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スタジアムやグラウンドにおいて、私が直接現地で選手達のプレーを見た感想を記します。
グラウンドはスーパープレーの宝庫でっせ。
14/9/15 ● vs 横浜DeNAベイスターズ 3-4x

今季二度目の生観戦。
前回、当日券の発券所がえらい行列になっていてチケット入手に時間がかかったため、今回は前売券を確保してから浜スタへ出かけたんやけど、今回はなんと前回以上の行列ができてましたんで、これで前売券がなかったら…と思うとゾッとしましたわ(苦笑)。
浜スタへは前売券を買っておくことを、ここで強くお勧めいたします!

そんで入場したんやけど、客入りは非常に良くてゲーム中に「満員御礼」のアナウンスアナウンスがありました。
普段なら三塁側を本拠地として、一塁側と行ったり来たりしながら、左打者・右投手/右打者・左投手の撮影をするんやけど、一塁側に座席がほとんどなかったんで右打者では平田しか撮れまへんでした。
今後も移動しながらの撮影は難しそうやなぁ。

ゲームの方は、伊藤準がフラフラしながらも何とか責任回数を投げ切り、打線もギリギリのところで追いついたんで、三塁側は(一部のベイファンを除いて)大いに盛り上がったんやけど、直後の9回裏にブランコにスタンドぎりぎりに打ち込まれてジ・エンド。
これで生観戦四連敗、生観戦勝率三割ちょっとまで落ち込んでしまいましたわ(涙)。
たまには勝つところも見たいんやけどなぁ…。
(勝ち試合が少ないから、何とまだ主戦力になってからの浅尾を見たことがないという…)

それではいつもの通り、選手個々について講評してみたいと思います。
伊藤準規

 
この日の観戦目的の一つが、奴のチェックでした。
もともと日程的に観戦日は決まってたんですが、予告先発が奴やと聞いてラッキーな気分になりましたわ(笑)。
この日の出来は好調とは言えず、ピンチの連続の中で粘りに粘って、何とか3失点に収めたという投球でしたが、これまでなら調子が悪けりゃそのまんま崩れていく投球を繰り返してたことを考えると、少々成長したかなと思わせてくれました。

今季のここまでの登板では、「コントロール?何それ??」ってな具合で、ボールの行方が分からん状態やったけど、最近はそれがかなり修正されてアバウトな最低限の制球力は身に付けつつあるようです。
最近の投球フォームはセットからクイック気味に、あまり左足を上げずに投げるというものやけど、セットから投げるというのはオーバーアクションで目線がブレて、制球が乱れるのを懸念したものなんやろか?
しかしその目的のためには、クイック気味に投げてるのはバランスに注意しないと上体が突っ込み、左肩が開いてボールが抜ける原因になりかねまへん。
奴のようにまだまだフォームが熟成されてない投手は、まずはしっかり軸足に重心を乗せることを意識してもらいたいわ。

また奴も浅尾のように踏み出した左足を突っ張ってますが、奴の場合は地面と左足の角度が浅いため、体重移動を阻害せずに、腰を支点としてテコの原理で右腕の振りを増速させることができてます。
この身体の使い方が、奴のスピードボールを支えているのかも知れまへんな。
一方でグラブを持つ左腕の引きが弱く、右腕に頼った「手投げ」の印象も拭えまへん。
それでも以前よりはアバウトな制球力が身に付いたため、武器であるストレートの球威で最近はある程度抑えることはできるようになりましたが、それでもギリギリの場面になると厳しいコースには投げられないため、最後にはスピードに慣れられて打たれるケースも散見されます。
とりあえず、全体的にはまだまだバランスを欠いてるように見えますんで、オフにはもっと力を蓄えてもらいたいね。

又吉

   
浅尾もなかなか見られないほど負け試合が続いてる生観戦やけど、そういう中で奴を見られたことも今回の収穫でしたわ。
中央球界では無名ながら、ドラフト2位で指名されドラへ入団。
正直なところ奴がどれほどやってくれるか懐疑的やったんですが、新人王級の大活躍を見せてくれて文句なしやね。
二軍での調整期間がありながらこんだけ投げたというのは、おそらく12球団の投手の中で、もっとも負荷がかかった存在やと言っても間違いではないでしょう。
とにかく故障が心配なんで、オフではじっくり休息を取ってもらいたい。

それにしても二軍調整から戻ってきてからの、奴の投球は凄いとしか言いようがありまへんな。
ガンガン三振を獲りまくり、そしてロクにヒットすら許さない。
今や瞬間的な力量では、球界を代表するレベルにあると断言できますわ。
ホンマにオールスターレベルを言われるためには、この活躍を続ける必要があるだけに、身体のケアが重要になってくるのよね。

投球フォームを見てみると、左肩の入りが深く、リリースの直前までボールの出所が見えまへんな。
ギュッと右腕を引き絞って、右ヒジで思い切り腕のスイングをリードし、顔の前でのリリースする。
抜群の球離れからキレのいいストレートを投げ込んでおり、その腕のスイングとボールの握りから、ストレートもスライダーも打者にとっては浮き上がってくるように見えるのと違うかな。
すでに右打者はどんな強打者も制圧しており、課題とされた左打者に対しても被打率は二割強と向上させてます。
ケガさえなければ、このまま無敵のリリーバーになってくれると、期待してもいいでしょう。
来季が楽しみですわ(一抹の不安もあるけど…)。

祖父江

         
奴も何度かの調整降格はありましたが、全体的には非常によく頑張りましたな。
今や福谷と又吉に続くリリーフという存在に、なってくれたと言っても過言やないと思いますわ。
(考えてみたらこの実績のない連中を、よくここまでの戦力にしたもんや)
ただし登板過多の影響で、この終盤に来て少々ボールに勢いがなくなってきたように感じます。
しかもその状態でも連投にイニング跨ぎと、過酷な起用が続いてるだけに、奴についても故障が気になるね。
残りゲームも少ないので、何とか最後まで乗り切って、オフにはしっかり体をケアしてもらいたいもんです。

前回の観戦記(5/1)でも触れたように、体重移動のパワーを腰を支点にして右腕のスイングを増速させるフォームなんやけど、フォロースルーでやや勢いが緩んでるのが気になります。
突っ張った左足で体重移動を殺していることが懸念されるんやけど、もしそういう傾向があると右肩への負担も大きくなりますんで、無理のない投げ方をしてもらいたいね。

年齢的にはすでに中堅と言える立場やけど、まだまだ飛躍できると思いますんで、来季のさらなる活躍に期待したいですな。

大島

                 
【11年8月】             【今回】
 一昨年には打率三割と盗塁王となり、押しも押されぬドラのトップバッターとなったものの、昨季は右ヒジの故障から不振に陥ってしまいました。
今季は開幕からそれを取り返すような活躍を見せ、ここまで打率三割をキープ。
面目躍如といったシーズンとなりましたな。

奴に対しては、数字的には文句ないんやけど、二度ほど陥った長期の不振には注文をつけたいところ。
トップバッターはとりわけ安定感が必要であり、たとえ不振であっても最低限の結果は残すようでないと困る。
レギュラーから一時期でも降ろされるような状態になるようなら、力のあるライバルがいればポジションが奪われるという危機感を持ってもらわんとね。
 奴がデビューした頃は、とにかくボールを引き付けて左方向へ打ち返すことしかできなかったんやけど、さすがに今は全方向へ打ち返すことができるようになりました。
写真で11年と今季の比較をしてみましたが、違いを感じるのは右ヒザの使い方やね。
11年には左ヒザが開かんように強く意識してるみたいやけど、そのために肩の回転が不十分になり、窮屈なスイングになってます。
一方で今季は左ヒザは自然な柔軟性を見せており、肩が楽に回転できるためバットをインサイド・アウトで出すことができるようになってますわ。
こんな感じで技術的な進歩が見えるのは、見てる側は嬉しいもんですな。

森野

             
主力の中ではフルシーズン活躍した数少ない存在。
三割近い打率と90前後の打点は、主軸として十分評価できる数字やと思います。
本来ならタイプではない「4番」で起用されることも多かったことを考えれば、野手の中での貢献度はルナと並んでナンバーワンかも知れまへんな。
しかし和田が離脱した8月、チーム状態が最悪に陥った時期に、奴も長期の不振に陥ってしまったのは印象としてはマイナスやなぁ。
OPSが八割を超えてるのも悪くはないけど、ホームラン13本が示すように、投手への威圧感はイマイチやないかと推測します。

来季はシーズン途中に37才を迎えるシーズンとなりますが、奴は今の立場を守ることができるんやろか?
一・三塁要員としては奴に加えて、ルナと周平がいます。
もし周平に成長が見られるようになれば、三人でポジションを競うことになるのかも知れまへん。
あくまで競争ですから、自分の立場を守るためには結果を出すしかありまへん。
来季も中軸としての活躍を期待したいですな。

平田

            
【今季5月】          【今回】
 正直言って個人的には、今季最大の期待外れ。
プロ入り初めて規定打席を達成したのはええけど、打席が増えた割に残した数字は昨季に見劣り。
もしホームランがこのまま11本で終われば、打席数だけは増えたのに、準レギュラーに定着してから最低の数字になります。
昨オフ以来、4番定着を本人が口にして、首脳陣もそれに応えて4番に起用した結果がこれでは、あまりにも寂しい。
守備面での高い評価がなかったら、レギュラーを奪われていても不思議やなかったと思うんやけどなぁ。

来季はこれまでの数字とは別次元のレベルに、大きく飛躍してもらいたいんやけどね。
とにかく奴は好調が続かんのが問題ですわ。
カカトに重心がかかって腰がひけてしまうと、満足にバットを振れなくなって、しかもその不振が長期化してしまう。
もっと修正能力を身に付けないと、長いシーズンで安定した成績は残せまへんで。

ちなみに上の写真は今年5月と今回を比較したものやけど、5月はもうすぐ4番から降格される前の時期であり、今回よりも上体が突っ込み気味なのが分かりますな。
打ち気にはやって打撃を崩していった影響が、如実に出ていると思います。
今回のは軸ブレもなく、かなりいいタイミングで振れてますが、それでも奴は自分のタイミングでスイングしても打ち損じが多いという欠点もあります。
結局はバットが下から出たりするからなんやけど、しっかりボールを叩く意識で、シャープに振ってもらいたいもんです。

高橋周平

                
今回の生観戦は、奴のチェックが一番の目的だったのよね。
このころはまだ代打起用がほとんどでしたから、撮影できるチャンスは一打席しかなく、ひょっとしたらスイングすらしてくれない可能性もあったんやけど、たった一度のシャッター・チャンスでグッド・タイミングの連続写真が撮れたのはラッキーでしたわ。

で、本題。
このゲームの直後あたりから、首脳陣はルナをわざわざ押し退けてでも、継続して奴をスタメン起用するようになりましたな。
それだけのポテンシャルは当然あると思ってますが、しかし抜擢されたほどの結果を残してるとは言い難いね。
技術的には3〜4枚目にかけて見られるように、やや「割れ」が不十分に見えるところが問題やないかな。
奴は入団時からこの割れが不十分であり、かなり改善はされてきたんやけど、個人的にはまだ若干気になりますわ。
割れが十分でなければ、タイミングの変化に崩されることが多くなりますんで、やはりここを修正して懐の深い打撃を見せてもらいたいね。
インパクトからフォロースルーまでの力感は十分であり、自分のタイミングでボールを捉えることができれば、日本人離れした弾丸ライナーを打てる打者なのは間違いありまへん。

もう一つ個人的に不満なのは、スイングは滅法速いのに、若者らしい積極性がないこと。
もっとガンガン打ちに行く姿勢があってもええと思うわ。
受け身やなく攻撃的に、そんな姿を見せてもらいたいね。

古本

            
周平と並ぶもう一人の若手スラッガー候補。
二軍の戦績を見ていて、チームでトップクラスの長打力を発揮する一方、2.5打席で1三振というモロさを同居させていたため、一軍昇格は時期尚早かと思われたんやけど、チャンスをもらって何本かのヒットを放って見せました。
奴を見て真っ先に目を惹かれたのは、そのスイングの速さやね。
とにかく常に攻撃的にフルスイングし、そしてそれが鋭く速いというのは非常に魅力的やと思います。
そして落ちる球の見極めなど、選球眼も悪くありまへん。
まだそういう打球はありまへんが、もしこれでボールをバットの芯で捉えたら、どんだけ強い打球を打てるのかと思うと楽しみですわ。

しかし今のところ全体的には、やはりモロさの方が目立ちますな。
スイングは鋭い、選球眼も悪くないのに、とにかくなかなかバットの芯に当たりまへん。
それがなぜかと言えば、奴には強いアッパースイングの傾向があるからなのよね。
連続写真の5枚目で左肩が落ち、そのために6枚目でバットはヘッドが下がってしまってます。
4枚目の時点でもっと左脇を締めて、左肩が下がるのを防ぐ必要があると思いますわ。

また守備の方は大いに問題ありですな。
正直なところ、マジメに練習やってんのかというレベルであり、このままではスタメンで起用して守らせるには、相当の勇気が必要です。
打撃の方は課題がはっきりしてるだけに、オフには必死にノックを受けて守備力の向上に努めてもらいたいもんです。

小笠原

            
昨オフ、ほとんど読売を戦力外となって、井端と入れ替わるように入団してきた元スーパースター。
前回のFA時に読売やなくドラへ来てくれてたら、どんだけ楽しかったかと夢想させるほど、それはそれは凄い打者でしたな。
今はさすがに衰えを隠せず、レギュラーとして出場を続ける体力には不安を感じさせますが、技術はまだまだ一流やということを証明してくれました。
三年間不振に喘いでいましたが、見事に復活した姿を見せてくれましたな。

奴の打撃フォームを見てホレボレするのは、その「割れ」の見事さですわ。
3枚目の写真でグッと踏み込んだ状態でも、グリップはしっかり後ろで固定されており、弓を力強く引いたような状態を維持してます。
これならフルスイングできるタイミングの幅も、広く取れるわけやね。
この打席でもややタイミングを外され気味だったのに、しっかりボールを捉えてヒットを放っており、その技術の確かさを見せてくれました。

来季も戦力としてチームに留まることは確実なので、頑張ってもらいたいですな。

それしても、たまには浜スタで勝ってもらいたいわ。
たまにはええとこ見せてくれ(涙)。