平成26年10月 選句結果

                     
得点 兼題 「秋の水」 作者 戴いた人
4 父祖の地に母も眠りて水の秋 柚子 あきこ 可不可 晶子 西寿
2 秋の水瀬に落鮎を遊ばせて 晶子 しおみ 桜桃
2 らんちゅうの尾びれの透けや秋の水 244 柚子 七海
1 秋の水孤愁を愛す君の居て  春雪 244
1 秋の水くつきり映える富士の影  零風 いくこ
1 散歩終へ喉鳴らし飲む秋の水 西寿 零風
1 菜を洗う流れ清らか秋の水 桜桃 ちあき
1 指の間を零る名水秋の水 あきこ 静歩
1 余生とは長きものなり水の秋 七海 春雪
得点 雑詠 作者 戴いた人
4 糠漬けの紫紺のしみる秋茄子 西寿 いくこ 244 晶子 零風
4 山一つ大きく抱いて秋の雲 あきこ 桜桃 静歩 ちあき 西寿
3 満月や猫に飼はれてゐる私 柚子 可不可 晶子 七海
2 一群の黄菊白菊陽を抱けり あきこ いくこ 柚子
2 鈴虫やいずこに棲むや餌ありや ちあき 桜桃 西寿
2 ちちろ鳴く背戸に空き缶放おり投ぐ 244 静歩 七海
2 腕白の子等招きをり草虱 春雪 しおみ あきこ
1 秋の声千石船の寄る湊 春雪 柚子
1 月食や東京タワーLED 静歩 ちあき
1 グリルの火焦げ目の薄き秋刀魚焼く 244 しおみ
1 スカイプの向こうに届く虫の声 ちあき 春雪
1 発熱に身の頼りなき秋の雨 桜桃 あきこ
1 満月に見ほれて二人足を止め 七海 可不可
1 身を護る千の手段や山噴火 静歩 春雪
1 寄りあえば老後の話秋彼岸 西寿 零風
1 夕焼けて染まる川面に投網打つ 桜桃 244
私の選んだ一句
父祖の地に母も眠りて水の秋 柚子 「水の秋という美しい季語 永遠のお母さんに捧げるにぴったりです。」(あきこ)
「さんこつのふるさとは山河風光なり」(可不可)
「親子代々の故郷は眠りに着くには最適の安住の場所です。」(晶子)
秋の水瀬に落鮎を遊ばせて 晶子 「落ち鮎。むかしは生活の糧、今は遊び。」(しおみ)
「遊ばせているという表現が良いですね。 簗瀬で塩焼きを食べる美味しさを思い出しました。」 (桜桃)
らんちゅうの尾びれの透けや秋の水  244 「尾びれに透けがあるんですね。見たことが ないので想像を膨らませました。 泳ぐ姿が目に浮かんできました。」(柚子)
秋の水くつきり映える富士の影 零風 「何処の湖なんでしょうね、私も観て見たい 気持ちです、逆さ富士の姿綺麗でしょうね。」 (いくこ)
菜を洗う流れ清らか秋の水 桜桃 「昔は 身近にきれいな小川が流れていましたが 現代はなかなかそのような恵まれた場所はないです。 実家のほうに昔々「くみじ」という場所が各家にありました。」(ちあき)
余生とは長きものなり水の秋 七海 「あまり詠嘆的な俳句を好まないのですが、80歳を 越えますと、どうしても生かされている自分を認めざるを 得ませんね。」(春雪)
糠漬けの紫紺のしみる秋茄子 西寿 「茄子の紫いろに漬かったのを、縦に割いておやつ代わりに良く食べて居た頃が懐かしいです。歳を取ると食べられない物が多く為ります。」(いくこ)
「この秋は糠漬けを失敗、良い色を思い浮かべて羨ましいです」(晶子)
山一つ大きく抱いて秋の雲 あきこ 「スケールの大きな句ですね。 筑波山も母なる雲に抱かれて雨を降らせる ことが有ります。」(桜桃)
「でっかい風景に、透き通る青い空に白い雲は気分がいいです。」(ちあき)
満月や猫に飼はれてゐる私 柚子 「月光 猫一匹の 不眠症」(可不可)
「猫好きの姿を言いえて妙です」(晶子)
「まさしくワタクシも猫と犬に飼われています。 マッ、それも佳きかな(^_^)」(七海)
一群の黄菊白菊陽を抱けり あきこ 「太陽の光と暖かさを一杯浴びて、薫り高く咲いて居る菊美しいでしょうね。」(いくこ)
「菊の香がここまで匂ってくるような。 穏やかな秋の日差しも目に浮かびます。」(柚子)
鈴虫やいずこに棲むや餌ありや ちあき 「虫の音は聞いているけどどこで鳴いているのかとあまり気にしたことも無かった。 餌は何かなんて考えもしないで綺麗な音色にだけ 思いを寄せていたことが何だか可笑しくなります。 素晴らしい観察力・注意力に脱帽です。」(桜桃)
ちちろ鳴く背戸に空き缶放おり投ぐ 244 「ム、ムム・・・うるさかったんですかね、虫の声 (^_^)フフフ」(七海)
腕白の子等招きをり草虱 春雪 「草ジラミの着眼に敬意、種は身近に。」(しおみ)
「草虱は草の果実のとげと初めて知りました、 擬人化が面白いと思いました。」(あきこ)
秋の声千石船の寄る湊 春雪 「千石船が寄港する湊、さぞにぎわうことでしょうね。 秋の声がぴったりです。」(柚子)
月食や東京タワーLED 静歩 「いかにもいまどきですね!!」(ちあき)
グリルの火焦げ目の薄き秋刀魚焼く 244 「七輪でなくても、IH 両面焼き7分で満足。」 (しおみ)
スカイプの向こうに届く虫の声 ちあき 「誰とお話をしてるのだろうか? 話声の合間に虫の声が聞こえるなんて、なんてロマンチックな雰囲気なんだろうか。」(春雪)
発熱に身の頼りなき秋の雨 桜桃 「肌寒きしとしと続く秋の雨、心許ない 作者の心もち思われました。」(あきこ)
満月に見ほれて二人足を止め 七海 「ひとまわり おおきくなりて のぼりくる」(可不可)
身を護る千の手段や山噴火 静歩 「私も登山が好きなんですが、一瞬にして運命の分かれです。山の恐ろしさを改めて知らされました。 御嶽山と云わないところが時事俳句との分岐点です。」 (春雪)