平成25年2月 選句結果

                     
得点 兼題 「猫の恋」 作者 戴いた人
5 恋い猫の去りて眠りに入りにけり  西寿 おさむ 晶子 七海 あきこ 桜桃
3 恋猫になれぬ身知るや窓の猫 七海 可不可人 ちあき むらさき
3 ひとしきり居座るけはひ春の猫 あきこ 静歩 ゆき 狂平
2 恋猫の声くもごりて闇うごく ゆき しおみ あつこ
1 うかれ猫サンバリズムの屋根の上 まさき 春雪
1 狂い猫ウラ声高く誘ひ来る 春雪 零風
1 恋猫の妻を呼ぶ声闇を裂く 零風 いくこ
1 春の猫身の置き場なきほどの恋 晶子 小自良
1 孕み猫京のお寺の門守る しおみ 西寿
1 日高川渡りて響け猫の恋 244 まさき
得点 雑詠 作者 戴いた人
5 まほろばの春待つ炎古都を染め 零風 あつこ 晶子 静歩 むらさき まさき
3 コップ酒一人でゆらす早春賦 244 西寿 七海 あきこ
3 病室の兄の無口や余寒なほ 春雪 小自良 静歩 ゆき
3 介護する友の便りや冬日和 七海 いくこ まさき 桜桃
2 おもひでも齢もかさね福の豆 あきこ おさむ むらさき
2 しゅんしゅんとお鉄鳴りいる春であり 晶子 あつこ 小自良
2 老舗をば誇る和菓子屋寒椿 西寿 しおみ いくこ
2 大富士を眼下に捕らえ奴凧 ゆき 七海 零風
2 春の雪転職書類出来あがる しおみ 晶子 あきこ
2 レタス手にサクリと割りし若みどり ちあき 狂平 桜桃
1 梅白しものの名少しずつ忘れ ゆき 可不可人
1 北風の中二人で歩みし風呂帰り 244 しおみ
1 校庭に春一番が吹き抜ける 狂平 可不可人
1 小春日のせいで猫足泥まみれ 桜桃 狂平
1 昭和の子のらくろ読みて卒業す 春雪 おさむ
1 水仙郷五百万本斜面埋め 零風 ちあき
1 背なの児に鬼の面買う節分会 静歩 零風
1 突然の小雨に煙る野焼きかな 桜桃 春雪
1 のびやかな孤独のありて冬うらら 七海 ゆき
1 春の山登り下りて妻見舞う 静歩 春雪
1 指先に全てを込めて接木かな まさき ちあき
1 余寒なを介護施設の車くる まさき 西寿
私の選んだ一句
恋い猫の去りて眠りに入りにけり  西寿 「あの独特の唸り声は 耐えられませんな安眠妨害ですよ」(おさむ)
「喧しい猫、やっと静に寝られる、猫の数が多いのでしょう。昔はこの通りでしたが、今は聞きません。」(晶子)
「やっと静かになりましたか。おやすみなさい」(七海)
「お隣にたくさん居た猫もこの三十年の間にはみないなくなり、暫し眠りもその声に悩まされた事も遙かなこととなりました。奥さんも何故か出てゆき・・・情景がよくわかります。」(あきこ)
恋猫になれぬ身知るや窓の猫 七海 「硝子越しの猫に同情します」(可不可)
「生涯を達観したのですかね、窓の猫は絵になります」(ちあき)
「家の中に閉じ込められている、血統書つきの猫かな?恋もできない少し可哀想ですね。」(むらさき)
ひとしきり居座るけはひ春の猫 あきこ 「居丈高な猫には手こづりますが穏やかな気配の春の猫は歓迎ですわ」(ゆき)
恋猫の声くもごりて闇うごく  ゆき 「くごもりの声とかってに読み違えていました。雲後る これは見かけない表現だが、闇がそうでした。」
春の猫身の置き場なきほどの恋 晶子 「お見事!」(小自良)
日高川渡りて響け猫の恋 244 「猫の声がうるさくて、うるさくてしかたない作者の気持ちが見事にこの句から伝わってきます。お見事です。」(まさき)
まほろばの春待つ炎古都を染め 零風 「まほろばと謂われるとついつい手が出ます、素晴らしい春すね。」(晶子)
コップ酒一人でゆらす早春賦 244 「まだまだ春は名のみですものね」(七海)
「すこしづつ生命力が回復してくるようで好きな句でした。」(あきこ)
病室の兄の無口や余寒なほ 春雪 「兄上も無念でいらっしゃるのでしょうね 春はすぐ其処ですのに〜」(ゆき)
おもひでも齢もかさね福の豆 あきこ 「思い出の中身は甘酸っぱいでしょうな」(おさむ)
「幼いころの年齢に合わせた豆の数と豆まきを思い出します。老いる毎に増えていく豆の数、そう沢山は食べれない(笑)」(むらさき)
老舗をば誇る和菓子屋寒椿 西寿 「技巧もなにもない のが 好きです。」(しおみ)
大富士を眼下に捕らえ奴凧 ゆき 「浮世絵の世界が広がりました」(七海)
春の雪転職書類出来あがる しおみ 「新しい春、力の新しく湧く気持が伺えます。」(晶子)
「明るい春の雪です、同じ職を変えるにも希望に満ちているようにおもいます。新しいお仕事上手くいきますように。」(あきこ)
梅白しものの名少しずつ忘れ ゆき 「歳のせいにして過ごす日々あり」(可不可)
北風の中二人で歩みし風呂帰り 244 「歩むでなく、歩みし に なっている。ずっと昔の思い出なのでしょう。」(しおみ)
校庭に春一番が吹き抜ける 狂平 「目を閉じて青春の時代を思い出す」(可不可人)
昭和の子のらくろ読みて卒業す 春雪 「冒険だん吉 タンクタンクローも借りたり貸したり」(おさむ)
水仙郷五百万本斜面埋め 零風 「水仙の香りが漂っているのでしょう、目も楽しませて、早春の日本の美しい風景ですね」(ちあき)
のびやかな孤独のありて冬うらら 七海 「孤独も時には楽しいもの、特に心が疲れてる時は孤独を愛します」(ゆき)
指先に全てを込めて接木かな まさき 「接木には大きな期待がこめられます。覆いを破って 芽が突き出てきたらうれしいですね」(ちあき)