平成22年06月 選句結果

                     
得点 兼題 「五月」 作者 戴いた人
7 生きる事なにやら嬉し衣替ふ ゆき 和泉 すすむ 晶子 小自良 あきこ
かれん あつこ
4 流行は遠くへやりて衣更 だいご むらさき ちあき 暖流 いくこ
2 薄物に暑さ忍びぬ更衣 晶子 西寿 桜貝
2 更衣男にもある腰えくぼ 暖流 まさき ゆき
2 更衣風はまだらに吹きぬけり 桜貝 狂平 初凪
2 羊群の毛刈り取りて衣替え いくこ しおみ 摩耶
1 衣更へ青き田面に月流れ 狂平 七海
1 この齢(よはひ)みちづれにして衣更 初凪 零風
1 衣更スカート短く花柄に 優美 可不可人
1 更衣お古は嫌と駄々こねる 春雪 優美
1 丈足らず嬉しくもあり衣更え しおみ だいご
1 山々の誘ふ暮色更衣 あきこ 春雪
得点 雑詠 作者 戴いた人
6 梅漬けて母の杖ある通し土間 ゆき むらさき ちあき 晶子 かれん いくこ
優美
5 夏草の匂う野良着で朝茶かな 七海 晶子 西寿 春雪 あつこ 狂平
4 少年の文字のびのびと麦の秋 あきこ ちあき 可不可人 まさき ゆき
4 父の日の無聊かこちて一日過ぐ 春雪 ゆき 桜貝 暖流 あつこ
4 ハンカチの折り目を崩す走り梅雨 初凪 むらさき あきこ だいご 優美
4 本堂に忘れ傘ありあぢさゐ寺 だいご 小自良 西寿 摩耶 初凪
3 失言を一晩かかへはたた神 晶子 しおみ 春雪 桜貝
3 麦秋の真っただ中に立ち尽くし まさき 可不可人 七海 いくこ
2 愛煙家肩身の狭し夏木立 まさき 和泉 しおみ
2 三度目の約束違え走り梅雨 だいご 小自良 七海
2 葬儀には紅白の餅夏来たる 七海 和泉 まさき
2 父の日や父の一喝懐かしむ 桜貝 摩耶 初凪
2 手のひらに糠床涼し雨上がる 桜貝 すすむ 暖流
1 朝探す掛けて寝てはず夏蒲団 零風 かれん
1 オタクサの名まへゆかしき濃紫陽花 初凪 あきこ
1 更衣和装の襟の白が生き 瓢七 すすむ
1 木漏れ日に天道虫はかくれんぼ 狂平 だいご
1 初夏に入り風は野面をなでて行く いくこ 狂平
1 すずらんの房風にゆれ美しき いくこ 零風
1 晴れ続き風を楽しむ篭枕 晶子 零風
私の選んだ一句
生きる事なにやら嬉し衣替ふ ゆき 「年を重ねると季節の移ろいが愛しいように感じますね。こんな小さな年中行事?にも心ときめきがあるんですね。」(和泉)
「生きる喜びが嬉しく読ませていただきました。更衣 で「ふ」ふはなくても良かったようにも思いました。好みです。」(晶子)
「衣替えが似合いますね。」(小自良) 
「ちょっとした生活の変化、身辺が軽やかに明るくなるようで衣替えは楽しみなものです。」(あきこ)
「そういえば せっせと夏物を整理する私も生きる事に前向きってことなんでしょうか 素直な生への感想 私も嬉しいです」(かれん) 
流行は遠くへやりて衣更 だいご 「今年も昨年と同じ服を ちょっと上着に変化つけて、工夫したり、流行をあまり気にしないで、やりくりしています、 共感しました」(ちあき)
「流行はもうあまり興味のない年代の更衣。『遠くへやりて』と素っ気なく突き放すのが面白い。できれば衣更は「更衣」もしくは「衣更へ」と表記されたい。」(暖流)
更衣男にもある腰えくぼ 暖流 「有りますか?気を付けて観察しますね」(ゆき)
更衣風はまだらに吹きぬけり 桜貝 「衣更には風の気配が一番気にかかります。まだらと言う言葉が、衣更を迷っている心の動きのようで、想像が膨らみます」(初凪)
羊群の毛刈り取りて衣替え  いくこ 「ごくごくフツーの行事、なぜか気付きませんでした。」(しおみ)
「この時期、六甲山牧場の羊たちも厚い衣を刈り取ってもらって涼しくなります。淡路島のイングランドの丘でも羊さんの毛刈りをしていました。動物たちも暑いですものね〜 口蹄伝染病が流行っている宮崎では大変な事になっていますが六甲山牧場もその対策をしているそうです。伝染した可愛そうな牛や豚さん、、、一日も早い終息を願っています。」(摩耶)
衣更へ青き田面に月流れ 狂平 「美しい情景ですね、田面の水の揺らめきが見えるようです。」(七海)
梅漬けて母の杖ある通し土間 ゆき 「通し土間なんて 懐かしいですねーーちょっとひんやりした薄暗い そこに ぽつんと杖が在るノスタルジックです」(ちあき)
「杖が今も役立っているのか、判らぬところが面白いです。通し土間を知りませんが、広々した光景ですね。」(晶子)
「お母さまはご健在なのでしょうか それとも、、毎年漬けて下さった懐かしい梅の味を思い出して。私は今年は漬けませんでした。」(かれん)
夏草の匂う野良着で朝茶かな 七海 「良いですね。朝茶がどんなにか美味しいでしょう。草の香は懐かしいもの。自然なもの。」(晶子)
少年の文字のびのびと麦の秋 あきこ 「麦秋の空のように、少年の時代は二度とないのびやかな「書」を記念にしたいですね」(ちあき) 
「作者は少年の書いた文字を見て、子供の育ちの良さを感じ取ったのだろうか? 麦のように、真っ直ぐに成長することを願ったのだろうか?季語の「麦の秋」がこの句の良さを引き出しているように思います。」(まさき)
「のびのびが効いてますね、素直に届きます」(ゆき) 
父の日の無聊かこちて一日過ぐ 春雪 「手もち無沙汰のお父さんが居ります」(ゆき)
「一人過ごす淋しい父の日。その心情を生の言葉で表現せずに、『無聊かこちて』と淡々と詠んだ手腕が見事です。俳句の世界では作者の直情は『秘するが花』ですから。(暖流)
ハンカチの折り目を崩す走り梅雨 初凪 「ハンカチに目を止められての着眼点が素晴らしいと思いました。季がかさなるのはすこし気になりますが。」(あきこ)
本堂に忘れ傘ありあぢさゐ寺 だいご 「一時の晴れ間、情景が気持ちいい」(小自良)
「梅雨シーズン。うっかり置き忘れた傘ですね〜その時は雨に会われなかったんでしょうね〜風景が目に浮かぶようです。」(摩耶)
「傘を置き忘れるほど 紫陽花にうっとり!忘れ傘で雨上がりの美しい紫陽花を表現されたところに惹かれました。」(初凪)
失言を一晩かかへはたた神 晶子 「夜明けの一発で発散できたとしましょう。」(しおみ)
麦秋の真っただ中に立ち尽くし まさき 「どこまでも広がる麦畑を表してみたいと思いながら、できないでいるとき、この句に会いました。素晴らしさに思わず手をたたきました。」(七海)
愛煙家肩身の狭し夏木立 まさき 「禁煙は難しいのかなぁ。CO2を吸ってくれる夏木立に感謝しましょう。」(和泉)
「禁煙するまでは、20本では足りなかった。お立場に同情しての選句です。」(しおみ)
三度目の約束違え走り梅雨 だいご 「仏の顔も三度、もうしかた有りませんね!」(小自良)
「おやおや、どうしたことでしょう?何か訳あり?」(七海)
葬儀には紅白の餅夏来たる 七海 「召された方の大往生が偲ばれます。」(和泉)
父の日や父の一喝懐かしむ 桜貝 「今日は父の日。父の思い出の中に『一喝』はないけれど『お父さん子』だった私は大好きだった父を懐かしく思い出しています。」(摩耶)
「厳しく叱られた事は何故か懐かしく思い出します」(初凪)
手のひらに糠床涼し雨上がる  桜貝 「『手のひらに』と身体の部位を特定したことで、糠床を混ぜる情景と触感が具現化されました。雨後の空気と糠床のひんやりとした冷たさが、実感されます。」(暖流) 
朝探す掛けて寝てはず夏蒲団 零風 「何方の句かなと笑いを噛みしめてます (^ー^* )フフ♪」(かれん)
オタクサの名まへゆかしき濃紫陽花 初凪 「これから紫陽花の季節、大きく咲いてもゆかしいとおもうのに名前まで ゆかしいのですね。」(あきこ)