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スタジアムやグラウンドにおいて、私が直接現地で選手達のプレーを見た感想を記します。
グラウンドはスーパープレーの宝庫でっせ。

09/10/11 ● vs 東京ヤクルトスワローズ 3-4


立浪の公式戦ラストゲーム、行ってまいりました。
今季はやっと3戦目の生観戦、やっぱり浜スタまで自宅から30分でだった横浜を離れたのは厳しかったわ。
もう少し見たかったんやけど、今年はこれが精一杯。
来年はもう少し頑張りたいけど、どうなることやら。

新装なった神宮球場は、相変わらずいいところやね。
スタンドがグラウンドレベルに近く、角度もそれほど急ではなく、そして遮蔽物も少ないだけに見やすい。
これでファールゾーンがもう少し狭くて、グラウンドが近ければ言うことなしなんやけど。

ゲームの方は初登板の山本に中盤まで抑え込まれ、やっと3点先制しても、吉見、山井がヤクルト打線に掴まっての逆転負け。
初登板の若手を相手に打線の爆発はなく、さらに最多勝を賭けて登板したエース格の吉見が打たれるなど、CS直前のゲームとしては景気の悪い結果になってしまいましたが、さて本番ではどうなるやろね。
消化ゲームとCS本番では違ってくるとは思ってますが…。
まぁ、滅多に見られない監督退場という見物(苦笑)もあったし、吉見とチェンのダブル・エース格や立浪も見ることができたし、とりあえずは満足できたかな。

それでは早速、選手別にコメントをつけてみたいと思います。

チェン
ABCDEF
            GHIJ
この打高投低の時代やというのに、防御率1.54は驚異的な数字ですわ。
70年のミスタータイガース村山の0.98以来、ほぼ40年ぶりに達成されたこの数字は、球史に残るほどの偉大な記録やと思います。
その投手がたった8つしか勝てんかったというのは、いかに打線の援護がなかったかということと、いかに強い相手に投げていたかということ。
24試合の登板のうち、3分の1の8試合が対巨人であり、対戦防御率2.91でありながら勝敗は1勝3敗と負け越しているというのが、奴の今季を表わしてますな。
それでも、球界にはサウスポーの好投手が数多くいますが、谷繁あたりが言うように、奴がその中でもナンバーワンやというのは間違いないやろね。

空振りの取れるストレートという意味では、既に阪神・藤川と双璧でしょうな。
この日のゲームでも、調整ゲームということで明らかに力を抜きながら、要所では力のあるボールを投げており、ヤクルト鬼崎から高めのボールゾーンのストレート三つで空振り三振を取ってました。
(関係ないけど鬼崎はええ打者やねぇ。CSが怖いわ)
これにスライダーを交えるのが基本的な配球やけど、これで当初投げていたはずの大きなカーブでもあれば、ほとんど完全無欠になりそうな気がしますわ。

いずれはメジャーに行くんでしょうが、まだ戦力になったのは2シーズンだけなんやから、せめてあと3シーズンはドラで頑張ってもらいたいもんやね。
CS第二ステージ・巨人戦の切り札として、大車輪の活躍を期待してまっせ。


吉見
ABCDEF
GHIJ
投手のタイトルにおいて、個人的に最多勝が一番重たいもんやと思ってます。
そしてそのタイトルを奴が獲ったというのは、非常に大きな意義がありますわ。
フルシーズンを投げ抜き、そしてタイトルを獲れたことは、好投手に必要な自信となって奴の身に備わるはず。
チェンもそうやけど、こうやってハクをつけることで、さらに大きな投手に脱皮するきっかけになることを期待したいね。
もともと力量は十分、そして確固たる自信も身に付いた以上、「エース」と呼ばれるためにはチームに対する責任感を持ってもらいたい。
「オレが投げないとチームがダメになる」と、これくらい思えるようになれば文句なしですわ。

フォーム的には野球少年のお手本にしたいくらい理想的なものやと思います。
テークバックで右腕を最後まで隠しつつ、強く胸を張って上体を極限まで前傾させ、できるだけ捕手に近いポイントでボールをリリースする。
制球良くキレのあるボールを投げられるのは、このフォームのおかげやと言えるでしょうな。

ただしCSに向けては不安があります。
この日も3イニングで6安打されるなど、いつもの低めへの制球力に陰りが見えます。
ほぼ一カ月ローテーションを外れたチェンと違って、奴は初めてフルシーズン、189回1/3を投げ抜いているだけに、疲労の蓄積が心配されますわ。
チェンと奴が投げるゲームだけは、絶対に勝たないかんだけに、本番ではいつもの安定した投球を見せてもらいたいもんやね。


山井
ABCDE
    FGHI
最近はリリーフとして安定した投球を見せてたんやけど、この日は言っちゃ何やが、吉見の単独最多勝を台無しにする乱調で3失点の敗戦投手に。
悪いときの奴はいつもそうやけど、リリースがプレてボールが高め・低めに散らばる傾向がありますな。
とくにこの日はストレートが高めに浮きがちで、ストライクを取るのに四苦八苦してましたわ。
このように、今季も36回2/3を投げて22四死球と制球力不足を露呈して0勝4敗に終わってしまいましたが、あの日本シリーズでの快投をいつ再現してくれるんやろね。

うーん、個人的には上の写真でDあたりに問題がありそうな気がするんやけどなぁ。
テークバックから右腕を振り上げるとき、左肩と右肩は一直線になるのが基本なんやけど、Dでは両肩とも上がってるように見えますな。
こうなると上体が回転するなかでタイミングよく右腕が振られず、リリースポイントがバラバラになってしまうのと違うかな?
これだけ制球に難があるというのは、投球メカニズムのどっかがおかしいはずやから、早めに見つけて欲しいんやけどね…。

それにしてもこれだけ不安定だと、CSで起用するには勇気がいるで。
奴の名前がコールされたら、私ら心臓がバクバクしそうですな(苦笑)。


森野
ABCD
               EFGH
【08年】
【09/5/23】
【09/10/11】
残念やったなぁ。
先制タイムリーで打点王争いを一歩リードして、「良かったな」と思ってたんやけど、直後にブランコがタイトル争いを逆転するツーランが出てしまいました。
正直なところ、個人的にはブランコと森野で一冠づつ分け合って欲しかったんやけど、こればっかりはどうしようもありまへんわな。
タイトルを獲れば野球人生も変わったはずであり、その千載一遇のチャンスを逃してしまったのは、ホンマに残念でした。
ま、来年もう一度チャレンジやね。

打率.289、23本塁打は3番打者として悪い数字ではありまへんが、個人的には期待していたより本塁打は少ないように思います。
5月のマリーンズ戦でも指摘したんやけど、これはスイングの際に腰が引けて、軸が逆「く」の字になってるからやないかな。
この日のゲームでは5月の頃よりは背筋が立ってましたが、昨年のように軸が一直線に立ってる感じではありまへん。
ボールに腰をぶつけるようにスイングしなければ、回転エネルギーが十分打球に伝わらないため、腰が折れているとパワーロスが発生することになってしまいます。
オーバーフェンスが減った原因はそういうところにあると思うんやけどね。

一方で状況に応じた打撃ができるのは、奴の長所の一つですな。
アライバから奴に続く1・2・3番が、打線の繋がりを作っていると言っても過言やないでしょう。
CSでは奴がキーマンになるはずです。
頼むで。


ブランコ
ABCD
                  EFGH
打率.275、39本塁打、110打点で二冠王。
前任者の穴をほぼ埋める活躍で、トータルでは打線の軸として十分に機能してくれたと思います。
特に先制、同点、逆転といった効果的な一打が多かったのも好印象であり、また薄給ゆえのハングリーさも清々しさを感じさせてくれましたわ。

開幕からしばらくは外角に流れる変化球に対応できず、これに対応し始めると今度は内角高めを徹底して攻められ、なかなか持ち前のパワーを発揮できまへんでしたが、交流戦あたりから両サイドともに対応するようになり、豪打が爆発するようになりましたな。
6月から7月にかけての本塁打ラッシュは見事やったと思います。
しかし7月末に舘山から受けた死球が、それまでに作り上げた打撃フォームを無に帰してしまいました。
ボールへの恐怖から左肩が早めに開き、バットのヘッドが出て行くのを遅らせようとしても外角に届かなくなるなど、技術的に開幕頃のレベルにまで戻って、強打もピタッと止まってしまいましたわ。
ここから同じように外角、内角に時間をかけて対応していき、ようやく戻りつつあるというのが、奴の現状やと思います。

打撃フォームでは、右手の使い方に特徴があるような気がします。
特に上の連続写真では右ヒジが浮いており、バットのヘッドが下がりそうに見えるんやけど、右脇が強烈に締まっており、右の掌を投手に向けて押し出すような「感覚」でスイングするため、タイミング的に差し込まれても打球の押し込みが効いて、バットを折っても外野までボールを運べてるものと考えます。
コンパクトに振っても打球はバズーカ砲という、奴の打棒の秘密はこんなところにありそうですわ。

ただし勝負が早いので、まだ相手から好球を引き出して打つ技術はありまへん。
ボールの見極め、配球の読み、そしてファールを打つ技術は、まだ向上の余地があると思います。

CSでは奴の爆発力が不可欠だけに、期待したいですな。
詰まることを恐れない打撃で臨んで欲しいもんです。


谷繁
ABCD
                            EFG
打率.208は奴が主力となってから最低の数字。
特に開幕から夏場の長い間、体調がベストではなかったためか、打率は一割台に低迷し、捕手としてのフットワークも不足していたように思います。
盗塁阻止率も.321と、レギュラー捕手では三位ながらも、2005〜2007年まで三年連続で四割を超えた奴にしては、少々寂しい数字に終わってしまいました。
盗塁阻止は投手との共同作業とは言え、画面から伝わる奴のスローイングに力を感じなかったのは私だけやろか。

一方で、奴のベンチでの存在感が絶大なのは、相変わらずやと感じます。
開幕から奴の出遅れにより、捕手には小山のスタメン起用が続いたんやけど、当初はプロとは思えんプレーが続いていたものが、奴の一軍復帰とともに小山も安定していきました。
これは偶然とも思えんのやけどね。
やっぱり奴の頭脳と存在感は、まだドラには必要やと痛感しましたわ。

ポストシーズンの最後まで、奴の体力が続くかどうかが心配やけど、途中で休みも多かったんやから頑張ってや。
頼んまっせ。


野本
ABCD
            EFGH
【09/5/23】
  
【09/10/11】
  
キャンプでは右に左にライナーを放ち、ライトでのレギュラー定着を期待させたんやけど、開幕してみると打撃ではスピードに対応できず、守備でも打球勘に問題があり積極性にも欠けるなど、全ての面で力不足を感じてしまいました。
それは何度かの一軍、二軍の行き来の中でも変わらず、成長が見られないためにポテンシャル自体がそれほどないのかと悲観したこともあったんやけど、最後の最後で思い切りのいいスイングを見せるようになり、最後の6試合では打率.400をマークしました。
「左の強打者」を打線に加えるのは、昨季から続いたドラ打線の大きな課題やったけど、これで奴がその答えになってくれるやろか?

打撃フォームは5月頃からかなり変化が見られますな。
右足を上げて一本足になり、そして頭の位置が軸足側に移動してます。
これは軸足に重心をしっかり乗せて、そして上体が突っ込まないようボールとの距離を保つための修正やないかな。
ストレートへの対応力が上がって、打力が向上したのは、こういう裏付けがあってのことやと思います。
CSが楽しみになってきましたわ。


堂上剛
ABC
             DEFG
野本とともに、チームが身眼になって探している「左の強打者」候補の一人であり、シーズン終盤には何度かチャンスをもらったんやけど、結果は出まへんでしたな。
一生懸命、バットのヘッドを遅らせるような努力は見られますが、下半身が使えないというデビュー以来の欠点が改善されないためグリップを投手側まで運べず、特に内角への対応に苦しむ結果になってます。
上の連続写真を見ても、下半身が上半身の回転を支えるだけの働きしかしていないことが、如実に表れてるように見えますわ。
本来なら、下半身の回転によって上半身を引っ張って回転させないといかんのやけどね。

下半身の回転は、両ヒザを捕手側から投手側に送ることで生み出します。
特に軸足を内側に叩きこむように回転することが最も重要であり、そのためにはヒザの可動域を確保しないといけまへん。
したがって少なくともテークバックの時点では、軸足のヒザは身体の前方か捕手側に向いているべきなんやけど、奴の場合は写真のCではやや投手側を向いてますな。
これでは下半身を強く回すことは難しいと思いますわ(奴のCと野本のDなんかを比べると一目瞭然やね)。
いろいろトライする前に、奴の場合はここから始めるべきやと思うんやけどなぁ…。

07年のプチブレーク以来、成長を見せられずにいるだけに、打撃の改良には違うアプローチも見せて欲しいんやけどね。


立浪
たった一言、ありがとう。