平成22年11月 選句結果

                     
得点 兼題 「落ち葉」 作者 戴いた人
5 きのうけふあすもまた掃く落葉かな まさき おさむ ちあき 和泉 ゆき 零風
4 幼な児は日向の匂い朴落葉 七海 晶子 暖流 弓子 桜貝
3 落葉舞ふ水子地蔵の風車 桜貝 すすむ 狂平 瓢七
3 逆上がり落葉をぐつと踏みしめて 暖流 しおみ 優美 だいご
2 飛鳥路の三山遠く柿落ち葉 春雪 あきこ toku
2 落ち葉踏み古るぶ峠の蕎麦処 ゆき 七海 いくこ
2 師の言葉落ち葉のごとく今も降る 晶子 可不可人 春雪
1 うら庭の落ち葉積もりて猫ねぐら ちあき かれん
1 落ち葉散り裸木つんと天を刺し いくこ 西寿
1 とめどなき銀杏落ち葉の一日かな あきこ 初凪
1 両の手をすりぬけてなお落葉降る 和泉 まさき
得点 雑詠 作者 戴いた人
5 もみじする小枝に蜘蛛の忘れ糸 初凪 狂平 零風 優美 いくこ かれん
4 手をあげて子らは花野に吸われけり ゆき ちあき すすむ まさき 七海
3 秋バラに滴の玉は重すぎて 優美 初凪 だいご かれん
3 遅れきし白鳥一羽湖暮るる あきこ 可不可人 春雪 和泉
3 七五三晴れ着のままの寝顔かな 桜貝 西寿 零風 弓子
3 啄木像顔より昏れて冬に入る あきこ 和泉 暖流 toku
2 荒れ庭のまだら化粧や今朝の霜 だいご すすむ 初凪
2 秋深し空がすいこむレクイエム 和泉 あきこ 桜貝
2 石仏の脇にわずかな小春かな まさき 狂平 優美
2 少女らの笑いころげて秋光る 七海 ちあき 春雪
2 二人目の子供宿すや地蔵盆 静歩 しおみ 晶子
1 秋雨ににじむ葉書のとどきけり 西寿 暖流
1 生垣の隙間に垂れしぬかごかな まさき 弓子
1 意地張らぬ人柔らかき秋の朝 七海 ゆき
1 音させて博多帯とく鵙の贄 晶子 toku
1 枯葉舞いすずめ追われて笛太鼓 狂平 だいご
1 北風にコートの襟を立て直し いくこ おさむ
1 月光や酒壜に無き怒り肩 暖流 桜貝
1 コスモスのピンクの海のゆれて風 ちあき 可不可人
1 声かけて笑顔往き交ふ秋遍路 春雪 いくこ
1 島巡り舳先にゆれる鰯雲 春雪 西寿
1 暫くはこのままが良い浮き寝鳥 優美 ゆき
1 着地まで何を思ふて朴葉舞ふ 初凪 まさき
1 天国と地獄のさかい猪来(く) 晶子 七海
1 どんぐりに名をつけ一人遊びかな 暖流 晶子
1 一つずつ浅学埋める夜長かな だいご あきこ
1 ライトあび紅葉かがやく永観堂 零風 しおみ
1 我の菊人事は尽くした天を待つ 和泉 おさむ
私の選んだ一句
きのうけふあすもまた掃く落葉かな まさき 「夜来の風雨、きつい朝は一段と落ち葉も多いです」(おさむ)
「このような日常が静かに過ぎいく、、深い秋を感じます」(ちあき)
「明日のことはわからないはずなのに このことだけはわかります。」(和泉)
「素直な流れが素直で好感がもてますわ」(ゆき)
幼な児は日向の匂い朴落葉 七海 「子供のことを描いた句は微笑ましくて捨てがたいのです。」(晶子)
「『日向の匂い』。なんて詩的で優しい表現でしょう。また、大きな葉いっぱいに陽射しを浴びて育っただろう、朴の落葉を配した季語の斡旋がどんぴしゃりです。」(暖流)
「類句は多いけれど、原風景的なのどかさに,」(弓子)
落葉舞ふ水子地蔵の風車 桜貝 「文学も元は悲しみの表現 (#^.^#)とか木炭は’動き 写生は静寂(今の自分の時点でわネ この句の、デッサンと想像の領域は?・  風車は廻れば良いのか停まってる方が良いのか? 俺の分相応の選句<(_ _)>。」(瓢七)
逆上がり落葉をぐつと踏みしめて 暖流 「花びらが口に飛び込む春でした。」(しおみ)
落ち葉踏み古るぶ峠の蕎麦処  ゆき 「景色もいいし、お蕎麦も美味しい!」(七海)
「峠に着いて一休みお蕎麦も年期が入って、美味しかったでしょう。」(いくこ)
師の言葉落ち葉のごとく今も降る 晶子 「弟子といえる己になりたい」(可不可人)
うら庭の落ち葉積もりて猫ねぐら ちあき 「枯葉落葉はそのままに一面に積もらせるのが好きです でもどこのお宅も几帳面に掃き清められていて・・・・それで猫ちゃんは我が庭がお気に入りのようで /(-_-)ヽコマッタァ」(かれん) 
とめどなき銀杏落ち葉の一日かな あきこ 「はらはら落ちる大銀杏が冬を呼ぶ!そんな風景を連想 しました」(初凪) 
もみじする小枝に蜘蛛の忘れ糸 初凪 「蜘蛛の忘れ糸」が良いですね。」(いくこ)
「蜘蛛はお引越しでしょうか また帰ってくるのでしょうか 秋空に紅のもみじ葉 レース糸のようなくもの糸が風になびいて・・・何だか物語が出来そう」(かれん)
手をあげて子らは花野に吸われけり ゆき 「”花野に吸われけり ” 妖精のように、すっと現れたり、隠れたりすてきな感じですね」(ちあき)
「青空、園児、コスモス畑、吸われけりがいいですね。」(七海)
秋バラに滴の玉は重すぎて 優美 「秋薔薇の寂しげで儚い風情に滴は尚更思いを募らせますね」(初凪)
「作者のお優しいお気持ちが・・・そう 繊細な花びらには真珠の白玉も重そうに見えます。でも花には素晴らしい伴侶 」(かれん)
遅れきし白鳥一羽湖暮るる あきこ 「凛とした白鳥の存在感」(可不可人)
「群れにはぐれた一羽でしょうか。日暮れまでに着いてよかった。」(和泉)
七五三晴れ着のままの寝顔かな 桜貝 「寝顔も無邪気、句も無邪気」(弓子)
啄木像顔より昏れて冬に入る あきこ 「その生涯から冬が似合う印象がありますね。陰影が目に浮かびます。」(和泉)
「中七の『顔より昏れて』という措辞に、作者の並々ならぬ力量を感じます。北国の冬の訪れを、抒情豊かに詠いあげて見事です。昨年九月句会のあきこさんの名句、♪ いち早く秋の声きき啄木像♪をふと思い浮かべました。」(暖流) 
荒れ庭のまだら化粧や今朝の霜 だいご 「美しい霜との言葉のアンバランスを楽しみました」(初凪) 
少女らの笑いころげて秋光る 七海 「はじけるような若さにあふれ、つややかな笑顔がまぶしいですね」(ちあき) 
二人目の子供宿すや地蔵盆 静歩 「一人は手を引いてでしょう。」(しおみ)
「地蔵盆は関東には無いので惹かれます。そして子供を授かれば本当に幸せ。」(晶子)
秋雨ににじむ葉書のとどきけり 西寿 「誰からのどんな内容の葉書なのか、ひと言も触れていません。しかし、この句には作者の痛切な感傷が込められているのが判ります。季語の力をまざまざと感じさせる、感動の一句です。」(暖流)
生垣の隙間に垂れしぬかごかな まさき 「犀星の名句を彷彿とさせますね」(弓子)
意地張らぬ人柔らかき秋の朝 七海 「意地を張れば、窮屈だ、と、夏目さんも言ってらしゃゐましたわね、その通りです。」(ゆき)
北風にコートの襟を立て直し いくこ 「想像するだけでも寒さがわかります」(おさむ)
コスモスのピンクの海のゆれて風 ちあき 「花も人の心も美しい風景」(可不可人)
声かけて笑顔往き交ふ秋遍路 春雪 「歩いて苦しい中にも、笑顔が行き交う嬉しいですね。」(いくこ)
暫くはこのままが良い浮き寝鳥 優美 「そう!、無理しない今が好き、ゆったりと暮らしましょう〜」(ゆき)
天国と地獄のさかい猪来(く) 晶子 「餌を求めて人間界まで来る動物が殺されるたび申し訳なく思います。人間は因果な動物です。」(七海)
どんぐりに名をつけ一人遊びかな 暖流 「私が淋しければつい、してしまいそうな、ことです。並べて遊びたいですね。」(晶子)
ライトあび紅葉かがやく永観堂 零風 「永観堂のブランド力・いまや全国区。」(しおみ)
我の菊人事は尽くした天を待つ 和泉 「後は菊次第 手塩に掛けた菊」(おさむ)