂しくも美しい抒情句です。 俳句では内容の散漫化と散文化を防ぐために、動詞を用いる場合『一句一動詞』が基本ですが、この句は二つの動詞が生かされていて、すこしも気になりません。『砂場にひとつ落椿』とする手はありますが、判断の分かれるところですね。」(暖流)
寒見舞い喪の人々に添え書きて 春雪 「喪の人々には新年の挨拶も出来ませんでしたね。 せめて寒見舞いと言う作者のやさしさが垣間見られます。」(和泉)
水仙は星と勝負の庭の雄 だいご 「水仙はこの寒さでも、凛として立っています。しかも花を開かせて嬉しいこと。雄と言うのはちょっと、男らしい感じがありますが、ギリシャの神話もあることですから・・・」(晶子)
春の雪市松人形にかしずかれ もも 「いちまさんは珍しいこと。子供の時は、大事な人形でした。それを、イタズラ鼠に鼻を齧られて哀しかったことを想いだしました。春の雪は優しいのでしょうね。」(晶子)
春の月人工衛星北へ飛ぶ 静歩 「衛星を見たと ラジオ視聴者からのメッセージを聞くたび ワタクシもチャンスを得たいとおもうのですが 感動されたでしょうね!」(ちあき)
鼻面や毒を拾ってひとクシャミ 優美 「どんな毒を拾ったのか?悪いうわさの、毒かも・・・・。」(ししうど)