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09/2/11-13 北谷一軍キャンプ -3- (野手編:主力)



投手に続いて、野手についての雑感です。
粒ぞろいの投手陣に対して、主力に大ゴマがいない野手陣の方は、戦力としてリーグでも下位グループというのが一般の評価であり、それには私も同意します。
ただでも弱い打線からウッズや中村ノリが欠けた穴を、得体の知れない新外国人と、ほぼ全く実績のない若手で埋めなければならないとなると、常識的にはダントツに弱い打線やと指摘されても仕方ないでしょうな。
今季のドラは、野球の内容を変えること、そして現有戦力の底上げで戦おうとしてます。
今キャンプで他球団と戦える陣容になったのかどうか、興味深く見させてもらいましたが、さてどういう結論になったやろか?

…ちなみに、私が見た限りでは、打撃練習の時間がかなり長いように感じました。
室内打撃も含めると、守備練習より打撃練習の方が長かったのと違うかな?
何やかんや言っても、やはりチーム強化のポイントが打撃やというのが、こうしたあたりに窺えますな。
それでも時間を作って主力向けの落合ノックや、若手向けの川相ノックがかなりありましたから、全体での守備練習が少ないと感じただけかも知れまへんが。



立浪
ABCD
                            EFG
ラストイヤーを宣言した、我らがミスター・ドラゴンズ。
しかし奴は、一挙手一投足がホンマに絵になりますなぁ。
さすがスーパースターですわ。
もっと奴のプレーを見続けたいけど、それがもう叶わないと思う寂しいもんです。
今季は絶対、奴を熱烈に後押しせんとね。

さて今季から奴の打撃フォームが大きく変わりました。
写真にあるように、これまでの一本足打法を捨てて、二段ステップとなってます。
恐らくは軸ブレを極力廃するための変更やと思われ、うまくいけば好結果が得られるでしょうが、ヘタをすると軸が投手側に流れやすくなったり、強いスイングができなくなったりすることあります。
ラストイヤーだけに、是非ともこの打撃改造がうまく機能して欲しいと願いますわ。

あとは…しっかりコーチしてます。
良太を中心に、藤井や、野本、岩崎達など、若手のバッティングゲージにへばり付いて、ボディアクションとともに熱心に教えてました。
昨季は平田の成長を促した手腕は、今季も若手連中に対して発揮されそうですわ。
私も指摘してきましたが、昨秋には堂上直のドアスイングの修正を図ったらしく、その結果がこのキャンプの好調として表れているほか、さらに岩崎達にも効果的に助言をしたとのこと。
どうやら奴は、技術を伝える術にも優れているようですな。
なかなか奴は、ユニフォームを脱ぐことはできんのと違うかな(苦笑)。


和田
ABCDEF
森野と並ぶ四番候補。
今季からアウトステップを止めるようですが、さてどんな結果になるでしょうな?
アウトステップは、強靭な下半身の粘りによって、左ヒザ、左肩のカベを崩さずにスイングできれば、内角に詰まらず外角にも対応できます。
奴は広いストライクゾーンの、どこに対してもバットが出る打者でしたが、外角にバットを出すために下半身で頑張るのが辛くなってきたのかも知れまへん。
今季は内角の捌きがどうなるかに注目ですわ。


年俸1.5億円の外国人助っ人として、その残した数字と手抜きプレーのため、ブーイングの対象にしてきたんやけど、練習を見たら奴がレギュラーなのも納得かなぁ。
若手連中とは、やっぱり打球の伸びも、ジャストミートする精度も違いますわ。
こういうのを見ると、監督が「選手の上手いヘタはオレたちが一番よく知ってる」と言ってるのも分かります。
手抜きも昨季は影を潜めましたし、相対的にはやはり奴がレギュラーを張るべきなんでしょうな。

とは言え、大幅な数字の上積みが期待できないのも確かであり、早く奴に追いつく存在が出てきて欲しいもんです。


デラロサ
井端の離脱で、開幕二塁が有力視されてますな。
非常に人懐っこい選手で、ノックをミスすると「スイマセーン」と日本語で謝ったり、ファンからのサインや写真の求めに気さくに応じたり、つい応援したくなりますわ。

打撃では、同時に打ってたブランコより、ミートの精度も飛距離も劣ってますが、それでもグーンと伸びていくライナーは、まだまだ若手連中の追随を許しまへん。
ただし守備の方は、ハンドリングは柔らかいものの、捕球精度や守備範囲(特に前方)では井端や荒木に及びまへん。
岩崎達や澤井も伸びてきている以上、サブ要員ナンバーワンの地位も安閑とはしていられんでしょうな。

←動画後方はブランコ


荒木
ボールへの入り方、逆シングルを中心としたグラブの使い方あたりを、監督から指導されてましたが、私が見た頃にはかなり様になっていたと思います。

気になるのは、軽いスローイングしかしていなかったことであり、肩の不安からあまり打撃練習もできない様子でした。
いつからフルメニューの練習に復帰できるのかが気になりますわ。
去年の森野の例もありますから、再故障を避けるためにも、突貫工事は避けて欲しいんやけどね。


井端
視察一日目には奴を含めたノックを見ることができましたが、翌日には北谷から奴の姿は消えてしまいました。
ここ数年、ずっと悩まされている目の不具合やけど、きちんと完治するのかどうか心配やね。
プロ野球選手の主な引退理由の一つとして、目の衰えというのがあるだけに、どこかで根本治癒を図ったほうが良いと思うんやけどな…。
開幕から1〜2ヶ月遅れたとしても、特に奴の場合は無理はしないように願いたいところです。


森野
ABCD
                         EFG
奴が日本を代表する打者に成長するなんて、ほんの三、四年前には想像もしてまへんでした。
故障欠場が長かったのは問題やけど、成績自体は文句のないものやったと思います。

それにしても、奴の打撃フォームは段々福留みたいになってきましたな。
このキャンプを見ていると、ステップは右足を上げるのを止めてスリ足になり、テークバックも最小限になってきました。
無駄なアクションを極力廃して、どのコース、どんなタイミング変化にも対応しようという工夫が見て取れますな。
こうしたトライにより、今季はさらに打率を上げそうな気がしますわ。

それにしても奴の打球音は凄いね。
ああいう音を出せるのは、奴かブランコくらいなものでした。
奴のスイングの速さを裏付けてますな。


ブランコ
ABCD
           EFGH
奴がウッズの後釜を任せられるのかどうかは、今季のドラの最大の関心事の一つでしょうな。
前評判では打撃は粗いし、守備も拙いと聞いてたんやけど、思ったよりええ選手で安心しましたわ。
これならファーストのレギュラーは、奴で決まりと違うかな。

まずウィンターリーグで、試合数の2/3の失策数があったという守備面やけど、安定してるという印象でした。
監督のノックも難しい打球は少なかったけど、一二塁間の逆シングル、一塁線の難しいハーフバウンドとも安定した捕球を見せてくれました。
さすがに巨体だけに反応がいいとは言えまへんが、捕るべき打球はきっちり捌いてくれそうです(凡ミスの多い良太よりは上手いと言うべきでしょうな)。
さて注目の打撃の方やけど、写真Eにあるようにバットが身体から離れず、内側からスイングすることができているため、打撃練習ではミートの精度も結構高いものがありました。
キャンプ当初は下半身が使えず、オーバースイングするために軸ブレも見られましたが、私が見た頃にはこうした症状は修正されてましたわ。
またジャストミートしたときの打球のスピードは感嘆ものであるほか、完全に差し込まれて打ったら打球はライトスタンド外側のネットに突き刺さったというものもあり、パワーとついてはウッズ並みを期待しても良さそうです。
このようにスイングはコンパクトかつパワフルのため、いろんなボールに対応できると期待しますが、生きた変化球を打てるかどうかは実際に見てみたいところ。
恐らく大丈夫やと思いますが、ある程度変化球にも対応できるなら、打線の破壊力低下も最小限で済みそうです。
結構、期待できると思いまっせ。


キャンプ報告は、次の野手(若手編)が最後になります。
かなり視察当時から時間が経過していますが、最後までお付き合いください。