平成23年09月 選句結果

                     
得点 兼題 「曼珠沙華」 作者 戴いた人
6 老境は何ら怖れず曼珠沙華 だいご あきこ ちあき 優美 七海 ゆき
和泉
3 淋しさが際立つ野辺の曼珠沙華 いくこ すすむ 西寿 零風
2 岸の辺の狂女めきたり曼珠沙華 ゆき 244 瓢七
2 二度と帰らぬ道に咲きたる曼珠沙華 244 おさむ 晶子
1 畦道の地蔵を囲む曼珠沙華 零風 いくこ
1 結願のごとくに京の曼珠沙華 あきこ 弓子
1 ごんぎつねほのぼの里に彼岸花 春雪 だいご
1 ためらいをポンと一押し曼珠沙華 優美 春雪
1 彼岸花けなげに卒塔婆ささえるか しおみ あつこ
1 鴇色の変り者とて曼珠紗華 晶子 しおみ
1 迷い来て燃える群生曼珠沙華 ちあき 可不可人
1 マンジュシャゲ高麗川堤赤い帯 静歩 まさき
得点 雑詠 作者 戴いた人
8 体ごと歌う園児や天高し ゆき あきこ おさむ しおみ 244 だいご
零風 和泉 まさき
5 見納めと我が田を拝み仮設入る 七海 おさむ 瓢七 ちあき すすむ 西寿
4 秋めくやリュック一つの独り旅 優美 ちあき 春雪 だいご 和泉
4 住む人のをらずになをも百日紅 ゆき すすむ 弓子 西寿 七海
4 土手に座す蝗の腹の太さかな まさき しおみ 244 可不可人 弓子
3 いつのまに光も風も秋色に ちあき 可不可人 優美 いくこ
3 売れず積む古書の壁より虫の声 だいご 瓢七 晶子 あつこ
3 少女らの鳴らすほおずき里の寺 春雪 優美 晶子 零風
3 褒められて児の声弾む秋の空 七海 あきこ 春雪 あつこ
2 老妻の杖ひく影や秋の蝶 だいご ゆき まさき
1 合掌の静寂みたして秋の風 あきこ ゆき
1 夏旺ん白熊アイドル雪女 しおみ 七海
1 習い事終へたる帰路の残暑かな 西寿 いくこ
私の選んだ一句
老境は何ら怖れず曼珠沙華 だいご 「生者必滅がこの世の理ならば せめて、美しく老いたいと思う 今日この頃であります。」(あきこ)
「すばらしい 人生を生ききっても、想いが残る人生でも、ぐっと年取れば、このような心境になれるのでしょうか・・・・ワタクシはまだまだです・・・。」(ちあき)
「『流石に年の功』何事にも動じずドッシリと構えた頼もしい貫禄。曼珠沙華の根に毒があっても綺麗な花は綺麗。チョット頑固で憎めないお爺ちゃんの強さを感じました。」(優美)
「同感ですわ、今を楽しむだけ」(ゆき)
「この花はある意味嫌われ者でもあります。だけどこの歳に至れば なんのそのですよ。」(和泉)
岸の辺の狂女めきたり曼珠沙華 ゆき 「 ☆ (~o~)やっほ〜〜 秀逸 ハムレットの『スカートに水を含み・・・・沈み行く』〈美は醜をも含む〉 いっひひひ。」(瓢七)
二度と帰らぬ道に咲きたる曼珠沙華 244 「何故 帰らない道なのか 葬列が通るのか」(おさむ)
「字余りでも上の五は許されるとか。二度と帰らぬ が帰れないのか 帰りたくないのか、私は帰れないのだと受けています。」(晶子)
結願のごとくに京の曼珠沙華 あきこ 「ごとく、は説明になりますので、ひと工夫されたらより素敵な句になるのではと思います。」(弓子)
鴇色の変り者とて曼珠紗華  晶子 「変わり者と見る句は6割とみましたが、いかが。」(しおみ)
迷い来て燃える群生曼珠沙華 ちあき 「デジャビュ既視感をおぼえる風景です」(可不可人)
マンジュシャゲ高麗川堤赤い帯 静歩 「彼岸花の名所である埼玉県の巾着田で詠まれた句でしょうか。あの、川沿いの鮮やかな赤の群生が思い出され、また句中の高麗川からは朝鮮から来られた人々の歴史が感じられます。」(まさき)  
体ごと歌う園児や天高し ゆき 「体ごと歌う園児 と天高しが響きあって良い句と思います。」(あきこ)
「運動会 学芸会の風景」(おさむ)
「天高くはかわらず、よきお月さまでした。」(しおみ)
「運動会でしょうか。 青空の下全身で歌う幼子。誰にもそんな時がありましたね。」(和泉)
見納めと我が田を拝み仮設入る 七海 「汚染された田 雑草だけが生い茂る 耕作出来ない罪は 誰の罪か」(おさむ)
「☆ 困るのはこれなんだ 実際の体験なら句としての表現云々じゃ無くなる 想像 疑似体験ならば?」(瓢七) 
「この句に行き当たり、突然涙あふれました。農に携わるひとは田畑に 収穫の都度おのずと祈る心境なのです。その 田んぼが取り返しのつかないことになり、辛い思いでしょうね」(ちあき)
「毎年 痺れるような冷たい水のときから丹精込めた稲田に見納めの日を迎える心情に どうお声がけすればいいの 言葉がありません。お体を大切に」(すすむ)
秋めくやリュック一つの独り旅 優美 「きっと男性でしょうね。いいですね〜。あこがれますが 方向音痴のワタクシは旅は親しい友と行くのが安心です。」(ちあき)
「わたくしもそうしたいです。作者がうらやましい。」(和泉)
住む人のをらずになをも百日紅 ゆき 「ランドマーク代りのご近所の百日紅。二か月後の退院時もなお花盛りでしたが、きのうの花にはようよう衰えが見え、秋への気配が濃くなって来ました。」(弓子)
土手に座す蝗の腹の太さかな まさき 「そういえば、近付いても動きの鈍いのがいました。手づかみで蝉を、イナゴのかわりです。」(しおみ)
「トトロの世界も大好きです」(可不可人)
「何を見て何を考えているのでしょう。何も考えていない。理想の境地ですね。 蝗の腹の対句 < 初秋の蝗つかめば柔らかき > 芥川龍之介」(弓子)
いつのまに光も風も秋色に ちあき 「厳しい残暑の中で選句していますが」(可不可人)
「季節の変わりを感じる『いつのまに』が良いですね。そぅっと忍び寄る季節の移ろいが生き生きと感じられました。」 (優美)
「本当にこの言葉・・・実感です。」(いくこ)
売れず積む古書の壁より虫の声 だいご 「☆ 始めの五字 ’読まず積むと来たら選ばんね 臭いよ。」(瓢七)
「どうしても手元の置きたい、その心が伝わってきます。何方も同じ思いなのですね。」(晶子)
少女らの鳴らすほおずき里の寺 春雪 「上手く鳴らす事が出来たのでしょうか。私の母も綺麗に種を取り除いて楽しそうに鳴らしていました。私はその様子を見るだけで教わる事はしなかった。今となっては悔しい思い出です。昔ながらの遊びを絶やしたくないですね。」(優美)
「近頃の子は鳴らせないようです。里であるからピタリと句が決まりましたね。」(晶子)
褒められて児の声弾む秋の空 七海 「公園の少年野球ではいつもコーチの厳しい声が響きます。この句は明るくてとても気持ちのよい一句です。」(あきこ)
老妻の杖ひく影や秋の蝶 だいご 「自分の姿を見てるようです」(ゆき)
合掌の静寂みたして秋の風 あきこ 「色んな事が有りました、無力な私達は合掌して祈るのみです」(ゆき)
習い事終へたる帰路の残暑かな 晶子 「教室を出てホッとしたけれど厳しい残暑にうんざり!と言った感じよく解ります。体調にお気を付け下さい。」(いくこ)