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戯言 (05年後半〜オフ)


05年後半から2位に終わった後半、オフまで
3/7 OP戦vs M (● / 6-0)
ようやく野球シーズンが到来しました。
オープン戦のTV中継も始まって嬉しいと思うたら、ドラのゲームはこの日しかないとのこと。
昨年も少なかったし、この辺もう少しどうにかならんのかなぁ。

ゲームは主力多数がWBCで抜けたマリーンズを、三投手の継投できっちり抑えて勝ちましたけど、今の段階で勝敗をあれこれ指摘する必要はないでしょう。
この段階で注目すべきは、若手選手の技量と、既存選手の仕上がり具合。
その方向性に合致する選手を何人かピックアップして、感想を述べてみたいと思います。


■柳田
打撃では、思い切りがええのは若者らしさを感じるけど、振りが大き過ぎるしボールの取捨選択もできてない。
守備面では三遊間の深めの打球を、一塁へのノーバウンドスローでアウトにするなど、地肩の強さは感じた。
フィジカルはそこそこあるけど、
プロとしての技術はまだまだこれからかな。

■鎌田
守備面での動きの良さが、一番目を引きましたわ。
二遊間へのシャープなフットワークでヒット性の打球を処理したのは、かなり目立つプレーやったと思います。
一方の打撃でも、右翼席へのびっくりホームランと、きっちり芯で捉えたサードゴロ。
内角を右へ、外角を左へと、バットを出す角度がええね。
二遊間のスペアとしては、十分な戦力になりそうな予感がしますわ。

■藤井
オープン戦のレギュラーに抜擢された注目の新人。
スイッチヒッターのようやけど、右の方が特徴のないオーソドックスなフォームやろか。
左は上からかぶせる様なスイングで、高めのストレートにはええ角度でバットが出ますが、低めのミートポイントは線ではなく点でしかありまへん。
さらにトップがしっかりしていないため、右肩のカベがすぐに崩れてしまい、タイミングの変化に崩されやすいという印象です。
「今のところ」レギュラーとして起用し続けるのは厳しいと感じましたわ。

■新井
ちょっと力みの入ったところなんて、兄貴(カープの四番)とそっくりやね。
奴の場合は、まだまだ場数が必要やろね。
柔軟性を感じないので、「1・2・3、ゴーン!」のタイミングでしか打てんかも知れまへん。
間違いなくフィジカルは高水準なだけに、とにかくプロのボールをたくさん見て慣れることが重要になるのと違うかな。

■森野
既にレギュラーとしての資質は十分やと思うけど、昨季の成績を「大きく」上回るのは難しいかも知れまへん。
この日も外角変化球を上手く左へ合わせて見せましたが、右ヒザと腰が同時に投手へ正対するフォームは変わらず、タメが十分でないために
変化球へのモロさは抱えたままやと思います。
それでも時間をかけて、この辺の欠点は相当水準まで改善されてきましたが。

■アレックス
この時期に結果は求めんけど、ファールでもまともに捉えた打球が殆どなかったのは、どう評価すべきなんやろ…。
引っ掛け気味のスイングも変わっとらんし、高望みは難しいかも知れまへんな。

■ドミンゴ
まだまだ本来の球威ではありまへんな。
制球には目を瞑りますけど、もう少し相手を捻じ伏せるようなボールを見せて欲しかった。
外国人投手はマルチネス、チェンと二つの枠を争ってる状況やけど、今の状態なら微妙やね。

■マルチネス
ストレート、変化球ともにキレはありました。
まだボールが上ずる傾向がありますけど、低めに決まったボールは威力十分やったと思います。
あとは制球を調整すれば、
ローテーションには入れるのと違うやろか。

■平井
先発を意識してか、変化球の割合が多かった。
カットボールやフォークには威力がありましたが、肝心なストレートは指にかかったボールが少なかったような気がします。
奴のストレートはシュート回転する傾向がありますけど、昨季あたりからスピンの効いたええボールが少なくなったようなイメージがあるだけに、ドーンとくる球威十分なストレートを早く取り戻して欲しいところですわ。


このゲームから数ゲームこなしてますが、絶好調の投手陣に対して、バッターの方は打てまへんなぁ。
ベテランは開幕に合わしてるだけに心配は少ないですが、若い打者にはここで頑張って欲しいところ。
ただ一人気を吐く藤井には、最後までこの調子を続けて欲しいですな。
9/24 落合監督について
まず語られるべきは、彼の信条である「真のファンサービスは勝つことである」の是非やないかと思うんですが、それに対する私の結論は、一面正しく、反面そうではないというものです。

私の優先順位は勿論、ドラが日本一になることが一番大事やから、
落合監督がドラを常勝チームへ導きつつあることに、多大な感謝の念を抱いております。
いろんな意見を持つ方がいらっしゃいますが、昨季の優勝は間違いなく落合監督の手腕によるものやということは、ここで強調しておきたいと思います。
確かにゲームを戦う戦術面に不満はありますけど、彼が優れているのは、一シーズンを通して戦うためのチーム作りや戦略面やからね。
交流戦に入るまで、また体勢を整え直した8月の快進撃の頃は、他球団のファンからは「中日にはどうやったら勝てるのか?」という声を良う聞いたものでした。
周囲からはどのように見えたとしても、監督の手腕だけは間違いないと断言させてもらいますわ。

ちなみに今季は優勝が殆ど絶望とは言え、終盤まで優勝を争った二位であるということは、これでも大したもんなんやけどなぁ。
セの優勝チームは、93年にヤクルトが最後に連覇を達成した後、翌年は成績を落とすことが殆どであり、翌年二位になったのは99年中日が翌年8ゲーム差、01年ヤクルトが翌年11ゲーム差で滑り込んだだけなんやね(いずれも優勝争いには殆ど絡まず)。
従って、現在は大差がついたとは言え、9月上旬まで激しく優勝を争ったというのは、かなり凄いことやと言えるはずなんですわ。

で、
一方「ファンサービス」について。
マスコミ対応が悪く、敵を作りやすい面があるのは間違いありまへんな。
勿論、私にとってはグラウンドで雄々しくドラの選手達が躍動すれば満足なんやけど、マスコミをフィルターとして映った・聞いた姿や言葉が、ファンにとってどのように消化されるのか。
これに無関心なわけはないでしょうが、敢えて迎合しない姿は、私ゃ決してチームの戦力にマイナスやとは思いまへんが、危機が叫ばれるプロ野球界における普遍的な人気の獲得≒安定的な球団経営という意味では、少なくともプラスではないとも感じてます。
中日球団の何に魅力を感じるのか、これはファン層というものが雑多なだけに、嗜好も非常に多岐にわたっとるはずですわ。
私のようにグラウンドで結果が出ればええと思う者もおれば、チームを率いる監督を象徴として捉え、そこにヒーロー像を求める層もおるでしょう(星野後だけにドラファンにそういう方々は少なくないと思います)。
またライトなファン層にとって、落合監督は少なくとも身近な存在ではないのと違うやろか。
そして、こうしたファン層それぞれは、自分にとって正しい楽しみ方をしている以上、その存在に上下はありまへん。
TVの前で応援しているファンも、ドームの右翼席に陣取る応援団も、等しくドラゴンズファンなわけですわ。

球団側は幅広い支持を得るためには、こうしたファンの欲求を満たす必要があるわけで、そこで落合監督のマスコミへの言動がマイナスになるのであれば、それを嫌う一部のファン層を失うということになります。
個人的には面白うありまへんが、これは厳然たる事実ですわ。
昨季あたりから、私はファンサービスが充実しつつあるパに注目しとります。
パの球団とファンとの距離感は、明らかにセのそれよりも圧倒的に近く感じますが、皆さんはどのように感じられますやろ?
バレンタイン監督はゲーム前にサイン会を実施し、楽天は小学校に選手を派遣する。
また勝利した日は選手が応援席に駆け寄り、ヒーローインタビューの言葉も本当にファンを意識してますわ。
人気の獲得は球団にとっては至上命題であるし、パの球団はファンの視線を集めるために、ファンの方向を向いている。
この辺は、ドラは明らかに劣っていると思わざるを得まへん。
「やらないより、やった方が良い」、これは明らかですわ。

落合監督は、そういう時間をファンサービスに割くより、野球に打ち込み勝利することでファンに還元しようとしている。
正直言うて、この考えには100%馴染むことはできまへんが、それでも結果を出してくれとることで、私の中では全てが正当化されてますわ。
しかし、前述のような
一般的ファンサービスを実施せずにファンへの還元を叫ぶなら、勝って、勝って、勝ちまくらないかん。
私ゃ落合監督なら、それができると思うてます。
だからそれを支持したい。

口当たりの良いファンサービスより、プロのプレーを私は見たい。
9/21 vs T (● / 0-4)
     ● 川上 11-7 / [本]
このゲームを取れたらひょっとして…と思うたんやけど、そうは甘くありまへんでした。
これで、さすがに厳しくなりました。
そしてチームが乾坤一擲の勝負をかけたゲームで敗戦投手となったのは、これが何度目かのエース・憲伸でした。
エースが折れたこの日が、05年の落合ドラゴンズの終戦記念日になってしまうのか…。

■憲伸
贔屓選手の肩を持つわけやないけど、
かなりの確率で奴は右肩を壊しとるはずですわ。
開幕頃のVTRと比較してみましたけど、肩に不安のある投手特有の症状が見受けられました。
ポイントになるのはグラブを持つ左腕の引きです。
左腕は一旦捕手側に突き出した後、グラブを引っ張るように身体に巻き込み、肩を回す補助力となるわけなんやけど、この左腕の引きが十分やないんですわ。
左腕で右肩を引っ張るかたちになるのが、恐らく怖いのと違うやろか。

 @左腕の引きが甘い
 A右肩が前へ回って行かないため、下半身で回そうとして開き気味になる
 B右肩が回らないことで、テークバックが深くなり過ぎ、ボールを持つ右手が頭から離れてしまう
 C右ヒジが下がり気味になり、右腕の振りが横振りに、またリリースも早めになる
 
D制球が定まらず、抜け球や叩きつけるボールが増える
 (ちなみに7月までの与四死球率は1.4、8月以降は2.1と、5割増しになっとります)

上の様な身体のメカニズムの連鎖が、奴のボールをダメにしているように感じます。
奴は少々肩が悪くても、「痛い」と言いながら投げてしまえるため、ここまで投げてきたものと推察しますが、これが事実であれば奴を責めることは私にはできまへん…。
ボールの勢いは出てきましたんで最悪期は脱したようですが、今季の奴の復活はないものと思うてます。
そういう投手を起用せざるを得ない、奴の離脱を許さん状況も、今季のドラの弱点なんでしょうな。



この日の敗因の多くは、確かに憲伸にあるやろね。
しかし監督の采配にも、不可解なところがあった。
スタメン7番に英智を起用したのは、エースの登板ということで守り勝とうという目的が明確なんやけど、そのエースが打たれて0−3になった時点で英智の存在は機能せんようになったはずですわ。
それを無死一塁でそのまま打席に送り、さらに終盤まで起用し続ける意図が、私には分かりまへん。
早めに大西にスイッチするべきやったと、強く疑問を呈したいところですわ。
また7回に英智を打席に送った後、8回裏は憲伸に代打・大西をコールしましたけど、英智を引っ張ったため切り札の高橋光は使わず終いでした。
少なくとも8回は高橋光を温存しておく意味もないわけで、出塁率の高い奴を起用すべきやなかったか。
もっと攻撃的に動いて欲しかったな…。


殆ど可能性はなくなりましたけど、それでも最後まで付き合うで。
「らしい」ゲームを、一つでも多く見せてくれや。
9/18 vs C (● / 8-10)
     ● 鈴木 4-3 / [本] ウッズ34号ソロ、福留23号3ラン、谷繁13号ソロ、福留24号ソロ
これが少なくとも優勝を争ってたチームなんやろか。
こうまであからさまに見せ付けられると、この言葉を言わざるを得まへん。
寂しいことやけど、
はっきり言うて「切れ」ましたな。
1ゲームに二度も、ビッグイニングを作られるようなチームやなかったのになぁ…。

これで9月は、楽天もビックリな3勝11敗。
中でも決定的な5点を奪われた7回裏は、投手・鈴木の二塁悪送球、荒木の二塁悪送球と、二つのミスが重なったものであり、普段のゲームの逆をやられてしまいましたな。
特に荒木のプレーは、昨季から見たことのないような気の抜けたものでした。
先日は憲伸が普通に投げられるなら絶対しないはずの投球をしたように、主軸にこうしたプレーが見られるようになると、さすがにもう「逆転優勝」なんつー言葉は使えなくなってきました。
このように初めて落合ドラゴンズが目標を失いつつある今、これほど急速にチームが瓦解し、2シーズンに渡って築き上げたチーム内部のモラルや、「中日には勝てない」という他球団からの畏敬の念を急速に喪失することになるとは、さすがに夢にも思いまへんでしたわ…。

延長の末に敗れた例のナゴヤ決戦第二戦が生んだ焦りが、急速にチームの歯車を狂わせていったわけやけど、結局のところ首脳陣はそれを修正することができまへんでした。
いろいろと刺激的な手は打ちましたけど、それが結果として反映することは全くなかったと言えますわ。
確かに選手達は疲弊し、ギリギリのところで阪神を追撃してきたため、一度レールから外れてしまったチームを元に戻すのは容易やない。
…しかし逆境でこそ将には妙手を打って欲しかった。
落合監督が選択した刺激策は、ホンマに正しかったんやろか…?

一番目立った策として、昌とアレックスの二軍降格がありました。
結果の出ない選手を外すというのは、いかに主力選手であっても避けられんことであり、その意味で間違いやないでしょう。
しかし何故、今のタイミングなんやろか?
落合采配は、主力選手に対しては最初からポジションを与え、その代わりに与えた職責を全うするための強い責任も課する、というものと私は理解しとります。
昨季前半の岩瀬、今季前半のウッズ、孝介、岡本、そして立浪、昌、アレックスなど、いずれもスタメンから姿を消してもおかしくない局面はありましたが、いずれも故障を除いて途中で戦列から除くことはありまへんでした。
それが
シーズン大詰めに来て初めて動いた、この事の意味は非常に大きかったのと違うやろか。
そういうアンタッチャブルのないチームであれば、いざ主力が外されても周囲に動揺はないでしょうが、ドラの場合は奴ら主力は外れないものという一種の共通認識があったと思います。
それを首位争いという極限状態で、いきなり従来とは違う手を打つというのは、「首脳陣が焦っている」という意識をチームに植え付けるのと違うやろか。
首脳陣の焦りは当然、選手の焦りを増幅することになります。
日本シリーズでさえ「いつも通り」と宣言していた監督が打った手としては、タイミングが悪過ぎたような気がしてなりまへん。

特に昌については、最後の甲子園三連戦での起用という予想もあったみたいやけど、奴をアテにするのは止めると言わんばかりの「これからは若手を使う」という監督談話や、昌が自分のHPで「またチャンスをもらえるかどうかは分かりませんが」と語っている(チャンスがあるなら「次の機会は頑張ります」などの前向きなコメントがあるはず)ことを考慮すると、ズバッと斬られたものと思わざるを得まへん。
投手陣の主柱である奴を斬るには、タイミング、やり方、両方とも疑問を呈したいところですわ。


落合監督は、ひょっとして打たれ弱いんやろか。
昨季の日本シリーズや今季終盤など、ホンマの逆境では効果的な策を見出せていないという印象が強いです。
そして迷走するチームにおいて、ますます理解が困難な采配を続けてますわ。
既に夏場でガス欠になり、腕が振れずにボールが高めに浮き、カーブのブレーキを失った高橋聡を、ゲームの要所で起用し続ける。
中盤以降、リリーバーとして確固たる地位を築いた鈴木を便利屋的に起用し(9月14試合中10試合に登板)、そのボールの威力を著しく低下させる。
「調子のいい者を使う」と言って昌やアレックスを外したなら、高橋聡や鈴木の調子も良う見極める必要があるはずや。
こんな起用を続けてたら、チーム間に育ててきた一体感は、あっという間に失われてしまうで?
そしたら来季はゼロからのスタートになってしまう、いや寧ろ選手達の疲弊度によってはマイナスになってしまうかも…。
まだ阪神を追いかけるにしても、消化ゲームモードに入るにしても、選手起用の方向性は変える必要があると思いますわ。
どうするんでっか?監督。


落合ドラゴンズの今季は終焉を迎えつつあるのかも知れまへん。
しかし今のチームなら、来季の覇権奪還は十分可能なはずですわ。
そして監督以下、選手に対しても、私ゃそういう信頼を失ってはおりまへん。
それだけに昨季の覇者として、その誇りだけは失わんような戦いを、残りのゲームでは見せてもらいたい。
ホンマに頼みます。
9/10 vs G (● / 5-8)
     ● 遠藤 2-1 / [本] 森野 8号ソロ
前日の昌の序盤KOが、この日まで影響を及ぼした感じですわ。
調子の波が激しいマルチネスは、今日はボール先行、ボールも走らず苦しいゲーム展開。
1−5になったところで、本来なら勝敗は決していたと思います。
しかし森野を中心に打線が踏ん張って4点差を追いつき、何とか同点。
さぁ、これから…という7回裏が、このゲームの転換点になってしまいました。

これまでは投手陣の消耗を考慮して、できるだけ投手の交代機を遅らせてきたベンチも、9月に入って勝負をかけるようになり、以前より投手の見切りが早くなってきました。
前日の昌の交代機も、これまでにはなかった早さやと思います。
この日は不調のマルチネスが与えた失点を、何とか打線がカバーして7回表に追いつき、7回裏のマウンドには6回から登板した遠藤が立ちました。
奴は6回裏を三者凡退で退ける、上々の投球をした直後やったけど、私は7回が始まる前にスイッチすべきやと考えました。
投手個々にはそれぞれ、ゲーム展開の中で果たすべき役割があります。
勝ちパターン、負けパターンと呼ばれるのがそれで、それに対して
遠藤はつい先日に軍から昇格したばかりの投手であり、決して勝ちパターンで登板する投手やないはずですわ。
ビハインドの場面で登板して好投、そして同点になったらそこで勝ちパターンの投手を投入、というのが正しい起用やなかったか?
しかし、そうはならなかった。
それは6回の投球内容を見て、できるだけ奴を引っ張りたい、投手を温存したいという考えをベンチが抱いたからやと推察します。
確かに前日7人もの投手を起用したことを考慮すると、投手の浪費を避けたいのは分かりますけど、もう1敗も許されん状況の中では勝利を何より優先すべきでした。
結果論やなくあの交代機の遅れが、ドラの墓穴を掘ってしまいましたな…。


■孝介
9月の打率が前日まで.192。
この日2安打しましたけど、いずれも内野安打やからねぇ。
状態的には最悪やと思います。
奴が不調になる時の典型的な症状で、重心が足のつま先ではなく踵にかかっており、基本通り軸足で身体を回転させようとしても十分な回転力が得られず、右腰を引くことで無理して回そうとしているため、腰が背中側に逃げてしまう。
外角のボールには全くついていけないところを、巨人バッテリーは確実についてきました。
殆どが外角に流れる変化球。
球種が殆ど分かっとるのに対応できんのやから、どうにもならん状態なんでしょうな。
とは言え、奴が打てなければ勝てまへん。
何とか頑張って復調して欲しいんやけどね。


阪神戦の二戦目に痛い敗戦、そして東京ドーム一戦目に惨敗。
絶体絶命の苦境にありながら、選手達は諦めず頑張っていたと思います(だからこその迷いや力みはありましたが)。
ドラの投手力と言う刃が次々と折れていく中、今日の時点で選手達の先頭意欲は萎えてまへんでした。
阪神に敗れてから、状況は圧倒的に不利に傾いており、今や絶望的と言うてもええ状況ではあります。
しかし安○先生やないけど、「諦めたらそこで試合終了」ですわ。
諦めりゃ楽にはなれるかも知れまへんが、
選手が諦めん限り、私も諦めまへん
頑張れ、ドラゴンズ。
甲子園で一泡吹かせるまで、頑張れ、頑張れ!!
9/4 vs S (● / 4-5)
     ● 野口 3-6 / [本] 谷繁11号ソロ、荒木2号ソロ、ウッズ33号2ラン
ここのところ指摘し続けてきましたが、先発が早々に炎上するようでは勝てまへん。
先発投手陣が揃い踏みしてオールスター直後に掴んだ手応えが、これほど脆いものやったとは監督も思うてなかったでしょうな。
野口の先発機会はもうありまへん(監督談話にもあったようです)。
そして朝倉まで故障でリタイヤとなり、ここにきて先発ローテーションのシャッフルが不可欠という状態に追い込まれました。
ここにきて阪神とのゲーム差は「3」と、正に非常事態。
ドラはこのまま沈んでいってしまうのか。

■野口
この日の投球はさすがにアカンやろ。
相手先発が藤井と、最小得点での勝利が求められるゲームで、先制点直後に逆転3ランを食らうというのは、チームに与えるダメージが計り知れまへんでした。
さらにラミレスにもヒットされて、ベンチは早々に降板を指示。
これを早過ぎると感じる方もおるかも知れまへんが、今の野口は一度崩れると歯止めが効かんのが現状です。
これまで好投してきたゲームは、多くが得点差があったり、ピンチが少なかったりと、精神的プレッシャーが小さい中で投げたものであり、僅差の展開ではちょっと走者を許しただけで奴には大ピンチになってしまうんですわ。

3回は小野の2ベースの後、藤井は犠打、続く志田は青木の代役として見下ろして投げて二死を奪う。
しかし相手打者が本来の上位打線である宮本に回ってくると、1点を守るためコースを狙い過ぎて腕を思い切って振れない。
狙ったコースに行かないため、小手先でボールを置きに行き、さらに腕の振りが小さくなってしまう。
故障以来、奴が繰り返してきた、自信のない投手の典型的な投球をこの日もしてしまいましたな。
ピンチで踏ん張れないのが今の野口。
このハートの弱さを反骨心で打破するために、首脳陣は奴にきつく当たってきたはずですが、結局奴には伝わらなかった。
残念やけど今の奴には、これ以上貴重なゲームを任せることはできまへん。
自分で弱さを克服せん限りは、野球生命が絶たれるだけやで!
もういっぺん這い上がってみぃ !!



さて先に述べましたように、先発ローテーションは再構築が必要な状況に追い込まれました。
憲伸、昌、朝倉、マルチネス、野口、中田の6人から、野口と朝倉が外れるわけですが、今後6連戦は9月末までありまへん。
しばらくは5人で回せますので、追加は一人で済みますわ。
今さら全く実績のない、未知数な若手に頼るわけにはいかん時期なだけに、候補としては最近ロングリリーフで結果を残している山井と鈴木になるでしょうが、山井は先日もリリーフ後に先発して失敗しとるだけに、次は恐らく鈴木でくるのと違うやろか(監督談話でも山井はないようですな)。
いずれにせよ、今のドラでそこそこ結果を出しとる先発投手はマルチネスと中田しか残ってまへんので、ここらでホンマに高給取り達に頑張ってもらいたいところやね。

阪神はベイに連勝して、ゲーム差が開いてしまいました。
ここで一つドラに都合のええ点を探すなら、実はこの連戦で投げた安藤と杉山が今の阪神で最も安定した投手であり、奴らはドラとの決戦では投げんということですわ。
恐らく火曜日からは福原、井川やと思われますが、奴らは阪神先発陣の中ではドラにとって最も与し易い投手です(数字的に)。
こちらの先発が頑張って、阪神のリリーバーの出番を奪ってしまえば勝機はあるんやけどな。
連敗すればさすがに終戦ムードが漂いかねまへんので、是非頑張って欲しいところやね。
9/3 vs S (○ / 9-1)
     ○ マルチネス 6-3 / [本] 福留21号3ラン ウッズ32号ソロ
ゲームとしては、S館山の不調(ツメ割れの影響?)が全てでしたな。
ボールが中へ、中へと集まり、またいくつかの幸運も手伝って、集中打を浴びせることができました。
先発が経験不足のマルチネスだけに、序盤に大量点で主導権を握ったのは大きかったと思います。
投げてみないと分からんところのあるマルチネスも、この日は調子が良く、終始安心してゲームを見ることができましたわ(ある意味「退屈」でもあったけど)。

■マルチネス
アカン時はメタメタなんやけど、キャンプ時の期待感を考えれば、奴が挙げた6勝はこれ以上なく貴重なものですな。
奴のストレートはキレがあると言うより、回転が少なくナチュラルに沈むような球筋やね。
さらに意外と低めへのコントロールも悪うないため、相手の打球は殆どがゴロになるようですわ。
長身から投げ下ろすボールの角度も大きく、チェンジアップの落差も威力十分であり、今日は外角へのコントロールも良かった。
今後経験を積むことにより、クイックスローやフィールディングの課題や、不調時の修正力、シーズンを通した調整力を学べば、大きく飛躍することになるかも知れまへんな(MLBに飛躍かも?)。
残りのゲーム、大きな不調がないように願いたいもんです。



さて、優勝争いも佳境に入りました。
8月上旬、そして先日の直接対決において、初戦で劇的な逆転勝利を飾り、次戦を取ればドラ有利の流れを決定付けられたものを、そのゲームで
先発が序盤で沈没するという失態を犯したため、逆にドラの方が失速するということになってしまいました。
リリーバーの方は岡本を欠きながらも、石井、鈴木、高橋聡、岩瀬とようやく整備されてきただけに、先発投手陣の不振がどうしても目立ちますな。
憲伸の不調(故障???)、後半戦に入っての昌の長期不振、投げてみないと分からない朝倉、マルチネス、野口。
一方で中田はかなり安定しとるように見えますんで、次の阪神戦には奴を起用してくるものと思うてます。
まだ時々変化球のコントロールが危うい時がありますが、ストレートの威力が全てを帳消しにしとりますんで、ハートの強さを信用するなら奴が来るのと違うやろか。
阪神戦は先発の出来が全てだけに、二人には頑張って欲しいもんですわ。


日曜日の先発は、D野口−S藤井やろか。
顔ぶれだけなら絶対的に不利やけど、中盤まで競り合っていけるなら勝機ありです。
頑張ってや!
8/20 vs BS (● / 5-11)
     ● 野口 3-5 / [本]
ついにスタメンから立浪の名前が消えました。
開幕から打撃に精彩を欠いてきたのは事実やけど、最近の調子は上向きに見えました。
決断のポイントになったのは、前日の9回先頭打者・石井が三遊間に放った打球に追いつけなかった場面やないかな。
打撃の衰えもありますけど、奴の場合は守備力の低下の方が著しく、特に三遊間の守備範囲は非常に狭くなっとります。
守備を重視する落合野球では、あのプレーが奴のスタメン落ちを決定的にしたものと思えるんやけど。
休んで回復できる状態やないだけに、奴の今後が心配されますわ…。

ゲームの敗因としては、6回の野口の交代機と、リリーバーの選択やったと思います。
この日の野口は、走者を出しては生還を許す不安定な投球内容、そして6回には無死からいきなり小池と金城に連打を食らって一点差。
もうこの時点で野口に後続を抑えることは難しかったのと違うやろか。
とにかく勝ちにいくべきこのゲームでは、私はこの時点で交代させるべきやと思いました。
しかしベンチは続投させ、結果的に無死満塁と傷口を広げてから遠藤へスイッチしたわけです。
交代機が遅れたうえに「ここで遠藤かいな…」と、正直思わざるを得まへんでした。
制球に不安がある遠藤は、満塁のような余裕のない場面で起用すべき投手やないと考えましたし、さらに言えば今季は勝ちゲームで投げる役割を担ってまへん。
その後出てきた鈴木(制球難やけど)や落合の方が、この場面では相応しかったと思うんやけどね。
遠藤は種田にはええ球を放ってましたが不運なタイムリーを許し、結果的にその後グダグダになってしもうた。
この回については、ベンチが動くタイミング、打った手、全てが裏目でした。
落合監督の「一つのゲームにおける継投策」については、私は評価しておりまへん。
そういう側面が、このゲームには表れてしまいましたな。

このままチームは坂道を転がり落ちるんやろか。
エースが逆転を食らい、先発が1失点で好投しても見殺し、そしてこの日は援護がありながら投手陣が大量失点。
展開が悪過ぎますし、さらに言えばビハインドの場面における打線の反発力が殆どありまへん。
何点負けていようが、丁寧に攻めて欲しい。
そして先発投手が最小失点で頑張る。
局面の打開は、これしかないわけやから。


■野口
CSの解説でも触れられてましたが、ヒジが下がっていたため、ボールがキレないし高めに上ずってました。
最近の奴の調子を測るには、ヒジの高さにさえ注目しておればええというくらいで、この日は最初から打たれる気配がプンプンしとりました。
(それだけに早めの交代を願っていたんやけどね…)
先日のゲームでは「途中でヒジの位置を修正できた」と言うてたんやけど、この日は柳沢の指摘があっても、腕の振りがおかしゅうなってリリースポイントがバラけるばかりで、全く修正できまへんでしたな。
99年に19勝した頃の奴はビシッと抑えるのではなく、ピンチの連続を粘り強く抑えていった印象が強いんやけど、今の奴は打たれ出すと修正が効きまへん。
ベテランなんやから、それくらいは何とかしてもらわんと困るんやけどな。


阪神が恐れおののいてJFKを浪費するチキンレース、我に有利と思うてきましたが、先に転んだのはドラの方でした。
(あんだけ使い倒されて潰れんJFKは凄いわ)
今がホンマに最後の正念場やと思いますけど、正直なところ打開策は乏しいと思います。
昨季と違ってメンバーを絞って戦ってきたツケが、今噴出してきたように思えてなりまへん。
明日は多分、中田の先発やと思われますが、ここでコケたら赤信号点滅でしょうな…。
8/7 vs BS (○ / 7-6)
     ○ 平井 4-2-1S S チェン 1S / [本] ウッズ26号ソロ
延長に突入した時には、既に打線から立浪・ウッズ・井上が消え、投手では高橋聡・岡本・岩瀬を使い切った状態。
ベイの粘り強さを目の当たりにして、殆ど勝ち目はなさそうに見えたんやけど…。
ホンマに皆、良う頑張ってくれた!
岩瀬が打たれたという逆境に立たされながらも、最後は
「絶対に勝つ!」という気迫がベイを押し切ったというゲームでしたな。
この日のチームの奮闘には、感動すら覚えました。

ゲーム展開とは言え、岩瀬4連投、高橋聡3連投。
特に岩瀬については無理を押しての起用に、この日は絶対勝たないかんというベンチの決意が表れてましたな。
しかしさすがにこの日は、いかに岩瀬と言えどどうにもならんほどスライダーは曲がりまへんでした。
それでも二死まで持ち込んだところが岩瀬が岩瀬たる所以やけど、最後に金城に打たれた同点打は相手が上手かった!
スライダーがいつもの調子なら膝元を突くところやけど、真ん中に入る可能性を嫌って外角にボールを集めざるを得なかったのが辛かったですな。
非常に厳しいコースやったのに、金城はきっちり捉えてきました。
コンディションを考慮すれば岩瀬は良う投げましたが、最後の最後で相手の気迫が岩瀬の看板を打ち砕いたという感じでした。

これで勝機の薄い延長戦に突入したわけですが、ベンチが無理を通して勝ちパターンのリリーバーを継ぎ込んだだけに、このゲームを落としたとしたら今のええムードが壊れても不思議やなかったと思います。
しかしここで控え組も含めた総合力が、他チームと比べて我々が思うてたより高かったことが証明されました。
井端の出塁を、台本通り川相がバスターで送り、ウッズの代役・渡辺がタイムリー。
渡辺は昨季掴んだ感覚を、そのまま今季にも持ち込めたようですな。
相手もありますけど、ベンチ組がここまで頑張るとはホンマに嬉しい誤算でしたわ。

さらにチェン。
この追いつ追われつのゲームを1点リードで迎えた11回裏、ベンチに残っていたのが奴と石川やったことを考えれば選択肢は他にありまへんでしたが、さすがに荷が重過ぎると目を瞑りたくなりました。
案の定、先頭の内川に打たれて無死一塁。
犠打、さらに暴投で一死三塁。
絶望的な場面になりましたけど、ここでチェンが頑張りました。
勢いのあるストレートでガンガン押して、鶴岡、そして岩瀬を打った金城を捻じ伏せてゲームセット!
奴のボールには、少々甘いコースになっても打者を捻じ伏せる勢いがありました。
殆どバクチに近い起用やったけど、この日奴が得たものは非常に大きな糧になるものと確信します。
ええボールを揃えること、強いハートを失わないこと、これさえあれば奴は先発でもリリーバーでも充分戦力になるものと思います。
ドミンゴにメドが立たん今、奴の存在感が今後増していくことを予感させるゲームでしたわ。


最後にウッズ。
あの調子で打たれたら、相手は恐怖感で一杯でしょうな。
相手チームのシナリオを全てぶち壊すだけの、暴力的なパワーをようやく発揮し始めてくれました。
これで奴の獲得は、収支「+」に転じることになりそうですな。


火曜日からは、いよいよ首位攻防戦。
投手の疲弊を考慮すると厳しい戦いになりそうやけど、この日のような全員野球で乗り越えて欲しい。
できれば一日くらいはリリーバーを休ませたいところやけど…。
朝倉、期待してるで!
7/9 vs T (○ / 3-2)
     ○ 岡本 9-3-1S / [本] 福留12号ソロ、井上6号ソロ、立浪5号ソロ
8.0ゲーム差というのは戦意が萎えそうな数字やけど、残りゲーム数を考えると可能性のない差ではありまへん(阪神にコケてもらう必要もありますが)。
ドラの方がきっちり体勢を立て直し、戦力を100%発揮できるようになれば、まだ何とかなると思います。
そういう状況で迎えたこの三連戦、位置付けとして非常に重要なものであり、あわよくば三連勝したかったところなんやけど…。
昌で初戦を落とし、朝倉、野口、チェンらで残り二戦を取らないかんという、絶体絶命な第二戦でした。

それがただ勝つだけやなく、
朝倉が復活を思わせる好投、そしてチームリーダー・立浪の一発でゲームを決めたやなんて…。
チームが再び上昇気流に乗るためには、これ以上ない素晴らしいゲームやないですか!
三戦目…、先発予想が不安定な野口やけど、ここで勝てたとしたらひょっとするとひょっとするかも。
このゲームが今季のドラを占うゲームになるのかも知れまへん。



■朝倉
立ち上がりは下半身と上半身が上手く連動せず、身体が開いてボールが高く抜けるいつもの投球。
2回までは連打や四球で、いつKOされても不思議やない投球でした。
それが3回に金本に一発食らった後は劇的に立ち直るわけやから、投手というものは不思議ですわ。

開幕当初、先発ローテーション入りを期待されたのは、奴の他には野口、山井。
野口と山井の課題はハートにあったため、強いプレッシャーを与えるためにも上で投げ続けることに意味はあったと思います。
しかし朝倉の課題は、
上体が捕手側に突っ込んでしまうという技術的なものであり、早めに時間を取って適切なフォームに改造することが必要やった。
そして5月に二軍降格となり、故障を経て、ようやくその機会が巡ってきました。
今まで奴はフォーム改造を繰り返しながら、根本的な改善はされないままやったんですが、今回は左足を上げてそれを下ろすまで身体は綺麗に直立し、これまでのように重心が捕手側に流れるようなことはありまへんでした。
しっかりと軸足に重心を乗せ、そのパワーを投球の際に爆発させることができるようになっとります。
6回に金本から三振を奪った外角ストレートは、これまでなら絶対になげられなかったはずの、
ホンマに惚れ惚れするほど素晴らしいボールでした。

この投球ができるなら、次回も大丈夫やと思います。
奴がローテーションに定着できるなら、これ以上ない阪神追撃の切り札となります。
次回の登板が楽しみですわ。


■井上
(7/2 神宮)
(A)
 (B) (C)
以前にも触れましたが、今季は非常にええ状態が続いてます。
奴の場合は、ええ状態が続いても自ら調子を落としていくため、結局はガタガタになってシーズンを終えることが多く、今季もどうかな?と思うてあまり戯言では触れてこなかったんですが、この内容なら信じてもええかも知れまへん。

今季は「打ちに行く」ことが殆どなく、ボールが飛び込んでくるのを待ってスイングすることができてますな。
(B)で軸足に乗せている重心は、この後も殆ど投手側へ移動することはありまへん。
軸足で回転して打つような感覚が、今の奴にはあるものと思います。
今の打撃内容なら、打順ももう少しええところを任せてみたいところやけどね。



さて三戦目を迎えるわけやけど、とにかく先発が頑張ってくれんと勝機が少なくなってしまいます。
とにかく勝って、雰囲気的に阪神をじわじわと追い詰めるような展開にして欲しいものですわ。
7/2 vs S (● / 4-9)
     ● 山井 1-5 / [本]
招待券貰ったんで神宮まで生観戦に行ったんですが…、まぁ、ホンマに見たくないものを見せられてしまいましたわ。
先発はマルチネスかと読んでたところが、山井と聞いて(奴には悪いが)イヤ〜な予感がしたんやけど、見事なまでに的中してしまいました。
ええ流れになりつつあったところでこのゲームやから、流れを掴むのも一からやり直しやなぁ…。

…では今回は、ゲームに触れるのもおぞましいので、ポイントの選手に絞ってみたいと思います。


■山井
監督からダメ出しされたようやけど、それも無理はないでしょうな。
今季、奴に与えてきたゲーム数を考えれば、この全く進歩のない投球内容では二軍行きを断じられても、文句の言えんところやろね。
これで期待をかけてゲームを与えてきた山井と朝倉、この二人ともが全く結果を出せないまま二軍に落ちたわけで、首脳陣の思惑が100%外れてしもうたのは複雑ですわ。
先発投手探しは、この時期に振り出しに戻ってしもうたわけやからね。

奴に関しては、
その「おっかなびっくり」の投球を何とかせぇ!と言いたいです。
キレや制球を気にしてるのか、力を抜いて投げようとしとるのが分かるんやけど、スライダーを投げようとするとテークバックで腕のスイングが引っ掛かるようになり、ボールを地面に叩きつけてしまう。
その上、思い切って腕を振れないため当然ながらスライダーのキレが不足しており、いくらストレートにキレがあっても、スライダーで打者のタイミングをズラすことができん。
もっと必死に思い切り投げられんか?
「必死に投げたんですが…」って、表情見てる限りは引きつっとるようにしか見えんわ。
もっと闘え!打者と闘って見ぃ!
チャンスがあるとするなら、ハートの再構築が先になるはず。
もう一回、上でチャレンジする姿を見せてくれや。


■立浪
あの立浪が、こんな不細工なプレーしかできんのか…。
正直言うて、ルーキーの頃から身としては、この日の奴のプレーは滅茶苦茶ショックでした。
あの華麗な守備を見せてきた立浪が、今やチームの足を引っ張る、すっかり老け込んだプレーしかできなくなっとるなんて。
初回のラミレスが打った大きなバウンドの打球、あれはボールを握りそこなったんやろか?
それにしてもワンステップして投げたボールに、なんと勢いのないことか。
その後、山井が連打されて3失点で逆転されるわけやけど、本来はあそこでヤクルトの攻撃は終わっとるはずなんやけどな。

そして6回、宮本の打球は三遊間への緩いゴロ。
これを奴がグラブに当てて弾いて、無死一、二塁。
前にも似たような場面がありましたが、普通のサードなら充分に処理できる打球でした。
腰高で横方向のフットワークに瞬発力がないため、守備範囲が狭まっている上に、グラブが上手く下から捌けないため、ボールがグラブの下に当たってますわ。
これは…もうどうにもならんかも知れまへん。
どう見ても下半身の衰えは明らかであり、この日見せたチャンスをことごとく潰した打撃も、こうした体力面の不安がモロに出とるわけです。
打撃で守備をカバーすること叶わんのであれば、奴をスタメンに、クリーンアップに残すことは、マイナス面が大き過ぎるんやけどな…。
四球が取れるだけ、控えの連中より総合的な打撃の評価は上かも知れんが。

もう一度、「立浪」の看板が輝くことを強く期待したいんやけど、非常に辛いところやろね。


■チェン
(A)
 (B) (C) (D) (E)
                         (F)
 (G) (H) (I)
★昨季(5月)
(1)
 (2) (3) (4)
奴は、その糸を引くような美しい球道に注目しとる投手です。
この日はストレートにその片鱗は見えたものの、岩村に一発を食らうなど4失点で、期待通りの投球とはいきまへんでした。
それでもあと少し課題をクリアできれば、ローテーションに入れる器であることは間違いないと思われますわ。
投球フォームは今中を彷彿とさせる、やや腰高なもの。
(C)で高く上げた足や(E)での胸の張りはボールの威力を増し、(G)で見せる柔らかいヒジの使い方はボールにキレを与えてます。
奴のスピンのかかったキレのあるボールは、こうした長所が生み出しとるわけですな。
昨季と比較すると、(2)から(3)にかけて身体の軸が上体を中心に後方に倒れ、そっくり返ったまま投げとる印象がありましたが、今季は(D)で身体がきっちり「く」の字を描いており、バランスの改善が伺えます。
しかし一方で(H)以降のフィニッシュでは、軸足に力強さを感じまへん。
多分蹴りが弱いものと思われますんで、この辺が改善されたら更にストレートに威力が増すものと思われますわ。

またこの日の投球を見る限り、カーブのキレがもう少し欲しい。
相手打者はストレートには押し込まれてましたけど、それでもカーブで崩すことはできず、結局は詰まり気味でも痛打を食らう結果になってました。
あと少しストレートに威力を、あと少しカーブにキレを、それさえあれば一気にブレークすることになると思います。



最後にチーム全体を見ると、最近は先発投手が機能してまへんな。
打線やリリーバーが何とかカバーしてますが、安定して勝つためには、先発投手がそこそこ機能することは必須やと思います。
日曜日は今度こそマルチネスでしょうが、奴も最近はピリッとせんだけに、頑張って欲しいところやけどね。
6/29 vs BS (○ / 5-4)
     ○ 岡本 7-3-1S S 岩瀬 1-1-19S / [本] 福留 11号3ラン、ウッズ 18号2ラン
取り敢えず勝てて良かった。
初回に孝介の3ランで勝ち越し、ええ流れやな…と思うたのも束の間、憲伸があっさり同点を許す。
ドラが初回以降はヒットすら殆ど出ない中、終盤7回に憲伸がベイへ勝ち越しホームランを献上する最悪の展開。
あーアカン…。
ところが門倉が引っ込んだところで、ようやく4番に逆転の一発。
ようやくタイトロープを渡るような、そんなギリギリの勝利を掴むことができました。

それにしても、
ウッズがようやく点火し始めたやろか?
内角ベルト付近の難しいボールを、上手くはらってライトポール際へ逆転ツーラン。
あんだけポンと合わせるだけで、右へオーバーフェンスが打てるところに年間5億を払うてるんやなー。
今日はベイのバッテリーが殆ど外角で勝負してきた中、打ったのは殆どはじめて内角でストライクを取りに来たボールでした。
外角に備えて右狙いしてたのが、結果的に良かったというところやろか。
ただし、それまで殆ど外角一本で勝負に来てたところを、ボールになるスライダーを振って三振とか、甘いストレートを見送るとか、まだ絶好調というわけではないと思います。
何度も言うてますが、奴にはその年俸と劣悪な守備力に見合った打棒が期待されてますんで、もっと打ってもらわんと。
まぁ、これから投手にヘバりが来ますんで、最後には帳尻を合わせるような打撃を見せてくれるとは思いますが。

それと孝介が最近調子ええですな。
この日も風に助けられたとは言え、左へ一旦は逆転となる3ラン。
阪神・久保田や藤川のようなスピードピッチャーにも負けんスイングスピードは健在で、ここに来て長打も復活しつつありますな。
ただし、打球方向がやっぱりセンターから左中心なんやねー。
奴の今の打撃は、軸をミートポイントまで自ら動かす、イチローのようなものなんですわ。
で、身体の近くでミートできるようバットのヘッドを遅らせているため、打球はどうしても左方向に飛ぶことになると。
軸を動かすとどうしても身体の爆発力は小さくなりますし、なかなか右に大きな打球は飛びにくい。
ん〜、ようやく今季の奴の方向性は見えてきましたが、奴のHPタイトルでもある「スラッガー」としてはどうなんやろ?
複雑な心境ですわ…。


そして憲伸。
この日も調子は最悪でした。
キレ、制球とも全然ダメで、指にかかった威力あるストレートは、殆ど見ることができまへんでした。
これでいつから勝ってないんやろ?
何より自信のなさが態度に表れ、点の取られ方も悪い。
エースらしい投球というには、ほど遠い状態が続いとりますな…。
早くチームを勝たせる、エースらしい投球を見せてくれ!
頼むで!



…また阪神は勝ったんやねぇ。
先行されても、きっちり引っくり返すもんな。
藤川がどうにも邪魔やなぁ…。
6/25 vs C (● / 12-16)
     ● 山井 1-4  / [本] 井端2号ソロ、ウッズ16号3ラン、谷繁7号3ラン
展開的には最悪やね。
3点先行されたのを4番の逆転弾で引っくり返したら、普通はそのまま勝たなあかんのやけど、さらに絵に描いたような5回の大逆転。
しかも
逆転食らった先発投手は、同じ愚を何度も何度も繰り返しとるんやからなぁ。

問題の山井。
初回にいきなり3ラン食らったのは、立ち上がりやから目を瞑りまひょ。
しかし中盤にいきなり崩れて大量失点、この悪癖はせっかくの二軍での調整でも、ち〜っとも変わらんかったのね。
まぁ、監督もさらにチャンスをやると言うくらい、期待の選手やからなぁ。
何やったら余計なことを考えんでええように、途中でガス欠してもええくらい最初から飛ばして、4回あたりで降板してもええやん。
もう少し気楽に行こうや。

次の平井は、山井に輪をかけて悪かったですなぁ。
身体が開いてしまい、ボールがシュート回転して右打者の内角高めへ外れること多数。
そして
さらに問題やったのが谷繁のリード。
5−6と逆転されて、なお二死満塁で代打・野村を迎える場面。
積極的に初球から打って出る野村に対して、谷繁が要求したのは内角ストレート。
ちょっと待て。
先に述べたように、平井のボールはシュート回転しとるやないか…。
案の定、内角を狙ったボールは真ん中に入ってきて、致命的な走者一掃ツーベースとなってしまいました。
あのなぁ、投手の状態に合わせたリードができんか?
その前に石原に対して0-3になった時には、確実に真ん中でストライクを取るために、真ん中より内角よりを要求してたやないの。
それは少々、おかしなリードやで…。

そして相変わらず、
落合采配は特定の選手に勝敗を預ける手法ですな。
確かに先発ローテーションの頭数や、セットアッパーが不足しとる状態では、山井や平井の戦力化は必要やと思うけど、間もなくシーズンも折り返しを迎えるこの時期まで、奴らには立ち直りの兆しは見えまへん。
要するに今までのところ、ムダに数試合を奴らに与えてるだけに終わっとるんやね。
この作業は必要なことでありながら、見返りの保証は全くないんですな。
しかも今は阪神戦で三連敗を免れ、打線に火が点き始めてチームが調子を上げつつあるだけに、このゲームではその流れを切らさん采配も考えられたと思うんやけどね…。
これは正解がどちらともに言いにくいところやけど、あんまり見返りがないだけに、異を唱えたくなってしまいますわ。


広島はラロッカが不在、そして黒田が来ないローテーションだけに3タテを狙うてたんやけどな。
日曜日は頑張って欲しいところです。
6/20 セ・リーグ再開を控え
ようやく交流戦が終わりました。
交流戦前にはセの首位を独走したドラが、交流戦で大きくリズムを崩して貯金が−6。
交流戦前半の大失速から、後半はある程度立て直したとは思いますが、ロッテに3タテを食らったようにチームは完全ではありまへん。
これからのセ・リーグとの対戦で、戦いはどうなっていくのか。
ドラはどのようにチームを立て直せばええのか。
これまでの反省を踏まえて、これからを考えてみたいと思います。


ホンマの勝負は6月からであり、それまでは首位から離されんよう注意しつつ戦力整備の時期やと、私は開幕当初から言うてきました。
思いのほか、その調整期間にドラは走ってしもうたんやけど、交流戦開始と同時にウッズ欠場もあってかいきなり失速。
何とか勝てるようにはなったものの、当初から指摘してきた戦力整備という意味では、実りはあったもののマイナスも大きく、これまで時間を割いて整備してきた割に
プラスマイナスではあまり前進しとらんというのが実感ですわ。
特に大きな課題としては、投手陣で岩瀬に繋ぐセットアッパー、そして打撃陣ではクリーンアップが挙げられると思います。
ここでは、これらに絞って検証してみます。


■投手陣
クローザーは投手陣でも花形のポジションやけど、9回1イニング限定の起用である以上、実はチームを最も助けとる存在なのは勝ちパターンで登板するセットアッパーというのが私の持論です。
昨季も平井と岡本のコンビ、特に岡本はゲーム中盤・終盤を問わず、相手の流れになった時に登板してその流れを断ち切ってくれました。
つまり一昨年までの岩瀬の役割をこなしてくれてたわけで、ヤツの存在はドラ投手陣にとって不可欠なほど大きなものになってたんですな。
それだけに
今季の奴の不振は、代わりがおらんだけに痛い
首脳陣も昨季との岩瀬と同様、奴のポストを維持しながら復調を待ってますが、これが上手くいかず辛いところですわ。

今季の奴は重心が上手く捕手側に移動せず、上半身が突っ立った状態で投げとるため、手投げになっとるという印象があります。
極端に言えば、上半身を後ろに反らしながら前へ投げとるような…。
このためストレートの走りも今ひとつやけど、それ以上に制球が滅茶苦茶ですな。
フォークを何度も地面に叩きつけとるのは、多くの方が憶えてられると思います。
これは数字にきっちり表れており、昨季は75-1/3回で26四死球、今季は既に34回で20四死球。
この四死球率の増加は、ちと尋常やありまへんな。
もともと上体のパワーで投げるタイプやったけど、もう少し下半身の使い方を工夫して、重心移動をスムーズにして欲しいもんやけどな。

野口の復活とマルチネスの出現で先発投手陣は安定が見込まれるだけに、奴の復調が投手陣のカギです。
しかし…、その可能性が高いと言えんのが辛いところやな。


■打撃陣
今季の打線は、ある程度固定されてますな。
荒木−井端の1,2番は大きな飛躍はないものの昨季並み、そして6〜8番はアレックスが下位に回り森野が固定されることで、相当強化されたと思います(下位三人の打点99)。
この上に本塁打王のウッズが加入した以上、どれほど得点力が強化されたことやら…と思うてたら、そういう実感は皆無に近いのがホンマのところですわ。
この問題の原因の所在は言うまでもなく、
クリーンアップがポイントゲッターとして機能せんこと、この一点に尽きますな。
下に各球団のクリーンアップの成績を並べてみました。
(巨人:高橋由は欠場が多く除外)

打率 打数 安打 HR 打点 打率 打数 安打 HR 打点
中日 ヤクルト
立浪 .266 244 65 3 23 岩村 .303 228 69 11 42
ウッズ .243 206 50 15 38 ラミレス .268 246 66 17 52
福留 .298 218 65 8 36 鈴木健 .263 171 45 5 21
.269 668 180 26 97 .279 645 180 33 115
巨人 阪神
ローズ .229 245 56 17 43 シーツ .294 269 79 7 38
小久保 .280 218 61 19 42 金本 .344 250 86 17 60
清原 .215 209 45 15 37 今岡 .301 249 75 13 67
.241 672 162 51 122 .313 768 240 37 165
広島 横浜
.272 239 65 8 30 金城 .331 245 81 3 40
ラロッカ .348 158 55 11 36 佐伯 .267 243 65 6 35
前田 .336 235 79 15 40 多村 .344 212 73 21 53
.315 632 199 34 106 .313 700 219 30 128

打率でやっと5位、ホームランと打点に至っては見事に最下位ですな。
予想はしとったものの、やはりきっつい結果になっとります。
1,2番がなんぼ出塁しても、これなら相手投手は恐怖感を感じないだけに、ますますコースを気にせず思い切って投げられるでしょうな。
特に立浪の23打点は、ほぼフル出場していることを考えると、どう考えても異常に少ないですわ。
単純に打つだけなら、ドラのクリーンアップトリオは現段階でセ・リーグ最低やというのは、否定できん事実やと言えます。

問題はこれだけやありまへん。
昨季もドラのクリーンアップは迫力不足やったけど、無死・一死で走者三塁のケースではヒットなしでも犠飛、内野ゴロ等で点が取れたんですな。
ところが今季はこれが難しい。
立浪が得点圏で打てず犠飛も打てない状態で、精彩を欠いとることもありますけど、
一番大きな問題になっとるのは4番にウッズを置く打順の構成のように思われますわ。
基本的にウッズは正に「打つだけ」の選手であり、勝負所での三振も多いことから、ヒットやホームラン以外の絡め手で得点することができまへん。
決定機で残塁を繰り返すのは、こうした要素も一因やと思うんやけど。

そして何度も言いますが、守備、走塁のマイナスを考慮すれば、ウッズには爆発的に打ってもらわんと困ります。
年俸5億円の選手を契約途中で切ることはできまへんし、ベンチに置くことも難しい。
早くその年俸に見合う活躍をしてもらわんと、チームにとってマイナスになるだけなんやが。
そして同じく立浪。
また内野に戻るようやけど、これだけ体調やモチベーションに気を使ってもらいながら、この成績やというのは少々情けない。
サードをやるのはええけど、ファーストまで送球が届くのか?
…穿った見方をするなら、今回の内野復帰は首脳陣からの最後通牒なのかも知れまへん。
自らの選手生命を守るためにも、ホンマに奴には頑張って欲しいんやが…。
私のミスタードラゴンズ、奮起せよ!


■憲伸
カットボールの有無については謎。
しかし滅多打ちとも表現できる、左打者への対策は必須やと思います。
手持ちの球種で何とかするなら、シュートで横の揺さ振りを使う、又はフォークでタテの変化を使う、これらいずれも結構有効やと思うんやけどな。
ストレートの威力も昨季よりは落ちてるように感じますし、使えるボールは全て使うて欲しいんやけどな。

■孝介
65試合を消化して8本塁打36打点。
このペースならフルシーズンで、17本塁打85打点にしかなりまへん。
打率が.350くらいあるならこの本塁打数でもええでしょうが、今の数字には何の凄味も感じることはできず、
「どこにでもいる好打者」に成り下がっているようにさえ感じます。
しかし奴のHPを見てると、あまり危機感を感じとるようには見えんのがなぁ…。
とにかく右へ引っ張れん打撃では、相手投手に恐怖感を与えることができん。
私ゃ奴には、本来の豪快なスイングを取り戻して欲しいんやが。



さて最後に、監督は選手たちに対して「試合に出たい気持ちが足りない」と言うたそうな。
しかし今季は昨季と違って、一軍のメンバー、そしてスタメンがかなり固定されており、控えや二軍選手の意欲が削がれる状態なのは仕方ないでしょうな。
昨季はそれを知ってるからこそ、監督はどんどん選手を試して競争を煽ったはずなんやが。
メンバーが固定できるチームは確かに強いけど、控えの力が必要な場面は必ずある。
その時に奴らが100%の力を発揮できるよう、上手く競争を煽ってもらいたいもんですわ。
6/11 vs M (● / 5-11)
     ● 川上 6-3  / [本]
「ゼロに抑えて勝つ」とエースが珍しく事前に宣言してくれて、それならと期待したらこの投球。
さすがにこれはアカンやろ。
いくら調子が悪かろうが、死に物狂いで投げるのがスジや。
あんなダルそうな態度見せられたら、そりゃバックにも不安感は伝わるやろ。
昨季の憲伸は、ゲームの要所で渾身のボールを投げて相手の気勢を削いたんやけど、最近は前回の楽天戦に引き続き、打たれたらいかん場面で打たれてしまう。
チームを牽引するどころか、見方によればチームにブレーキをかけてると言われても仕方ないのと違うやろか。
「情けない」と口で言うなら、結果を出してくれ。
態度に燃えるものを見せてくれ。
お前はこんなピッチャーやないはずやろ?

調子自体は最悪でした。
何よりガス欠で、ゲーム中盤にはストレートの球速が140km前後まで落ちてしもうた。
何とか走らないストレートにカーブを交えて抑えようとするけど、終盤にはボールに押さえが効かんようになり、高めに浮いた威力のないボールを痛打されてしまいました。
ゲーム自体は作ったと思うんやけど、疲労の出やすい梅雨場で中五日を続けたことが、スタミナに影響したんやろか?
序盤にはええストレートもあっただけに、単なる疲労やとは思うんやけど…。
…それにしても、7回終了後は代打を出すべきやったと思うけどなぁ…。


★今季の傾向
憲伸の今季の投球内容には、昨季と大きな違いがあります。
昨季は被打率が
対右打者.251、対左打者.230と、左打者を良く抑えてました。
これは奴の伝家の宝刀、カットボールが左打者に威力を発揮したからですな。
ところが、今季は全く正反対の
対右打者.189、対左打者.331となっております。
これは何を意味するんやろね。
対右については、今季から配球の軸になったシュートが有効に作用しとることが伺えますが、この左打者への被打率はちと酷過ぎますわなぁ。
カットボールが効いとるはずやのに?と思うて奴の投球を見てたら、何と奴は左に対して殆どカットボールを投げないんですわ。
何で??

カットボールが投げられん…ということはないと思いますけど、考えられるのは、威力が失われたのではないかということですな。
逆へ変化するシュートを多投するようになったのが、何らかの悪影響を及ぼしたとか?
右打者に投げてたカットボールを見た限り、スライダーのようなボールの流れ方をしてたような印象がありますんで、
ひょっとしたら伝家の宝刀が折れてしもうた可能性もあるかも知れまへん。
この対左打者の被打率については、今後がかなり心配される点やと思います。
何とか調整して欲しいんやけどな…。




憲伸ばかりに不満を表明しましたけど、ヘタレの打線は論評以前やと思います。
3安打に加えて、中盤以降ノーヒットやなんて話しになりまへんな。
6/11 vs M (● / 5-11)
     ● 山本昌 4-3  / [本]
久し振りにゲーム開始からじっくり見られたんやけどなぁ。

こういう崩れ方されると、チームはたまらんわな。
先発の昌は初回から3回まで無安打に抑える絶好調の滑り出し、4回に1点失ったとは言え、すぐ味方が逆転して4-1。
4回の失点は相手が上手かった要素もあり、ここからノッていけると思うたんやけどなぁ。
5回、先頭のサブローに対してストライクを取りに行った変化球がボールになり、「おや?」と思うたら一度も立ち直ることなくKOされてしもうた。
この変調は一体何やったんやろ?
味方が非常にええ形で逆転しただけに、少なくとも味方が逆転した直後に突然の大炎上、これはベテランとしてはあるまじき投球やろ。
特に5月下旬の楽天戦以来、調子を極端に落として5回9失点、7回無失点、3回6失点と、ゲームを壊すのがこれで三回目ですわ。
これではローテーションを任せることはできんで…。
ローテーションに残しつつ奴の奮起を待つのか、それとも一度外して再調整させるのか、首脳陣の打ち出す方針に注目したいと思います。

問題の5回。
本来なら、昌をリリーフするのは岡本のはずなんやが、落合が出てきて打たれる悪循環。
しかしこれも采配ミスやなく、その後登板した岡本もきっちり被弾する程度の調子やから、肝心な場面では出せなかった。
チームが本調子なら、相手がノリノリの時に流れを断ち切ってくれるリリーバーがいてくれるんやけどね。
ようやく普通に勝ったり負けたりするようになったものの、その実、相変わらずクリーンアップは打てず、ローテーションは頭数が不足し、リリーバーは不安定。
チームが走り出すには、まだ道は遠いというところやろか。

一方で、4回の集中打は見事やったね。
また序盤から、相手先発にショボいヒット2本に抑えられてたところを、井端、立浪が難しいボールをヒットしてチャンスを作り、ファールで粘ってええボールを待ったアレックスと大西がタイムリー。
奴ら二人は良うボールが見えてますな。
結果的には、この後の無死1・2塁で追加点が取れんかったのも、敗因になったと思うんやけど、あの時点でそれを考えることはできんわなぁ。
しゃーないとしか言いようがありまへん…。


■両外国人(ウッズ&アレックス)
アレックスは先日のファイターズ戦での逆転弾で、ようやく自分を取り戻したようですな。
奴のええ時は、内角を上手くヒジを畳んで捌き、外角は最短距離でバットを伸ばして対応できるため、この日のように内外角やスピードの変化についていけるんやけど、最近まではヒットを欲しがってヒジが伸び切った手打ちになっとりました。
いっぺん好結果を出したら、ようやく思い切って振れるようになったということですな。

かと思うたら、
調子が上がって打率が.250を突破していたウッズが、最近7試合で27打数3安打の.111と急降下。
奴もヒットを欲しがって強くスイングできてまへんな。
そもそも2ストライク捕られた後は.095しか打っとらんだけに、焦って早めに打ちに行ってしまう。
相手の出方を探って、狙い球を絞るような芸当はできんものか…。
守備がアレなだけに、奴には最低でも.300-30本-90打点はクリアしてもらわんと高年俸がペイしないと思うんやが。



さて、日曜日の先発は、ドラ・小笠原にM・渡辺俊介やろか。
勝てたら奇跡的やけど、その奇跡を見てみたいもんや。
頑張ってや〜
6/4 vs F (○ / 7-0)
     ○ マルチネス 1-0  / [本]
久し振りの三連勝。
特に今日はスコア的に快勝やっただけに、本来なら諸手を挙げて喜んでもええゲームなのかも知れまへんが、
ファイターズの状態の悪さに救われた要素が大きいと思いますんで、喜びも中くらいといったところですわ。
ファイターズは直前のG戦で、ノーガードの打ち合いの末に2ゲーム連続の12回延長戦を余儀なくされ、投手陣を消耗させてきました。
このため初戦は先発の入来を、打たれながらもゲーム中盤まで引っ張らざるを得ず、大量失点の原因を作ってしもうた。
また初戦、この日を含め、守備の乱れやバッテリーミスが続き、ドラに得点を献上する結果になっとります。
ファイターズも交流戦では苦戦を続けており、ドラが打線を建て直しつつあることから、この三連戦ではドラが相対的に優位に立っとるわけですな。
ドラの方も状態の悪い相手に対して、磐石のゲームで勝っとるわけではないので、今ひとつ信用が置けんのですわ…。

一時期の最悪期をようやく脱したドラは、
ようやく上昇機運になりつつありますな。
特に打線については、アレックスがどん底を抜けんままやけど、ウッズや谷繁に当たりが出てきました。
また進塁打、特に無死or一死3塁で三振やポップフライを繰り返してきたものが、犠飛やタイムリーが出るようになっとります。
チーム状態の向上で、迷いがなくなってきたということやろか。
四球やミスを絡めて得点するパターンも回復しつつあり、贅沢を言わん限り打線に関しては少なくとも「普通」の状態に戻ったと思います。

一方で投手陣は、うまくマルチネスがローテーションにハマってくれましたけど、朝倉に続いて山井も降格になったことでローテーションが二枚不足しているほか、リリーフ陣も川岸が頑張ってる程度で、勝ちパターンで投入する岡本・平井のコンビが安定せず、お家芸の僅差逃げ切りが難しい状態になっとります。
岩瀬は結果を残してくれてますが、このままでは間を継ぐ投手がおらんと出番のないままゲームが終わってしまう場合すらありますわ。
先発投手はやりくりするとしても、登場頻度の高いリリーバーについては、早めに整備せんといかんのやけどな。
岡本・平井の立ち直りを待つのか、それとも抜擢人事があるのか。
交流戦の残りは、この辺に注目して見たいと思います。


■マルチネス
下で飛び抜けた数字を残してきたわけではなく、初登板は少々その実力を懐疑的に見とったんですが、思いのほか制球が悪くないのが以外ですわ。
198cmの長身が投げ下ろすストレートは角度十分、またチェンジアップの落差も大きく、これが概ね低めに集まるもんやから、打者としては相当に打ち辛いようですな。
特にチェンジアップは角度のあるストレートの軌道から、急に失速してストンと落ちる動きを見せ、これを捉えるのは相当難しいであろう威力のあるボールですわ。
またこの日もボークを取られたり、自信のあるボールをボールとコールされたりしましたけど、感情的になるような場面もありまへんでした。
OP戦を見た限り課題が多いと思うてたんですが、これはひょっとするとローテーションに入ってくれるかも知れまへんな。
ただしフィールディングやセットでの投球にはまだ過大があるように感じます。
特に今までのゲームでは相手がチャレンジして来まへんでしたが、クイックがまだ苦手のようですんで盗塁対策はどうやろか?
この辺を上手くクリアできれば、戦力として活躍してくれるように思いますわ。


さて対ファイターズ三戦目。
相手はエース・金村が出てくるローテーションやないだけに、是非とも3タテを狙いたいところやけど…。
こちらの先発は誰やろね?
5/28 vs H (● / 2-12)
     ● 山井 1-3  / [本] ウッズ13号ソロ
昨日の今日でこれかい。

全員で必死に勝利を掴み取った直後に、この日のグダグダなゲーム。
この日はどうしても勝って、前日の勝利の勢いを今後に繋げていく必要があったというのになぁ。
これで+−(プラスマイナス)ゼロ。
明日負けたら、また再び暗黒街道まっしぐらになりかねんのやけど…。

このゲームは必勝を期したゲームやと思うてました。
先発がドラの山井とH和田では苦戦必至やったけど、「勝つ」という気迫が前面に出たゲームになるはずやと、個人的には期待してたんやけどな。
山井の調子は最悪で回復の気配もなく、少なくとも0-4になった時点で交代やと思うたら、その時点で監督は勝負を投げてしもうた…。
  「(山井について)本人に聞いてくれ。ああいう展開で、中継ぎをどう使うんだ。悔しい思いをすればいい。それを
  次にどう生かすか、そのためにあいつに一試合やったようなもの。」
監督談話がこれなんやけど、このゲームは選手個人にやれるような、1/146に過ぎんゲームやなかったのと違うか。
泥沼に嵌り込み、ようやくこれを抜け出す足掛かりができたんやから、この機会を死に物狂いでモノにするべきやったと思うんやが。
そして確かに優勝すればファンは喜ぶけど、チームが苦境にある時には、共に苦境を耐えているファンに対して、何らかのメッセージが欲しいと思うのは贅沢なんやろか。
監督がファンを度外視してるわけやないのは理解してるけど、ファンでもフォローが欲しい時はある。
個人にゲームを与えることでゲームを投げてしまった、しかしそれでもどんな見返りがあるのか、それを教えて欲しいんやけどな。


■山井
制球が全くダメ。
ストレートもスライダーも抜けること数多く、カウントを悪くして打たれる最悪の投球内容。
どこまで行けるか…と思うてたら、7回まで行ってしもうたけど(苦笑)。
確かに自分でどうにもならん調子の日もあるかも知れんけど、奴もこのゲームの重みは理解しとったはず。
この投球は正に、背信行為と指弾されても仕方ないやろね。
せめて6回3失点くらいでゲームを作って欲しかった…。
今の奴は実力的に、ローテーションに入れるギリギリのレベルやと思いますが、朝倉も降格となった今のチームには代わりがおりまへん。
この日のような体験をさせることで、奴の成長を促そうとするのは理解できなくはないけどなぁ。

こういう投球をした以上、それ以上の投球をチームに還元しないとな。
次は頑張ってや。



日曜日は、お互いローテーションの谷間。
ドラは恐らくマルチネスの初登板やけど、打線の調子から言うと不利は否めん。
大西も言うてたようやけど、喜怒哀楽を表現し、激しいゲームを期待したい。
頼むで、皆!
5/22 vs M (● / 4-11)
     ● 中田 2-2  / [本] 福留7号ソロ
元々私は5月まではチーム作り、勝負は6月からと考えてきました。
監督はそれまで首位チームに離されないよう注意しつつ、チーム作りを優先するやろうと予想してましたし、実際にドラはその通りの戦略で戦ってきたと思います。
昨季の戦力が、そのまま今季も使えるかどうかは分からんものです。
期待していた選手が、いざシーズンインしたら不振に陥るなんてことは割と良うある話であり、実際にドラでも投手陣を中心に調子の上がらん選手が多くおりますな。
このため
調子の上がらん主力に対して時間を与え、早く調子を取り戻させる。
また
戦力化を図りたい選手に対してはチャンスを与え、予定したポジションに相応しいレベルにまで引き上げる。
前者では孝介、ウッズ、落合、平井。
後者では山井、朝倉、中田、石井。
奴らをシーズン前半で機能するようにして、6月頃からラッシュをかけるというのが首脳陣の構想やったのと違うやろか。
特に投手陣はローテーションの頭数が不足してましたんで、山井や朝倉の定着は、首脳陣にとっては悲願に近いものがあったと思いますわ。

しかし、先に挙げたメンツのうち半分以上が、未だに戦力化についてメドが立ってまへん。
これは多分、首脳陣にとっては想定外の事態やないやろか。
特に朝倉と平井の不振⇒ファーム行きは、急減速したチーム状態の悪さに拍車をかけることになりましたな。
朝倉の場合、OP戦で「ある程度」ローテーション投手の座を確保できるメドを立てつつあったところが、結局は制球力向上に確信が持てないままファームに行くことになってしもうた。
奴の脱落によって、ローテーション投手が2人不足することになったわけで、代替として野口の起用なんかもありましたけど結果は出まへんでした。
また平井場合は、その離脱によって勝ちパターンのセットアッパーが不足し、ただでも先発投手の力量不足で出番が早まっているため、岡本一人にかかる負担が倍加してますな。
その岡本が最近リリーフに失敗するケースが増えてますが、これは負担の増加と切り離して考えることはできないと思いますわ。

思惑が外れることはよくある話やけど、このように朝倉と平井の離脱はホンマにチーム状況に大きな影響を与えてしまいました。
そして今、チームを見渡した時に代わりの人材がおりまへん。
人を信じて待つこと、その反対にダメなら代わりを探すこと。
このサジ加減は非常に難しいけど、今のドラは信じた挙句、ローテーション投手に関しては代わりを探しとらんかったという状況やろか。
今、ドラは人材不足で代わりの人材を必要とする状況やけど、これから小笠原、野口、チェン、長嶺…あたりからあと二人を何とかせんといかん。

試練の時期。
これをいつ、どのように首脳陣が打開していくのか、注目したいと思います。


で、日曜日のゲーム。
ロッテ・渡辺俊とドラ・中田の先発という時点で相当分が悪かったんやけど、さらに中田は立ち上がりからいきなりウッズに足を引っ張られてしまいました。
修正できんまま連打を食らって0-4となり、この時点で半ば勝敗は決したというても過言やなかったと思いますわ。
ただし中田のボールそのものは、最近では一番良かったのと違うやろか。
ヒジの位置が上がって、ストレートの威力は見るべきものがあったと感じました。
次にチャンスがあるのかとどうか微妙やけど、もう一回みたいと思うような内容でした。

さて、次のカードは楽天戦。
相手には申し訳ありまへんが、チームの建て直しのために、是非ともここは3タテが欲しいところ(相手もチャンスやと思うてるでしょうが)。
まず初戦は必勝やと思いますんで、頑張って欲しいもんですな。
5/20 vs M (○ / 7-1)
     ○ 川上 4-2  / [本] 井上3号ソロ









8回ウラ、あの李に投じたストレートが抜け球になって1-3にならんかったら…。
あの一球だけが、これ以上なく悔やまれます。
ノーヒットノーランをはるかに上回る投手の夢、
完全試合
現地にいた人間としては、是非ともこの眼でそれを見たかったんやけどなぁ。


で、初めて行って来ましたマリンスタジアム。
空気が爽やかな、清潔感のあるええボールパークやと思いました。
ニュースで見てきたロッテファンの応援風景も、オリジナリティのある見事なものでした。


ゲームの方は、途中から憲伸の記録達成しか興味がなくなってしまいましたが、それまではドラ野球が戻ってきたと感じられる頼もしい内容でした。
前日は札幌ドームで日ハムにやられてしもうたけど、エースの金村が降板した後はそれなりに打ってましたんで、最悪期は脱したと手ごたえは感じていました。
ロッテの先発はエースの清水直、先頭打者の荒木への投球を見た時には、ストレートはキレる、ボールは低めへ行く、これは手こずるかな…と思うたんですが、2回にはアレックスの四球から無安打で1点先制。
確かに清水の調子は良うなかったと思いますけど、低めに落ちる変化球にドラ打線が手を出さなかったことがKOに繋がったのと違うやろか。
連敗中には焦ってクルクル空振りしてただけに、打線の調子は確実に上向きやと思います。
序盤に加点して憲伸が完璧投球。
ゲーム中盤までは単純に
「楽勝や〜」と、左団扇で観戦しとったんですが…。
4〜5回くらいから「ひょっとすると」という期待が湧き上がり、7回あたりにはすっかりその気で見てました(苦笑)。

ロッテ打線の早打ちもあり、初回からポンポンとアウトが積み重なる。
中盤まではバットの芯を食う打球もなく、全く、全然危な気のないピッチングが続き、タイミングが合っている打者も西岡一人でしたので、大記録の達成はかなり可能性の高いものに見えました。
途中、何度か危ない打球もありましたけど、バックの好手もあって記録継続。
そして24人目の打者として李を迎えると、初球のストレート空振りの後、フォークを二球続けて見切られて1-2。
4球目、このゲームでは殆どなかったはずの抜け球が高めに外れて、ついに1-3。
フォアボールも許されん状況だけに、憲伸−谷繁のバッテリーは追い詰められてしもうた。
次は内角高めにストレートを投げたいところやけど、抜け球を投げたばかりであり、再び高めに外れるのが怖いため投げにくい。
フォークは二球とも見切られたため、もう一球投げることが難しい。
ベストチョイスとしては、この日何度も空振りを奪っていたカーブがありますが、
緩い球は万一打たれた場合、投手心理として非常に悔いが残ってしまうんですな(だからスローカーブは投げるだけで度胸が必要)。
このために運命の5球目は真ん中低めに投じられ、
そして――――。


(A)
 (B) (C) (D)

          (E)
 (F)(G) (H)

                  (I)
 (J) (K) (L)

この日の抜群の投球フォーム。
(A)から(D)の身体に捻りを入れている間も全く軸ブレがなく、(E)でしっかりと軸足に溜め込んだ重心をスムーズに捕手側へ移動。
(H)での胸の張り、(J)でのヒジの位置ともに素晴らしく、不調時には(L)で左ヒザが突っ張って腰が引けるところやけど、この日はそれもありまへんでした。
特に(E)で上げた左足が降りてきた時に重心移動が始まっていると、朝倉のように球離れが早くなって制球が悪くなるところやけど、奴は軸足に重心が乗ってから重心移動してますわ。
これで身体の開きが抑制され、(J)まで右ヒジを引っ張れるわけですな。
課題の殆どない、見本的なフォームやと思います。
そしてフォームもええけど、
何より奴が優れているのはそのハート。
何となく入ってしまった交流戦初戦のオリックス戦は無様にKO食らってしもうたけど、絶対勝つことを期したその後の2ゲームは奴らしいピッチングを見せてくれてます。
これからは昨年のように、大エースらしい投球が期待できるものと思いますわ。

02年のノーヒッター以来、巡ってきたそれ以上のチャンスをフイにしてしもうたけど、今後もチ
ャンスはあるのやろか?
断言はできまへんが、奴の肉体があと2年程度ピークを維持できるとしたら、またチャンスは

巡ってくるかも知れまへん。
今回のような完全試合という好機は、ホンマに希少ではあるでしょうが…。

で、この日もヒーローインタビュー。
リップサービスがあったとしても、奴のインタビューはいつ聞いても好感度高いと思うんやけ

ど、嫁の候補はおらんのかいな。
名古屋では井端が一番人気と聞いてますが、早く私生活でも幸せ掴んで欲しいもんです。



← 憲伸カッコええ!


■森野
(A) (B) (C) (D)
レギュラーに定着して自信をつけたのか、随分進歩したと思います。
外角を左に強打できるほか、内角も含めてストレートには滅法強い。
落ちる変化球への対応に課題がありましたが、これを見逃す、合わせることができるようになり、欠点がかなり解消されてきたことで、レギュラーの資格を得たように感じます。
さらに
出色なのは守備力の向上。
この日も正面から襲ってきた、ショートバウンドの強烈な打球を見事に抑え、そして三塁線に飛んだ難しい打球を逆シングルで好捕。
これは挑みかかるような攻撃的な意思と集中力の賜物であり、肩も十分に強いことから、サードにはぴったりな人材やと思います。
この日は最後に川相が出てきましたけど、はっきり言うてもう必要ないレベルですわ。

課題は左投手対策。
どうしても右ワキが開く傾向があるように思いますんで、この辺を精進して欲しいですわ。


■井上
(A)
 (B)
今季はええ感じで打ってますな。
奴は打撃フォームを毎年いじるんやけど、今季は最近では一番ええのと違うやろか。
これまではボールを打ちに行くスタイルで、タイミングの変化に振り回されて上体の姿勢を崩すのが通例でした。
この傾向はどんな工夫をしても修正できんかったけど、今季はどうやろね。

今季は軸足に重心を乗せたまま、体重移動を殆どしない打法。
イメージ的には左足を軸として打つ感じやろか。
内角には詰まり気味やけど、タイミングをズラされても崩されることが減りましたし、甘いボールはオーバーフェンスできるパワーもある。
今の状態なら常時使いたいところやけど、交流戦が終わったら出る幕なくなるのが残念やなぁ。


■孝介
(A)
 (B) (C) (D)
この日は貴重なタイムリーを打ったけど、相変わらず右への強打は出ず。
相手が「福留の看板」に惑わされて外角中心に攻めてくるので対応できてますが、内角を強いボールで攻められたら対応できんはずなんやが。
ステップが大きく重心が投手側に流れるため、腰が回転できまへん。
また軸足に重心が乗り切らんため、身体が開き気味になる。

今の自分をどう思っとるんやろ?
内角を強振して右翼席上段まで打球をぶっ飛ばせん孝介なんて、孝介やないで!



二戦目はサヨナラ負けして、これで千葉遠征は1勝1敗。
投手陣が不安定なため先行きは不透明やけど、何とか整備して欲しいですわ。
特に岡本、頑張りや!