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スタジアムやグラウンドにおいて、私が直接現地で選手達のプレーを見た感想を記します。
グラウンドはスーパープレーの宝庫でっせ。

10/6/25 ○ vs 広島東洋カープ 3-1

2年ぶりの名古屋遠征に行ってきました。
金曜日のナイトゲームやというのに客入りがイマイチやったのは、やっぱり心配になりましたけど、それでも大曽根駅あたりからナゴヤドームに向かうファンの人波と熱気が、以前とあまり変わらないように感じられたのは嬉しかったね。
このゲームは珍しく観客動員が3万人を超え、内容的にも吉見と前田健太の両エースが実力を発揮して熱戦になっただけに、大枚はたいた価値はありましたわ(まぁ、今回は別件のついでやったんですが)。

ゲームの総括的な感想を言えば、今季一番の投球を見せた吉見が貧打・広島打線を抑え込み、そして前田健の数少ない失投をクリーンアップが捉えた二発で得点するという、これしかないパターンでの勝利になりました。
やっぱり野球は投手の頑張り次第やと強く感じた次第で、ゲーム後は幸せな気分で帰途につけましたわ。
相変わらず不思議な動きのドアラ。
生で見ると、TV画面の片隅だけやない奴の神出鬼没な動きがよく分かりますな(笑)。
皆が見てないようなところでも、いつも何かをやってるのは面白いで。
ただし売り物のバク転は失敗。
この日だけやなく、最近失敗が増えてるように見えるのが気になるけど、中の人がケガしてたりせんよな?
ドアラも激務だろうし、無理せんように頑張ってもらいたいね。
それにしても二軍のゲームを見てから一軍を見ると、やっぱりノックひとつでも全然違いますな。
動きのスピード、スローイングの精度なんか見てても、やはりゼニの取れる連中のプレーはさすがやと思いました。
外野では藤井、堂上剛あたりはやはり強肩でしたが、一方で野本のスローイングはライトを守らせるにはかなり厳しいと感じましたわ。
内野では岩崎達の機敏な動きや、森野の丁寧なスローイングが目につきましたが、サードを守ってた良太のスローイングはあっちこっちに逸れてました。
ゲーム前のノックは本番のつもりで受けんと、本番のクロスプレーなんかでは絶対失敗するで?

それでは選手個々について、寸評を書いてみたいと思います。


前田健

     
せっかくなんで広島の新エースも撮っときました。
勝負どころ以外は軽く投げてましたが、ここぞの場面では140km台後半のストレートを投げ込んで、ドラ打線をねじ伏せてました。
わずかな失投で二発食らって敗戦投手になりましたが、投手三冠を争う投手の実力は見せてもらえましたわ。
フォーム見てても、左肩でのカベの作り方、体重移動、胸の張り、リリースとバランスのええものですな。
いつも少々球数が多めなのが余所事ながら心配されますが、順調にエースとして定着できるとええね。

それにしても広島のユニフォームってカッコええのな。
白やと思ってた文字の部分はシルバーなんやね。

吉見

    
【09/10/11神宮】

  
今年はストレートに球威がなく、球速も140km前後しか出ない状態で、低めに丁寧に投げて打ち損じを誘うような投球になってましたが、この日は違いましたわ。
球速は140km台半ばを計時し、ストレートで打者を押し込むような投球を見せてくれました。
球離れも良く、抜け球はかなり少なかったように思います。
今後も同じ投球ができるなら、期待されたエースとしての働きも果たしてくれるかも知れまへん。

当BBSでのタンプリンさん、そしてTV解説者(今中氏?)も指摘してましたが、調子が悪くなると奴は上げた左足を下ろしたときに、腰が引けるかたちにになって上体が深く倒れてしまうようです。
上の09年10月の連続写真は、昨年後半の調子が下降気味の時期のものやけど、逆「く」の字になったときに今年よりも角度が深く見えますな。
このためにリリースの際まで腰が引けたままになり、軸足のヒザが落ちて十分にボールに体重を乗せられてまへん。
それに比べて、この日はリリースの際に腰から軸足までしっかり伸びており、理想的なリリースになってるのが分かりますわ。

故障での抹消期間中に調整がうまくいったのかも知れまへんが、もし次もこうした力強い投球ができるなら期待大やと思います。
なかなか安定しなかった投手陣の軸が、ようやくしっかり自立してくれるかも知れまへんな。


岩瀬

       
最近の奴は走者を許しつつ抑えるケースが多いんやけど、この日は久しぶりに相手打線を三者凡退に討ち取って見せました。
ストレートの球速はせいぜい140kmをちょっと超えるくらい、ほとんどが140kmに未達のボールなんやけど、ちょっと前に覚えたシュートが伝家の宝刀スライダーを生かしており、内外角の制球力によってこれらの球種がより機能してます。
ただしやはり球威の衰えが隠せないだけに、チェンジアップ系のボールも加えたいところやね。

フォームはデビューの頃からほとんど変わらんね。
無駄な力が入らず、左腕を隠したテークバックから柔らかい腕の振りを見せてくれます。
故障知らずの投球フォームは、野球少年にも大いに参考にしてもらいたいですわ。

最後やけど、250セーブおめでとう。
今後とも長く投げ続けて、誰も追いつけないような数字に伸ばしてくれることを期待してます。


荒木

               
バットのヘッドが下がりやすい悪癖のためフライが多く、相変わらず無駄なアウトが減らないのはマイナス要素やけど、今年は6/29現在で打率.279、そして肝心の出塁率は.323と悪くない数字を残してます。
これまでは出塁率が.300にも達しないことも少なくありまへんでしたが、このくらいならトップバッターとして及第点を与えてもええのと違うかな。
春先は慣れないショートに悪戦苦闘して打撃にも影響していただけに、ようやく本領を発揮してきたようです。
ただし奴は好不調の波が大きいだけに、ここから成績が急降下する恐れもあるので、そういうことのないよう今のレベル以上を維持してもらいたいもんです。

一方のショートの方は厳しいね。
グラブ捌きや打球への身体の寄せ方はかなり慣れてきたように思いますが、一方では余裕を持っていい場面とそうでない場面が分からない。
これまでも余裕を持って処理したら一塁セーフなんてケースが結構ありました。
そして何より致命的に肩が弱い。
その俊足を生かして三遊間深い打球に追いついても、一塁へ強い送球をする肩がないため結局アウトを取れない。
それどころか俊足走者が相手だと、正面に近い打球やないと間に合わんかも知れん。
開幕あたりからの上達を見る限り、奴が血の滲むような努力をしてきたことは分かる。
それだけに、このどうにもならん欠点を見世物にしてしまうのは、奴が可哀相やと思ってしまうんやけどな。
はっきり言って奴にはショートは無理や。
しかしセカンドならまだGGを狙える。
ショートは「体験した」ということで、早くセカンドに戻してやって欲しいわ…。


藤井
【09/5/23】
苦労してますな。
このゲームの後で二軍に降格するなど、レギュラーを確保したはずと思ってたらベンチウォーマーどころか二軍暮らしに逆戻りなんやから、奴の懊悩も伝わってきそうなもんやね。
打撃だけやなく、小技や守備、走塁の不安定さを指摘され、それを一生懸命改善しようとしてる姿勢も窺えます。
いろいろ頑張ってるのは分かるのに、それが結果に表れんのは辛いね。
早く去年のような野生的なプレーを、思い切り見せてくれるようになって欲しいですな。

それにしてもフォーム見ると、今年の不振の理由が一目瞭然ですな。
昨年と比べてみると軸が捕手側に倒れており、左肩が下がってスイングがアッパー気味になってますな。
今年の写真は内角に差し込まれたものだけに、少々軸が倒れるのはしゃあないけど、トップを作った段階でステップ幅が大きすぎて既に軸が倒れてますわ。
去年のように軸を直角に立てて、レベルにスイングするようにできれば復調すると思うんやけどな。
今は焦る気持ちばかりかも知れんけど、早く修正点を見つけてもらいたいね。
頑張れ!


森野

                   
【10/3/17】
6月はかなり調子を落として、一時期は四割を維持してきた打率も三割台前半まで低下してきました。
何度もブログに書きましたが、今年のドラ打線は奴と和田への依存度が非常に高いため、その調子がチームの得点力に直結してます。
和田の方も6月は同時に調子を落としましたんで、今のドラは貧打に苦しむことになってるわけやね。

さて現在のフォームを見てみると、振り出した4〜5枚目あたりで右ヒジが伸びてるのが気になるわ。
この写真は外角を打ったものやないため、腕を伸ばしてスイングするようなボールやなかったはずなんやけど、今年3月の写真と見比べても右ヒジに余裕がないように見えるんやけどね。
これは身体の開きが原因であり、そのためにボールに差し込まれ気味やというのが私の見立てです。
それにしても折角あれだけの猛打を見せていただけに、これだけピタッと当たりが止まることは考えてなかったなぁ。
チームの浮沈がかかってるだけに、早く復調してもらわんとね。

開幕からしばらく凡ミスが繰り返された守備面のスローイングは、最近は安定してきたように思います。
荒木も同じやけど、相当練習したんやろね。
やっぱりチームリーダーとして、守備でもみんなを引っ張るような活躍を期待したいですな。


和田

                      
森野の項で書きましたが、奴も6月で不調に陥ってしまいましたな。
元々奴は外角までよくバットが伸びて、こうした外側のボールを引っかけるわけではなく、引っ張って左方向に長打できる技術があるんやけど、最近はどの投手もほとんどボールゾーンに近い外角に投げ込むようになったように思います。
得意なコースだけに奴もそれに手を出し、ジャストミートできない外角を強引に引っ張り始めて打撃を崩したのと違うかな。
ボールを追いかけ始めるとスイングは崩れるからなぁ。

とは言え、この日は豪快な一発を見せてくれました。
この調子で全開宣言が出るのを楽しみにしてますわ。


ブランコ

             
【10/3/17】

                         
4月頃には打率三割をキープしていたのが、その後急降下して二割五分あたりまで落ちてしまいました。
原因は明らかで、それは外角の変化球を左方向に強振し続けたからですな。
その兆候はオープン戦の頃から顕著に出ており、上の3月の写真ではインパクトの瞬間に左ヒジが伸びきって、力任せに遠心力スイングしてたことが分かりますな。
ヒジが伸びてしまうと、その伸縮でタイミングの変化に対応することはできなくなり、打てるポイントが非常に小さくなってしまいます。
こんな雑な打撃してたらロクに打てなくなると思ってたら、案の定そうなったという感じですわ。

それでも徐々に修正する姿勢は見せ、最近は外角をできるだけ見極めよう、変化球を引っ掛けないようにしようという姿勢は見えます。
今回の連続写真では左ヒジにやや余裕があり、無理に引っ張ろうとするスイングは改善が見られるようです。
確かに最近は、センターからライト方向への打球も増えたような気がするんやけどね。

一つ指摘しておきたいのは、今年は守備面でのミスが目立ちます。
もともと上手いとは言えまへんが、今年は動きが鈍い。
去年はボールに向かってシャープにダイビングするような場面もありましたが、今年は皆無に近いからね。
やっぱり体重増が悪影響してるような気がしてならんわ。
このオフこそは、きっちり節制してきて欲しいもんです。


野本

                   
セサルの離脱以来、ずっとライトの定位位置で起用されてますが、打率はなかなか二割強のレベルから上がっていきまへんな。
まぁ、150打数を超えても打率二割をキープしてるというのも、低いレベルながらドラの若手連中の中では相対的に実力上位と言えそうやけどね。
ストレートにかすりもしないような若手も多い中で、自分のペースで打席に入り、ストライク、ボールを判定できるだけでもまだマシと言えるでしょう。
もちろん6番打者が打率二割ちょっとに4本塁打では、厳しすぎるのは確かやけどね。

フォームを見ると手首の硬さがよく分かりますなぁ。
構えから振り出しにあたる上段の連続写真では、バットの角度がほとんど変わってないのよね。
スイングは水平に振るものだけに、立てて構えたバットでも普通の打者なら、振り出しの頃にはかなり寝かせつつあるものなんやけど(他の打者を見れば例外なくそうなってます)。
奴のようにこれだけ手首が硬いと、ボールに対するバットの角度を調整しにくいため、打てるポイントは限られてしまいますわ。
春に奴に対して監督が「お前の打撃は柔」だと言ったそうやけど、現状では相反するフォームになってるわけで、このままだと成績の向上は望めんような気がします。
今の奴は基本に外れたことをやってますんで、早くこれが修正されることを願ってます。


堂上直

    
ハンカチ世代の我がプリンスが、遅ればせながらようやく一軍での闘争を始めました。
井端の穴埋めとしてセカンドに定着し、プロ入り初安打に初ホームランまで記録して、ようやくプロ野球選手としての第一歩を踏み出すことができました。
しかし今のところ打率は一割ちょっとと投手並みで、決して結果が出てるとは言えまへんな。
厳しい言い方をすれば、「たくさん打たせてもらえばヒットも出るわ」というところやね。
いったいどこを修正すれば、一軍レベルの打撃ができるようになるんやろ?

奴の課題は入団時からドアスイングです。
このために速いボールやタイミングの変化に対応できず、ミートした打球にも勢いがない。
今回の一軍昇格の少し前に、川相に軍監督から「バットが遠回りしてる」と指摘されて、ようやく改善に取り組み始めたらしいですが、正直なところ何を今さらという感じなんやけど、それでもやっといい方向に進み始めたのは悪いことやないですわ。
迷わずその道を突き進んで欲しいんやけど、それでも成果が得られるのはまだまだ時間が必要かも知れまへん。

連続写真で問題になるのは4枚目、ここで右ヒジが身体にぴったりくっ付くくらいやないと、スイングの際にバットのヘッドを遅らせることはできまへん。
ここで右脇が開いた状態になっているため、5枚目でヘッドが早めに出てくる。
首脳陣もこの欠陥を必死に修正しようとしてるようですが、多分一軍の投手のボールに遅れないことを意識すると、どうしてもヘッドを早く出したくなるのと違うかな。
こう考えると、この修正はなかなか簡単には定着しないかも知れまへん。
間もなく井端が復帰するという情報もあり、奴のバットが爆発する姿を見ることはないのかも知れまへんが、兄貴も自分の課題を長期間かけて修正しただけに、奴も正しい方向に向けて少しづつでも進むよう頑張ってもらいたいですわ。


堂上剛

                      
6月の再昇格以降はええ働きを見せてますな。
07年にプチブレークしたものの、その後は鳴かず飛ばずの二年間を過ごしてきましたが、ようやく再び一軍で結果を残しつつあるようです。
代打中心やけど10打数5安打と打率.500をマークし、そろそろスタメンのチャンスもあるかも…という状況やね。
このまま結果を残し続けていけたらええけど、さて技術的な裏づけはどうなってるやろね?

以前の奴の欠点は下半身を使えず、上半身頼みのスイングをしていたために速いボールに差し込まれ、これを意識するため変化球にも対応できないという悪循環に陥っていたことです。
奴自身もそれは理解していたようで、すぐフォームの改造に着手したんやけどこれがうまくいかず、08年に甲子園で奴を見たときには上下がバラバラのスイングのため、三塁側に向かって打つような状態でした。
こうして08年、09年とほとんどシーズンを棒に振ったようになりましたが、しかし今年はここまでええところを見せてくれてますな。
連続写真を見る限り、まだバランス的に上半身が勝ってるけど、下半身リードのスイングには一応なってるのと違うかな(三塁側から撮ってないだけにイマイチ分かりにくい)。
重心が前側の右足に移ってしまってるのが難点やけど、これをつっかえ棒のようにして身体が投手側に突っ込まないようにしており、身体が開くことは少ないでしょう。
これが現在の奴の好調の源やないかな。
ガンガン長打を打ちまくるタイプやないけど、これなら中距離打者として外野の間を抜くような打球は期待できると思うんやけど、どうやろね。

さて、どん底から長い期間をかけて欠点を修正しただけに、今度こそレギュラーの座を掴めるやろか。
07年にはヒットが続いて鼻っ柱が高くなったところで、投手からのマークが厳しくなって最後は二軍落ちになってしまいましたが、今回はそれを掻い潜って結果を出し続けられるやろか。
期待したいですな。


実は私の生観戦勝率は、記録の残ってる05年からだと8連敗を含めて6勝11敗。
落合体制下でドラは強豪となったはずやのに、私が見ると負けてばっかりやったんですが、この日は久々のナイスゲーム。
満足した気分でナゴヤドームを後にすることができました。
日本中がW杯デンマーク撃破のお祭り騒ぎになってる中、大枚はたいて新幹線に乗ってやってきた甲斐があったというもんです。
次の名古屋遠征がいつになるか分かりまへんが、またこんなゲームを見せてくれることを期待してまっせ。