平成24年11月 選句結果

                     
得点 兼題 「夜長」 作者 戴いた人
4 あや取りを婆が取りつぐ夜長かな  ゆき しおみ あきこ 優美 七海  静歩
4 傷多き来し方思う夜長かな 七海 おさむ 晶子 ゆき 西寿
2 長き夜も古希リセットのひとり酒 しおみ 小自良 まさき
2 縫い目にも千鳥足あり夜長かな 優美 狂平 零風
1 長き夜友を想いて酒を飲む まさき 可不可人
1 灯を消して夜長常世に続きけり 晶子 244
1 久々に子らへの便り夜長の灯 あきこ 春雪
1 夜長しパソコンメール長々と 零風 ちあき
得点 雑詠 作者 戴いた人
4 秋祭り女法被の千鳥足 春雪 小自良 零風 西寿 静歩
4 柿紅葉老父の研ぎし鎌光る 春雪 あきこ 晶子 244 まさき
3 凍て月を上げ山里の深ねむり ゆき 小自良 七海 まさき
3 柿たわわたわわなままに里の家 七海 狂平 優美 ゆき
2 廃業の街灯外し冬に入る 優美 しおみ 可不可人
2 やみ深し「かたさせすそさせ」チチロ鳴く 静歩 あきこ ちあき
2 渡り行く群包まれてあかね雲 しおみ 狂平 ゆき
1 朝時雨童の傘や秋桜 狂平 おさむ
1 淡路島コスモス揺れる浜の風 零風 春雪
1 いまここに秋澄み天に月と星 ちあき 優美
1 嬉しきは菊のかほりの中にいて まさき 七海
1 近江路の刈穂の苫屋いずくにか しおみ ちあき
1 救急車走り去りゆく秋の暮れ 西寿 可不可人
1 小鳥来て介護施設のマリア像 あきこ 晶子
1 秋霖や老農朝から酒を飲む 244 春雪
1 慰めも同情もあり木の葉髪 優美 静歩
1 花生けてひとり楽しみ秋食す ちあき おさむ
1 日向ぼこ母の温もりのごとくあり まさき 西寿
1 虫の声生まれた里の夜道かな 静歩 西寿
1 虫の声かぼそくなりて夜も更けし 西寿 零風
1 行く秋や夕日まみれの観覧車 あきこ 244
私の選んだ一句
あや取りを婆が取りつぐ夜長かな  ゆき 「紐は天然の素材でしょうか。そこまでこだわる一桁で あって欲しいですね。」(しおみ)
「続いてほしい幸せな光景です、うらやましく微笑ましい。俳句は短いけれど(一風景だけれど)大きな世界詠えています。」(あきこ) 
「お孫さんと向き合うてあや取りをするなんて良い光景ですね。我が家にはあや取りをする毛糸も見あたりません。懐かしい遊びを想い出しました。」(優美)
「微笑ましいです、孫とおばあちゃん? 老夫婦ではないですよね?」(七海)
傷多き来し方思う夜長かな 七海 「凡夫の私なら悔い多きになります」(おさむ)
「傷は幾らか強い言い方に思えます。でも同感です。」(晶子)
「秋の夜長は思い出したくない事の数々、をも懐かしく思いだされます。」(ゆき)
長き夜も古希リセットのひとり酒 しおみ 「未だお若いから一人酒も美味しそう。」(小自良)
夜長しパソコンメール長々と  零風 「ゆっくりメールができる 秋ですね〜 きっとワタクシと同じお一人様じゃないかな〜と想像しました。」(ちあき)
秋祭り女法被の千鳥足 春雪 「一度見てみたい。」(小自良)
柿紅葉老父の研ぎし鎌光る 春雪 「仕事が一段落した頃でしょうか?次への怠りない準備、お父さんに良く研がれた鎌がうれしそう、生き生きしています。」(あきこ)
「女なら包丁でも、男の方が鎌を研いでいる風景は好ましいものです。鋭い光り方がしているはず。」(晶子)
「以前、大先輩に教えられました。使用後の農具はその都度丁寧に手入れをしてからしまうようにと ・・・。鎌も刃を研いでおけば安心ですね。」(まさき)
凍て月を上げ山里の深ねむり ゆき 「情感 有りますね!」(小自良)
「煌々と光る月、山里の稜線が目に浮かびます」(七海)
柿たわわたわわなままに里の家 七海 「もぎ取る人も住む人も居ないのでしょうか。干し柿にしたら美味しいのに勿体ない。たわわなままに秋が過ぎてしまうのは寂しすぎますね。」(優美)
「花が咲いてるような熟し柿、採る方もいらしゃら無いのかも、勿体無い事です(笑)」(ゆき)
廃業の街灯外し冬に入る 優美 「店じまい 大売り出しの あと シャツターのまた上がるのは?」(しおみ)
やみ深し「かたさせすそさせ」チチロ鳴く 静歩 「今年も寒さが身にしみる冬になりそうで、こんな心境です。はがねのように強く・頑張らなくては!」(あきこ)
「寂寞とした感じがしますが、『かたさせすそさせ』が楽しい雰囲気にしてくれました。チチロはこおろぎの異名なのですね。可愛くも儚い感じの名ですね。」(ちあき)
渡り行く群包まれてあかね雲 しおみ 「綺麗な風景画が浮かんでまいります 明日は良いお天気でしょうね。」(ゆき)
朝時雨童の傘や秋桜 狂平 「登校時の風景ですな。気を付けて行けよ」(おさむ)
いまここに秋澄み天に月と星 ちあき 「今ここに・・・・この瞬間に月と星の煌めきがある。夜空の一瞬を切り取ったような表現が好きです。」(優美)
嬉しきは菊のかほりの中にいて まさき 「野趣に溢れた菊の香の清々しいこと!」(七海)
近江路の刈穂の苫屋いずくにか しおみ 「古代よりの主要街道筋でも現代では苫屋などないでしょうね。美しい 万葉歌を思いました。」(ちあき)
小鳥来て介護施設のマリア像 あきこ 「優しさが滲み出ている感じがあります。此処ではマリアでなければ。やさしさが欲しい、年を取るとしみじみそう思います。」(晶子)
花生けてひとり楽しみ秋食す ちあき 「白楽天ですな。林間に酒暖めて紅葉を焼くですかな。」(おさむ)
虫の声生まれた里の夜道かな 静歩 「この夜道は 故郷を離れて、住み着いた異郷だと思いました。」(しおみ)
行く秋や夕日まみれの観覧車 あきこ 「梅田のビルの上に立つ観覧車を想像しながら選びました。」(244)