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進士かおり(TOSS中学/三重アイリス)
課題に対して仮説を立て、その仮説を証明する資料を探すという流れは調べ学習につながっていく。まずは教科書、資料集の資料をもとに、仮説を証明する授業を何度か行っていく。これならば短い時間で、資料をもとに仮説を検討するという機会を多く持つことができる。
発問1 天ぷらうどんの材料は何ですか。ノートに書きなさい。
小麦粉、えび、しょう油、卵、カツオ、ネギ、大豆
身近な食材であるので、次々と意見が出た。
発問2 たくさんの材料でできていますが、この中で日本で半分以上自給されているのはどれだと思いますか。予想して手を挙げます。
自給とは「自分の国でつくること」と補足説明をした。
自給率が50%を超えている材料に○、超えていない材料に×をつけていった。 ×がどんどん増えていくのを見て、生徒から「えー」という声が聞こえた。
自給率が50%を超えている材料はネギを含めた野菜と卵である。
しかし、卵も飼料を輸入品と考えると自給率は約10%になる。
教科書の資料を提示する。(各国の穀物自給率)
タイトル、出典、年度、縦軸、横軸、単位をテンポ良く確認していく。
発問3 このグラフを見て、わかること、気がつくこと、思ったことは何ですか。
・日本の自給率は他の国と比べて一番低い。
・外国では自給率が2000年になって増えている国もある。
・日本は自給率が減っている。
発問4 日本の自給率が下がっているのはなぜだと思いますか。予想してノートに書きなさい。
まずは自分の考えをノートに書かせた。
・日本はたくさん輸入しているので自給率が下がった。
・日本は農業をしている人が少ないので自給率が下がった。
・日本は農地が狭くて、あまり作物を作れないので自給率が下がった。
・日本は災害が多いので、作物が育たず自給率が下がった。
・物の値段が高くなれば、それだけ人が買わなくなるので自給率が下がる。
発問5 自分の予想があっているかどうか教科書で調べなさい。
発問6 自分の予想を証明する資料が見つかった人は、ノートに資料の番号を書き込みなさい。
予想の隣に番号を書かせ、書いたら前に持ってくるように指示をした。生徒は自分の予想と照らし合わせて、資料を良く見ていた。
資料からは、数多くの食材を外国から輸入していること、国産品より輸入品の価格が安いこと、農業生産が多様化していること、農業人口が減っている、高齢化が進んでいることがわかる。
その後、あっていた予想と資料の番号を発表させた。自分が予想していなかった考えがあれば追加してノートに書き込むように指示をした。
自分で仮説を持ち、それを証明する資料を探す課程で、子どもたちは日本の農業の特色を知っていくことになる。
《先行実践》 辻岡義介:「5年食料生産」,TOSSランド1143006 http://www.tos-land.net/