タイトルイメージ 本文へジャンプ

09/2/11-13 北谷一軍キャンプ -2- (投手)

前回はキャンプ全体への感想を述べてみました。
選手の技術がどうやとか、そんなことが分からんでも十分夢心地になれますんで、カネと時間が許すのであれば是非沖縄へ行ってみてください。
ちなみに参考までに私の場合、二泊三日、羽田出発の一人旅、レンタカー付きの素泊まりで、約4.5万円ほどでした。



では今回から、選手個々の話題に入りたいと思います。
この時期は投手の方が仕上がりが早く、ベテランの岩瀬や読谷の昌を除けば、主力の朝倉や中田も含めて、かなり力の入った投球を見ることができました。
今季は一軍枠について、昨季の実績組と、故障からの復活組によるハイレベルなバトルになってます。
たいていの投手について、試合に出られなくなっても代わりがいる状態であり、特に一軍ボーダーライン組の連中は必死やと思いますわ。

長峰
ABCD
            EFGH
奴も昨季の実績組ですな。
まぁ、昨季は「経験を積ませてもらった」という感じかも知れまへんが。
ええとき、悪いときの差が大きく、投げてみなけりゃ分からないと分からん投手というのが、私の奴への印象でしたが、一冬越えて確実に成長しているようです。
フリー打撃に登板したのを見ましたが、スタンドから見ていても分かるくらいストレートがググッと伸び、球種が分かっているのに何度か打者から空振りを奪ってましたわ。
調子の悪いときの誤魔化し方を覚えることができれば、ちょっと今季が楽しみです。


ネルソン
ABCDEF
昨季はまだ速いボールを投げられるだけの、スタミナ、制球、クイックなどなど、課題の多い投手やったけど、フリー打撃で見た限り、角度と球威のあるボールを投げ、そしてストライクゾーンにボールを集めることはできるようになってました。
ただし、球威が売りであれば、そこにもうひとつ突き抜けたものが欲しい。
打者を圧倒する投球ができなければ、一軍定着は厳しいかも知れまへん。


パヤノ
ABCD
                           EFG
今季加入した外国人左腕。
ストレート中心の投球だけに、特徴を把握するまでは至りまへんでしたが、ボールが見づらいフォームのためか、打者が奴の投球に慣れるまではボールに差し込まれてしまい、なかなか打球がゲージの外に出まへんでした。
ただし、球速を感じさせる投球ではありまへんでしたので、外国人特有のムービング系のボールが欲しいところ。
もしくは調整が進んで、もっとボールに威力が出てくるなら万々歳ですな。


岩瀬
私が見ている間は、ブルペンに入ったり、シート打撃に登板したりはありまへんでした。
(すぐ後日、シート打撃に登板したようですが)
奴一人がサブグラウンドで、ノックを受けていたのが印象的でしたわ。
個人的に、昨季の奴の不調は五輪予選の疲労の影響やと思ってますんで、今季は違ったところを見せてくれると期待してます。
奴が奴らしい投球をできなくなることが、ドラの失速原因として一番ヤバいので、これは期待以上に祈りに近いものでもありますが。


高橋
ABCD
                        EFG
昨季はセットアッパーとしてブレイクし、今季も活躍が期待される左腕。
しかしこの日のフリー打撃では、ええところがなかったなぁ。
投手有利のこの時期、同じ日に登板したネルソンやパヤノがそれなりに打者を押し込んでいたのに、奴の投じるストレートは澤井や前田に気持ちよく打ち返されてました。
奴本人もフォームの狂いを感じていたようで、この後ブルペンで投げ込んだようです。
まぁ、この時期なんで問題ないとは思いますが、目の前でこんだけ打たれると、ちょっと心配になりましたわ。


清水昭
ABCDEF
   GHJK
         【08年】
           
昨季、一軍デビュー直後に浜スタで見たときから、その後のブレークを期待した豪腕。
ボールを潰すように投げ下ろすボールは威力満点であり、個人的に今季のさらなる活躍を期待している投手の一人です。
ウェイトオーバー(2〜3kg)でキャンプインしたらしく、少々心配してたんですが、この日のフリー打撃では、そのストレートで打者を圧倒してました。
ただし上の写真で気になるのは、Hのリリース以降、やや突っ立ち気味なことやね(08年と比較すると明らか)。
まだ全力投球やないのかも知れまへんが、期待が大きいだけに心配ですわ。


中田
ABCDE
FGHI
次期エース候補筆頭と目される速球派右腕。
キレ味鋭いストレートの威力だけなら、ダルビッシュと遜色ないレベルであり、一試合で150球投げられるなどスタミナも十分、しかも牽制、クイック、守備力とも申し分ありまへん。
課題とされる制球さえ改善されたら、日本代表のエース格にもなれるはずなんやけどね。
昨季は制球力を改善させようとして、ストレートの威力も殺してしまいましたが、今季は武器を取り戻すことができたやろか?

奴のフォームの問題は、写真のDで右手首がコックしてしまうこと、それと最大の難点は左足の着地点がブレてしまうことです。
左足の着地点については、奴はドラ投手陣の中でもアスリートとして最も優秀な部類であり、下半身が弱いということはないだけに、フォーム上の問題が大と言えますわ。
右腕を真上から投げ下ろすのが奴のスタイルやけど、ここで上体を背筋を反るように使うため、ちょっとしたバランスの崩れで背中側に重心がズレて、左足の着地点が一塁側にズレてしまうわけです。
ちょっと右ヒジを下げると制球は安定するような気がしますが、そうなると自慢のストレートのキレが失われる危険もあり、その解決はなかなか難しそうです。
奴とコーチ陣が、どのように乗り切っていくのか、注目したいですな。


朝倉
ABCD
   EFGH
血行障害から立ち直って、次期エース候補としての地位を取り戻せるかどうか。
前日のシート打撃では散々だったようですが、この日のブルペンでは力のあるボールを低めに集めてましたから、病気への恐怖感も、フォームのバランスも問題ないと思われます。
ただしトーチュウの解説でも指摘されてましたが、写真Bで右手首が背中から見えるように、テークバックが深すぎてバランスを崩しやすいフォームなのは間違いないだけに、しっかりと修正点を確認して、長いシーズンを乗り切って欲しいですな。
そして、もう一つは左打者対策。
カットボールがあれば一番なんやけど、なければタテの変化球を左打者のヒザ元に落とす制球力を磨くべきやないかな。
投手陣のニューリーダーとして、大いに期待してます。


チェン
ABCD
             EFGH
昨季ブレークしたスーパー左腕。
故障さえなければ、ポテンシャルではタイトルを争えるだけのものがあると思います。
この日のブルペンでは、吉見と張り合うように長時間の投げ込みを行っており、現段階では左肩の不安はない模様ですな。
左肩の故障暦のために、昨季は長いイニングが投げられまへんでしたが、今季はそうしたスタミナが課題になってくるでしょうな。
それでもう少し球威が増せば、もう奴を打てる打者はいなくなるのと違うかな。


吉見
ABC
     DEF
           GHI
昨季シーズン前には、制球力、球威の面で、ローテーションに入れる器やと言ってたんですが、その期待を上回る活躍でしたな。
球威が格段に増し、自信がついたことから、制球力も生きてくるようになりましたわ。
今や制球力、球威、キレともチームではトップクラスであり、総合力を考えれば、私は奴こそエース候補の大本命やと思ってます。
上の写真なんかみても、ほぼ完璧とも言っていいバランスと力感やね。
特にFからGにかけて、これだけ胸を張り、ヒジをしならせて投げられる投手は少ないです。

昨季は途中、リリーフで酷使されるようになってから、疲労でおかしくなってしまいましたが、今季はフルシーズン働けるスタミナが欲しいところ。
ライバルは中田やチェンなどもいますが、そうした課題を克服することで、是非タイトルの一つや二つは獲ってもらいたいですな。


あと写真にはありまへんが、岩田と山内も見ました。
後日、二人とも二軍降格となりましたが、岩田はキレや球威に見るべきものがなく、山内はシート打撃でもストライクを取るのに汲々としてましたので、この判断は妥当やと思います。
二軍で結果を出して、再び一軍に戻ってきて欲しいもんです。