平成23年03月 選句結果

                     
得点 兼題 「囀り」 作者 戴いた人
5 囀りの木々を透かせば空の青 いくこ ちあき 狂平 暖流 優美 だいご
5 囀りやひろがりてゆく朝の空 あきこ 晶子 零風 いくこ 静歩 すすむ
4 天空に囀りありて海うらら 七海 可不可人 西寿 しおみ かれん
1 ガラスごし囀りながら枝渡る 零風 おさむ
1 さえずりや裏の笹叢よく揺れる ゆき 和泉
1 囀りもこの冷たさに遠慮がち ちあき まさき
1 囀りや猫見上げてる好き日かな 静歩 春雪
1 囀りの聲遠くなり夢返(かえ)る 狂平 あつこ
1 さえずりや神社の古木は文化財 西寿 ゆき
1 どきどきと君を待つカフェ囀れり 暖流 あきこ
得点 雑詠 作者 戴いた人
6 絵手紙にはみ出し描く春の山 あきこ 晶子 いくこ 可不可人 西寿 狂平
静歩
5 どどどどと黒部に響く春の水 暖流 春雪 ちあき 可不可人 西寿 かれん
4 流れ来し人魚のうろこ桜貝 暖流 あきこ 晶子 あつこ 優美
4 遍路道先行き人に春の泥 優美 あきこ 狂平 和泉 まさき
3 傍らに母の居てほし蕗の薹 七海 ゆき まさき 静歩
2 雨上がり春の匂いの夕べかな 七海 ちあき だいご
2 クロッカス咲いたと弾む妻の声 春雪 零風 すすむ
2 背を向けて納め遅れの内裏雛 いくこ 零風 和泉
2 浅草寺ビルの谷間の土筆かな まさき いくこ しおみ
1 植木鉢一緒に連れて日向ぼこ 静歩 暖流
1 合格の祝い袋や夢こぼれ 狂平 おさむ
1 里の子ら声かけ合ひて青き踏む ゆき 春雪
1 下萌や水琴窟の響きあり 西寿 ゆき
1 春苗の床準備でき農の人 ちあき おさむ
1 廃業し灯らぬ明かり春寒し 西寿 あつこ
1 母にくきはずもなく春の雨 まさき 弓子
1 ひと日また前に戻れど芽吹きかな だいご しおみ
1 触れてみん芽吹く古木の放つもの だいご 優美
1 盆梅を米寿の祝い床の間に 零風 すすむ
1 目覚めそむ山峡春の水の音 あきこ 暖流
1 柔らかき蓬摘みしと文もらふ ゆき 弓子
1 八十路越え高砂雛へ色直し 狂平 かれん
1 老犬のうつらうつらと日向ぼこ いくこ だいご
私の選んだ一句
囀りの木々を透かせば空の青 いくこ 「なんとも春のおとずれを、感ずる平和な風景です。地震がなければ春を喜び!幸せを感じるひとときですね。」(ちあき)
「小鳥の囀りにふと見上げたら、木の間に深い青空が。揺るぎのない美しい写生句です。」(暖流)
「茂みの中で囀る鳥はどんな鳴き声でしょうか。見上げる其処には鳥の姿ではなく青い空。耳と目が喜んでいる様子が分かります。」(優美)
囀りやひろがりてゆく朝の空 あきこ 「朝の目覚めを誘う賑やかさが感じられます。」(晶子)
「小鳥の囀りで目覚める幸せを感じさせます。」(いくこ)
天空に囀りありて海うらら 狂平 「なにもなかったとはいえないが、そうなります。」(しおみ)
「このように三陸の海も 春分には『うらら』だったでしょう 作者の方も鎮魂の心を込めて祈っておられるのでは」(かれん)
ガラスごし囀りながら枝渡る 零風 「囀りと言えば雲雀だが枝渡る鳥はヒヨドリか?」(おさむ)
さえずりや裏の笹叢よく揺れる  ゆき 「囀りとは雄が縄張りを主張したりメスにプロポ-ズするために強く啼くことと歳時記で知りました。雉などの大きな鳥でしょうか。春は恋の時ですね。」(和泉)
さえずりや神社の古木は文化財 西寿 「穏やかな作者が感じられます同じ場所に佇みたいものです」(ゆき)
絵手紙にはみ出し描く春の山 あきこ 「絵手紙は勢い良く書く習慣があるようです。小池先生の特徴を皆が手本になさったのかしら。」(晶子)
「絵手紙のはがきにはみ出すほどの春を絵が描ける・・・絵心の無い私には羨ましい限りです。」(いくこ) 
どどどどと黒部に響く春の水 暖流 「一度は黒部に行きたいと思います。TVニュースで ダムからすごい勢いでほとばしる音と水の束に心揺さぶられます。」(ちあき) 
「春の黒部 ダムを流れ落ちる水量の白い泡立ちが見えるよう豪快で 落ち込んだ今の気持ちを明るくさせてくださいます」(かれん)
流れ来し人魚のうろこ桜貝 暖流 「桜貝は本当に美しく繊細ですね、人魚のうろこに例えた所が見所でしょう」(晶子)
「桜貝は人魚のウロコだったのね。凄くロマンチックで綺麗な俳句に感動です。」(優美)
遍路道先行き人に春の泥 優美 「去年四国遍路道をバスで(横着者!) 少し回りました。伝統的な白装束のお遍路さんを多く見かけました。遍路道では水もぬるんできたことでしょう。」(和泉)
傍らに母の居てほし蕗の薹 七海 「眺めてた幼い頃を偲んでます」(ゆき)
雨上がり春の匂いの夕べかな 七海 「一雨ごとに 暖かく 草木の芽が伸びて。花が咲き いい香りが漂うそんな穏やかな夕暮れ時なのでしょうね。」(ちあき)
背を向けて納め遅れの内裏雛 いくこ 「俗にお雛様を早く仕舞わないと晩婚になる。早く納めてあげてください。すねて背を向けている?」(和泉)
浅草寺ビルの谷間の土筆かな まさき 「ビルの谷間にも土筆が、ホッとします。早く東北にも土筆が出ると良いですね。」(いくこ)
「見上げないのが俳諧の味ですか・・・」(しおみ)
植木鉢一緒に連れて日向ぼこ 静歩 「室内の観葉植物の鉢を日向に移す。僕もよくやります。ついでに自分も日向ぼこ。穏やかで素敵な情景です。」(暖流) 
合格の祝い袋や夢こぼれ 狂平 「サクラ咲く 祝い袋の中身の方が気になる」(おさむ)
下萌や水琴窟の響きあり 西寿 「澄んだ響き、辺りは草萌えの頃なんとも美しい風景です」(ゆき)
春苗の床準備でき農の人 ちあき 「苗床の準備が出来る幸い、出来ない被災地の農の人を思う」(おさむ)
ひと日また前に戻れど芽吹きかな だいご 「寒暖の出入りの激しい年ですね。」(しおみ)
触れてみん芽吹く古木の放つもの だいご 「老木古木にもある逞しい生命力。息吹の力強さは今回の地震で萎えた心にも勇気を与えてくれます。まだまだ若いモンには負けられません!」(優美)
目覚めそむ山峡春の水の音 あきこ 「『山眠る』は冬の季語。その眠りから山や山あいが目覚め始めているのでしょう。雪解け水の流れる音が明るい。見事な早春讃歌の句。」(暖流)
八十路越え高砂雛へ色直し 狂平 「うれしい句ですね 白いお髯の高砂びな そうですね おひなさまはお若い美男美女はもう似合いません酸いも甘いも知った八十の夫婦雛 って素晴らしいアイディア」(かれん)