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スタジアムやグラウンドにおいて、私が直接現地で選手達のプレーを見た感想を記します。
グラウンドはスーパープレーの宝庫でっせ。

09/2/13 読谷二軍キャンプ

行って来ました沖縄へ。
最初で最後の個人的ぜいたくでしたが、本番前の本番とも言える、プロ野球のキャンプというものがよく分かり、行って良かった、実に満足しました。
もし皆さんにも時間とカネの余裕があるなら、是非一度は見に行かれることをお勧めします。
(カネの方はツアーを探し回れば安いのがあります)
とにかく選手との距離が近い。
目の前を、昌が、岩瀬が、荒木、井端、森野が、そして落合監督が。
奴らの努力を目の前で見ることができたのは、ホンマに良かった。
目の前でその尊い努力を見ると、シーズン中に奴らを散々に批判しているのが恥ずかしくなります。
(それがプロフェッショナルとしての宿命でしょうが)
この成果が、是非とも結果としてシーズンで表れて欲しいと、強く、強く念願しています。


訪問した順番とは違いますが、報告はまず読谷からしてみたいと思います。
視察三日目の2/13に行って来たんですが、この日はとてつもなく暑かった…。
2月やというのに、Tシャツ一枚の世界を体験してきましたわ。

で、読谷の様子やけど、こうした暑さや、蓄積された疲労のためかも知れんけど、北谷に比べて元気がないというか覇気がなかったな、と。

    中村公の声出し「がんばっていきましょー!」
    周囲の連中   「ぅ〜ぃ」

若手が中心なんやから、北谷よりも活気のあるところを見せて欲しかったわ。
ただし個人的には、動きのない時間が結構多い練習メニューにも、問題があるような気がするんやけど…。
(たとえば、十数人がベースランニングすると待ち時間が長くなるから、2グループに分けて二つの方向に走るとか、工夫できそうな気がするが)
きつい言い方をすると、これでは一軍に抜擢された若手連中とは、なかなか差を縮めることはできんように思います。
自らテーマを持って、自分を律して練習して欲しいと思いますわ。

もう一つ気になるのは、内野手に故障が出ているために、この日のノックを見ても、内野が各ポジション一人づつ、外野は計8人と偏りが出てます。
故障には気をつけて欲しいところですな。

次に、読谷で見た風景(苦笑)。

ホンマに久しぶりに戻ってきた中村武志コーチ。
懐かしくて思わずシャッターを切ってしまいましたわ。
数少ない生え抜き指導者として、ドラで成功して欲しいもんです。

野茂のトルネードを模して、キャッチボールする英智(笑)。
それでも低く強いボールを投げてたのはさすが。 
投手陣のノック前に、自らキャッチャーフライのノックを打とうと戯れる平井。
鈴木や河原が付き合ってました(苦笑)。


では選手個々の寸評を書いてみます。
それにしても二軍でも投手陣の顔ぶれは豪華ですなぁ。
昌を筆頭に、山井、小林正、斉藤、鈴木、平井、そして中里。
いずれも一軍でも全く違和感のないメンバーやね。
それぞれ調整等の事情はありますが、今の分厚い一軍投手陣に割って入れるかどうかは分かりまへん。
それくらい、今のドラの投手陣はレベルの高い頭数が揃ってると思いますわ。
まぁ、投手は長いシーズンでは消耗品に近いところがありますから、使える投手は何人いても十分ではないんやけどね。



もうそろそろ終わりかと思わせながら、シーズンが終わればきっちり結果を出してくれる頼もしいベテラン。
もう奴の引退時期を推測するのは、不毛なことになりつつあるような気がします。
ただし、普通は選手に衰えが目立ってくると、まず故障が頻発して試合出場が難しくなることが多いと思いますので、今季も奴は故障さえなければそれなりに勝ってくれると思いますわ。
もう数少ない同年齢の選手だけに、活躍を祈っております。もうそろそろ終わりかと思わせながら、シーズンが終わればきっちり結果を出してくれる頼もしいベテラン。
もう奴の引退時期を推測するのは、不毛なことになりつつあるような気がします。
ただし、普通は選手に衰えが目立ってくると、まず故障が頻発して試合出場が難しくなることが多いと思いますので、今季も奴は故障さえなければそれなりに勝ってくれると思いますわ。
もう数少ない同年齢の選手だけに、活躍を祈っております。


伊藤
ABCDE
         FGHI
今後、おそらくギャル人気を浅尾と分け合うであろうイケメン・ルーキー。
このキャンプでは肩の不安からノースロー調整のようで、この日は三塁から一塁まで長めのキャッチボールをやってました。
しっかり身体を作って、大きく羽ばたいて欲しいもんです。



           

山井
ABCDE
                          FGH
この角度からは分かりまへんが、右ヒジに負担をかけないよう、テークバックを中心にフォームを改造中らしく、読谷でマイペース調整してました。
(従来のフォームではフルシーズンもたないんだとか)
しかし投げ込んでいたのは、キャッチャーミットを吹っ飛ばすかと思わせるような、迫力満点のボールでしたわ。
(ちなみに捕ってたのは右肩故障の田中でしたが、元気いっぱいでした)
これで故障対策のフォームがうまく定着するなら、開幕ローテーションは一つ埋まったと見てもええかも知れまへん。


中里
ABCDE
                  FGH
12345
                     678910
背番号18を背負い期待された二年間は、故障もありましたが、むしろ投球フォームのバランスを欠いたことによる不振が響き、後がない断崖絶壁にまで追い詰められてしまいました。

昨季は開幕一軍をゲットしましたが、キャンプ中から杉下氏が指摘していたように、奴「らしい」ボールは投げられないままでした。
結局は前半早々に故障でリタイアし、そのまま復帰できずにシーズンを終えましたが、それも「らしい」ボールが投げられなかったからでしょうな。

朝倉も不振の時期はそうでしたが、奴も投球フォームのバランスを崩して、ボールが抜けたり叩きつけたり。
あの誰もマネできないストレートは、すっかり影を潜めてしまいました。
したがって、今季の奴が復活できるかどうかは、後からいろいろ覚えようとしてた変化球の出来なんかではなく、そのストレートが取り戻せるかどうか、その一点にかかってるわけです。

そして今キャンプ、この日のブルペンを見た限り、個人的には復活を大いに期待させられる出来でしたわ。
奴の右腕から放たれたボールは、ビューっと伸びてキャッチャーミットに納まってました。
中にはうまく指にかかってないボールもありましたが、いいボールの比率が高くなっていけば、十分、一軍のゲームで通用するのと違うやろか。
変化球は一番最後でええから、今はストレートを磨いて欲しいですな。


井上
さすがにこのレベルでの打撃練習では、打球の勢い、飛距離ともに目立ってました。
二軍スタートは不本意なんでしょうが、きっちり開幕一軍をターゲットに調整して欲しいですな。

ただし言いたいことがひとつ。
昨季までの一軍メンバーの重鎮なんやから、練習の雰囲気を感じて引き締めるとか、そういう働きかけを積極的にやって欲しいわ。
そういう存在やと思いますんでね。


英智
ABCD
                           EFG
相変わらず、超然とした雰囲気で練習してました。
上に書いたように、キャッチボール中はずっと野茂トルネード投法で投げるなど、遊び心を持ちながら練習してる様子。
一頃よりは落ちてきたとは言え、やはり他のメンバーと比べると、強肩は目立ちますな。
打撃面では昨季と違った面は見られず、Eで右肩が下がっているため、アッパースイングになりやすいところが気になりました。


岩崎恭
ABCD
                EFGH
ドラフト三位で入団した俊足セカンド。
高校時代は強打者としても鳴らしたらしいので、その打撃には注目してました。
それで奴を見ると言うのも目的の一つとして、読谷に行ったわけです。

結論から言うと、打撃は時間がかかるのと違うかな。
下半身が使えてまへんので、ヘッドの走りが良くない。
両ヒザの送りを見ても、下半身のリードが殆どないことが分かりますわ。
(Hの段階でも腰が投手側に正対していない)
またCでヘッドが投手側を向いているため、さらにヘッドが出にくい状態になっており、差し込まれやすいスイングやと言えます。
これは恐らく大学時代に、足を生かすために当て逃げの打撃をしていたためと推測しますが、この状態であれば早めにスイングを解体して、一からフォームを構築した方が早いのでは?と思うんやけどな。
今年は身体作り、フォーム作りに精進して欲しいもんです。


ABCD
                            EFG
意外とパンチ力がある打撃は、バットが掃うように内側から出てくるスイングによるものやけど、この連続写真を見ていても、振り出しのEでバットのヘッドが立ち、身体に巻きつくように出てくるところは奴の長所ですな。
ただしこの日は、疲れのためかスイングは鈍かったかな。
綺麗な当たりは少なかったと思います。
さらに奴の場合、最大の欠点は守備であり、この点で北谷組の澤井や岩崎達とは大きな差があると感じますので、固いフットワークから修正するよう練習して欲しいわ。


中村公
ABCDEF
以前はCの段階で、もっと左肩が捕手側に入り、バットのヘッドも投手側を向いて、バットが出にくいフォームやったと思いますが、これはかなり修正されてきたようです。
パンチ力は相変わらずで、昨季の二軍では本塁打率でリーグトップをマークするなど、まだまだ存在感は大きなものがあると思いますわ。
あとは一軍で、いかにその力を発揮するかなんやけど、技術的な大きな欠陥はないと思いますんで、問題はメンタル面なんやろか。
早く自信を持って上でプレーできるような、そんなキッカケがあれば…と思うんやけどね。


堂上剛
ABCD
                         EFG
【07年】
07年に一軍でプチ・ブレークした頃には、左の写真のように下半身が使えないスイングのために、内角の強いボールが打てないという大きな欠点がありました。
また頭が突っ込んでいるので、ボールとの距離も保てず、タイミング変化にも弱かった。
それで昨季はフォーム改造を試みたようですが、客観的には方向性を見失っていたように見え、打球が左にしか飛ばないという状態になってしまいました。

この日見た奴は、しっかり軸を立てて、下半身のリードでスイングしてるように見えました。
打球は右と中へのライナーが中心で、ミートポイントも一定。
内容的には悪くなかったのと違うかな。
キャッチボールを見ても、強肩は健在であり、課題はやはり守備での捕球でしょう。
チャンスはまだまだあると思いますんで、頑張って欲しいですな。


堂上直
ABCD
                    EFG
黄金ルーキーとして入団して以来、はや三年目。
同期の楽天・田中はおろか、巨人・坂本にさえ後塵を拝している現状を考えると、今季は勝負の年と考えるべきでしょうな。

昨季までの問題点は、ガニ股で構えていたため左ひざが早く割れやすく、また上げた左足が着地すると、すぐに重心が軸足から離れてしまうため、身体が早く開いてしまい、そのためバットの軌道もドアスイングになりがちなところでした。

この日見た奴は、Aで分かるようにガニ股で構えるのを止めてました。
このため最後まで左肩・左ヒザのカベが崩れず、スイングも内側から出すことができてます。
最近伝えられる好調は、こうした改善が功を奏したものと考えますわ。
残る課題は重心の移動の問題かな。
Eなんかを見ても、まだ投手側に突っ込んでいるように見えますんで、その辺も修正していけば、一気にブレークすることもあるかも知れまへん。
守備の方は悪くないと思ってますんで、一軍の状況次第ではチャンスもあるかも知れまへん。


福田
ABCD
            EFGH
期待されて北谷組スタートとなったにもかかわらず、残念ながら故障でリタイアして現在は読谷で調整中。
この日のフリー打撃ではブランクの影響か、ミートポイントがバラバラで、なかなかバットの芯にボールが当たりまへんでしたが、時々見せる打球の速さには、北谷に抜擢されるだけのものがあると感じましたわ。

奴の昨季までの課題は、早めに腰が投手に正対することであり、その原因はステップした左のつま先が投手に向いてしまうことにありました。
これは、ステップする際には左ヒザが内側を向いているのに、左足の着地までにその左ヒザが回転するように投手を向いてしまっていたために、つま先も投手を向き、そして腰も吊られて投手を向いていたわけです。
この欠点は、この日のスイングを見る限り、かなり改善されていたように感じます。
あとは一軍で羽ばたくための準備として、まずは二軍の定位位置を確保し、フルシーズン活躍して欲しい。
一軍で勝負するのは、それからやと思ってます。


平田
ABCD
                   EFGH
昨季はほぼ一軍での居場所を確保しながら、秋季キャンプでの故障が響き?、このキャンプは読谷スタートになってしまいました。
立場的には、一刻も早く一軍に戻るべく、目を吊り上げて練習してるべきかも知れんのですが、この日見た限りでは割とノンビリやってるように感じました。
フリー打撃では、あまり力を要れずにミートポイントの確認をしているように見えましたが、個人的にはその姿勢は少々物足りなかった。
もっと首脳陣にアピールする姿勢があってもええのと違うかなぁ。
力量は間違いないと思うけど、このまま二軍に染まってたら、上の中村一や中川、野本あたりから引き離される一方やと思うわ。
もっと、がむしゃらに頑張れ。


読谷と北谷を比べると、やはり首脳陣の見る目は確かやなと思います。
「何で奴が上で、こいつが下なんや」というケースはほとんどありまへんでしたから。
現実として上の連中とは差があるわけやから、読谷の若手には、もっと危機感を持って精進して欲しいと感じました。
単に疲労のために元気がないとしても、それを乗り越えていけるのが若さやと思います。

皆、頑張れ!!