平成23年02月 選句結果

                     
得点 兼題 「梅」 作者 戴いた人
5 逢う事のなからむ人の梅だより ゆき 和泉 晶子 いくこ 暖流 七海
3 さきがけの一輪白き梅便り あきこ 弓子 西寿 狂平
3 天神の絵馬の重さやしだれ梅 狂平 静歩 初凪 あつこ
2 床の間に還暦祝い梅一輪 零風 まさき 優美
2 故郷の友より届く梅便り 西寿 おさむ 零風
2 梅林はまだ三分咲シャッター音 優美 桜貝 優女
1 梅開花天気予報に付け加え 静歩 ちあき
1 梅が香よ待ち侘びし人旅だてり いくこ すすむ
1 後れ毛をそっとくすぐる枝垂れ梅 初凪 しおみ
1 京の路地とどかぬ枝に梅の咲く 春雪 だいご
1 枝垂れ梅女あたりの香に紛れ 晶子 あきこ
1 しもた屋の軒に一枝梅の花 だいご 可不可人
1 白梅や見つめる先は太平洋 七海 春雪
1 ふと出会う梅のかほりや迷い路 まさき ゆき
得点 雑詠 作者 戴いた人
6 子の名をも忘れし母のかぎろへる ゆき 晶子 西寿 静歩 初凪 優女
あつこ
5 来し方を紡ぎし妻と日向ぼこ 春雪 おさむ あきこ 西寿 いくこ 暖流
5 のしかかる天の重みの寒さかな 晶子 ちあき ゆき 静歩 優美 狂平
4 口笛の音律あやし餘寒かな だいご まさき 優美 七海 桜貝
3 幾千の光の波間や春の川 まさき あきこ 可不可人 ゆき
2 一湾に釣り船ひとつ雲ひとつ 七海 すすむ 春雪
2 寒月にしかと寄り添う明けの星 しおみ ちあき 狂平
2 これよりは独りの生活(たつき)日脚伸ぶ ゆき 和泉 いくこ
2 山茶花の夜目にも白く浮かび見ゆ 零風 おさむ 和泉
2 人恋の翼広げし雪嶺は あきこ 春雪 だいご
2 招かれし茶房のケーキ春隣 春雪 まさき だいご
1 海を向く貝塚の碑の残り雪 晶子 しおみ
1 絵筆もて洗ふパレット春の水 暖流 すすむ
1 終りてふ文字に冬あり春近し 暖流 七海
1 北国の大空あけて梅待てり あきこ 初凪
1 三が日過ぎて可もなく不可もなく 西寿 可不可人
1 昨年の花が見たくて菊根分け 静歩 弓子
1 霜溶けて花芯の中のダイヤかな 桜貝 優女
1 震災の記憶新たに霜柱 零風 暖流
1 瀞の舟ふな底見せたまま二月 静歩 弓子
1 外国(とつくに)の客も集うや雪祭り いくこ 零風
1 鳥雲や阿吽の息で筑波越へ 優美 あつこ
1 跳ねて跳ぶクリオネはやぶさ夢の中 しおみ 桜貝
1 みかん置きデジカメかまえ期待の時 ちあき しおみ
1 冬すみれじっと耐えてる生きている 優美 晶子
1 屋根からの落雪の音犬吠える いくこ 零風
私の選んだ一句
逢う事のなからむ人の梅だより ゆき 「長く逢っていないし、これからもおそらく逢うことは無いでしょうが 春の便りは嬉しいもの。」(和泉)
「思わずどきりと致しました。習い事の先生の訃報が届き胸の詰る思いをしておりました。賀状には梅の花がありました。」(晶子)
「もうお互いに年の所為でしょうか、私も逢うことも有るまいと思う遠く、島根の友と偶に電話で話します。お互いに、孫の結婚の話が、少しさみしいですね。」(いくこ)
「人と人との縁にも濃淡があって、皮肉なことに淡さゆえに縁が長続きすることが多いようです。遠いひとからの梅便り。ほのぼのとした思いがよぎります。」(暖流)
さきがけの一輪白き梅便り あきこ 「白き一輪、と切らず、一輪白き、とされたのが梅便りの馥郁たる趣きを増しました」(弓子)
天神の絵馬の重さやしだれ梅 狂平 「情景を想像すると微笑ましい・・この時季は絵馬も一入その重さに耐えて”さくら咲く”になって欲しいですね」(初凪)
床の間に還暦祝い梅一輪 零風 「さりげない一輪の梅に奥様の優しい気配りを感じました。何故だか奥様からの梅であることを願って。」(優美)
故郷の友より届く梅便り  西寿 「永く逢って居ない友 幼馴染か 同窓か」(おさむ)
梅林はまだ三分咲シャッター音 優美 「梅林の静かなところで響くシャッター音・・・・・ 3日前に体験してきたので、確かに3分咲でした。」(優女)
梅開花天気予報に付け加え 静歩 「日本人は 花便りが好きですね・・・季節の移り変わりにしらずしらずワクワクします。天気予報と花便りをあわせて、報道するの良いアイデアですね。」(ちあき) 
後れ毛をそっとくすぐる枝垂れ梅 初凪 「優雅なふれあいですね。偕楽園は早すぎましたが、本数は凄い。」(しおみ)
枝垂れ梅女あたりの香に紛れ 晶子 「梅園のなかに入りますとその中にとけ込みそうな境地良く分かります。」(あきこ)
しもた屋の軒に一枝梅の花 だいご 「日本は美しい国です」(可不可人)
ふと出会う梅のかほりや迷い路 まさき 「馥郁とした梅の香りが届い参ります。待ち遠うしい春の兆しですね」(ゆき)
子の名をも忘れし母のかぎろへる ゆき 「恐らくは母上は幾らか物忘れの兆候でもおありでしょう。そこを、優しく「かぎろえり」と表現した所が優しい心ですね。」(晶子)
「雲海にお母さんの姿を重ねて切なさと詩情の豊かに感じ入りました。」(初凪)
来し方を紡ぎし妻と日向ぼこ 春雪 「言葉交わさなくとも 思う事は同じ」(おさむ)
「穏やかで静かな温かい情景ですね。」(あきこ)
「そうですね、こんな一時も良いものですね。努力します。」(いくこ)
「二本の糸で織りなしてきた悲喜交々の来し方も、今は静かな安寧の中。温かい人生賛歌の句です。」(暖流)
のしかかる天の重みの寒さかな 晶子 「”のしかかる”程の寒さって、想像もできないです、日本海側を想像しました。」(ちあき)
「今年の寒さ異常でしたね、必死に持ちこたえて、春を待ちます。」(ゆき)
「『のしかかる』『天の重み』で逃れられない一層の寒さを感じました。今年は異常に雪も多く天の重みを殊更実感。」(優美)
口笛の音律あやし餘寒かな だいご 「あまりの寒さに口元も強ばり上手く空気を吐き出せないのでしょうか。」(優美) 
幾千の光の波間や春の川 まさき 「春の川を良く言い得ていてまぶしく目に浮かんできます。(あきこ)
「冬は必ず春となる」(可不可人)
「春のまぶしい光が目に飛び込みますわ。そう、もう春の川です。」(ゆき)
寒月にしかと寄り添う明けの星 しおみ 「この頃の透明感のある空は、冴え冴えとし、寒さを忘れるほど美しい空ですね」(ちあき)
これよりは独りの生活(たつき)日脚伸ぶ ゆき 「少し寂しい句ですが、せいせいと出来ることを出来るときに・・・私には少し羨ましいです。何時もアッシー君が付いてきて、行きたい場所に行けない事が沢山・・・」(いくこ)
山茶花の夜目にも白く浮かび見ゆ 零風 「白の山茶花 昼間より白い」(おさむ)
「山茶花が赤とだれが決めたのでしょう。きっとあの流行歌。我が家の山茶花も白。赤よりずっと上品で潔いものです。」(和泉)
招かれし茶房のケーキ春隣 春雪 「甘党の私、ケーキにお呼ばれ?しちゃいました。(笑い)もう、すぐそこまで春がきていますね。」(まさき)
海を向く貝塚の碑の残り雪 晶子 「清少納言以来の伝統。」(しおみ)
北国の大空あけて梅待てり あきこ 「梅を待つ思いを大空あけての表現っていいですね軽快なリズムが好きです」(初凪)
三が日過ぎて可もなく不可もなく 西寿 「日々是好日」(可不可人)
昨年の花が見たくて菊根分け 静歩 「作為的な心情句は苦手ですが、本句は昨年の花への想いが素直に感じられる佳句と思いました」(弓子)
震災の記憶新たに霜柱 零風 「阪神大震災の記憶はいつまでも消え残ることでしょう。霜柱という季語が、作者の思いを現わしています。」(暖流)
瀞の舟ふな底見せたまま二月 静歩 「俳句的絶景。うまい形容詞が思い当たらないので 窮余の造語。お赦しを」(弓子)
みかん置きデジカメかまえ期待の時 ちあき 「何票はいるか、興味津々。」(しおみ)
冬すみれじっと耐えてる生きている 優美 「寒さに縮こまっている私たち、菫に春の暖かな望みを掛けましょう。絶えることのみですが・・・・」(晶子)