平成25年6月 選句結果

                     
得点 兼題 「五月」 作者 戴いた人
4 方丈の廂飛びゆく蛍の火 春雪 晶子 狂平 静歩 七海
3 風湿り水の香りへ蛍追ふ 晶子 葉風 あきこ 244
2 ほうたるや夕べの風の清々し あきこ 西寿 ゆき
2 蛍火の闇に消えゆき草灯す ゆき 桜桃 瓢七
1 里の川儚く光る蛍かな ちあき いくこ
1 知り尽くす暗がりの道蛍狩り 静歩 ちあき
1 墓石に妻の化身の蛍来ぬ 西寿 しおみ
1 蛍おば見たは何時ぞと指を折り 零風 おさむ
1 童らの蛍追う聲今昔 狂平 零風
1 蛍火やモールス信号恋騒ぎ 桜桃 春雪
1 蛍火やあの子はどこへ行ったやら 七海 まさき
得点 雑詠 作者 戴いた人
4 薫風を入れてひとり暮らしの間 静歩 西寿 あきこ ゆき 瓢七
4 ことも無きひと日の過ぎて茄子の花 ゆき 葉風 ちあき 七海 瓢七
3 紫陽花や思いとどかぬことばかり 七海 春雪 ゆき まさき
3 路地くぐりかほる襟あし麻のれん 葉風 狂平 しおみ 静歩
2 急降下分厚い梅雨雲切り裂かれ しおみ おさむ ちあき
2 早乙女の脚の白さよお田植祭 244 狂平 静歩
2 一雨に色深まりぬリラ祭 あきこ 葉風 いくこ
1 鮎宿の香りと煙ながれ来る 春雪 桜桃
1 青々と夏匂い立つパセリかな 七海 まさき
1 田舎道田植えの準備声飛び交い ちあき おさむ
1 早苗田の牛に花笠囃し唄  晶子 零風
1 卯の花に昔話の路がつき まさき 244
1 新緑の枝に幾多の御籤かな 西寿 晶子
1 ジーンズの破れ愛らし薄暑かな 西寿 244
1 静寂に我を見つめし鮎の宿 葉風 春雪
1 添え書きに三つ葉摘みとあり新茶くる 静歩 しおみ
1 入院と医師の宣告破れ傘 春雪 あきこ
1 松の芯摘めばちらりとつばくらめ 晶子 桜桃
1 円山の辿る細道夏帽子 あきこ 西寿
1 万緑のまへ君もこの世も無き如し ゆき 七海
1 山法師緑の袈裟に白頭巾 狂平 零風
1 ゆすら梅ほどの赤さや今朝の紅 桜桃 晶子
1 幽玄の炎に浮かぶ薪御能 零風 いくこ
私の選んだ一句
方丈の廂飛びゆく蛍の火  春雪 「蛍は本当に中々見られません、是は空想であっても納得です。」(晶子)
「鴨長明も、こんなふうな寺で、方丈記を書いたのでしょうか?」(七海)
風湿り水の香りへ蛍追ふ 晶子 「 一等きれいに 光っている情景が見えます。」(葉風)
「蛍の飛び交う美しい闇を思い浮かばせてくれます。」(あきこ)
ほうたるや夕べの風の清々し あきこ 「ごく自然の姿でこのましいい佳句ですね。」(ゆき) 
蛍火の闇に消えゆき草灯す  ゆき 「お尻の点滅が言葉ならば何を言っているのか気になります。」(桜桃)
「葉裏を照らして消えゆく光 なんてメランコリック。 詠み人よ この潤いを永久に!(*^_^*)」(瓢七)
里の川儚く光る蛍かな ちあき 「今は蛍も見かけなく為りました子供の頃が懐かしいです。」(いくこ)
知り尽くす暗がりの道蛍狩り 静歩 「最近近所でも、蛍が復活したというので、暗くなって見に行きましら、こんな状態です」(ちあき)
墓石に妻の化身の蛍来ぬ 西寿 「地方には屋敷墓が残っています。」(しおみ)
蛍おば見たは何時ぞと指を折り 零風 「四肢の指でも足りません。半世紀以上前の事です。」(おさむ)
蛍火やモールス信号恋騒ぎ 桜桃 「蛍火の点滅は何故か?と学説も色々とあるようだが、やはり恋のためと理解したい。そう思った途端に人間社会と同じの恋騒ぎとなる愉快さに魅せられた。」(春雪)
薫風を入れてひとり暮らしの間 静歩 「中六なのですがその中に一文字分の間もあるようで、いいと思いました。最後下五も落ち着いて座り良く思います。」(あきこ)
「納得できます。今、私もそうしてますので・・・」(ゆき)
「この悠々たる句に 己は中七文字に’も と言う一文字を入れたくなる昨今。」(瓢七)
ことも無きひと日の過ぎて茄子の花 ゆき 「 穏やかで 豊かな時が 伝わってきます。」(葉風)
「平常の日々が過ぎていく これが一番平和。ナスもおいしくなりますね。」(ちあき) 
「事も無き日のありがたさ、退屈さ、茄子の花がいいですね。」(七海)
「日の暮れかけ、紫に淡い黄色 (*^_^*) 良くぞ気づいて下された。」(瓢七)
紫陽花や思いとどかぬことばかり 七海 「この年齢になると本当に思い通りにならぬもの。七変化の人生を歩みたかったと想ふ今日この頃。」(春雪)
「中七が効いてますね。そう、思いは届かない事ばかりで時は過ぎてゆきます。」(ゆき)
路地くぐりかほる襟あし麻のれん 葉風 「言葉がリッチな金環食のよう。」(しおみ)
急降下分厚い梅雨雲切り裂かれ しおみ 「オスプレイは急降下はしないから雲は切り裂かれないな。」(おさむ)
「ツバメのことですかね!!勢いがありますね。」(ちあき)
一雨に色深まりぬリラ祭 あきこ 「深い雪の中で この季節を辛抱強く 待っていたのでしょう。」(葉風)
「札幌のライラック今年も見損なって仕舞いました」(いくこ)
鮎宿の香りと煙ながれ来る 春雪 「こんな素敵なお宿で一夜を過ごしてみたいです。もちろん相手は・・・」(桜桃)
田舎道田植えの準備声飛び交い ちあき 「機械の入らない棚田の風景か。今はエンジンの音ばかり。」(おさむ)
新緑の枝に幾多の御籤かな 西寿 「先日病気の方が凶を引かれました。枝に結んだそうです。」(晶子)
静寂に我を見つめし鮎の宿 葉風 「鮎の宿、といえば姉川の宿を思い出す。魚籠を花瓶として山ツツジの活けられた静寂。自己を見つめる作者の心がにくい。」(春雪)
入院と医師の宣告破れ傘 春雪 「破れ傘の季語で取り合わせた気持ちが伺えます。」(あきこ)
松の芯摘めばちらりとつばくらめ 晶子 「毎年松の芯が伸びる頃の出会いと感じました。軒を借りに来る燕がいるのでしょうか?素敵ですね。」(桜桃)
万緑のまへ君もこの世も無き如し ゆき 「いき年生けるものの圧倒的生命力を感じます。素敵な句ですね。」(七海)
ゆすら梅ほどの赤さや今朝の紅 桜桃 「ゆすら梅という言葉がうれしかったです。幼い頃の思い出があります。」(晶子)
幽玄の炎に浮かぶ薪御能 零風 「昔名古屋で、初めて薪能見に連れて行って貰いました、生で見て感動しました。」(いくこ)