平成23年05月 選句結果

                     
得点 兼題 「薔薇」 作者 戴いた人
5 薔薇剪つて五月のひかり地へこぼす 暖流 晶子 いくこ 狂平 静歩 七海
3 あおいそら白薔薇のとげささりおり 狂平 小自良 しおみ 優美
3 記念日の卓に一輪紅き薔薇 優美 すすむ 暖流 零風
2 手折りたき薔薇の門よりセレナーデ ゆき ちあき 和泉
2 バラ一輪厨の出窓華やげる 静歩 だいご 弓子
2 バラ色の人生知らず老いに入る 七海 おさむ ゆき
2 別れ逝く棺の上に薔薇一輪 いくこ 春雪 可不可人
1 薔薇園のベンチに一人僧の居て まさき 西寿
1 病床に暦の写真薔薇一輪 零風 まさき
1 古河の古き館の薔薇の園 しおみ あきこ
得点 雑詠 作者 戴いた人
4 歩み来し道に悔いなし柿若葉 春雪 おさむ 可不可人 ゆき 静歩
4 わけもなく幸せな日よ新樹光 暖流 ちあき 和泉 優美 七海
3 開け放つ窓辺すがしき春の風 西寿 すすむ 小自良 だいご
3 尾根歩き緑の風の吹くままに 春雪 暖流 優美 まさき
3 手の中に丸く納めて新茶かな まさき 小自良 晶子 しおみ
3 水を出て天空泳ぐ鯉幟 零風 可不可人 いくこ 西寿
2 きらめかせ垂らす新茶の一雫 暖流 いくこ 零風
2 暮るるとも街路はミズキの白灯り 優美 すすむ あきこ
2 五稜郭ひとめぐりして花月夜 あきこ 暖流 弓子
2 新茶の芽伸びる狭山路西に富士 静歩 ちあき 西寿
2 大十勝いきいきとして新樹の香 あきこ 和泉 まさき
2 なるがまま朝を向かえて柿若葉 まさき ゆき 七海
2 病む妻に恐るおそると新茶淹れ だいご しおみ 零風
1 「安置所」と標識のあり黄水仙 七海 弓子
1 妖しげに牡丹色濃き神楽坂 狂平 晶子
1 桐の花紅き鼻緒や蔵屋敷 優美 春雪
1 斎王代葵祭に御禊の儀 零風 あきこ
1 手をつなぐ幼稚園児や風薫る 静歩 狂平
1 パンジーのはじけたる笑み花時計 西寿 だいご
1 避難所のそれでも海恋う老漁師 七海 春雪
1 服を着た犬の負けたり緑映え 晶子 おさむ
1 良き人の集ひて眩し山若葉 だいご 狂平
私の選んだ一句
薔薇剪つて五月のひかり地へこぼす 暖流 「『地へこぼす』が新鮮に響きます。手馴れたお方のものかな。」(晶子)
「綺麗な句ですね。」(いくこ)
あおいそら白薔薇のとげささりおり 狂平 「災難も幸せの内」(小自良)
「あおぞらに白、そして棘といえば、鬼気がきました。」(しおみ)
「空の青と白薔薇の取り合わせが清々しいですね。白薔薇の刺は何だか優しく感じました。紅い薔薇の棘は痛そう〜。」(優美)
記念日の卓に一輪紅き薔薇 優美 「結婚記念日の朝の光景と想像しました。薔薇をさり気なく飾る心と薔薇を見て感動する心。二人の心の通い合う姿にホロリとさせられました。」(暖流)
手折りたき薔薇の門よりセレナーデ ゆき 「なんとなく おシャレですね〜 こんな雰囲気の中で ワタクシのために弾いてもらったら、、幸せでしょうね」(ちあき)
「甘いビオロンの音が聞こえてきそうです。」(和泉)
バラ一輪厨の出窓華やげる  静歩 「素朴な心のはずみに共感。バラは薔薇という豪奢な漢字にしたかった」(弓子)
バラ色の人生知らず老いに入る 七海 「本人が自覚して居ないだけ。傍から見れば素晴らしい人生ですよ」(おさむ)
「同感ですわ〜 何かと物忘れの多い年代に入りました」(ゆき)
別れ逝く棺の上に薔薇一輪 いくこ 「最も簡素な家族葬を願っている私の理想的な風景です」(可不可人) 
古河の古き館の薔薇の園 しおみ 「歴史有る古河の由緒ある古い洋館でしょうか、そこに古いという文字を重ねて持ってきた薔薇の園のたたずまいが引き立って見えてきます、リズムもよくひきしまって香りの高い一句と思います。」(あきこ)
歩み来し道に悔いなし柿若葉 春雪 「10番の句と対象的な内容。傍の者も笑顔にする人の句」(おさむ)
「瑞々しい若葉、生涯青春を願う人の真摯な人生、私の憧れです」(可不可人)
「人様がどうおしゃろうとも、来し方を振り返りますと、こんなもの、の人生で、満足してます」(ゆき)
わけもなく幸せな日よ新樹光 暖流 「この時期は新芽が吹き木々がつややかですよね。ただそれだけで幸せ気分!なのでしょうね」(ちあき)
「この春は悲しすぎて幸せという言葉を忘れるくらいでした。それでも樹々を通してくる光を浴びればわけもなく・・ですね。」(和泉)
「爽やかな風や光が幸せを感じさせてくれます。小さな幸せが良いのです。」(優美)
開け放つ窓辺すがしき春の風 西寿 「如何にも自然に爽やかな句ですね!」(小自良)
尾根歩き緑の風の吹くままに 春雪 「爽やかで雄大な景が詠まれていて、心の中に薫風が吹きぬけてゆくようです。因みにこの句の季語は「緑風」です。」(暖流)
「新緑の風に吹かれながら歩く山は足取りも軽くなるのでしょうね。山歩きをしたことのない私にも爽快さが伝わるようです。」(優美)
「初夏の山歩きも悪くない。特に新緑の中、風のそよぐ尾根。山の心地よさがこの句から伝わってきます。」(まさき)
手の中に丸く納めて新茶かな まさき 「新茶の香りをいとおしむ様子が嬉しい」(小自良)
「何を手のなかに納めたか。諍いごとではなくても、この方の度量がみえて来ます。新茶に合っていると感じました。」(晶子)
「同じ新茶でも期待感、当たり外れが面白く思われました」(しおみ)
水を出て天空泳ぐ鯉幟 零風 「ただ、ただ見上げている私です。567倶楽部、帆掛け船、万歳!」(可不可人)
「先日テレビで、鯉のぼりの最後の行程で、糊を落とす為に川で洗い流す様を見ました。其れがそのまま大空に登って行くような錯覚さえ・・・勇壮な句ですね。」(いくこ)
きらめかせ垂らす新茶の一雫 暖流 「私もお茶大好きで、急須の最後の一滴が美味しいのだと聞かされて居ましたので、きらりと光る一滴に気持ちが行きました(笑)」(いくこ) 
暮るるとも街路はミズキの白灯り 優美 「平易でもこれ以上の表現がないほど情感がこもっていて素晴らしい句と思いました。」(あきこ)
五稜郭ひとめぐりして花月夜 あきこ 「五稜郭の桜は見事ですね。お堀を巡る桜月夜。ロマンチックで美しい一句です。」(暖流)
「五稜郭と櫻は付き過ぎの感がありますが、豪華絢爛たる花月夜の陶酔感に負けました」(弓子)
新茶の芽伸びる狭山路西に富士 静歩 「雄大な風景のなかでゆっくり頂く新茶はごくらく極楽」(ちあき)
大十勝いきいきとして新樹の香 あきこ 「春の遅い北の大地なればこそ待ちわびた季節ですね。」(和泉)
なるがまま朝を向かえて柿若葉 まさき 「素直に響きますね、世の中はなるようになりますね!」(ゆき)
「安置所」と標識のあり黄水仙 七海 「黄水仙の花言葉は<私のもとへ帰って>無機的な名詞の連なりが、この上ない情緒を醸す」(弓子)
妖しげに牡丹色濃き神楽坂 狂平 「妖艶な空気がそれとなくする、粋なつくりなのに。そこを牡丹をだして上手ですね。」(晶子)
斎王代葵祭に御禊の儀 零風 「伝統の祭に今年斎王をつとめるお嬢さんの優しい笑顔、さわやかな季節を思わせ新鮮な一句と思いました。」(あきこ)
服を着た犬の負けたり緑映え 晶子 「立派な毛皮着ているのに、その上に服 飼い主の独り善がり『暑くて 堪らない』 と犬の独り言が聞こえそう」(おさむ)