平成25年5月 選句結果

                     
得点 兼題 「五月」 作者 戴いた人
3 風五月どこかで声明大本山 244 ちあき ゆき あきこ
3 ランドセル肩になじみし五月かな 静歩 春雪 狂平 零風
2 山頂の十字架映ゆる聖五月 春雪 しおみ 桜桃
2 すれ違う口笛の人風五月 ゆき 葉風 晶子
2 病室に五月の風を入れにけり 七海 西寿 まさき
1 五月晴れ小鳥のごとく孫がくる あきこ 静歩
1 五月には茜たすきで新芽つみ 零風 いくこ
1 聖五月言葉少なく父帰る まさき 七海
1 デモ寂し昭和消え行き皐月入り しおみ おさむ
得点 雑詠 作者 戴いた人
6 二拍目の音冴え杜の若葉風 桜桃 いくこ 狂平 零風 七海 静歩
あきこ
5 膝つきて庭の草引く老いし母 244 いくこ 狂平 零風 まさき 桜桃
3 四万十の川面を泳ぐ鯉幟 零風 西寿 静歩 あきこ
2 躓いて蝶に負けてる雀の子 静歩 ゆき 晶子
2 菜の花や海に生まれて海に逝き 七海 しおみ まさき
2 ハンカチを広げてくれし花の下 あきこ しおみ 桜桃
2 母の日も遺影に一輪笑みを挿し 葉風 春雪 西寿
2 雪解けの富士は入り日を肩に懸け 狂平 晶子 七海
1 梅の実の日増しに枝に届く距離 まさき ゆき
1 桐の花ピアノの音の流れ来る 春雪 ちあき
1 芝桜花踏まぬよう道があり  静歩 葉風
1 花の宴友と語らい酒を注ぐ 西寿 おさむ
1 ばたやん忌春を惜しみて島の唄 春雪 おさむ
1 花過ぎてしだれの桜ひと休み 葉風 ちあき
1 吹雪くなか緋鯉真鯉はゆうぜんと しおみ 葉風
1 故郷のまた遠くなり八十八夜 七海 春雪
私の選んだ一句
風五月どこかで声明大本山  244 「声明の大合唱?は 圧倒されます。毎朝お経を唱えるとき、、お坊様のような発声に近づくように、唱えるのですが体調に左右されます。難しいです。」(ちあき)
「中七が効いてますね、そう、どこからか五月の風が聞こえてまいります」(ゆき)
「風かおる五月の声明〜よくマッチしていて清々しい句です。」(あきこ)
ランドセル肩になじみし五月かな 静歩 「学校にも慣れ、友達も出来て一番楽しい時。下校児の見守りをしながらの実感です。いい瞬間を詠まれましたね。」
山頂の十字架映ゆる聖五月 春雪 「マリアに因む季語の重さ。五島の景色みたい。芦屋では 川の東に十字架、西側には、仏教寺院。」(しおみ) 
すれ違う口笛の人風五月  ゆき 「気持ちの良い 風が頬に・・・」(葉風)
「何となく爽やかなものを感じます。口笛を吹く人も減ったようです。」(晶子)
五月には茜たすきで新芽つみ 零風 「緑滴る茶畑に赤いたすきの女性たちが、新茶を摘んで居る風景が見える様です。」(いくこ)
聖五月言葉少なく父帰る まさき 「帰ってしまってから気になる時ってありません? 父にもっと親切にしておけばよかった。」(七海)
デモ寂し昭和消え行き皐月入り しおみ 「五月のデモと言えば メーデー 四条烏丸の真ん中でデモり市電 市バスを止めた ジグザグ行進が懐かしい三十数年前の事。今の労働者は大人しいのか?現在に満足しているのか?」(おさむ)
二拍目の音冴え杜の若葉風 桜桃 「今年は若葉も遅い北の国です。若葉風、心地よくお参り出来たでしょう。何をお祈りしたのでしょうか。」(いくこ)
「新緑に音楽って似あいますね。」(七海)
「二拍目の柏手強く多くを言わずすっきり焦点をしぼり、あたりの静けさも、良く伝わります。」(あきこ)
膝つきて庭の草引く老いし母 244 「私は母が遠くに去りましたが、心を込めて赤い大輪のカーネーションを供えて上げれば良かったと思いました。」(いくこ)
四万十の川面を泳ぐ鯉幟 零風 「川面を鯉幟が泳ぐ としたところ良いですね。句の流れ良く 悠々と雄大な感じですね。」(あきこ)
躓いて蝶に負けてる雀の子 静歩 「風景の着眼点が面白いですね。どちらが負けても、勝っても絵になります。」(ゆき)
「雀が躓くかしら?でもこの表現が面白いです。」(晶子)
菜の花や海に生まれて海に逝き 七海 「西行は桜、太宰の桜桃、それに司馬さん いろいろあって、みんないい。おいらはどうなる。」(しおみ)
「私は農家に生れ農で終わりそうです。」(まさき)
ハンカチを広げてくれし花の下 あきこ 「そっと 広げたのは、どちら?」(しおみ)
母の日も遺影に一輪笑みを挿し 葉風 「我が家にはまだ仏壇もありませんが、やはり母の日ともなりますと色々と思い出します。私がその年齢になってはじめて母の心も分かるようです。この句の下5「笑みを挿し」で作者の気持ちがよく表現されたと思いました。」
雪解けの富士は入り日を肩に懸け 狂平 「お話が大きいのが嬉しいですね。壮大で頼もしい。」(晶子)
「雄大ですね。」(七海)
梅の実の日増しに枝に届く距離 まさき 「今年は梅の不作とか、収穫が楽しみですね。」(ゆき)
桐の花ピアノの音の流れ来る 春雪 「遠目に薄紫の花は藤かなとおもっていましたら、桐とのこと、最近しりました。表で一休みしていましたら、孫の練習のピアノがながれ、、ひいきに聴いているワタクシの 姿みたいです。」(ちあき)
芝桜花踏まぬよう道があり 静歩 「いろいろな 捉え方を 楽しんでいます」(葉風)
花の宴友と語らい酒を注ぐ 西寿 「友は元同僚か? 幼友か? 花と気の置けない友。楽しい春の一時」(おさむ)
ばたやん忌春を惜しみて島の唄 春雪 「オッスの声が、ギターと共に今も耳に目に浮かぶ」(おさむ)
花過ぎてしだれの桜ひと休み 葉風 「花を愛で、葉桜もよし。ほっと樹も人もひと休みですね。」(ちあき)
吹雪くなか緋鯉真鯉はゆうぜんと しおみ 「北の大地でしょうか、 広々と大きな未来が拓けて見えます。」(葉風)
故郷のまた遠くなり八十八夜 七海 「私も18才から故郷を離れております。でも100qの距離ですから墓参などで帰省をします。この懐旧の気持ちを季語に託された俳句力に敬服しました。(春雪)