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新庄を筆頭としたエンジョイ野球に日本シリーズで敗れてから、ドラが日本一に輝くために何が不足か何度も考えました。
いろいろ考えましたが、やっぱり劣勢であったこともあり、精神的に追い詰められて力が出し切れなかった、要するにどんな場面でも同じ力が出せるほど精神的に強くなかったという印象が強いですな。
最近の日本シリーズでは04年を除いていずれも無様に敗れており、シリーズで日本一から遠ざかる一方で、それへの渇望は自身をがんじがらめにしたということやね。 シリーズ後に監督が「52年間の壁」とコメントしましたが、これは負け惜しみでも何でもなく、正に至言やったと思います。 (野球そのものでも、日本ハムが強いところを見せたわけやけどね)
落合体制の前にシリーズに進出した星野ドラゴンズは、監督である星野の強烈な父性により統率された軍団で、監督が与える緊張感の中で高いモチベーションを示し、それによって高いパフォーマンスを発揮するチームでしたな。
このチームもリーグの中で相対的に優位な立場にありましたが、選手に圧力と刺激を加えて無理して緊張感を高めていたこと、西武に鼻で笑われたように野球の技術も高くはなかったことから、長期間で安定した強さを維持することはできまへんでした。
シリーズという大舞台で劣勢に立たされると、星野監督による強いリーダーシップではチームをコントロールできなくなり、最後はチームが瓦解するように惨敗してしまったもんでした。
一方、落合ドラゴンズ。 間違いなく、野球技術では日本プロ野球の最先端にあると思います。 単にプレーするだけなら、ドラに勝てるチームは多くないはずやろね(ダントツに凄いとは言い難いところもありますが)。 しかし自らを縛りつける枷を乗り越えられるほど、その実力は高くはなかったということですな。 ドラの選手達は自らを徹底的に追い詰め、一途に己の技術研鑽に努めています。 求道者たる奴らには、歯を出して笑うような野球を楽しむ心の遊びは存在しまへん。 これは「楽しめ!」と新庄が号令をかけたという日本ハムとは、全く対照的な姿勢やと思います。
そして半世紀以上も見放された、日本シリーズの覇権を勝ち取らなければならないという他球団にない義務感は、自らを自由にしようとする日本ハムと異なり、心に遊びのないドラの選手達をどんどんがんじがらめにしていきました。
ENJOYと求道者。
どちらの姿勢が正しいとは言えまへんが、実力が接近している場合は、心の余裕がある方が+αの力を発揮できるということなんやろね。
要するに、ドラが日本シリーズに勝つためには、相手チームを圧倒するほどの実力差が必要やということかも知れまへんな。
まだまだ日本一への道は険しそうです…。
そして現在のプロ野球の流れは、積極的にファンと触れ合い、野球技術以外のイベントなどで楽しさを提供する方向にあると思います。 日本ハムや楽天、ロッテなどは、球団が戦略的にファンサービス企画を繰り出し、それが成果を生んでいるようですわ。
個人的にも、プロ野球選手と直接触れ合う機会があり、そして野球に関心のない人々にはイベントで興味を惹くやり方は、固定客を獲得するためには有効やないかと思います。 一方、「勝利が最大のファンサービス」と断言する監督が率いるドラゴンズは、こうした潮流の対極にあるように見えますわ。 球団の営業努力には目に見えた成果が見られず、選手との触れ合いも特に密接のようにも見えまへん。
プロ野球絶頂期の80年代から、ファン側が考えるサービスという意味では、ドラゴンズの姿勢は殆ど変わっていないかも知れまへんな。
しかし落合監督自身は、決してファンに背を向けているわけではなく、自らの信じる最大のファンサービスを実施しとるんです。 勝利の美酒をファンに提供すること、プロ野球の魅力は究極にはその一点というのが監督の考えなんやね。 それがファンに受け入れられるかどうかは別やけど、他球団とは別の方向から、監督はこちらを向いてるわけですな。
ところで先日、解雇された高橋信が、「球団にファンサービスで強力してたのに…」とかコメントしてましたが、こんなのを聞くと「分かっとらんなぁ」と思わざるを得まへん。 ファンサービスは球団の仕事であっても、選手達の義務でもある。 こんな簡単なことが分からんから、ドラの選手達がファン個々の目を見ていないと感じるのも当たり前のことなんやろね。 監督の哲学がどうであれ、選手達の意識は別のものがあるべきやと思うんやけどな。
…しかし、例えドラゴンズから得られるのが勝利だけであっても、私は落合ドラゴンズについて行く。
私のような人間には、ドラゴンズ選手による神業のようなプレーや、たくさんの勝利が、何よりの楽しみやから。 来季も楽しみです! |
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日本シリーズ第五戦、ガケッぷちに追い詰められたドラは、一縷の望みを託してエース・川上憲伸を先発に起用しました。 序盤のピンチを切り抜け、味方が先制したところまでは筋書き通り。 131投球数の前回登板から中四日という悪コンディションにもかかわらず、今季のチームの全てを背負ったような奴の投球は、少なくとも私の胸を強く打ちました。
憲伸は頑張ってる、早く、早く追加点が欲しい!
…しかし5回裏、稲田のセンターライナーを目測を誤った英智が後逸、二塁打にしてしまったところでゲームの流れは一気に日ハムに傾いてしまいました。
確かに外野手にとって真正面の打球、特にライナーの処理は、距離感が把握し難いため一番難しいものやけど、英智ほどの外野手なら捕って欲しかった。 前回のシリーズに続いて、奴は致命的なミスを犯してしまいましたな…。
一死三塁となって打者・金子。 ここで日ハムはスクイズを選択したわけやけど、そこまでドラ・バッテリーは全く無警戒でした。 1点を争うゲーム、しかも下位打線ということを考えると当然あるべき選択肢やったけど、追い詰められた状況が憲伸と谷繁から周囲を見渡す余裕を奪っていたんやろね。 外角に投じたボールゾーンへのカットボールを、金子が見事に投前に転がして同点。
ゲーム後のコメントから推察すると、どうやら憲伸は投球中にスクイズに気づいたみたいなんやけど、ボールを外し切れなかったようですわ。 まだ同点ではありましたけど、憲伸の気力、スタジアムの雰囲気、そしてチームのモチベーションなどを考えると、私ゃ正直言うてここで勝負あったと感じざるを得まへんでした。
トドメは6回裏のセギノールのツーランやったね。 普通なら絶対打てないコースの内角ボール気味のカットボールを、見事な軸回点で右翼スタンドへ持って行きました。 限界に達した憲伸の状態、そして一点もやれない状況で、谷繁が内角オンリーで勝負したことは今でも疑問です。 弱点だけを力押しして四番打者を倒すような力は、既に憲伸からは失われていましたから。
…6回裏開始の時点でボールは高めに浮き、先頭の田中賢にヒットを許し、死力を尽くして小笠原は討ち取ったものの、小笠原に集中しすぎて余裕のないところを突かれて田中に盗塁されてしまう。 残りカスの力で小笠原を討ち取るには、他に気を逸らす余力は無かったということですわ。
それだけに一つでも外角のボールやフォークを見せるなど、谷繁には力押しではなく細心のリードを望みたかったところなんやけどね…。
そして…、リードを許してしまったドラには、再逆転しようとする気力は一切ありまへんでした。
でも憲伸は涙が出るほど頑張りました。 悪コンディションの中、チームの浮沈を賭けてベストを尽くしたと思いますわ。 それだけは、私は忘れたくありまへん…。
おめでとう、ファイターズ。 貴方達は強く、日本一に相応しいチームでした。
戦前はマスコミが強調する「勢い」で勝って来た若いチームやというイメージがあったんですが、その象徴たる二番・田中賢が、初戦の第一打席でいきなりウッズ目掛けてセーフティバントを決めたのを見て、「これは侮れない」と認識を改めました。
アクロバティックなプレーこそないものの、打つだけの選手がスタメンに四人いるドラに対し、非常に精度の高いプレーをこなせる選手を揃えたハムは、その技術水準の高さを見せ付けたと思いますわ。
特に戦局を大きく動かしたと言われるバントでは、ドラはポイントとなった第二戦で二度失敗するなど成功6個、一方はハムはシリーズを通じて13個ものバントを決め失敗はたったの1。
ハムのバントシフト(ブルドッグ:バント決め打ちシフトで、1・3塁が猛然とチャージする)に圧力を受けたドラはバントの指示が出しづらかった、また三戦目以降は劣勢となったため局面打開のため大量点を狙ってバントの指示自体を出さなかったことから、ドラのお家芸とされたバントはこのシリーズでは一戦目を除いて有効に機能しまへんでした。 (それにドラは、一部の選手が精度の高いプレーができなかった)
一方でハムは、難しいボールでもきちんと成功した金子のスクイズに見るれるようなバント技術の高さはもちろんのこと、ファースト・ウッズのチャージが緩慢なことから封殺の危険度が低く、プレッシャーを受けずにバントできたため、次々と走者を進めて自分達に流れを引き込むことに成功していたわけです。
自らのシナリオを確実に実現できたハムと、シナリオの実現に手間取り結局は書き直しを迫られたりしたドラでは、ゲームの優劣が如実に表れたのも不思議ではありまへんでした。
そして何よりハムの素晴らしかったことは、常に100%のプレーができたこと。 どんなチャンス、どんなピンチでも、恐れを知らず思い切ってプレーしていたことが、自分達の流れを掴んで離さなかった。
『ここはさすがにビビるだろう』と思われるような場面でも、ハムの投手は決して腕を縮めず思い切って腕を振っていたため、ピンチであってもキレのいいボールが決まり、ドラの打者を翻弄してましたな。 新庄の言う「ENJOY」効果なのか、常に強い気持ちを持ってプレーしていたことが伺えましたわ。 こうして見ると、劣勢になってミスを連発したドラとは、ハートの面で決定的な差があったことは否めないところやと思います。
シリーズ全体の展開では、流れを決定づけたシーンが三つあったと思います。
まずは第二戦5回裏の無死1・2塁、昌の犠打を防いだ八木の好フィールディング。
昌の三塁線へのバントはほぼ完璧やと思われましたが、これを捕球した八木は体勢を崩しながらも三塁へ好送球、スタートの遅れた二塁走者・井上を封殺しました。
これは八木のファインプレーであるのは間違いありまへんが、一方では走者である井上のミスという側面があったのを見逃すわけにはいかんでしょう。
ハムは先述のブルドッグ・シフトで昌に圧力をかけると見せかけ、1・3塁手はチャージを途中で止め、二遊間は1・3塁のカバーから引き返しました。 このフェイクに引っ掛かって井上は一瞬帰塁してしまい、スタートが遅れてしまったわけです。 新聞記事にもありましたが、プロレベルでこんなフェイクに引っ掛かることはまずないはずであり、野球偏差値の低さを露呈した井上のミスが後から考えると致命的なポイントになったと言えますわ。 このプレーまではドラが優位にシリーズを展開していたものが、この流れが止まり、微妙にハムの流れが生じ始めます。
次に同じく第二戦7回表の二死2・3塁、金子の逆転タイムリー。
一死から谷繁の一塁への悪送球(むしろウッズの捕球ミス)と、新庄が絶妙のコースに来た昌のスクリューを上手く合わせ、右前にポトリと落として作ったハムのチャンス。 ドラにすれば一打逆転、絶体絶命のピンチ。
ここでドラには選択肢が二つあったと思いますわ。
一つは金子の敬遠。
前の打席で金子はファールで粘って球数を稼いでおり、ある程度タイミングが合っていただけに、下位打線の中では危険な打者やったと言えます。
またハムのベンチには金子以上に危険な打者はおらず、八木に代打が出てきたとしても、間違いなくその方がドラにはリスクは少なかったと思います。
もう一つは昌のスイッチ。 一部報道では昌は監督に降板を直訴したとのこと。 これが事実であれば、昌の戦闘意欲は半ば失われていたことになります。
また不運とは言え後半に入ってのピンチでもあり、昌のスタミナを考慮しても、ここで継投することは何ら不思議なことではありまへん。 しかし落合監督はどちらの選択肢も選ばず、昌の続投、そして金子との勝負を指示しました。
この無策の結果、昌が投じた失投を金子に捉えられ、致命的な逆転を食らってしもうたわけですな。
短期決戦での監督の采配のキレのなさは戦前から危惧していましたが、この策は完全に悪手。
この場面を境にシリーズの流れは一気に日本ハムに傾き、ドラがそれを取り戻すことは二度とありまへんでした。
そして最後に、第三戦1回裏の無死1塁で谷繁が犯した野選。
確かに捕球は早かっただけに、二塁送球をしたくなる気持ちは分からんでもありまへん。 しかし既にドラが1点を先制していたこと、まだ回が浅いことを考えれば、あそこで間一髪を狙うような無理をする必要はなかった。 (実際には悠々セーフでもあった) 「普通ならあのタイミングで間に合うはず」とはゲーム後の奴のコメントやけど、そしたらお前は二塁を確認せずに投げたのかと? このプレーによって、ドラはたった二球で無死1・2塁のピンチを迎え、朝倉がこの立ち上がりにいきなりの3失点。
リスク不要の場面で、ベテラン捕手がギリギリのプレーを選択した時点で、シリーズの行く末は完全に決まったと言うても過言やないと思いますわ。
その他にも谷繁はこのシリーズでミスが多く、目立ったところだけでも次のプレーやリードが挙げられます。 @先述の第二戦での一塁悪送球。 A第二戦の8回表、セギノールに2ランを食らった場面。 岡本のコントロールミスでもあるけど、カウント1-3、四球OKの場面で、真っ正直にストレート勝負を選択したのは、個人的に はミスやと思うてす。 B第三戦8回裏、稲葉に3ランを食らった場面。 中里が直前にセギノールからストレート一本で三振を奪い、このまま後続を力勝負で抑え込めばチームにも勢いが出るかと いう場面で、次打者の稲葉の初球にカーブ。 セギノールへの投球を見る限り中里は絶好調で、全く打たれる気配もなかったし、何より劣勢のチームに勢いをつけるために は単に抑えるだけではなく、奴の武器であるストレートを使って力で抑え込むことが必要やった。 正にあのリードは「何故?」というものでしたわ。
(監督は事前に「勝負しろ」と言うただけに、何故カーブなの?とコメントしたそうな…)
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ちなみに普通ならストレート一本を狙うはずの稲葉が、いきなり初球のカーブに対応したことや、次の新庄も同じくカーブを狙ってきたことを考えると、明らかに中里のセットの構えでクセを見抜いてたんでしょうな。 ハムも奴をドラのキーマンとして徹底マークしていた証拠やけど、肝心のドラはそういう起用をしなかったという…。
嗚呼(苦笑) |
Cそして上述の第五戦6回裏、憲伸がセギノールに一発食らった場面。 ベテランがこれだけミスを犯してチームの足を引っ張れば、そりゃ勝ち目はありまへんわなぁ。
その他にも、余裕がなくなって走者をノーマークとし、スクイズや盗塁を許していたのも、投手よりむしろ奴に問題があったと言わざるを得ないところですわ。
最後に大きな敗因を言えば、孝介が打てなかったこと。
これに尽きますわ。 踵に重心が乗ってしまうという奴の不振パターンに、この大事な時期に陥ってしまいました。 正直言うて短期決戦のウッズには期待できんと思うてただけに、孝介が打つことはドラの日本一には一番大きな条件の一つやったし、調子の波が小さく技術水準もケタ外れに高い奴ならそれができるはずでした。
ハムの投手陣が好投手揃いやったのは間違いありまへんが、奴に関しては相手に負けたというより、自分の崩れた調子を立て直せなかった。 己に敗れたという感じでしたな…。
極論すれば、奴が打てない限り、ドラは敗れ去る運命やった。 この結果も、そんな風に仕方のないものと諦めるしかないのかも知れまへん。
今回のシリーズはチームの完成度、そしてシーズン前から日本一を目指してきたという精神面の充実を考慮すると、今までで最も日本一を期待させただけに、今は打ちのめされた気分です。
正直言うて今回は勝てる、日本一になれると、そう固く信じていました。 何がアカンかったのか? 何が足らなかったのか? 間違いなく球団史上最強のはずの06年度ドラゴンズは、なぜ日本ハムに惨敗したんやろか???
一つ目には、「精度の高いプレー」ができない、打つだけの選手が何人かいたということ。
走力がないだけでなく判断も悪い、守備力がない、正確なバントができない。
確かにチームには打力優先の選手も必要であり、こうしたマイナス面があったとしても、爆発力のある打撃さえあれば長いペナントレースではプラス面が上回る。 たとえばウッズはそんな選手であり、もしかすると今季はセ・リーグのMVPすら獲得するかも知れまへん。
しかし日本シリーズのような短期決戦では、いったん不調に陥ってしまうと簡単に復調することはできず、一方でマイナス面だけは確実に増えていくという結果になってしまいます。
間違いなく穴のあるウッズのような打者は、短期決戦では相手がエース級投手を揃えてくるだけに特にこの傾向に陥りやすく、私は戦前から奴のバットには期待してまへんでした。
結局予想通り奴のバットは火を噴かなかったわけやけど、相手が確実なプレーをしてくるだけに、パント処理、捕球ミス等、マイナス面は予想以上に大きくなってしまいました。
またバントを失敗、さらに走者として相手のフェイクに引っ掛かった井上も、マイナス面の大きい選手としてはもっと爆発力を見せる必要がありましたな。
元々中軸打者でもないわけやから、他の要素でも頑張る必要があったはずやのに、奴のバント下手は数年前から変わらんままですわ。
ああいう姿を見ていると、どうしても奴が打つだけの選手でええと考えてるように見えてしまうんですが、チームでは脇役なんやから他の要素でも死に物狂いで練習する必要があるのと違うやろか。
さらに足が武器というイメージのドラも、一皮向けば足があるのは1〜3番までであり、それ以外は各駅停車の選手だらけ。 これだとバントシフトが強力、かつ内外野とも好守・強肩の選手を揃えたハムを相手にすると、進塁させるだけで一苦労ですわ。 今回痛感しましたが、日本シリーズでは流れを失わないためにまずミスしないこと、そして無駄なアウトを相手に与えないこと。
そのために少なくとも爆発力を期待されている中軸打者以外は、一定水準の走力、判断力を持ち、進塁打、バントを確実にこなせる選手を揃える必要があると思います。 日本シリーズに勝つためには、そういう条件に合致しない選手は、排除していく必要があるかも知れまへん。
二つ目には、短期決戦における落合采配。
日本シリーズに際にして、日頃から監督はシーズン中と変わらぬ野球をすることを強調してきました。
これは04年シリーズから変わらぬ監督の基本姿勢なんやけど、それを貫いてシリーズに二度敗れた以上、監督も自己変革する必要があると思います。
先に述べた第二戦の金子の逆転タイムリー。 シリーズの流れを大きく変えたこの場面で、監督は最悪の選択をしましたわ。
あれは昌の「シリーズ初勝利」に拘った結果やと個人的には思うてるんですが、長いシーズンなら選手心理を優先してゲームを落としたとしても、先々で2勝、3勝として返ってくる可能性はあります。
しかし短期決戦で一つゲームを落とすことは、致命的な結果を招きかねまへんし、今回は実際にそうなりました。
04年にはバッテリーの陳情を受けて岡本を続投させ、カブレラに満塁弾を食らったという苦い経験がありましたが、あの経験は何の教訓にもならなかったのか?
またこのゲームで昌をリリーフしたのは岡本でした。 ドラのアキレス腱は周知の通り、先発投手から岩瀬にバトンを渡すべく、8回を投げるセットアッパーに人を欠いとることでしたな。
しかしシーズン終盤、それまでリリースが安定せずに力を発揮できなかった中里が、ようやくその球界随一のストレートを取り戻していただけに、私はその役割を担うのは奴しかおらんと考えてました。
一方の岡本はシーズン中から、神業のような投球をするかと思えば、高校生でもしないポカを犯して痛打を食らうこともあるという、投げてみなければ調子が分からないというリスキーな投手。 ミスが許されない日本シリーズには、最もそぐわないタイプのはずでした。 しかし1点ビハインドの場面で監督が起用したのは、その岡本の方やったとは…。
落合監督は、その時一番使える投手よりも、シーズン中に使ってきた投手を選択するという、ここでも「普段着」を貫いたわけです。
この采配の結果は先述の通り、ゲームを決定付けるセギルによる最悪の2ランとなって表れました。 結果論でも何でもなく、この采配はあり得なかった。
その証拠に、監督は第三戦のベンチから、セットアッパーとして指名したはずの奴を追放してしまったわけやから…。
さらに第五戦では、同点の6回表・無死1塁で井上に代打・川相を送りましたな。
意図は分かります。 憲伸がハムを抑えている間に勝ち越したい、最少得点で逃げ切りたいというのが、落合監督の狙いやったと思います。 しかしまだ中盤の6回、そこで得点できなかったら?
終盤までゲーム展開がもつれた場合、数少ない好調な打者である井上は不在になるのであり、後半の得点力はガタ落ちになっているわけです。
中盤でこんなリスキーな采配を振るうのは、監督に焦りがある証明であり、その焦りはすぐにチームに伝染したはずですわ。
このゲームの終盤に全く反撃の気配すらなかったのは、こうした焦りからベンチの戦闘意欲が萎えていたからやないかと思うてます。
これらのように「普段着」に拘り、劣勢で焦りを見せるという、04年と同じ失敗を繰り返した落合監督は、今回の敗戦の責任を免れることはできんと私は断じます。
三つ目には、常に100%の力を発揮できる強いハート。 劣勢で判断力を狂わせたり、できるはずのプレーができなくなったり、今シリーズのドラは負け惜しみではなく実力(技術)を出し切ったとは言えまへん。
春から目指してきた日本一への強い意識が、選手達をがんじがらめにしたのかも知れまへんが、ビッグゲームで持てる技術を出し切れないのでは、日本一を勝ち取ることなど到底無理やと思います。 甲子園での首位攻防戦を経験してきただけに、そういう精神的強さはドラに備わっていると感じてたんやけどね…。
(こうして力を出せなくなることを嫌って、落合監督は普段着を強調しとったんやけど、結局それは効果がなかったどころかマイナスに作用してしまいましたな) とことん自分を追い詰めた中では、やはり力を発揮しにくいということなんやろか。 しかし憲伸が連敗中に阪神とぶつかったナゴヤ決戦では、正に無我夢中の中で勝利を掴みました。
そういう境地を全員が会得する必要がある、ということなのかも知れまへんな。
また落合ドラゴンズには求道者的イメージがあり、決してベンチが明るいという話も聞かない一方、ハムは「ENJOY」が浸透していたように見受けられました。 楽しむことでノっていくハムと、ムードメーカー不在でベンチの雰囲気を鼓舞することができないドラ。 大西のようなガッツマンの存在は、実はドラには重要やったのと違うやろか。
奴に代わる存在として新井がおりますが、今回はベンチ外が多く、結局ムードメーカー不在という状況が続く結果になってしまいましたな。 こうした元気者を探すというのも、今後の課題なのかも知れまへん。
来季はチームを作り直す必要があるでしょうな。
力を出せなくなった選手や、チーム強化の方針に合致しない選手がはっきりしてきただけに、いったん完成を見た06年度のチームは解体されることになると思うてます。
既にドミンゴ、アレックスの放出が決定しましたが、恐らく豊富な投手陣を売り物として、積極的にトレードも敢行するのと違うやろか。 (トレードせずに高橋光や遠藤をクビにするというのは、良く分からん判断やけど…)
問題は残留の方向やというウッズ。
間違いなく今季の数字はキャリアハイであり、幾分は来季の数字は落ちるはず。 そして何より長期のペナントレースを勝ち抜くには不可欠な戦力であっても、日本一のためにはリスキーな選手。 もし、万が一にも、FAの小笠原を獲得できるなら、奴とスイッチしたいところなんやけどなぁ…。 あー、あの時に獲得したのがウッズやなく、シーツであったなら…と考えてしまいますわ。 無条件に昇給して残留、というのは避けたいところなんやけどね。
打撃専門の選手である井上は、代打専従とすべき。 或いは立浪とキャラクターが重なる以上、非情やけどトレード…。 ドラのラインアップには、せめて走好守のうち二つは揃えた選手が欲しい。
一方でアレックスの穴を埋める選手としてFAのサブローという噂もありますが、アレックスの代わりはそこそこ打てて、きっちり守れる新外国人(ウッズ+主力の昇給+FA小笠原?が前提なら金はかけられまへんが)。 そして井上の代替選手なら、自前で用意して欲しいところですわ。 平田や春田が育ってくるにはまだ2〜3年ほどかかりそうやけど、他にはこれという外野手がおらんのが厳しい…。 藤井がもう少し打てるようになればええけどね。
とにかく4番以降にも、そこそこ走れる面子を二人くらいは揃えたいですな。 各駅停車はそろそろ卒業せんとね。
1番は荒木でええのか?
軸が傾いているという打撃フォームの欠陥のため、バットのヘッドが下がって凡飛が多いというのは、やはり1番打者のスタイルには合致しないと思います。 奴は打率.300ながら出塁率は.338、これは不振に終わったT赤星(打率.269)の出塁率.344を下回っています。 右打者やというハンディの上に、無駄なアウトが多いというのは、一番重要な出塁率を上げるのが難しいことを意味します。
引き続き奴を1番に固定するなら、奴のバッティングスタイルは根本から変える必要があります(ラインナップから外すわけにはいかんけどなぁ)。
投手陣には、先発、セットアッパーともに絶対的な左腕が不在ですな。
先発では、昌は来季も健在かどうか微妙であり(まぁ、毎年言うてて活躍してくれるんですが)、マルチネスは昨季から進歩なし。 川井やチェン、樋口といった二軍戦力は登板機会すらありまへんでした。 ドラフトでも有力な左腕を獲るという噂はないため、既存戦力の底上げが絶対条件なんやけどなぁ。 川井には絶対的なボールがないため、正直言うてローテーション入りは厳しいと思うてます。
ポテンシャルで言えば、スレートにキレのあるチェン、そして6月に見た時には暴力的な球威を感じた樋口に期待したいところなんやけどね。 またなかなか一軍に定着できない石井も、ストレートに力がついてきただけに、一層の飛躍を期待したいところですわ。
セットアッパーでは、まずは高橋聡の復活が望まれるところ。 ストレートの球威は一流投手のそれであり、ストライクが入る程度の制球さえあれば、かなり活躍できるはずやと思います。 またクセ球スライダーの小林も、今季の経験を生かして修羅場での制球を身に着けて欲しいですな。 久本もチキンハートを脱却すれば、もう一段上に上がれるはずであり、今季はそういう可能性を感じたシーズンになりました。
そして補強としては、広島からリリースされたベイルが狙い目やと思うてます。
広島で先発⇒リリーフと役割を変えながら、三年間安定した成績を残してますんで、ドラの補強ポイントにはピッタリやと思うんやけどね。 まぁ、この辺は高橋聡の復活が計算できるかどうかが、ポイントになるんでしょうが。
中田、中里、佐藤充、吉見のうち、何人がローテーションに定着するかも見物やね。 中田は投げるボールは超一球品だけに、ケガしないフィジカルを身に付け、制球を安定させるために軸足のブレを強制すること。 佐藤充は、まず疲労回復を図った後、シーズン通して活躍するための体力強化と、好調時のフォームを取り戻すこと。 吉見もシーズンを乗り切る体力の獲得と、もう一段上の球威が欲しい。
そして誰しも注目する中里。
来季は先発起用が基本線のようですが、今春キャンプでは投げ込み数も少なく、明らかにシーズンを乗り切る体力はなかったと思われます。 オフから来春キャンプにかけては、まずは人一倍の投げ込みで体力強化することが最優先。 そしてカーブの他に、直球系の変化球(スライダー、カットボール、ツーシーム等)を使えるようにすること。 先発では少なくとも40%は変化球を投げる必要があるだけに、使える変化球が三つは欲しいところですわ。 あとは力を抜いても、あのストレートのキレを維持できるかどうかが問題かな。 元々先発をやってただけに、その辺は大丈夫やと思うてますが。
最も日本一に近付いたと思うた今季も、結局はシリーズ惨敗に終わってしまいました。
「52年の壁」、「強いチームより勝てるチーム」という落合監督のコメントは、正に至言やと思います。
心身とも傷ついた選手や首脳陣、人事でのゴタゴタ、これから始まるであろう銭闘など、来季に向かっては好材料ばかりが揃ってるわけではありまへん。
また選手層が厚く地力のある阪神、姜が伸びてきて補強にも積極的な巨人といった、他球団の追い上げが厳しくなることも予想されます。 さらにくだらない制度であるプレーオフの存在(一位ボーナスはなし?アホくさ)。
日本シリーズに到達するまでに、これらの障害が山ほどある上、レベルの高いパ球団の上位チームが最後の強敵として現われます。
しかしドラゴンズは勝たねばならない。
そして是非とも立浪と昌が現役でいる間に、日本一を見せて欲しい。
ドラゴンズある限り、その可能性を信じて私は応援し続けますから。 |
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10/21 日本シリーズ vs F (○ / 4-2) ○ 川上
1-0 S 岩瀬 0-0-1S / [本] |
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このビッグゲームでも普段通りの野球で、昭和49年以来の日本シリーズ初戦勝利。 先発投手が不調ながらも何とかゲームを作りつつ、堅い守備でこれを助け、相手のミスに乗じて得点する。 この日のゲームでハムに対し、ドラ野球のイヤらしさを見せ付けることはできたと思いますわ。 KO勝ちやなく、一点差のジャッジが三人揃う3-0の勝利といったところやろか。
ドラゴンズとしては非常にええ1勝でした。
勝敗を分けたのは、先発投手の経験の差やなかったか。 ダルビッシュは初回の投球を見る限り、難攻不落の素晴らしい投手でした。
プレーオフの流れそのままに、ノリにノってる攻撃的な投球で、ドラ自慢の1-3番にまともなスイングをさせなかっただけに、このゲームの苦戦を十分に予感させたんやけどね。
しかし奴にとっては、2回裏の先頭・ウッズに逃げまくって四球を与えたのが、結局は命取りになったと思いますわ。 結果論ではなく、ダルビッシュの球威であれば、内角を力づくで攻めた方が討ち取る確率は高かったはず。 たとえホームランを打たれたとしてもたかが1点、挽回は可能であり、その後のデータにもできる。 抑えればウッズには大きな傷が残るし、ドラに対しても優位に立てるはずやった。
それがウッズの数字に恐れをなして、それまで目一杯攻撃的な投球をしていたのが、一変して外角オンリー、しかもストライクゾーンから大きく外れる逃げ腰の投球。 ここからダルビッシュが投球リズムを大きく崩して初回の勢いを失い、制球に苦労する投球になってしまいましたな。
さらに奴を補佐すべき捕手・鶴岡も一緒に周りが見えなくなり、外角への制球が定まらないダルビッシュの状態も考慮できず、球種を変えて外角を攻めるだけのリードに終始してしもうた。 完全にバッテリーの若さが裏目に出てしまいましたな。
一方、憲伸−谷繁のバッテリー。 初回から力投してボールに勢いはあるものの、抜け球、逆球が多く、3回までに4四死球とコントロールが定まらない状態。
得点直後に同点を許すなど、おおよそエースらしからぬ投球で前途多難を思わせたんやけどね。 5〜8回の4イニングでは立ち直って、被安打2、無四球、無失点。 max148kmをマークしたストレートは影を潜め、力をセーブして制球に注意する投球へのスタイルの変更。
フラフラでいつ降板してもおかしくなかったのが、8回を投げ切ってみると被安打5、奪三振8、失点2の堂々たる結果を残してくれました。
これぞエース、これぞ川上憲伸ですわ。
ボールそのものはダルビッシュの方が威力があったと思うくらいやったけど、途中で投球を変えられる引き出しの多さで、憲伸に一日の長があると感じさせたゲームでした。
打線の方は主軸の1〜4番でたった1安打やったけど、相手のミスにもつけ込み5番以降で得点できました。 地味な点の取り方やったけど、これがドラゴンズやと思います。 そして井端に象徴される堅守で不調のエースを助け、粘りに粘って最後に勝利する。
(8回の三遊間を処理したプレーには痺れた!)
04年の日本シリーズでは、自分の野球を取り戻すために最初の2ゲームを費やしましたが、今回は初戦からトップギアで動けているドラの皆に感心しました。 このまま淡々とドラゴンズの野球ができれば、きっと52年ぶりの日本一に手が届くはずですわ。 第二戦は日本シリーズ未勝利の昌やけど、こうしたバックの援護があれば、難敵の八木を倒すこともできる。
頑張れ、頑張れ、ドラゴンズ! 昌のシリーズ初勝利を祈っています。 |
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優勝ゲームという最後の最後で、今季のベストゲームができたと思います。
言うまでもないことやけど、胴上げを賭けたゲームでドロー寸前になりながら、下位打線からの攻撃で相手クローザーを攻めて最後の1イニングに決勝点を奪った集中力は、優勝の喜びを大きく増幅してくれたと思います。 そして東京ドームの応援も物凄かった。 東京ドームのほぼ半分がドラファンに占められ、そして彼らが総立ちで応援する姿はTVで見ていても壮観でしたわ。 あんな東京ドームは二度と見られないかも知れまへんな。
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ペナントレースの最後のポイントは、10/8の浜スタで逆転勝ち
したことでしょうな。 前日に最悪の逆転負けを食らった後だけに、この日も守備の
乱れという悪い形で逆転され、ムードは最悪とも言える状況で
した。 しかし形はどうあれ、これを再度逆転することに成功して底力
を示したこと。 これがTV観戦していたという阪神ナインに強いプレッシャーを
与え、その夜に行われた甲子園のゲームで、好回転してきた
阪神の歯車を狂わせたのと違うやろか。 かくして、この日でセ・リーグの趨勢は決定しました。
洗面器に顔を浸け続け、先に阪神が顔を上げる
のを待つような日々から、ようやく開放されたよ
うな気分になりましたわ(苦笑)。 |
それにしても阪神タイガースには最大の敬意を払いたいと思います。 消耗が激しいペナントレース制覇の翌年、連覇が困難やというのは、昨季ドラが痛いほど味わっただけに十分理解しとります。
今季の阪神も、今岡を欠き、赤星が不調、JFKが揃わないという悪条件、しかも9.0ゲーム差という絶望的な状況下から、ここまでドラを追い詰めたことは素直に感心しましたわ。 最後の最後でドラ以上に戦力を整備できたのは、その選手層の厚さを示したと思います。 奴らは来季も手強い敵になりそうですな。
今季は落合体制3年間の集大成とも言えるシーズンになりました。
強力な投手陣、堅い守備、そして意思統一された確実性の高い攻撃。 開幕から交流戦にかけては手探りの状態が続きましたが、オールスター後に孝介が復帰してからは猛ダッシュを開始しましたな。
特に攻守にわたる精度の高いプレーで相手チームに圧力をかけ、綻びを生じさせたところに一気に攻め入る迫力は、他チームをしばしば恐怖のどん底に陥れました。 落合体制初年度から注力してきた野球が、完成に近づいたと実感させるプレーの連続。 監督が「高校野球」と言った基本に忠実な野球が、基本を忘れたプロ野球を制したわけです。
…今までのドラゴンズは、キャリアハイの選手が揃い、その選手達のベクトルが揃って勢いがついた時、初めて優勝に手が届くようなチームでした。
だから安定した強さを維持できず、数年周期でしか優勝できなかったわけですな。
それが今やドラゴンズは、ゲームを制するための戦術と、長期のペナントを戦うための戦略に長け、戦力の大小にかかわらず安定して勝つチームに変貌しました。 古葉・広島、森・西武、野村・ヤクルトのような、「黄金時代」の到来を予感させる、エポックメイキングなシーズンになったのと違うやろか。 シーズン中には疑問を呈したこともありましたが、落合監督には感謝してもし切れまへん。
ホンマにありがとうございます。
■日本シリーズ さて相手は北海道日本ハムに決まりました。
彼らは三年ぶりに日本シリーズに進出してきた正真正銘のパ・リーグの王者であり、相手にとって不足はありまへん。 プレーオフでのダルビッシュと八木の二枚看板を見る限り、今の奴らは打たれる気がしてないのと違うかな。 怖いものなし、ノリにノってると言うのが相応しい投球内容やったと思います。
奴らを相手にするとして、問題は奴らを中心とした日ハムというチームを、きっちりデータとして消化できたのかどうかでしょうな。
交流戦で日ハムとは対戦がありましたが、当時のダルビッシュのストレートは走らず、3割打者の田中賢の打率は.230程度、チーム全体も一番状態が良くなかった時期でもあり、現在のチームは半分別物やと考えるべきですわ(何せ交流戦後のハムの勝率は七割以上!)。 それだけに初物に弱いドラとしては、こうした事前準備の成否が重要なポイントになってくるはずやないかな。
もう一つは「普段着」を強調する落合監督が、ホンマにシーズンと同様の戦い方をするのかどうか。 短期決戦では先手先手を打っていくことが重要なだけに、辛抱が身上の監督がどう動くのかを注目したいところですわ。
【戦力比較】
■投手陣 先発は、ドラが憲伸・昌・朝倉・中田、ハムがダルビッシュ・八木・金村・武田久と予想されます。
金村の出来次第で、互角かハム優位ということになるかも知れまへん。
何せ金村には交流戦で痛めつけられているだけに、ブランクの影響がなく、額面通りの投球をするとなれば、ドラも苦戦は免れないと思います。
また先述のダルビッシュと八木もビッグゲームで100%の力を発揮できることを示しており、難敵になることはまた害ないのと違うやろか。
救援陣は、セットアッパーでハム、クローザーでドラ優位と見ます。
ドラはセットアッパーに苦しんでおり、平井がようやく安定性を取り戻しつつあるようやけど、岡本は投げて見なければ出来が分からない状態ですわ。
岡島・武田勝・押本等を揃えたハムのセットアッパー陣はリーグ優勝の原動力であり、安定性、頭数ともにドラを上回っているのと違うやろか。
クローザーはマイケルと初対戦であれば相当苦労したと思いますが、交流戦でボールを見ていることが優位に働きそうな気がします。 荒木あたりは独特のスライダーに全く合いまへんでしたが、確か孝介は二打席目でアジャストしてました。 早期に慣れることができれば、1点も取れんということはないと思うんやけど。
■野手陣
色んな評価があるようですが、得点力については間違いなくドラの方が上やろね。 1-2番コンビの多彩な攻撃バリエーション、3-4番の破壊力はデータ上でもドラの優位を示していると思いますわ。
さらに野手の選手層、特にハムには代打として使える選手が少ないことも、切り札として立浪を持つドラの優位を際立たせるのと違うやろか。 ただし、やはり小笠原、稲葉は要注意でしょうな。 主砲である小笠原は当然として、稲葉にはヤクルト時代から何度も痛い目に会わされているだけに、打席に迎えるのが怖い打者。 間に挟まれるセギノールを徹底マークして、二人を分断することが重要になってくると思います。
対するドラの軸はもちろん孝介。 ウッズは爆発力はあるけど明確な弱点があり、ダルビッシュや八木のボールは打てんかも知れまへん。 またピンチになれば、ハムは奴との勝負を避けて森野勝負を選択するやろね。 従って奴への過剰な期待は禁物やと思うてます。
守備面では、井上先発時の外野守備ではハムの方が上でしょうが、センターラインの堅さではドラが勝ると思うてます。 また後半にディフェンスチームに交代した際のドラは世界一やと思うてますんで、簡単にハムに進塁を許すことはないでしょうな。
いろいろと述べてきましたが、結論から言うと、ドラが負けるわけがないと信じてます。
キャンプインから日本一だけを目指して準備してきたチームと、プレーオフ進出もしくはリーグ優勝を目標にしてきたチームでは、背負うものが違いますわ。
勿論、ハムの後半戦の戦いぶりは勢いだけでは片付けられんと思いますが、それでも日本シリーズを勝つことへの渇望は、絶対にドラゴンズの方が上やと思うてます。 監督も二年前の失敗は繰り返さんはず。
必ず日本一を勝ち取ってくれると確信しとります。
頑張れ、ドラゴンズ! 信じてまっせ!! |
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10/7 vs BS (● / 2-3) ● 岡本 4-1-1S S / [本] ウッズ
44号ソロ |
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ここで今季最悪のゲームをするとは。 広島に3勝1敗で勝ってきてM3、これからノッていこうかという時に… ベイのエース・門倉を向こうに回し、ルーキーの吉見が制球の良さを武器に頑張り、終盤まで2点のリード。 そして、ここから継投の勝負。
小林が制球に苦しみ、先頭の鈴木尚にヒットを許す。 しかし何とか後続二者を抑えて岡本にスイッチしましたが、実はここで奈落の底に片足を突っ込んでたなんて…。
岡本は初球から全く制球が定まらず、ドラ相手やと鬼のように怖い村田を前にして、内川にストレートの四球を与えてしまう。 この時点で相当ヤバいと思うてたんですが、打者が必ず狙ってくる四球の直後の初球、しかも四番打者を相手にど真ん中へのストレートとは、天と地が引っくり返るほどのショックを受けましたわ。
あり得ない、あり得ない…
8回二死なら、なぜ岩瀬を投入できないのか。 平井と岡本は起用する必要がなければ、それに越したことがない存在のはず。
確かに先日のように岡本が快刀乱麻の投球をすることはありますが、それが続かないのが今季の奴やというのは、ここまでで痛いほど理解してたと思うんやけどな。 ここでたった一人を抑えるために、奴をネジ込む必要はなかった。
あと四人は、確実に岩瀬で行くべきやったし、それができる状況やったのと違うか。 実際に8回に岩瀬を突っ込んだこともあるし、マルチネスを二回で降ろすような早目の継投をしたこともある。 今はそうやって良い投手をどんどん継ぎ込み、投手陣に負荷をかけつつ勝っていく時期のはずや。
しかし落合監督はそういうムチを入れているように見えないんですわ。
阪神の岡田監督は、井川を早々に諦めたり、藤川を7回に投入したりと、かなり弾力的な投手運用をしています。 結構、「そう来るか!」と思うほど、これが効果的な采配なんやね(私ゃ彼を見直しました)。 一方の落合監督は「馬なり」発言を地で行ってるのか、チームにプレッシャーを与えたくないのか、采配に変化は見られへん。 エースはエースとして4失点でも終盤まで投げさせ、クローザーは9回のみ、そして打線をいじることもしない。 しかし監督が何をしようが何を考えようが、今が勝負の時期やというのは、選手が一番分かっとるはずなんやけどな。
一昨年の日本シリーズ(岡本続投⇒カブレラ満塁弾)、昨年のナゴヤ決戦(孝介走塁死で抗議せず)など、ここ一番での落合監督の采配には私は信用を置いてまへん。 そういう一面が、この時期にも表面化してきたような気がしてならんのですが…。
今はもっとアグレッシブな采配を見せる時期やないのかな?
さて8日は、私も浜スタに出撃します。 大切な先発投手は、マルチネス?それとも石井? 毎度思うてますが、次のゲームは阪神の追撃を許すか否かの、非常に重要な意味を持ってます。 選手諸君、ホンマに頑張れ!頑張れ! |
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9/30 vs T (○ / 7-1) ○ 山本昌 10-7 S
/ [本] |
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前日の憲伸を立てての敗戦で、前夜の私はパニックでした。 明らかに阪神は実力以上の、神懸り的な強さを発揮してました。 強力な先発投手を好守備で守り立て、そして得点圏に走者を置くと無類の集中力を発揮して連打を放つ。 ドラがミスしたところを突け込み、憲伸さえ沈没させてしまった。 9月の阪神は17勝3敗なんて聞いたこともないようなハイペースであり、「どーせいつか負ける」と高を括ってた私も、さすがに阪神の残りゲーム全勝を覚悟する必要があるとさえ思い始めていました。 先発投手陣に隙がなく、リリーフも強力、打線もチャンスに強く、この三連戦を含めて全勝…十分あり得ると。
甲子園3連敗なら、ドラは残り11ゲームをで9勝2敗というハイペースが必要となり、現在の投壊状態では非常に難しいのではないかと、私の不安はピークに達していたわけです。
今日はTV観戦が怖くて止めようかとも思うてましたが、スイッチを点けました。 ドラは初回の絶好機を逃し、阪神はすぐに1点を先制するという前日の流れを引き継いだような展開でスタートしましたが、昌のボールは走ってました。 ストレートに勢いがあり、カーブがキレて制球も良い。 先制されたことによる焦りが気になりましたが、このまま昌が頑張ってくれたら何とかなるかもと思いました。
一方の阪神先発の福原。 慎重になってボールが多く球数が増えてましたが、要所で絶妙のコースに投げ込むなど、序盤では攻略は難しそうに見えました。 孝介に対して三球カーブを続け、最後のストレートで三振を獲ったのは「さすが」というところでしたな。 しかし5回、内野安打の井上を二塁に置いて、荒木が内角高めのストレートを完全に振り遅れながらも一塁線へ!
これは昔、仁村弟がよく見せた「あっち向いてホイ」打法が生んだラッキーヒットやけど、頭の後ろにあるバットをコントロールできるテクニックがあればこその打球でした。 ついに同点に追いついた時点で奴はグラグと揺れ始めました。
元々中四日の疲労があった(序盤からはっきりストライクゾーンを外れたボールが多かった)ものが、精神の揺れのために引き出されたのか、井端にストレートの四球、そして孝介には高めに威力の落ちたストレート。 これを今度は三塁線に運ばれてついに逆転。 福原は非常に頑張っていたと敵ながら感心して見ていましたが、この状態のまま7回まで引っ張ってしまったのが、阪神の敗因の一つになったような気がしますわ。
さぁ、5回で逆転。 これは私が期待していた展開でした。
とにかく阪神をビハインドの立場に追い込むこと。
最近の8連勝は、ヤクルトが謎継投で逆転をくれたゲームと、序盤に大量点で逆転した巨人戦以外は先行逃げ切りで勝ってきたもの。 しかもドラに対しては一方的に勝敗で劣勢であり、リードを許すことがマズいことを意識しているはず。
ドラがリードすれば、これまで全てが上手く回転してきた阪神の何かが変わるに違いないと、私はゲーム前からそう思うてたんですわ。 7回、谷繁が四球で出塁した後に昌が送りバント。 これを矢野が信じられない送球ミスをして無死1・2塁とチャンスを拡大、乗りに乗ってきた阪神ではなくなったことを実感しました。 そしてさらに福原までバント処理をミスして無死満塁。
神懸りと言うのが一番適当だった阪神から、ついにその神は去って行ったようです。 もう怖いものはありまへん。 井端のタイムリーが出て、このゲームは勝負ありでした。
とにかく阪神が怖かったのはその実力以上に、選手に実力以上の力を出させ、ゲームの流れをチームに引き込むという得体の知れない何かであり、それが無くなればがっぷり四つで戦えるだけに互角以上の勝負はできるんです。 これで三戦目は妙な意識なしで戦えるでしょうな。
さて1勝1敗で迎える第三戦。 阪神の先発予定はこれまた中四日の安藤やけど、前回の名古屋でも中四日で抑え込まれてしもうた。 しかし不定期の先発で疲労の蓄積があると思われますし、前回の広島戦ではあまり出来は良くなかった様子。 朝倉さえ頑張ってくれたら、勝ち目はあると思うんやけどね。
完全にトドメを刺さない限り、ゾンビのように何度でも蘇ってくるのが今季の阪神だけに、きっちり勝っておきたいところですわ。
頼むで、朝倉! |
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9/23 vs S (● / 3-7) ● 久本 1-2 / [本] ウッズ 37号ソロ、井上
11号ソロ |
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7回表、ドラが好機を迎えた時、ツーアウトで昌まで回るのがポイントやと思いました。
初回からずっとフラフラ、KO寸前の状態で投げ続けてはいましたが、投球数は100球未満で、下位打線と対した6回裏にはそれなりの投球をしていたことから、平井、岡本のリリーバーの不調を考慮すると7回までは任せたいところでした。 昌に打順が回っても、そのまま打たせるべきやないかと思うたんですが、絶好のチャンスにはやはり代打・立浪。 しかし谷繁がスクイズに失敗し、その立浪も歩かされた挙句、荒木が凡退して追加点ならず。 (要するに谷繁のバットにはカケラも期待できんということやね。その通りやったけど) この時点で、イヤ〜な予感がしてました。
結局この予感は正しく、奈落の底に落ちて行ったわけやけどね…。
7回裏に起用した、二番手・久本のチョイスは理解できなくはありまへん。
先ほど述べましたが、エース・セットアッパーの平井、岡本は不調であり、1点差を守り切るには不安が多い胃ことを考慮すると、勝負どころに投入できる投手が新たに必要やと考えるのは不思議やないですわ。 また久本は最近4ゲーム、8回1/3を無失点と好調であり、一段上の仕事をする機会を与えられる資格はあったと思います。 しかしやっぱり奴はチキンなのか、先頭打者にいきなりヒットを浴び、次打者はトップの青木。 これは衆目の一致するところやと思いますが、この回をビッグイニングとしたのは、ここで飛び出したウッズの軽率なプレーでしたな。 その後、リグス−岩村−ラミレスと続くだけに、これは致命的なミスでしたわ。 下手なのは仕方ないとしても、これは全力プレーやなかっただけに、私は奴の罪は重いと断じます。 (8回のエラーは下手を理由にできるプレーやけどね)
先々のことを考えれば、セットアッパーの整備は不可欠。 平井、岡本の復調を待つのか、中里等の新戦力を何とか嵌め込むのか。 左のワンポイントとして小林が機能しつつあるだけに、最後のピースを何とか探し出したいところですな。
■中里(この日の出番はありまへんでしたが)
上体が突っ込んで身体が開き、シュート気味に高目へ抜けるボールばかり投げてましたが、先日の浜スタあたりからようやくストライクゾーンにボールが収まるようになってきました。
それとともに、140km台前半だったストレートの球速が150kmを計時するようになり、いよいよ奴のボールが生きる時が近づいてきたのかも知れまへん。
まだホンマにスピンのかかった奴らしいボールやないけど、きちんとストライクが取れて制球を気にせんで済むようになれば、本格的な復活になるのと違うかな。 早くそういう奴が見てみたいもんですわ。
■新井 二度目の昇格後は4打席連続安打するなど、ええところを見せてますな。
2ストライクまでは思い切りよく振り回すだけに、結構粗いと思わせるところもありますが、2ストライクからはポイントを近くしてミートする器用さも見せてますわ。
最近はこの思い切りの良さを逆手に取られ、初球にボールになるスライダーを放られて空振りし、ファーストストライクを取られてます。
次はこのスライダーを見逃し、ボールを一個稼いだ後で、次がまたスライダーか別のボールかを読み合うという、一段高い水準に上がってくれることを期待してます。
それにしても…、早よ阪神にトドメを刺そうや… |
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9/9 vs C (○ / 7-6) ○ 小林 1-0 S 岩瀬 1-2-34S/ [本]
福留24号ソロ、福留25号3ラン、ウッズ33号ソロ、アレックス13号ソロ |
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最後は一瞬、目を瞑りました。 勝って良かった、ホンマに良かった。 前日はええ形で勝つ必要があったけど、今日はとにかく勝利が必要やった。
だからこそノーガードの殴り合い、取っては取られ、果ては名手・井端が土壇場でエラーするようなグチャグチャのゲームで勝てたことは、重要な意味を持ちます。
チーム全体が浮き足立っている時、それを収めるのは勝利と言う結果しかないからですわ。
ゲームの中では、打線に反発力が出てきたのが好材料。
孝介の神懸り的な打撃を中心に、ビハインドの場面でもじっくり攻め、6-4と勝ち越しながら同点にされても、アレックスの一発で勝ち切ることに成功しました。 (孝介は昨日のミスに記する所があったんやろね)
投手陣では初勝利を挙げた小林。 たった一人やったけど、スライダーで前田に打撃をさせなかった投球は価値あるものでした。 奴が勝利投手になったのは、ある意味当然のことやと思います。
人材難の左腕リリーバーとして期待された高橋聡はこの日も四死球で沈没し、これ以上の期待が難しくなったところだけに、左打者だけでも確実に討ち取れる投手として、今後とも活躍を期待したいところですな。
9ゲーム差をつけていたために、チームもファンも、どこかで勝った気分でいたのかも知れまへんが、前日のサヨナラ負けで完全に目が覚めた心境でしょうな。
元々落合監督は「今のドラゴンズが最強」という考えやから、チーム状態が下降線にあっても、簡単にメンバーを代えることを良しとしまへん。
簡単にメンバーを代えると、その選手が死に物狂いでもがき苦しみ、その苦しみの中から立ち直ることで、一段高いステージに上がる機会を奪ってしまう。 また首脳陣の迷いや焦燥が、チーム全体の混乱の元にもなりかねない。 だからこそ、チームがどん底であってもメンバーは殆ど動かさない。 昨季がそれで上手くいったとは言えんだけに、この是非を問うのは難しいところ。 しかしこの日は岩瀬を8回二死から起用するなど、初めて禁を破り、監督の起用に変化が見られましたな。
動くタイミングとしては、ゲーム差5を残しつつチーム状態がどん底に落ちた今、これは妥当な判断でしょうな(前日でも良かったとは思うけど)。
土俵際まで追い詰められながらも、この日は岩瀬の早期投入が功を奏しました。 この起用が一日限定なのか、それとも今後もあり得るのか。 平井と岡本の信頼度が落ちているだけに、監督の継投策にも注目したいところやね。
また森野の調子が落ちている今、他の監督なら好調な立浪のスタメン起用を検討するところやと思います。 恐らく落合監督がそれをする時は、既に阪神と並んでる頃でしょうな。 このままチーム状態が好転し、こうした措置が必要無くなればええけどね…。
さて憲伸。 先に下半身のパワー不足を指摘したところやけど、気になることがあります。
8/18の巨人戦、走者として二塁から三塁へ激走した次の回以降、それまでピシャリと抑えていたのが急に連打を食らうようになってしまいました。 「疲れました」と本人はコメントしてましたが、その後のヤクルト戦以降の登板の結果はご存知の通り。
ひょっとして下半身のどこかを故障したのか? 丁度、奴の乱調の始まりと符合するため、どうしても気になってしまうんやけど…。 |
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9/7 vs S (● / 3-6) ● 川上 14-5 / [本]
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憲伸が勝てん限り、日本一はおろかリーグ優勝すら怪しい。
これは間違いのない事実やと思います。 奴が実力通りに勝ち、孝介が実力通りに打つ。 これがドラゴンズの戦略の大前提なわけです。 そして今、憲伸のスランプによって、その大前提は崩れてしまいました。 ここ3ゲームで失点が5、8、6の計19。 奴の乱調で集中力まで欠いてしまったのか、打線は淡々とアウトを重ね、ミスで失点を増やす始末。 間違いありまへん。
緊急事態です、ドラゴンズ。
憲伸の問題はフィジカルやないのかな。 下半身が使えてまへん。 それはフォームの狂いというより、フィジカルのガス欠によって引き起こされたもののように見えます。
好調時は上げた左足の爪先がセンター側を向き、身体の捻りを作ってますが、今は爪先の向きが正面に近くなり、捻りが弱くなっとります。 そしてフィニッシュ時、蹴り足の跳ね上げが好調時よりかなり小さい。
要するに下半身のパワーが足らんために、下半身の回転力やバネが弱まり、球威が出ないという状況ですわ。
球威が足らないために力をいれて投げようとすると、身体が開いて腕が横振りになり、ボールが抜け気味になって高めに浮いたり、外角を狙っても真ん中に入ったりすることになるわけです。 球速表示はそれなりでも球威を感じなかった理由、制球がおかしかった理由、ようやくこれらを理解できました。 前回登板までは、まだそれほどボール自体は悪くないと感じてたんですが、思うた以上に状況は深刻だったとはね。
一方で監督は奴が二軍に逃げることを許さず、自力での立ち直りを意図しとるようですが…。 フィジカルに起因する不振は、それほど簡単には直らんと思うんやけどなぁ。 このままでは何度投げても、結果は同じはずなんやが…(当然、首脳陣も分かってるとは思うけど)。 今は2、3度ローテーションを飛ばして、身体を作り直す方が先決のような気がします。
しかし昨季と同じ轍を踏むとは…。 本人も不本意でしょうが、エースと呼ばれる立場として、やはりこの状況への批判は免れまへん。 こうした批判を払拭するには、とにかく立ち直って見せるしかない。
修羅場に勝つには、憲伸の力は不可欠なんやから。
打線も頼りにならん。 緊張感を感じさせず、淡々と凡退を繰り返す。 正直言うて、逆転の可能性を感じることは全然できまへんでしたわ。
いつになったら、グラウンドに熱の篭ったドラゴンズ野球が戻ってくるのやら…。 |
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まだ憲伸の乱調から立ち直ることができまへん。 今季前半、奴は私に最高の夢を見せてくれました。 今になって奴をあれこれ言う人もおりますが、実力、実績、そして何よりチームを背負う覚悟。 どれを取っても、今のドラにエースは奴しかおらんのです。 その奴が勝てない。
私ゃ奴の気持ちが乗っていないとは思いまへん。 逆に7月から生じたメカニズム上の問題が、心の違和感の元になり、それが増幅して自信が揺らいでいる状況やないかと思うてます。
「自分の投球」=力勝負に拘り、それで結果が出せないところでもがいているのと違うやろか。 あーでもない、こーでもない。 いろいろ試しても自分の投球ができず、当然のこと結果も出ないというような、俗に言うスランプというやつやないかな。
昨季と違って、奴のフィジカルには多分問題はないものと思います。 絶好調にはほど遠いものの、ボールそのものは勝てないほど酷くはない。
配球の変更や、ストレートやカットボールだけではなく、カーブ、シュート、フォークの比率をもっと増やして、勝つことに特化した投球をすれば、結果は出せると思うんやけどな。 なりふり構わず、勝つためだけの投球をするのが、今の奴に求められる姿やないやろか。 結果を出すことで、投球スタイルも回復も図れるような気がします。
監督は結局、奴を8回まで交代させなかった。 単純に勝つためなら、私も7回でスイッチすべきやったと思います。 しかし監督の目は、既に日本シリーズに向いてます。 そこで憲伸には2勝のノルマを課しているはずであり、そのために必要なこととして(交代に逃げず)勝つ投球を取り戻させる。 それこそ、監督があの投手起用に意図したものやないのかな…。
頑張れ、頑張れ憲伸。
エースはお前や。 日本一にはお前が必要なんやで
!! |
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8/31 vs T (● / 7-8) ● 川上 14-4 / [本]
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まぁ、エースが投げてるゲームで5−1ともなれば、普通は勝ったも同然ですわなぁ。 そのエースが8点取られて負けるとは、全くお話になりまへん。 昨季と同様、今季も後半に大失速とは、もう擁護することは困難ですわ。
お粗末の一語です。
7/14 |
阪神 |
● |
5回 |
4失点 |
オールスター前からの成績ですが、これを見る限り、前半戦のスーパーエースな投
球はどこへやらですな。 4勝3敗という成績ながら、内容的には不満の残る登板が続いてますわ。 一シーズンを戦う中で、これほど調子の波が大きい投手をエースと呼べるのか? 特にこの大事なゲームで、絶対にやってはいけない投球を繰り返したことは、背信行
為とも言えるものでした。
「エース」の看板を背負う以上、言い訳は許されないと
言うのに。 |
7/27 |
阪神 |
○ |
6回 |
1失点 |
8/3 |
横浜 |
○ |
8回 |
5失点 |
8/11 |
阪神 |
○ |
8回 |
2失点 |
8/18 |
巨人 |
○ |
6回 |
1失点 |
8/24 |
ヤクルト |
● |
5回 |
5失点 |
8/31 |
阪神 |
● |
8回 |
8失点 |
合計
|
46回 |
26失点 |
防御率5.09
(8/31を含めないと4.26) |
球速はそれなりの数字を示してますが、あっさり弾き返されてるところに、その威力のなさを感じざるを得まへん。 しかも勝負どころでの制球が甘い。 一発だけは要注意というところで、痛い一発を二度も食らったことには、言い訳の余地はないと思いますわ。 また配球にも問題ありでしたな。
阪神打線はストレート系のボールを、初球から積極的に狙ってきました。
特に右打者に対しては、明らかに配球が外角に偏っており、外角ストレートに相手が狙い球を絞りやすい状況やったと言え、それだけに奴が8回を完投しても、球数が99と少なかったわけです。
こうした相手の傾向に対し、初球のストレート系で上手くファーストストライクが取れた場合、二球目あるいは三球目でカーブを混ぜると非常に有効に機能してました。 それなら初球はストレートを見せ球にするか、カーブから入れば、もっと楽にカウントを整えられたはずですわ。 また右打者の内角が少なかったのは強い浜風を警戒したのかも知れんけど、もっと厳しく懐を突いてコースを散らすべきやった。 持っている引き出しを全て使って、相手を全力で封じるべきやったのにな。
エースとして、こんな投球が続くことは許されない。 全ての言い訳を廃して、全身全霊で勝利を手繰り寄せる投球をして欲しいわ。
昨季と同じ愚を、これ以上繰り返すのは勘弁願いたい!
四番・ウッズもだらしない。
もともと甲子園に弱く、今季.190しか打っていないとは言え、ストレートが分かっていながらボールを前に飛ばせないというのは問題外や。 昨季もそうやったけど、150km級のストレートになると、奴はバットに当てるだけで一苦労になります。
二戦目、三戦目とも、対藤川の場面がありましたけど、孝介で決着を着けられなければアウトやと思うて見てたら、案の定その通りになってしまいましたわ。 この日の藤川は前日に続いて調子が悪く、谷繁が初球で前に飛ばせたことから「何とかなるか?」と期待したんやけどね。 同じ手を何度も見せられて、それでも打てんのやから、これは治しようのない欠陥としか言えまへんな。
週末は巨人との二連戦。 相手先発が上原、内海と、最悪のロメーテーションやけど、何とか一つ勝って欲しいもんです。
あ〜〜〜っ!腹が立つ!! |
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8/26 vs BS (● / 0-4) ● 昌 7-7 S
/ [本] |
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4連敗中の得点が「5」と、とことん打てまへんなぁ。
この日はコンスタントに打ってきた3−4番コンビさえ沈黙してしまい、打線の方はかなり重症になってきたようです。
前日までは1−2番コンビと5番・森野の不振が、好調な3−4番を孤立させていたのが連敗の原因であり、この状況に焦ってその3−4番まで不振にならないか心配してたんですが、どうやらその不安が現実化してきたのかも知れまへんな。 ゲームの流れでは、初回、久しぶりに荒木にヒットが出て無死一塁、一気に先発の三橋を潰したいところで、エンドランに失敗したことが打線の勢いを殺いだのは間違いのないところやね。
恐らく、盗塁へのタッチプレーのためにショートが二塁に入ったため、井端は開いた三遊間に転がそうとしたのに空振りしてしまった。
ボールが高めに来たため、ストレートのタイミングで対応してしまい、ヘッドを早く返し過ぎたんやけど、奴ほどの選手なら引っ掛けて巧く転がして欲しかったわ。 こんなところに、高いはずのプレーの精度が微妙に狂ってることを感じますな。
昌は悪うなかったね。
内川の先制打は、右打者相手に直球を二球続けた後、外角低めの直球で決めに行った配球に少々疑問を感じますが、相手に巧く打たれたのも確か。 吉村の一発だけは、強打者相手に投げたらいかんコースに放ってしまったけどなぁ。
内容がええのに3失点というのは、奴らしい勿体無い投球でしたわ。
この日は中里、平田と注目の若手も登場しましたな。
中里はリリースの不安定さが解消されず、ストライクゾーンにボールを収めるために無理矢理押さえつけてますんで、ヒジのしなりが効いてまへん。 思い切って投げたキレのあるボールは高めに大きく外れてしまい、ストライクゾーンのボールはキレがないため打たれてしまう。 それでも高めのクソボールを相手打者が振ってしまうのが、奴のボールの非凡なところやけどね。 まぁ、今のところは勝負どころでは使えんでしょう。 上体の突っ込みを抑えて、身体の開きを無くすことができれば、奴本来のボールを見られるようになると思うんやけどな。
平田はたったの一球、たったの一振りだけなんで、評価するのも難しいですな。 それでも初球から振れたこと、上の投手の直球に差し込まれんかったことは評価したい。 できれば、あと何回か打席を見たいところやね。
しかし負け慣れとらんだけに、勝ってもらわんと落ち着かんわ。
そろそろ勝ってぇな。 |
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8/18 vs G (○ / 6-1) ○ 川上 14-2 S / [本] 谷繁
8号ソロ、9号ソロ |
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初回の上原の立ち上がりを見る限り、かなり攻略は厳しいと感じました。
井端−孝介−ウッズと三者連続三振、英智がバットをぶつけるようにしてライト前にヒットするまでは、打線が内容のない打撃を続けており、投手戦かと誰もが思うたと思います。 私も同じように思いつつ、一方では「勝負は一回りしてから」とも考えてました。
ドラ打線の場合、一巡目からいきなり爆発するより、相手バッテリーの配球や球質を見たり、ファールで粘るなどして球数を稼いで相手にプレッシャーをかけつつ、中盤以降に勝負という傾向があるだけに、相手投手が好調な上原であっても「何とかするだろう」という強い期待感かあるんですわ。 これは三年前にはなかった感覚であり、落合体制三年目にして、私も常勝ドラゴンズへの手応えを感じているんでしょうな。 30年以上チームを応援してきましたが、これほど信頼できるチームは初めてですわ。
さもあらん、二巡目には上原を捉まえました。 憲伸のポテンヒットを足がかりに、一死1・3塁で打席に孝介と絶好のチャンス。 そして奴は上原が外角低めにフォークを集めた7球目を、巧く合わせてレフト前へタイムリーヒット! 確かに同じ球種を同じコースに集められたという側面はありましたけど、あのストライクゾーンぎりぎりの外角低めを打たれたら、投手としては目を回すしかありまへん。 それくらい難易度の高い打撃を見せた孝介は、ホンマに素晴らしかった。 さらにウッズが倒れた後、タイムリーを打った森野も立派やったなぁ。
昨年までの奴は落ちるボールにクルクル空振りしてただけに、上原の決めに行った絶妙なコースのフォークを打つとは、ホンマに感慨深いものがありますわ。 ドラ打線の球際の強さを見せられて、1・2回は比較的スイスイと投げてきた上原もリズムを崩されてようでしたな。 それ以降は、あの上原を前にして、ドラが着実に追加点を獲っていきました。
谷繁の3点目のホームランも、惚れ惚れするほど見事やったなぁ。
内角高めの厳しいボールを、腕をたたんで軸回転でバットをミートポイントまで運び、ミートした後は一気にボールを押し出した感覚。 あれだけ鮮やかなスイングは、そうそう見られたもんやないですが、奴のフィジカルに問題がないからこそできる芸当ですわ。 広島でも内容のある打撃を見せてくれましたし、これからは奴のバットにも期待できそうやね。
憲伸はそれほど良くありまへんでしたな。
走者として激走したために疲労したらしいですが、今ひとつストレートに球威がなく、このためカットボールにも本来のキレがありまへんでした。 このため空振りが取れず、ファールされて球数を増やすことになってしもうた。
それでもGのヒットでホンマに芯を食ったのは、二岡のホームランと1、2本だけやったと思いますんで、危なげはありまへんでしたが。 しかし、もう14勝で貯金12ですか。 自己最多の17勝越えは濃厚、ひょっとしたら20勝まで届くかも知れまへんな。
それにしても、最近のドラのバントは一発で決まるなぁ。 目立たんけど、あれは相手に与えるプレッシャーが結構デカイと思いまっせ。
バントやエンドランが確実に決まるとなると、相手側はドラの策を阻止するよりも、ドラの策が決まることを前提に、次の手を打たないといけない。 相手チームにとっては、ドラはホンマに嫌らしいチームになったと思いますわ…。 |
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8/3 vs BS (○ / 9-7) ○ 川上 12-2 S 岩瀬 1-2-27S / [本] ウッズ 26号2ラン、井上 3号ソロ、森野 5号2ラン、ウッズ 27号2ラン |
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先日のゲームになりますが、珍しく打線が爆発して本塁打4発で勝利したゲームをレポートします。
ベイの先発・新人の山口を攻めて序盤の3回までに6-0、しかも憲伸が6三振を奪う投球を見せ、さすがに今日は楽勝やと高を括ってたんやけどね。
5回に憲伸が簡単にストライクを取りに行ったストレートを、新沼にプロ1号されたところから空気がおかしくなり、7回に金城に3ランされた時点では完全にドラが追い詰められた雰囲気に変わってしまいました。
私の方は、新沼のホームランのあたりから不機嫌モードになり、金城の3ランの後は怒りで、完全に目が据わってたと思いますわ(苦笑)。
しかし直後の8回表に1-3塁の好機を迎えます。 ここで何と、7回まで投球数120以上になっていた憲伸に代打を出さず、打たせて三塁走者が本塁憤死。 負けていない限り、憲伸のノルマは8回までなんやろか? これで好機を潰したかと思うたら荒木がタイムリーで取り返し、さらに9回にもウッズのホームランで加点。 ようやくこれで勝負あったかなと、やっと安心したんやけどね…。
実はこの日、中里が登録された情報は掴んでおり、9回4点リードの時点でひょっとしたら出てくるかも…と思うたら、出てきました「初・中里」! 感無量の面持ちで投球練習を見ていたら、あらら、随分力んでるわ。 この時点でかなり心配したんやけど、案の定制球が定まらず、2四球で降板の憂き目を見てしまいました。
緊急登板した岩瀬も、波に乗るベイ打線の勢いは止められず、村田に強烈な三塁打を打たれたりしましたが、何とか締めくくって勝利に辿り着くことができました。 …結局はエースがしっかり投げなかったことに原因がありますけど、それでも波に乗り出したベイ打線の迫力は大したもんです。 そのため、この日は勝ったことだけで満足することにして、疲労困憊で帰宅の途に付くことにしました…。
■憲伸
(A) (B) (C) (D) |
交流戦が終了してリーグ戦再開後の失点は、2・5・3・4・1。 そしてこの日も5失点と、抜群の安定感を誇った前半戦から大きく
調子を崩しているのは、昨季と同様。
ヒジが下がって腕が横振りになることで、リリースポイン
トが不安定になり、ヒジのしなりが使えずボールのキレが失われ
る。 この症状も昨季と同様やと言えますわ。 結局、今季も昨季と同じ轍を踏んでしまうのか…? |
連続写真を見てみると、右ヒジは(G)から振り
上げられて、(H)で一番高い位置にくるようで
す。 縦に振ろうとしてるのは分かるけど、この腕の
振りだと低めの制球は甘くなるのと違うか? カーブも当然、高めに浮いて打ちごろになる。 この日は8イニングで14奪三振やったけど、カ
ーブで奪ったのは一つくらいしかなかった。 |
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【05年5月】 【06年8月】
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昨季との比較では、まず左腕の使い方が異なります。 テークバックの際、身体の開きを抑えるためか、左ヒジを内側にひねるようにして
ますが、グラブの位置が低いため、この後で右腕を振り上げた時には、右肩が十
分上がってきていないようです。 このため、早めに右ヒジを頂点に持って行くことができないため、上から右
腕を振り下ろすこともできないのではないかな。
それでもこの日のボールは、それほど悪くはなかったと思います。 新沼は完全に舐めてたところを打たれ、金城は例の野生的打撃にやられたもの。 特に金城のように右足を軸に回転する打者(イチローもこれ)には、厳しく内角を
攻めるのが有効。 そのはずが右翼席までカコーンと弾き返されたわけやから。 まぁ、それだけ球威がなかったと言うこともできるけど。 翌朝のトーチュウでは1000奪三振を意識して、三振を狙う投球をしたら投球スタイ
ルがおかしくなったとのこと。 球数も多くて、私も大丈夫かと思うてましたが…。
とりあえず、もう少し制球の精度を高めてもらわんとね。 次回は久しぶりにスカッと勝って欲しいもんです。 |
【05年5月】 【06年8月】
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■中里
(A) (B) (C) (D) (E) |
奴がリリーフカーに乗
って登場し、その名が
球場内にコールされた
時には、さすがに胸が
熱くなりましたわ。 そして祈りました。 頑張れよと。 |
しかし…、先にも書いた通り、投球練習でワンバウン
ドを投げ、ひっかくような投げ方をしているのを見て、
「ヤバイ」と心配せざるを得まへんでした(苦笑)。 (F)なんかを見ても、上体が突っ込んでいるのが一目
瞭然ですわな。 帰宅後に録画を見ても、やはり身体が開いているの
が分かりましたわ。 と言うことで、この日の投球は参考にならんと監督も
考えたようで、即降格はなく、再度チャンスが与えら
れるようです。
今度こそ、頑張ってくれや! |
(F) (G) (H) |
■岩瀬 (A) (B) (C) (D) (E) (F)
春先は生命線のスライダーが曲がらず、ストレートも走らずで、今季は大丈夫なのかと心配させたもんやったけど、その後はいつもの岩瀬が復活してきましたな。 右打者のヒザ元へ食い込むスライダーが戻ってきた以上、もう心配することもありまへんな。
奴のフォームは、力をいれずにゆったりと体重を高いところから上手く下に降ろしていき、勢いをつけてリリースで力を爆発させる模範的なもの。 力の入れどころを理解した無理のないフォームのため、連投でも潰れないわけです。
さすがに若い頃のような、四連投といった無茶はできなくなりましたが、それでも投手陣の切り札として、今季もこのまま元気なところを見せ続けて欲しいと思いますわ。
■孝介
(A) (B) (C) (D) |
今や打線の核。
左胸の前にグリップを構えるのを止め、極力無駄なアク
ションを排したスイングは完成しつつあるようです。 今後、奴に対しては歩かせる前提での配球も増えるはず
であり、相手の失投をどれだけ確実に仕留められるかが
問題になるでしょうな。 ケガさえなければ、首位打者の方は間違いないやろね。
|
■ウッズ
(A) (B) |
この日は効果的なホームランを二発。 四番の仕事を十分果たしてくれましたが、何やら背中の張りを訴えている様子。 ここ数試合は、打撃に精彩を欠くことも多く、ベンチに退くタイミングも早めになってきて
ますな。 腰とか背中の異常は、直ぐに治るというものではないため(私ゃ持病もちなのでよく分
かります)、ちと心配ですわ。 来週の阪神戦を前に、欠場するようなことがあると、しんどいことになりそうやけど…。 上手く休ませてやって欲しいですな。 |
■森野
(A) (B) (C) (D) (E) |
成長しましたなぁ。 後日、ついに5番に抜擢されま
したが、これも当然のことやと
思わせるほど、安定して高水
準の結果を出せるようになりま
した。
一軍に定着した頃は、背筋が
伸びず、トップを作った際に身
体の割れが不十分だったた
め、 |
軸が倒れてアッパースイングになり、変化球への対応にもモロさがありました。 それが徐々に修正されて、いよいよブレークの年になりそうですわ。 守備力の向上も顕著で、立浪をベンチに追いやっても誰も文句を言えない存在になってきたと思います。 得点圏に走者を置いても滅法強く、右投手に対しては.343の高打率。
左投手に対して.260と、右投手より打率が大幅に落ちるのが課題やと思いますが、これまでのことを考えると、この対左の打率でも格段の進歩が伺えますわ。 今後はマークも厳しくなるはずやから、それに負けずに数字を維持できれば、奴は本物として認知されると思います。 頑張れ!
■井上
(A) (B) (C) (D) |
この日はレフトスタンドへ一発。 奴の左へのホームランはあまり見
たことがありまへんが、飛距離も
十分な立派な当たりでした。 (←これがその時のスイングです)
奴はフォームをよく変えることで有
名やけど、監督のアドバイスで最
近も変えたそうな。
一体どこなんやろ? |
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左は昨季のフォームなんやけど、バットを捕手側に倒してますな。 今季はヘッドを投手側に向けており、トップで弓を引き絞ったような理想的な形を作ってますわ。 少しステップが広く、軸がブレやすくなるかも知れまへんが、一方でグリップをきっちり捕手側へ引いた方が、
タイミングを計りやすいのは間違いありまへん。 無茶振りせずに力の入れ方を間違えなければ、この方がパワーも伝わりやすいし、ええと思います。 守備力の問題で出番は限られますけど、まだまだ奴のバット必要な戦力。 効果的な一本を期待しますわ。 |
ここにきて投手陣にヘバりが見えるだけに、補充された中里と岡本には特に頑張って欲しいところですわ。 そして先発で安定感を欠く昌、マルチネスについては、小笠原と吉見が強烈にプレッシャーをかけて欲しい。 これからは本物のチーム力が試されます。
みんな、頑張れ! |
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7/30 vs G (○ / 4-2) ○ 朝倉 9-3 S 岩瀬 1-2-26S / [本]
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その昔、昭和50年代には、古葉監督率いる広島が山本浩二、衣笠、北別府などを擁して黄金期を迎え、野球が下手なドラは軽く捻られるゲームが続き、若かりし私なんかは「どうやったら勝てるのか」と考え込んだものでした。
強力投手陣に抑え込まれている間に、ポロポロと点を取られ、「いつの間にか」負けているというゲームが多かったように思います。
そして昭和60年代には、辻、秋山、清原、デストラーデらの打線に、東尾をエースとして若い工藤や渡辺久が絡む投手陣という豪華戦力に、森監督の頭脳を頂いた西武が黄金期を築き、対抗するチームとしてID野球の野村ヤクルトが立ち向かうという図式が出来上がりました。
いずれも野球を熟知し、ゲームの分岐点では絶対に100%の力を出してくるチームであり、絶対的な強さを見せなくても「何となく」でも勝ってましたわ。
一方、残念ながらドラゴンズの野球はその境地に至ったことはなく、戦力が揃って勢いで相手を押し倒すような野球ができたシーズンだけ優勝するというような状態やったと思います。 私もファン暦30年を超えてますが、「いつかあんな野球で黄金期を迎えたい、ドラが常勝チームになって欲しい」と常々思うてきたんですわ。
…ようやくそんな気配がしてきたような? …「黄金期」なんつー言葉が現実化してきたような?
相手が見せたスキには確実に突け込み、勝負どころでは選手個々が自分の役割をきっちり果たす。 後半戦に入ってフルメンバーとなったドラは、そんな精度の高いプレーをこなす軍団になってきたようですわ。 相手から見たら「いやらしい」、「憎たらしい」と思われるようなチームやないかな。
落合「オレ流」ドラゴンズは、ついに成熟の時を迎えたのかも知れまへん。
この日の朝倉は4回表に5安打を集中され2失点。 制球が甘くなったストレートを、早いカウントから狙われて右に左に痛打を食らいました。
いつもならゴロになるはずのストレートが高くなったためか、棒球になってしまったように感じましたが、それでも大量失点してもおかしくないところを何とか2点で踏ん張ってくれましたな。 これがその裏、すぐに同点に追いつく打線の集中力に繋がったのと違うやろか。 クリーンアップが無理して引っ張ることのない打撃で三連打、そして森野が走者三塁から確実に右方向へ転がして同点。
「進塁打」を間違いなく打てる、或いは一死一塁でも送りバントを使うなど、打者が死んだとしても確実に走者を先の塁に進める意識の点で、ドラは確実に他球団を上回ってますわ。
そして終盤7回、アレックスと森野がそれぞれ変化球を引っ張り無死二・三塁。 一死後に高橋光が三遊間へゴロ、これをGサード・古城がミスして決勝点。 相手がミスするとそこからチャンスを拡大する、或いは無形の圧力を相手にかけ続け、ミスを引き出す。
今までドラが広島やヤクルト、そして古くは巨人にされてきた、相手が泣いて嫌がるような野球を、今やドラがするようになったことは感慨深いですなぁ。
これで二位・阪神とは6.0ゲーム差。
今のドラは、選手の力量差で大きく劣勢にならん限り負けるチームやないし、そして昨季のように憲伸が抜けたとしても今季は代わりがおります。 孝介が抜けても致命傷にはならず、今季のチームは実に懐の広いトー無ですわ。 複数の主力が抜けん限り、このまま走りきれるのと違うやろか。 そして、これだけのチームを作り上げた落合監督の手腕には、感服するしかありまへん。 今季のペナントを安心するには早過ぎますが、それでも球団史上初めての黄金時代は、確実に近づいてくる実感があります。 ただし、やはり間もなくピークを過ぎるであろう選手が多いドラでは、やはり次代の選手の育成もお願いしたい。
落合ドラゴンズでは「打つ・走る・守る・投げる」以外に、勝負どころで力を出せるハートの強さ、そして変化するゲーム展開において正確なプレーを可能とする瞬時の判断力が求められます。 これには相当の訓練を積む必要がありますが、落合体制三年目ともなれば、そろそろ成果が見たいところですわ。 次代の野手、この発掘も是非是非、監督にはお願いします。
さて今週は関東で六連戦。 何とか生観戦に行きたいけどなぁ〜 |
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7/16 vs T (○ / 4-1) ○ 中田 3-1-1S S 岩瀬 1-2-23S / [本] ウッズ
21号ソロ、谷繁 6号2ラン |
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神宮のゲームが雨で中止となり、先発予定であった7勝0敗の佐藤充の出番が流れたことから、普通なら奴をこの大事な阪神三連戦に起用するところやと思います。 しかし実際に先発したのは、憲伸−昌−中田。 これが意味するものは、「まだローテーションを変更するほどの時期ではない」ということ、そして「憲伸に続く投手は中田である」という内外への宣言ではなかったか。
中田のローテーション復帰戦をBクラス相手ではなく、いきなり大事な阪神戦としたところに、落合監督の思惑があるのではないか。 後半戦の軸としての期待の表れがこの日の登板であり、そしてゲーム中の扱いもそれに沿ったものでしたわ。
5回頃から中田のガス欠が顕著になり、バラつき始めたボールを浜中に痛打されたところで、普通なら降板やと思います。 故障からの復帰以降、二軍での調整登板も含めて、奴は今回のようなロングイニングを投げてまへん。
80球を過ぎて同点にされたところで、無理をさせず、かつゲームを壊さないうちにスイッチするのは、何らおかしな継投ではありまへん。 しかし結局ベンチは8回途中まで奴を引っ張りました。 これは憲伸がそうであるように、自分が投げるゲームは最後まで責任を負い、リリーフの助けをアテにしないというエースの心得を叩き込もうとしたのではないやろか。
5回から8回一死までに7本のヒットを浴び、毎回ピンチの連続となり、見ているコッチはいつ代えるのかとハラハラの連続やったけど、ベンチの方は勝利以上に優先したものがあったということかな。 そして直接、岩瀬に繋ぐことができる8回にようやく降板。 憲伸と同じように、岩瀬に繋ぐまでは責任を負う。
落合監督は、中田を本気でエースに育てようとしているように思いますわ。
それにしても孝介抜きの打線は、繋がりが悪い。
一戦目は勝負が決してからの2点、前日はウッズの一発の1点のみ、そしてこの日もウッズと谷繁の二発で3点と、効果的なタイムリーや進塁打が出ない状況ですわ。
ようやく9回に投手・岩瀬の犠飛で1点を追加したものの、8回の無死1・2塁で4番ウッズと5番アレックスが走者を進めることもなく凡退。
特にアレックスは7月に入って打率.195、打点0。
打てないことを意識して十分ボールを見ようとする姿勢は買いますが、奴の不振は短期のものではないため、孝介抜きの打線でこの成績は厳しい。 また打球判断が良いというほどではなく、送球モーションも大きいことから守備力もそれほど評価されたものではありまへん。 とにかく打ってもらわんと。 このままでは孝介復帰後に外野のレギュラーから外れるのは、奴ということになりかねんような気がしますわ。
さて次は調子を上げてきたベイスターズ戦。
6月以降は立ち直って絶好調の門倉が登板予定であり、また元々非常に粘り強いチームであることから、いつも浜スタのゲームではもつれている印象が強いです。 何とか良い成績で前半戦を締めくくって欲しいところやね。 |
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7/8 vs BS (○ / 8-1) ○ 山本昌 4-4 S 中田 2-1-1S / [本] 井端
4号2ラン |
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1回の両軍の攻撃で、ゲームの趨勢がある程度決まったと言うても過言やないでしょうな。
1回表に昌が一死1・3塁のピンチを迎え、「今日は悪い方の昌か?」と思わせたんですが、村田を投ゴロ併殺に討ち取って調子に乗りました。
何せ今季の昌は投げてみないと調子が分からず、かつ相手にいったん火をつけると粘ることもできないため、あそこで一本タイムリーを食らっていたら致命傷にまで至っていた可能性が大です。 あそこでゲームの流れを掴んだことが、昌の勝利に繋がったと思いますわ。
一方でその裏のドラは、相手の失策で井端が二進。 そこで四番のウッズが、右へコンパクトに合わせてタイムリー。 相手のミスに突け込んで、あそこまでスムーズに点が取れると、確実にゲームを支配することができますわ。 結局はここで点を取ったドラが勝ち、取れなかったベイスターズが負けたわけです。 その後のゲーム展開が一方的になったのも、不思議なことではありまへんでしたな。
さて中田が復活しました!
ストレートは「有無を言わさない」という表現がピッタリで、全く打者を寄せ付けまへんでしたな。 朝倉、佐藤も間違いなくええ投手であり、エース「級」やと言えますけど、中田の場合は正に「エース」。 相手チームが最高の警戒を要する存在になったと言えますわ。 このまま3イニングをパーフェクトに抑えるのかと思うたら、9回にヒットを二本許してくれました。
と言うのも、以前からの奴の課題であるセットでの投球を見たいと思うてたからであり、このヒットは都合のええシミュレーションになったと思います。 やはりこの日もセットでの投球では投げ急ぎ、抜けるボールが多くなりました。
村田に打たれたヒットも、抜けて威力が落ちたストレートが高めに浮いたところを打たれたもので、これが奴の失点するパターンやと言えますわ。 それでも以前よりは、セットでも指のかかったええボールが投げられるようになっており、大怪我はしないものと期待してますが。 奴は恐らく次の三連戦からはローテーションに復帰するはずであり、その投球を見るのが非常に楽しみになってきました。
ちなみに中田と入れ替わりに、孝介の登録が抹消されたとのこと。 外野のメンバーが不足していることが懸念されますが、下で戦力になりそうな選手がおらんのが厳しいですな。 しばらくはスローイングの回数を減らすため荒木を外野に固定するでしょうが、やはり孝介抜きは攻守両面で影響が大きい。 この間に低調な巨人と6ゲーム組めたのはラッキーでしたが…。 |
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7/2 vs C (● / 0-3) ● マルチネス 4-6 / [本]
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まぁ、確かに黒田は良かったかも知れんけど。 孝介抜きの打線、そして先発予想がマルチネスvs黒田というところで、ある程度はこの日の結果を覚悟してはおりました。 しかしなぁ…、もう少し見せ場があってもええのと違う?
3安打でチャンスらしいチャンスもなく完封負け。 百歩譲って打てんのは仕方ないとしても、マルチネスにはもう少し頑張って欲しかった。 最後に力尽きたところで、あっと言う間に振り切られる展開は、あんまり見たくないもんですわ。
不安定な立ち上がりを何とか無失点で切り抜けた後は、マルチネスもスイスイと快調な投球を見せてくれました。 援護に恵まれず勝てない登板が続いたことでリズムを崩し、不調に陥っていたように感じてましたが、前回の登板で勝ったことから奴本来の投球が戻ってきたように思います。 6回まで被安打1と十分な内容で、失投を新井に叩かれて1点を失いましたが、ここまでは期待以上の投球でしたな。 ところが8回二死から、東出のプッシュバントをウッズの緩慢な守備でヒットにしたところで、奴は一気に崩れてしまいました。 クイックを怠って東出の二盗を許し、梵、栗原に連続タイムリーを浴びて2失点。 ここでゲームはジ・エンドとなってしまいました。
打順を考えれば、奴も自分がこの回限りで降板やというのは、十分理解していたはずですわ。
1点ビハインドとは言え、最少得点差を維持すればゲームがどうなるか分からん場面、しかも「あと一人」のところを内野のミスで動揺し、そして簡単に盗塁、そしてタイムリーを許してしもうた。 私は奴の実力を買っています。 しかし、こういうメンタル的な弱さを見せる限り、信用することはできまへん。
投手として大切なのは、1失点の後をどう投げるか。 それが奴に課された課題であり、この日も奴はそれをクリアできまへんでした。 これに失望したのは私だけやなく、ベンチも同じやったはずですわ。 最後の1イニング、二死までは完璧な内容やったのになぁ…。
間もなく中田が復帰します。 これにより先発ローテーションは、憲伸、佐藤、朝倉、中田の右腕四人が確定することが間違いありまへん。 そして6連戦が減りますので、残ったイスはたった一つになってしまいます。
昌、小笠原、マルチネスの左腕三人で、このたった一つを争うことになるわけですが、それを奴らは理解しとるのかな。
前日の昌の投球には、この日のマルチネス以上に失望されられましたし、小笠原も当初の数ゲームで見せた安定感が失われつつあるように見えます。 自分の居場所を失いたくなければ、もっと必死にならんといかんで。
さて孝介が欠場してから6ゲームが経過しました。
登録抹消から再登録までは10日間やけど、故障後すぐに抹消していたなら最短の再登録は次の金曜日となり、対巨人三連戦までが欠場となったはずです。
ところがこの日まで孝介は登録されたまま、完全休養を続けとります。 先の荒木の故障発生時にも同じことがありましたが、この期間は選手登録枠が一つ、全く無駄に潰れるわけです。 ビハインドの9回二死で英智が打席となっても、控えの外野手が足りずに代打を出せないという場面はもう見たくないんやけどな。 ドラはチーム構成上、たくさんの野手を必要としているわけやから、もう少しこうした危機管理を上手くやって欲しい。 無駄な登録枠を持てるほど、ドラは余裕のあるチームやないはずやから。
週明けからは故障者が復帰し、連敗を抜けて勢いが戻りつつある巨人が相手。 先発は木佐貫、パウエル…と、あとは誰やろ? 孝介が帰ってくるまでは、ひたすら我慢して五割を確保して欲しいもんです。 |
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