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事実から学ぶエネルギーの授業


進士かおり(TOSS中学/三重アイリス)

中学3年生に1時間のエネルギーの授業を行った。具体的な数値から「エネルギーが枯渇する。」という事実を知らせ、近未来のエネルギーについて考えさせる。


向山洋一氏の授業記録「エネルギー教育の授業」(教育トークライン1999年7月号)「エネルギー危機をどう授業するか、2030年から2100年までのエネルギー」(TOSS社会研究会HP)吉田高志氏の実践をもとに授業を行った。
まず、「夜の地球」のカラーポスターを黒板に貼る。
黒板まで見に来るように指示をした。生徒は暗い陸地と色分けされた光に注目していた。

発問1 この写真は何を表しているのでしょうか。

・夜の景色 ・夜の地球

発問2 夜の地球の写真に写っている明かりには5種類の光があります。何でしょう。

都市の明かり、オーロラはすぐ出てきたが、漁り火、油田の光、焼き畑の光はヒントを出しながら説明した。

説明1 このような明かりをつける力、電気をつける力をエネルギーといいます。

発問3 エネルギーのもとになる石油やウランはいつかなくなります。どれくらいでなくなると思いますか。

人間1人が約30年を表すことにして、自分、子ども、孫と年月を表すように指示をした。向山氏の追試である。
3人、4人と生徒は書き足している。最高は8人であった。

正解は自分の代である。人で示すという指示はエネルギーの枯渇が目の前に迫っていることを生徒に実感させた。
「資源の確認可採埋蔵量」の資料を関西電力のHPよりダウンロードし印刷して配布した。

石油…45.8年
ウラン…43年

その数値を見て、生徒は驚いていた。

発問4 石油がなくなったあとのエネルギーはどのようにして作り出しますか。思いつくものをすべてノートに書きなさい。

生徒からは太陽電池、風力、水力、石炭、ガスなどが出された。

ここで宇宙太陽発電、核融合発電といった新しいエネルギー開発方法があることを説明した。
しかし、実用化には100年近くかかり石油の枯渇に間に合わないこと、現在の太陽光発電では日本全国の屋根に太陽電池をつけても2パーセントの電力しか供給できないこと、石炭、ガスは二酸化炭素の問題があること、原子力は廃棄物処理の問題があることを説明した。
この後「あなた達の中から、将来エネルギー問題を解決するような科学者がでるといいですね。」と語って授業を終えた。

生徒の感想
・石油はいつかなくなるのは知っていたけど、こんなに早くなくなるなんて知らなかった。
・私たちが死んでから困る子どもたちのためにも、私たちがどうしていくのかを考えておかないといけないと思う。石油のない日本こそ、もっと真剣に考えなければならないと思う。


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