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12/30 選手とファンの関係
07年はいろんな事がありましたな。
日本シリーズ制覇は最高に嬉しかったけど、やはりリーグ優勝をしていないという事実は重いものがありますわ。
そしてオフになって現実化した、福留の退団。
今回は、07年の締めくくりとして、奴の退団の表面化から抱いてきた思いを、書き綴ってみたいと思います。
思いつくままの書きなぐりで、趣旨が分かりづらいかも知れまへんが、いっぺん読んでいただけると、そして感想をいただけると最高に嬉しいです。
福留はシカゴに去っていきました。
このMLBとの契約により、奴の年俸は約4倍に跳ね上がったようです。
あの巨人が「MLBには負けん!」と高額オファーを出しながら、最後はマネーゲームに敗れて「MLBはバブルだ」と嘆いた(お前らが言えることか!)ほど、NPBとMLBの財力には差があるようです。
…実力差はそこまでないはずなんやけどね。
以前にも書きましたが、「もっとカネが欲しい」というのは人間としてまっとうな物欲であり、また「もっとレベルの高いところでプレイしたいというのも、アスリートとして当然の欲求やと思います。
そして制度的に認められている以上、福留一人をターゲットにして非難するのは不適当やないのかな。
あれが今のプロ野球界の常識なわけやから。
「じゃあ、お前はあれが正しいと思うのか?」
「ファンの気持ちはどうなる?」
このように問われたら、私は「そんなわけないやん!」と答えますわ。
私の怒りの矛先はNPB機構側と、そしてそれ以上にプロ野球選手会にあります。
NPBと所属選手達を支えているのは、物心ともに間違いなくファンです。
グラウンドの直接的な声援で選手を奮い立たせているのはファン。
そしてグッズを買い、入場券を買って、球団を潤しているのもファン。
さらに球団収入でも重要な、TV・ラジオの放送権料も、スタジアムの広告料も、プロ野球に注目する多くのファンの存在が前提です。
その中から選手達の年俸も支払われているわけで、球団も、選手達も、ファンの存在なしにはあり得んのです。
一方でファンが得られるものは、グラウンドでぶつかり合う両チームの熱い勝負と、常人離れした夢のようなプレー。
そして何より愛するチームと、それを構成する選手ひとりひとりを見守り、熱く応援し続け、勝利というお返しをもらえた時が、ファンとしての至福の瞬間やろか?
ファンが支え、球団や選手がそれに応える。
それが幸せな関係なんでしょうな。
ではファンは、どういう理由で選手を応援するんやろ?
他球団からの移籍組より、生え抜きが愛されやすい風潮は、一体どうして存在するんやろ?
それは選手の入団時から、二軍で鍛えられ、一軍でチャンスを掴み、そしてレギュラー、スター選手になっていくという経緯を、ファンが身近で見つめ、応援してきたからです。
その選手の立身出世のストーリーや、スターになる喜びを、ファンが共有しているからですわ。
だから出来上がった選手が入団して、活躍したとしても、感慨が沸きにくいんでしょうな。
(例外的に中村ノリの場合、たった一年の所属であっても、どん底から這い上がる喜びを共有できたため、ファンの支持は大きいと思います)
このようにファンは、その愛情によって、物心ともに選手を支えているわけですな。
それに対して選手達は、ファンに対してどのような感情を抱いているんやろか。
「ファンの皆さんに一言」「今日の活躍はファンの皆さんのおかげです!」なんつーやり取りを、ヒーローインタビューではよく目にしますな。
まぁ、あれはその場のリップサービスなんでしょうが、じゃあ、奴らの言う「ファンの皆さん」って一体何なんやろね?
前から私は思うてたんやけど、奴らにとってファンというものは、一塊の「群集」、または自分を取り巻く「風景」なのと違うか?
ひとりひとりのファンの顔、ファンの期待を、意識したことはあるんやろか?
いつも支えてもらっているファンへの【責任】については、奴らは一体どう考えているんやろ?
一言目には「ファンのため」「ファンのおかげ」と口にする奴らやけど、契約更改やFA交渉の場で、ファンへの思いを口にすることは滅多にありまへんな。
球団にも同じことが言えますが、奴らの契約関係において、その利害関係者は球団と選手のみという考えが常識になっているようです。
確かに契約当事者はその両者であり、それ以外に法的な利害関係者はおりまへんが、しかし奴らの間の金銭的関係は、先述の通りファンの存在が前提なわけです。
ファンによる物心双方のサポートがあって初めて、奴らの関係も存在するはずなんやけどな。
そのファンとは無関係なところで移籍が決まってしまう。
それが「ファン」のためと言うてた連中のすることか?
球団の対応が気に入らんかったら、そのファンにもバイバイするってか??
単に球団と選手の関係だけでなく、NPBにおける各制度の議論や制定にも、ファンの存在は考慮されていないようですな。
近鉄消滅の際に、ファンの強いサポートを得た選手会も、FA制度の議論において、ファンの意思を汲み上げようとする姿勢は見られまへん。
奴らの頭にあるのは、自分達の「移籍の自由」という権利拡大だけなんやろうね。
確かにドラフトで球団選択の自由がないだけに、一定期間で球団選択の権利付与という考え方を理解しないわけやないけど、その制度はファンの理解を得たものやないでしょうが…。
(選手会は「ファンが選手の移動に興味を持ってくれる」とか自画自賛しとるけど、それと支持とは全然違う次元の話やで)
確かに条件のええところを希望する気持ちは理解せんでもないけど、期限が来たらこれまでのファンとの関係を一方的に断ち切ってもOKやなんて。 ファンを置き去りにして決まった制度で、好き勝手に退団されてもなぁ…。
一方で、FA制度を正当化する方便として、「流出したスターに変わる人材は出てくる」というものがありますが、これはとんでもないデタラメやね(苦笑)。
福留の代わりがすぐ手に入るわけがないやん。
あれこそ現在のNPB最高の「5ツールプレイヤー」であり、FA補強した和田である程度埋めるとしても、絶対にマイナスは残りますわ。
それにFA連鎖で和田が流出した西武は、一体その穴をどうやって埋めるんやろね?
そもそも今季、イチローや松井秀がNPBでプレイしていたら、稲葉や村田のタイトルは一体どうなった?
そう思わせること自体、プレイヤーのレベルが下がっている証拠やと思うんやけどね。
スターの流出が、NPBの技術水準を下げていることは、絶対に真理です。
それなのにプレイのレベルは下がるが、入場料は下がらない。
ファンにとって、こんなバカバカしい話があるやろか??
これでプレイの水準を維持するために、例えば外国人枠を撤廃しろと言うても、選手会は絶対に了解しないでしょうな。
球団も選手会も、こうやってファンを愚弄し続けていることに、何の説明責任も果たそうとしてまへん。
今後、FA期間が短縮されることにより、選手育成の重要性は下がり、ますます出来上がった選手の獲得競争に熱が入っていくものと思います。
生え抜き選手は減り、MLBへの選手流出と育成力の衰退で技術水準がどんどん下がっていくであろうNPBに、これからどうやってファンは魅力を見つけていけばいいのやら?
そう言えば、サッカー界は選手の移動が激しいけど、サポーターの応援は熱いものがありますな。
ああいう姿勢を我々も学んでいくべきなんやろか。
…私には無理やな。
30年以上愛してきたプロ野球やけど、そのうち私の愛情も枯れることがくるのかも知れまへん。
それまでに、球界が、選手が、何らかの対応をしてくれたら嬉しいけど…。
全然期待できんわ(苦笑)。 |
11/12 福留FA
ずっと覚悟はしてました。
寧ろ、それがほぼ確実やとすら考えてきました。
しかし、いざそれが現実のものとなると、覚悟していたはずやのに悲しい。
辛いです。
やっぱり心のどこかで、「残留します」の一言を期待してたんでしょうな…。
よくプロ野球選手は、球団に帰属する「社員」やと捉えられがちやけど、実は奴らは「個人事業主」であって、球団側の保有権を除けば、球団と選手は対等な立場にあります。
「福留商店」や「岩瀬商店」が、それぞれの営業活動によって、その野球技術をいかに高く売るのか。
その交渉の場が契約更改であり、会社員がもらう給料とは性質が異なるわけです。
これまで球団側は福留の年俸を抑えるために、「球団内の年俸バランス」を持ち出していました。
球団の金庫に上限があるなら(私はそれに懐疑的やけど)、球団側の主張も、球団側にとっては正当なものやと思います。
福留に8億円、岩瀬に6億円、ついでに憲伸にも5億円出すことができれば、奴らのFA流出を阻止する可能性は高まるでしょうが、それは無理なことなんでしょう。
しかし福留にとっては、それは飽くまで球団側の事情であって、「岩瀬がトップでなければいけない」として、成績以外の理由で年俸を抑制されるのは納得できない。
単純に成績が悪かったから、逆に良かったから、年俸が決まるということなら、奴ももっと納得できたのと違うかな。
福留は中日球団の社員やなく、球団に技術を売っている取引先の立場なんやから、成績以外の理由で自分の利益が抑えられるのが我慢できなかったんでしょうな。
そして契約関係から考えれば、私は福留の主張が間違っているとは思わんのです。
球団首脳は「FA選手の場合、外から獲って来る選手と、内部の選手に対する提示額は異なる」とコメントしたみたいやけど、これは一見正しそうに見えても実は間違っとる。
FA権のない選手の年俸は、前年契約時の年俸を元に、今季の成績を加えて決定されます。
そして保有権がある限り、いかに契約更改の交渉が難航しようと、交渉は球団側主導で進められることが殆どです。
しかし一度、FA権を手にすれば立場は逆転し、選手が条件によって契約相手を選ぶことが可能となるため、交渉は選手側主導に進められることになるわけです。
この時、FA選手の価値(年俸)は、前年の年俸や今季の成績とは全く関係なく、FA市場が決定することになり、孝介の場合は巨人が年俸6億円?とかMLBが10億円以上を提示すると言われています。
これらの金額に対して、中日球団の提示は年俸4億円強と言われていますが、これは明らかに他球団の提示に対して見劣りしてますな。
福留は、中日球団を含めた複数の球団の中から、契約する相手を選択する権利を持つわけで、これだけ差があれば引き止めることは困難でしょう。
(会社員でも、仕事の内容がそのままで、給料を二倍をくれると言われたら、転職を考えますわな)
それを承知で条件提示しとるわけやから、球団としては最初から諦めているのかも知れまへんが…。
プロ野球選手は多かれ少なかれ、自己中心的な人間であり、その傾向は一流になるほど強いというのは、かつて楽天・野村監督が言った言葉です。
(恐らくはスポーツ選手には、総じてこのような傾向があると思われます)
「君が一番大事だ」とか「このチームは君が中心だ」とか、こういう言葉、こういう扱いが、奴らのプライドをこの上なく満たしてくれます。
例え球団の金庫には限りがあっても、せめて「金庫のカネをかき集めて、最大の金額を提示した」という姿勢さえ示せば良かったのに、どう見ても提示条件は従来の延長線上でしかないもんなぁ。
それでも「これがベストの金額」なら分からんでもないですが、その後、西武・和田の獲得が表面化するなんて…。
あのロートルに3億円出すとか、正直言うて全然納得できん。
しかも福留との交渉とは、全く別次元の話とか言うてるし…(さすがにこれはウソでしょうが)。
もし単純にその言葉が、和田に対して敬意を払った方便やったとしても、福留との交渉が終わらん間に表面化させたのは、交渉センスがなさ過ぎるで。
そんなカネがあるとしたら、何で福留や岩瀬、憲伸に出してくれんの?
生え抜きスターが流出しても、外部から補填するってか?
これだと福留が「オレがいなくてもいいんだな」と思うても、不思議やないと思いますわ。
それに例え福留が去っても、外野手はようやく芽吹いた若手がいる。
奴らのカベになる選手は、7番だけで十分やで。
そして生え抜きスターの引きとめには、もっと必死になって欲しかったわ…。
孝介。
ミスタードラゴンズとして、ナゴヤドームで引退式をするお前を見たかった。
分かっていたけど、お前の中日球団にはファンは含まれないんやな。
お前の主張は分かるし、間違っているとは思わない。
だけど、それでも出て行くというお前を、私は快く送り出すことができない。
もし国内の他球団に行くなら、ケガでもしてしまえと思う醜い自分もいる。
それでも9年間でお前が見せてくれた夢は本物であり、それに対しては深くお礼を言わせてもらうわ。
ホンマにありがとう。
そんな中で、岩瀬の残留が決まりました。
どんな裏事情があるのか知りまへんが、それでも嬉しい話です。
できれば引退まで、ドラの13番でいてくれたらありがたいんやけどね。 |
11/1 北海道日本ハムファイターズ (日本シリーズ)
TEAM |
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計 |
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日本ハム |
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ダルビッシュ(1-1)、武田久-鶴岡 |
中日 |
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1 |
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0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
5 |
0 |
山井(1-0)、岩瀬(2S)- 谷繁 |
[本]
その「瞬間」、私は壊れました。
ウッズが荒木からの送球を受けたその時から、溢れ出すもので選手達の歓喜を見ることができない。
これまで私は6度の日本シリーズを経験してきましたが、その度にドラゴンズはパ・リーグ王者に蹂躙され、折角のリーグ優勝の幸せな気分を台無しにされた気分でシーズンを終えるのが常でした。
自信満々でシリーズに挑んだ06年、ここでハムにボコボコにされた時には相当凹んだものです。
リーグ優勝は度々味わえるのに、日本一だけは遠い夢。
そして今季はリーグ制覇すら奪われ、またドラゴンズはアカンのかと…。
この日もダルビッシュは凄かった。
さすがに疲労のために第一戦ほどの球威はありまへんでしたが、抜群の制球力でドラ打線から三振の山を築き、つけ入るスキを与えてもらえまへん。
殆どワンチャンスやった2回裏、無死二三塁としながら打線は下位に向かうため、三者連続三振での無得点も十分あり得ると思うてました。
それくらいダルビッシュは素晴らしく、案の定、李は三振で一死。
しかし弱冠19歳の平田が、高めに浮いたストレートをライト深く犠牲フライを打ち込み、何とか1点を先制。
この大舞台で、よくぞこの若手が打ってくれたと思います。
4回表には、先頭打者・森本のセンターへゴロで抜けようかという当たりを、荒木が飛び込んで捕球し、不安定な体勢から一塁へ送球してアウト!
この走者を許せば、アウトカウントや打順を考えると相当ヤバかっただけに、非常に価値のあるプレーでしたわ。
やっぱりノッてる時の荒木は、走攻守に手がつけられまへんな。
ホンマに頼もしかった。
そして山井。
この日のスライダーは、正に魔球と呼ぶべき威力でしたな。
滝のように鋭く落ちる球筋に、ハムの打者は分かっていても全く対応できまへんでした。
制球の方もボールの威力に助けられつつ、殆ど危ないところがありまへんでしたな。
一人の走者も許さない空前絶後の投球で、8回まで投げ切ってくれました。
間違いなく、この日のヒーローは奴やったというのは衆目の一致するところやろね。
残り1回。
投手は岩瀬(私には予想通りでした)。
リードが1点しかなかったため、私ゃまだ勝利を実感できず。
二死に辿り着いて、ようやく「いよいよ」という感情が、爆発的に沸いてきたんです。
そして小谷野の打球が荒木からウッズに転送されて、私は…
ハムが弱かったとは決して思いまへん。
これまで6度シリーズに負けてきた中で、確実に力量が劣ることもありましたけど、そうではないと感じることもありました。
力量差はどうあれ、一度流れが確定すると、それを覆すことができないのが日本シリーズなんです。
勿論、ドラの選手達が平常心を保って実力を出し切ったのも事実やけど、ナゴヤドームの雰囲気に押され、ダルビッシュを相手に1点差で逃げ切れたというのも、そういう流れに乗っての結果やったと思います。
それでも勝った方が強い。
ドラは日本一になったんです。
リーグ連覇がならなかっただけに、まだ来季に向けての宿題が残ってます。
私にはリーグ優勝、CS勝利、そして日本シリーズ連覇という楽しみが、まだ残っていると感じてます。
まだまだ落合ドラゴンズを楽しめることを、嬉しく思いますわ。
ただし今はとにかく、53年という思い壁を打ち破った、中日球団に関わる全ての方々に感謝を。
本当にありがとうございました。 |
10/31 北海道日本ハムファイターズ (日本シリーズ)
TEAM |
1 |
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計 |
H |
E |
バッテリー |
日本ハム |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
7 |
1 |
●吉川(0-1)、押本、武田久-鶴岡、中嶋 |
中日 |
2 |
0 |
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0 |
1 |
0 |
1 |
0 |
x |
4 |
5 |
1 |
小笠原、○鈴木(1-0)、平井、岡本、岩瀬(1S)-谷繁 |
[本]
心臓がバクバクして、胃が口から飛び出しそうな厳しいゲームでしたが、それでもドラの選手達は当然のようにゲームを進め、きっちり勝ってくれました。
相手のミスや四死球から得点し、相手の攻撃を最小失点に抑える「The ドラゴンズ」のゲーム。
落合体制下での三度目の日本シリーズで、初めてドラゴンズの野球がグラウンドに展開されています。
逞しい選手達の溌剌としたプレーで、ついに第四戦にして手をかけた、53年ぶりの「日本一」。
これを感無量と呼ばずして、何と言うのか!
ハムの方は「らしくない」ゲームが続いてますな。
まぁ、同じタイプのチームの片方が、自分達の土俵で戦い出せば、片方のミスが引き出されるのは昨季のドラが証明したわけやけど、この日のタイムリーはたった一本。
あとはエラー、内野ゴロ、バッテリーエラーでの得点。
完璧にドラは自分達の野球を演じ切り、ハムはジリジリと後退していった印象ですわ。
また5回表の同点後、鶴岡に代打を出さなかった場面は、ヒルマン采配に謎が残りました。
あそこは鈴木の押し出し四球で、ドラが唯一致命傷になりかねないミスを見せた場面であり、終始ビハインドの展開を打破するべく一気呵成に攻めに出るべきやなかったか。
また好投の吉川の疲労度を見間違え、引っ張りすぎて変え時を誤った場面。
それぞれヒルマン監督の消極性が目立ったと思いますわ。
ヒット数でドラを上回りながら、結局は流れを掴み損ねたのは、そういう原因もあったのと違うかな。
ドラの方では、荒木とノリがMVP級の活躍やけど、森野の働きは見逃せまへんな。
特に5回裏、地面に届きそうなカーブを、片手一本でライト前に運んだ打撃は白眉でしたわ。
初球を同じカーブでとんでもない空振りをしただけに、ややコースが真ん中に寄ったとは言え、ハムのバッテリーが引っくり返るようなテクニックを見せてくれたと思います。
そして先述の荒木。
私ゃシーズン中は奴を散々に評しましたが、奴がこれだけ塁に出るといかに強いかというのを、まざまざと実感しますな。
来季はシーズン通して、この姿を見たいもんです。
これでエースセットアッパーの武田久も潰し、ダルビッシュ以外は殆ど一通りの投手を攻略しました。
またハムが掴みかけたゲームの流れも、最後まで野球をさせずに、自分の土俵で勝負することができました。
いよいよ残るは、明日のダルビッシュの攻略だけです。
それに成功すれば、待っているのは53年ぶりの、日本一の地元胴上げです。
確かに奴は難敵中の難敵やけど、今回は133球投げた後の中四日という要素があります。
ダルビッシュに球数を放らせながら、ドラ先発の山井(多分)が中盤まで踏ん張れば、終盤に勝負ができるはずです。
今のドラなら、それができると信じてます。
一方、ドラの先発やけど、ダルビッシュに憲伸をぶつけるべきという声もありますけど、中四日で無理をさせるより、万全の中六日で第六戦に起用した方が得策やと思います。
そうなれば札幌ではドラが憲伸−中田、ハムがグリン−スイーニーとなるはず。
ダルビッシュに負けて札幌行きとなったとしても、最大の敵がいない相手に万全の二本柱をぶつける方が、あと一つを確実に取れるのと違うかな。
第五戦に憲伸を突っ込むほど、ここで欲をかく必要はないと思います。
明日はひたすら山井の力投に期待したいですわ。
いよいよあと一つ。
皆、頑張れ !! |
10/30 北海道日本ハムファイターズ (日本シリーズ)
TEAM |
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計 |
H |
E |
バッテリー |
日本ハム |
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1 |
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0 |
0 |
0 |
0 |
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1 |
9 |
0 |
●武田勝(0-1)、スウィーニー、建山、押本、萩原- 高橋 |
中日 |
7 |
2 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
x |
9 |
12 |
0 |
○朝倉(1-0)、久本、平井、鈴木、岡本- 谷繁 |
[本]
帰宅中にワンセグで初回の猛攻を見てたんですが、日本シリーズで圧倒的に強いドラを初めて見て、目頭が熱くなったのはココだけの秘密です(苦笑)。
しかしハムに勝つには最高のゲーム展開でしたな。
序盤で大量点を奪ってしまえば、バント、盗塁、進塁打に連打を絡めて点を取るハム打線には、アウトを相手に与えることができなくなり攻め手がなくなるわけです。
実際に1番・森本が無死から二度出塁しましたが、井端に劣らぬ多彩な技能を持つ田中賢も、凡飛を打ち上げるだけに終わりました。
ハムも8安打したわけですから、本来ならもう少し点は取れたはずなんやけど、この攻め手のなさが得点を最小にしてしまったわけです。
さらに森本の内野安打2本を除けば、今日も一番怖いハムの1〜3番に仕事をさせまへんでした。
MVP選手の稲葉には危ない当たりもありましたが、やはり微妙にタイミングがズレてヒットにはならず。
これもヒットが出ない焦りが影響しているものと思います。
下位打線にはヒットを打たれたものの、この上位三人に仕事をさせなければ大丈夫でしょうな。
朝倉はどうしたんやろね。
事前に心配したような、抜け球のオンパレードで制球難に陥るような投球やなかったけど、球威が好調時に比べて足りないのは明白でしたな。
結局7回1失点でお役御免となりましたけど、先述の通り競った展開なら、もう少し点を取られてもおかしくなかった。
まぁ、恐らく日本シリーズでの登板はこの一回でしょうが、来季のことを考えると少々心配ですわ。
フィジカルが十分やないのかな??
それにしても、いきなりの7得点は圧巻でしたな。
特に、この日も四死球を足がかりにしての大量点であり、相手にこれ以上ないダメージを与える攻撃やったと思います。
しかも荒木がいきなり盗塁、ハムは奴を止められないことでパニックになっているでしょうな。
とにかく奴の出塁がハムの立ち上がりのペースを乱しているのが、非常によく分かりますわ。
(昨年の森本に対するドラの恐怖感が、今年はあちらに行っているものと思います)
そして4番が初打点を挙げ、初出場の平田も含めた5連打+2安打。
しかもハムの先発要員の、武田勝とスイーニーを同時に沈めるという、このシリーズ全体を見渡しても実に効果的な攻撃やったのと違うかな。
ウッズは内角攻めに苦しみ、ステップ時の踏み込みが足らないため、外角で仕留められる状態やけど、一本タイムリーが出たことで少しは楽になってくれたらええけどね。
問題は明日の先発やね。
ドラは山井か小笠原か。
読めないのはハムの先発で、スイーニーをこの日使ってしまっただけに、事前の予想投手がいなくなってしまいました。
候補としては、金村、八木、吉川とおりますが、一体誰になるんやろ。
いずれにせよドラの打線には影響ないでしょうし、ドラの先発に対しては格落ちになるはず。
第五戦のハム先発はダルビッシュやと読んでますんで、それまでに王手をかけておきたいところ。
…ここで強気なことを言えば、例え第四戦、第五戦(ダルビッシュ)と連敗したとしても、残りの二戦は憲伸と中田を中六日で使えるため、この勝利でドラが優位になったのと違うかな。
もしナゴヤドームでダルビッシュが起用されなかったとして、それでも二つ負けるようではシリーズには勝てまへん。
とにかく、このままハムが眠っている間に寄り切ってしまいたいですわ。
■平田
平田ウォッチャーとしては、この日のフォームも注目しないわけにはいきまへんでした。
毎回、ずいぶん変わりますな(苦笑)。
【10/7 vs BS】
(横浜)
|
【10/30】 vs F
(ナゴヤドーム)
|
奴をチェックする時のポイントは二つ。
@上げた左足の降ろすタイミングと軸足への重心の
かかり方。
Aカベを作ろうとする左肩の捕手側への入り方。
この二つの点で、この日は@については悪くなかったと思いますが、左の写真の通り、この日は背中全部が投手に見えるくらい左肩が入ってました。
これだとバットはスムーズに出てきませんので、打てるボールは甘いコースの変化球しかありまへん。
また身体の軸も倒れてますな。 |
このフォームなら、ボールに差し込まれてバットが下から出てしまいますわ。
立浪が一生懸命教えてるようですので、シリーズ中に修正されたら嬉しいんやけどね。
まぁ、もし打てなかったとしても、この経験は奴にとってきっと大きな財産になるでしょう。 |
10/28 北海道日本ハムファイターズ (日本シリーズ)
TEAM |
1 |
2 |
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4 |
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9 |
計 |
H |
E |
バッテリー |
中日 |
1 |
0 |
0 |
3 |
0 |
2 |
2 |
0 |
0 |
8 |
8 |
0 |
○中田(1-0)、石井、クルス、高橋-谷繁 |
日本ハム |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
4 |
0 |
●グリン(0-1)、吉川、押本、菊地、山本、萩原-高橋 |
[本] 李1号2ラン、森野1号2ラン/セギノール2号ソロ
ええ勝ち方やったね。
ある程度やれる事をやって、相手の攻め手は殆ど封じて見せたことで、この日の勝利は相手にプレッシャーもかけたのと違うかな。
1・2番による足攻、四球から得点、そしてホームランでトドメと、攻撃側は理想的でした。
またハムの攻撃に対しては、中田の攻撃的な投球でほぼ完全に沈黙させたほか、多彩な攻めをしかけてくる森本・田中賢の1・2番コンビにも仕事をさせまへんでした。
セギノールには一発を食いましたが、抜けたフォークを打たれたものであり、厳しい場面ならストレートで抑え込めたと思いますので、問題視はしてまへん。
この第一戦、第二戦を通じて、ダルビッシュとセギノールの二人以外には仕事をさせず、ハム本来の強みである組織を一度も機能させてないことは大きいと思いますわ。
何より結果が出ていないという事実は、ハムの選手達を追い詰めていきますからね。
勝因は何と言うても中田の好投に尽きますな。
この日も内角をストレートでグイグイと抉る、攻撃的な投球を展開。
ピンチでも変化球に頼ることなく、あくまで配球の軸はストレートであり、この投球にハムの打者は殆ど対応できまへんでした。
この日のポイントとして、奴が走者を出した際の投球にあると思うてたんですが、得点1-0の3回裏には森本を内角ストレートで中飛、田中賢をストレートで追い込んだ後フォークで三振と抑え込みました。
そして私が一番注目した6回裏、無死から森本の内野安打を許した場面では、田中賢との間でエンドランを仕掛けられましたがノリの美技で一塁を封じることができましたな。
実は私は、ハム打線のキーマンはこの田中賢やと思うてたんですが、第一戦でのプッシュバントは荒木が、そして第二戦ではこのノリが各々ファインプレーで防いだのは非常に大きかったと思いますわ。
結局、中田がピンチを感じたのはこの6回のみで、ハム打線を力づくで抑え込むことに成功しました。
勝負を分けた4回表、微妙な判定をことごとくボールにされたグリンが、熱くなりやすい悪癖をさらけ出してしまい、四球を連発しましたが、ここで大事やったのはドラ打線がボール球に手を出さなかったこと。
これはセオリーなんやけど、グリンのボールは決してボールとストライクが明確やなかっただけに、見極めは難しかったはずなんや。
しかし各打者ともに、ボール球に幻惑されずに四球を選んでくれました。
もちろんタイムリーを打ったノリは見事(まぁ、配球は偏ってたね)なんやけど、こうして四球から得点するというドラ野球を完遂できたのが大量点に繋がったと思いますわ。
第三戦の先発は、ハムの武田勝は予想できるけど、ドラの方は朝倉?山井?小笠原?
とにかく野手の方は状態がピークに近いと思いますんで、投手陣の踏ん張り次第になると思います。
そして昨季のように、つまらんミスをしないこと。
さぁ、突っ走れ!ドラゴンズ! |
10/27 北海道日本ハムファイターズ (日本シリーズ)
TEAM |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
計 |
H |
E |
バッテリー |
中日 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1 |
4 |
0 |
●川上(0-1)-谷繁 |
日本ハム |
3 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3 |
2 |
0 |
○ダルビッシュ(1-0)-鶴岡 |
[本] セギノール1号3ラン
いよいよ開幕しました、2007年度日本シリーズ。
セ2位チームながら出場のドラやけど、レュギラーシーズン一位ではないチームの出場が初めてというわけでもないし、ここまで来たら無条件で応援するしかないという境地に達しましたわ。
斜に構えてたら、必死にプレーしている選手達に申し訳ありまへんし。
精一杯戦って、この選手権を勝ち取ることができるよう、チームを全力で後押しするつもりです。
だから今度こそ日本一を頼むで、落合監督。
結果から言うと、ドラは初戦を落としたわけやけど、落合ドラゴンズでの3度の日本シリーズのうち、選手の動きで言えば今回が一番やないかと思いますわ。
確かにダルビッシュは予想通りパワフルな投手で、日本代表のエースに相応しい投球やったと思いますが、ドラの選手達はいきなりの3点ビハインドという状況下でも、浮き足立たずにプレーできていたと思います。
特に荒木、藤井の好プレーや、1・2番コンビで決めた内野安打でのヒットエンドランは、ハムにドラの野球を十分示せたものと思います。
04年も06年も、最後まで自力を十分発揮できないまま敗れた苦い経験があるだけに、初戦での手応えとしては悪いものではなかったのと違うかな。
ハムの方は、ダルビッシュの力投で勝ったとは言え、自分達の野球自体はできないままゲームが終わってしもうた。
一つ勝って落ち着いたところもあるかも知れんけど、やはりハムらしい野球で1点取るまでは地に足が着かんところもあるのと違うかな。
その辺から切り崩せたら…とは期待しとります。
ゲームとしては、初回の両エースの立ち上がりが明暗を分けましたな。
いきなり150kmオーバーのストレートを連発し、力でドラ打線を沈黙させたダルビッシュ。
こんな投球が9イニングも続くわけがない、配球を変えてきた時が勝負やと思うてたんですが、実際に変化球が増えた中盤以降もあと一押しをすることができまへんでした。
やはり最初にストレートの強烈なイメージが植えつけられただけに、「ここは変化球!」と思うてもそれを狙い切れんかった。
奴との次の対決でも、このイメージはなかなか払拭されんと思いますが、思い切って狙い球を絞って欲しいもんですわ。
一方の憲伸は、警戒すべきハムの上位打線に対して、できるだけ慎重に対応しようとするためか、投じたボールは微妙にストライクゾーンから外れ、腕を思い切って振り切れないためかストライクゾーンのボールはファールされてしまう。
こうしてカウントを悪くしてしまい、四球二つで一死一二塁のピンチ。
ここでインハイを欠点とする四番・セギノールに対して、カウント2-0から釣り球としてインハイを狙って投じたストレートが、真ん中高めに入ったところを致命的な3ランを喫してしまいました。
その後は相手を見下ろすかのような投球で、結局は被安打2で残り7イニングを無失点と、ほぼ完璧な投球を見せただけに、悔やまれる一球になってしまいました。
ただし、ハム打線に対して「川上組し易し」とのイメージは抱かれなかったはずであり、次の登板があれば抑えてくれる可能性は高いと思います。
【一言コメント】
■荒木 |
相手のスキを突く走塁と、田中賢の嫌らしい攻めを防いだ守備はさすが。 |
■立浪 |
狙い球を絞れず。らしくないなぁ。 |
■藤井 |
初出場ながらセギノールの打球を好捕。打席でも落ち着きあり。 |
■堂上剛 |
狙い球を待って好打を見せた。ダボハゼの悪癖を課題として修正してきみたいやね。 |
さて第二戦の先発は、中田とグリンやろか。
中田には、憲伸のような走者を出さない投球はできないだけに、ハムのバントや進塁打によるしつこい攻めをどう凌ぐかがポイントになります。
奴に必要なことは「攻める」こと。
思い切って腕を振れば、制球もそれなりに安定するでしょうし、ダルビッシュに劣らないストレートが打者のバットを掻い潜るはずですわ。
頑張れ! |
10/20 読売ジャイアンツ 4-2 (クライマックスシリーズ)
○ 中田 1-0 S 岩瀬 0-0-3S / [本] ウッズ2号3ラン、谷繁1号ソロ
阪神を2タテ、巨人を3タテと、圧倒的な力でクライマックスシリーズを制し、日本シリーズで日本ハムに二年連続で挑戦する権利を得ることができました。
これは、ドラの選手達が今季最高のパフォーマンスを見せた結果として得られた権利だけに、胸を張って札幌へ行けるはずです。
これで今季も最後まで野球を堪能できる、今はこのことを素直に喜びたいと思いますわ。
一方、大嫌いな巨人に対しては「ざまミロ」という強い嘲りを抱きつつ、やはりリーグの覇者が日本シリーズに出場すら許されないという不条理に、敬意と同情を禁じ得まへん。
日本シリーズ出場は嬉しい。
しかし日本シリーズへは巨人が出るべきやったという気持ちは、永遠に拭うことはできんと思います。
覇者への敬意の印として、ドラはクライマックスシリーズ以上のテンションをもって、全力で日本ハムにぶつかることを誓いまひょ。
安易な言葉やけど、それしか巨人の選手に報いることはできんでしょうから。
このシリーズに臨むにあたり、私の事前の展望は、巨人の試合感覚が戻るのが第三戦あたりを予想してましたので、必要なことはそれまでに先制パンチを食らわすこと。
投手陣は、できるだけ巨人の強力打線の目覚めを遅らせるべく、様子を見るような投球はせず、力づくで打者を抑え込む。
まぁ、これらは誰もが考えることであり、ドラの選手達は基本的にこのミッションを達成したと思うんやけど、監督は第一戦の先発を左の小笠原を起用することで、ゲーム前に相手の心理を乱すことに成功しました。
事前の阪神戦で奴を起用しておき、第一戦の先発の可能性を消しておくという念の入れ方で、初めて監督の短期決戦用の采配を見ることができました。
さらに、レギュラーシーズンで見られない早目の継投や、今までの日本シリーズでも見られなかった使えない選手の選別(今回は岡本)など、今回は監督自身にも変化が見られました。
これがシリーズを制した大きな要因であることは、間違いないところやと思います。
第三戦、この日の中田は、プロ入り以来最高の投球やったのと違うかな。
ボールの球威自体も良かったけど、この日一番良かったのは、間違いなく奴が打者と闘っていたことやと思います。
ご存知の通り、奴の制球はアバウトなものでしかありまへんが、何も考えずに投球できる下位打線に対してや、無走者の場面では、思い切って腕が振れるため威力のあるボールがストライクゾーンに収まってます。
大事なことは、そのボールのコースが少々甘くても、球威で打者を捻じ伏せることができるということなんやけど、これまではピンチや相手の中軸打者に対しては、必要以上に慎重となって制球を気にしすぎて腕が振れなくなることが多かった。
しかも捕手である谷繁が、中田の売りであるストレートで勝負せず、スライダーでかわすことを要求することが多かったため、カウントを悪くして打たれるのが悪いパターンやった。
ところがこの日は、ピンチでも谷繁が要求したのが徹底してストレート。
そのボールで簡単に巨人打線を押し込むわけやから、奴のストレートを最後の最後で生かすリードやったと思いますわ。
8回裏のピンチでストレートを連投し、小笠原と二岡から三振を奪ったのは、この日のハイライトでした。
さて今季も日本ハムとの対戦やけど、昨季と違うのは今回の事前予想が圧倒的にハム有利とされてることやろね。
私も勝ち目があるとは思えまへん。
それをどう打開していくのか、これから考えてみたいですわ。
■平田
期待してたんやけど、打つ方では十分な結果を出したとは言えまへんでした。
事前に掲示板では、懸念されることとして浜スタでのフォームが付け焼刃であることを指摘してたんやけど、この危惧が見事に当たってしまいましたわ。
【10/4 vs C】
(ナゴヤドーム)
|
【10/7 vs BS】
(横浜)
|
【10/20 vs G】
(東京ドーム)
|
右に奴の打撃フォームを並べてみましたが、浜スタと東京ドームでは一見違いが分かりまへん。
これは絵を動かすと一目瞭然になるんやけど、決定的に異なるのは上げた足が東京ドームではすぐに下りてしまい、軸足に重心を乗せられなかったことですわ。
10/4ナゴヤドームと同様に、重心がステップする左足に移るのが早いため、タイミングの変化に対応することができまへん。
浜スタでは、上げた足がスイングを開始するまで上がり続けており、軸足に力をキープしたままボールを待つことができてたんやけどね。 |
良いタイミングの取り方をしてたものが、長年のクセの中ではしっくり来なかったため、身体に定着させることができずに元に戻ってしまった感じですわ。
もう一つは、浜スタの写真では背番号があまり見えんものが、東京ドームでははっきり「8」が見えてますな。
これはアウトステップで左肩まで開いてしまうことを防ぐために、左肩を捕手側に入れてるものと思いますが、このためにバットの出が悪くなってます。
内角に全く対応できないのはこのためですな。
このように、インスタントに覚えたフォームは忘れるのが早いと思うてましたが、予想通り見事に崩れてしまいましたわ(苦笑)。
修正ポイントは明らかなんやけど、もし日本シリーズでも起用するつもりなら、何とかして欲しいところ。
現状なら藤井を使う方が、戦力になりそうやけど…。 |
10/13 阪神タイガース 7-0 (クライマックスシリーズ)
○ 川上 1-0 / [本] ウッズ1号ソロ、森野1号ソロ
いよいよクライマックスシリーズとやらが始まりましたな。
まぁ、ゲーム後の今でもモヤモヤした気分が残っていますが、やはりドラの真剣勝負を見るのは私の至上の喜びやと再確認しましたわ。
やはり憲伸のガッツポーズに熱くなり、ウッズのホームランに拳を振り上げる、この日もそんな日常が私に帰ってきたわけです。
レギュラーシーズン二位チームのファンに、そういう楽しみを最後まで与えてくれるという意味では、クライマックスシリーズに感謝、なんやろねぇ…(苦笑)。
ゲームについて、まずは憲伸の快投に触れるべきでしょうな。
今季は朝倉や中田が内容的に奴を上回りましたが、それでもビッグゲームを任せるべきは、やはり奴しかおりまへんでした。
140km台後半のストレートとキレキレのカットボール。
これで内外角をワイドに攻めて、合間に効果的にカーブやフォークを配する完璧な投球でした。
高低を誤ることはあっても、内外角のコースを誤ることは殆どなかったと思いますわ。
元々、シーズン後半からはボールに球威が戻っており、これくらいの投球はできる状態にありましたが、相手のワンチャンスでポロッと失点してしまうため、イマイチ安定感がなかったんやね。
これは多分、調子が上がってくるまでに散々打たれたことで、奴の自信が揺らいでるためやと思うてますが、この日はそんな場面すらなかったためスイスイと7回を投げきりました。
(したがって次の登板があったとしたら、ここまでの快投ができるかどうかは微妙)
この日の投球が本物なのかどうかは、次の登板で試されるでしょうが、少なくともこの日のヒーロー一番手は奴で間違いないやろね。
攻撃の方では、荒木のエラー出塁を足掛かりに、盗塁⇒井端進塁打⇒森野タイムリー⇒ウッズのツーランと、効果的に3点先取したのがゲーム展開を決定的にしました。
特に森野は、久保田からも内角高めを決め打ちでスリーランしましたが、奴の働きも見事でしたな。
打線の並び的にも、攻撃バリエーションの点からも、シーズン終盤から森野−ウッズ−ノリに打順を変えたのはヒットやったと思います。
5番・森野でウッズを生かそうとするより、4番・ウッズの前で森野のバットを生かす方が、今は効果的でしょうな。
ウッズの後だと森野にマークが集中するけど、ウッズの前ならマークは抑えられる。
打順に関係なく打てるノリを5番に置けば、1〜4番まで右打者が並ぶこともなく(5〜6番は左が並ぶ)、そして森野のバットも生きる。
これで、ようやく2007年度版のベストオーダーを見つけたというところやろか。
注目していた平田はノーヒットでした。
2死四球で2打数しかなかったんで、結果を云々する必要はないかも知れまへんが、気になったのが奴のテークバックです。
前回の戯言(横浜戦)では奴のステップのみを取り上げましたが、実はテークバックも変わってます。
バットの向きを見れば一目瞭然で、広島戦では一塁ベンチに向いてたものが、横浜戦では背中側に向いてました。
バットはヘッドが前に倒れるとコックした状態になり、スムーズにスイングに移れまへんが、逆に背中に倒すと自然にバットを引っ張ることができるます。
これがクルーンの超速球を打てた理由の一つやと思うてるんですが、この日はバットが直立した状態でのテークバックでした。
これが私には少々気掛かりなんやけど、杞憂に終わればええなぁ。
守備の方は守備範囲も広く、上々のプレーを見せてくれたと思います。
明日は奴の快打が見たいところやね。
さて、あと一つ勝って巨人との対戦を決めまひょか。
頼むで、中田。 |
10/7 横浜ベイスターズ 4-6
● 山井 6-4 / [本] 森野18号ソロ
この日は07年最後の生観戦を目指して横浜スタジアムに行ったんですが、行列の長いこと、長いこと。
挫折して帰宅、結局はTV観戦となってしまいました(苦笑)。
あー、しばらく見られんし、一番見たかった良太と平田がスタメンやったし、プロ野球見たかったなぁ。
しかし横浜は最終戦でもないのに、何であんなに客入り良かったんやろ…?
それにしても、このゲームに関しては勝敗はどうでもええけど、今季を象徴するようなミスのオンパレードはいただけない。
「調整試合」と捉えて気合が入らんのかも知れんけど、相手に「弱い」と思われるようなゲームはして欲しくないわ。
いつでもモラルの高いゲームをするのが落合ドラゴンズ。
そのスタンスだけは崩したらアカンで。
さて、この日最大の見ものは、何と言うても平田でしたなぁ。
先発右腕、サイドスロー右腕、そして158kmクローザーを相手に4打数3安打(凡打もライナー)。
文句なしの結果、そして内容も素晴らしかった。
テストモードでの結果やけど、監督はこれをどう見たやろか。
このままクライマックスシリーズで使える!とさえ思わせる、強烈なインパクトがあったと思うんやけど。
クルーンの158kmストレートを弾き返した、スイングスピードの速さが奴の最大の魅力やけど、この日一番評価すべきなのは木塚から打ったヒットやないかな。
スピードはあるけど制球はアバウト、勢いが武器の高崎よりも、内外角をワイドに使う変則サイドスローの木塚の方が、初対面の打者には圧倒的に対応するのが難しい。
木塚は教科書通りに内角をストレート、シンカーで攻めた後、決め球にスライダーを投じてきましたが、それにきっちり合わせてセンター前に落としたのは、高等技術として評価されるべきやと思います。
【10/4 vs C】
(ナゴヤドーム)
|
【10/7 vs BS】
(横浜)
|
この日は、いろんなタイプの投手、いろんな球種に対応して見せた平田やけど、今回の昇格当初は全く一軍のボールに対応できる気配がありまへんでした。
左の広島戦の写真にあるように、左足のステップはスリ足なんやけど、重心がステップの際に軸足に乗り切らず、トップが作れないため、打てるタイミングの幅が狭かったんですな。
これが神宮あたりから、ステップする左足を上げて重心を軸足に十分乗せるようになりました。(右の写真)
これが自身の工夫なのか首脳陣の指示なのか分かりまへんが、昨季から奴に必要なのはトップをきっちり作ることやと思うてましたから、これは大当たりでしたわ。
同じく今季初安打の堂上剛も、デビュー当初は爆発的に打ちましたけ |
ど、フォームに穴が見えていただけに、その爆発力が失われるのは予感できました。
しかし平田の場合は、まだ内角に不安を抱えていますが、堂上剛ほど決定的な穴ではないように感じられるだけに、クライマックスシリーズの救世主として期待してしまうんやけどな。
最後に守備の方やけど、打球勘は悪くないし、球際も弱くない。
足もそこそこ速いから、守備範囲もそれなりにある。
故障暦のためか肩の方は大したことないけど、一軍の外野手としては平均的な守備力は備えてるように感じます。
一つ課題を言うなら、ボールの落下点への入り方、捕球姿勢が良くないことがあり、スムーズな返球ができないケースが見られました。
これらは経験不足が原因やと思いますんで、練習量によって解消していって欲しいもんです。
それにしても良太は大丈夫やろか。
あれでヒジを骨折してたら、その後の選手生命に影響するかも知れんからなぁ…。 |
9/14 阪神タイガース 7-5
○ 岡本 5-2 S 岩瀬 1-4-38S / [本] ウッズ 34号2ラン
9月に入って打線が沈黙し、かつ横浜に負け越し。
好投手をズラリと揃えたタイガースに対し、今のドラ極貧打線では圧倒的に分が悪いと、戦前は確かに私も思うてました。
勝ち目があるなら先発投手がひたすら耐えるしかないと、そう予想してたんやけどね。
ただし一方で、何かが起こるとしたら、眼前に宿敵を迎えた時に王者の意地が覚醒する時やと、そして我がドラゴンズはそういうチームのはずやと心の底で信じる気持ちもありました。
竜が目覚めれば勝てる、しかし眠ったままならそのまま死すのみと。
そしてゲームは果たして…。
久保田を打ち、そして藤川を沈めた我が四番・ウッズ。
ホンマに素晴らしかった。
久保田から打ったホームランは、いつもなら奴が100%空振りするコースであり、それを分かっているからこそ矢野が要求したボールでした。
しかしそれを乗り越えて、やや詰まりながらも一発で仕留めた奴のケタ外れのパワーに、最敬礼したい気分ですわ。
そして次に対するは、タイガース、いや日本の誇る絶対的クローザー・藤川。
立浪が冷静に配球を読んでクリーンヒットで出塁、荒木のヒットで一死一三塁のチャンス。
ここで藤川が投げ込む高めのストレートに対し、非力な荒木でも空振りしなかったことから、この日の藤川のボールはそれほど走っていないと感じました。
続く打者はノリ。
この場面では、三塁走者にはゴロGOを指示すべきやと思うてましたし、実際その通りになったんやけど、ここで走者の英智が簡単にアウトにならなかったことから、走者を二三塁に残すことができたのは、後々地味に効果が出たと思います。
そして真打のウッズが打席に入るわけですが、一塁が空いていることから敬遠も考えられる場面であり、少なくともストライクは不要と考えられました。
しかしここで阪神バッテリーは、意外にも真っ向勝負を選択しました。
ウッズは顔辺りの高さのストレートを二球空振りしましたが、後は外角のストレートをファールでタイミングを計る。
先に書きましたが、これまでの奴は久保田や藤川の高めのストレートを全く打てず、来るのが分かっていてもバットにかすりもしない状態でした。
そして藤川に対しては高めで空振り二つ。
ここはストライクが要らない場面だけに、低めに外れていくフォーク、あるいは身体に近い内角高めのボールゾーンへのストレートで、十中八九空振りしたはずですわ。
ところが阪神バッテリーは徹底的に外角へのストレートで勝負。
勝負する必要もないし、しかも同じコースに同じストレートを揃えてきただけに、さすがにウッズもタイミングが合い始め、そしてついに11球目をセンター前へ2点タイムリー!
苦手を攻略したウッズの意地と疑問の残る阪神バッテリーの配球のお陰で、ついにJFKのうち二枚を攻略し、勝ち越しに成功した瞬間でした。
このゲームの意味は、両チームにとって非常に大きなものになったと思います。
このゲームのヒーローは間違いなくウッズやけど、地味に中盤を抑えた久本も殊勲者と呼ぶべきでしょうな。
今季の奴はイマイチ球威に欠けるんやけど、この日は内外角の制球力が素晴らしかったと思います。
これだけ競った展開で、常にこれくらいの投球をしてくれるなら、奴は十分セットアッパーとして使えるはずなんやけどね。
素晴らしい逆転勝ちの裏側で、私ゃ8回裏のベンチワークには疑問を呈したいと思います。
阪神打線は二番・四番に左打者が並んでおり、最近の岡本の不調を考えれば、負担を減らす意味でも高橋聡で金本まで勝負し、その後を岡本にスイッチすれば良かった。
エース・セットアッパーの岡本は、必ず8回の1イニングを投げ切らないかんのか?
もともと奴は制球力がアバウトで、フォークのキレと球威あるストレートのコンビネーションで抑えてきた投手でありながら、今季は球威もフォークのキレも良くない。
相手の打ち損じを待つ状態になっとるのに、大事な8回を奴に任せるのは厳しいと思うんやけどな。
そして一死二塁で迎えた金本に対し、真っ向勝負してレフト前に落とされ、同点にされてしまったわけやけど、あそこは勝負する必要は全くなかった。
阪神打線のポイントケッターは金本一人と考えて良く、後続の打者は攻め方を誤らなければ打たれるはずのない連中が並んでた。
それだけに逆転の走者を出してでも、金本は敬遠すべきやったと強く思いますわ。
先日の巨人戦では二死二塁から二人を敬遠するという策を見せたのに、今回は正直に勝負するとはね。
阪神は今後、ウッズとの勝負を徹底的に避けるでしょうが、同じようにドラも金本との勝負は避けるべきや。
残り試合も負けるわけにいかんし、考えてもらいたいところやけどな。
さて、朝倉の突然の乱調で大逆転を食らいながら、阪神の絶対的勝ちパターンをぶっ倒しての逆転勝利は格別でしたな。
とは言え、状況は未だにタイガース有利であり、土曜、日曜も絶対に勝ちたい。
選手達の奮戦に期待します。 |
9/8 東京ヤクルトスワローズ 5-2
○ 岡本 4-2 S 岩瀬 1-4-35S / [本]
ウッズが抜け、5番・李となったスタメンを見せられた時には、さすがに観念しました。
ヤクルト先発の好投手・川島に対して、「これでどうやって点取るの?」という絶望的なラインナップ。
(ちなみに三戦目のヤクルト先発はグライシンガーとか。ええ加減にしてくれ…)
いくら何でも勝ち目ないわと思うてました。
いやぁ、野球て分からんもんやね。
勝ち目があるとしたら、川島にはスタミナに不安があるということと、ヤクルトには固定されたリリーバーが存在しないということやと思うてました。
だからこそ、投手が終盤まで最小失点で頑張ること、そして打線は一球でも多く投げさせることが重要やったわけです。
その点では、小笠原は頑張りました。
ガイエルの一発が少々もったいなかったけど、7回1/3で2点は合格点やと思います。
奴はストレートにかなりキレが出てきて、特に右打者の懐に投げ込むクロスファイヤーには、必殺の威力が出てきましたな。
ローテーション谷間の投手が、今やエース格までのし上がって来た感じですわ。
一方で打線はさっぱりやったね。
6回まで李のバントヒット1本しか打てんのやから、お話にもなりまへん。
ノリのヒットに相手のミスをもらって、7回にようやく1点取りましたが、川島を降板させるのが遅くなって、残りイニングが少なくなったのが不安材料でした。
ヤクルトのリリーバーに不安があるとは言え、川島は80球で6回降板が理想やったからね。
しかしノリはよくぞ打ってくれた。
無死一三塁のビッグチャンスを掴みながら、荒木、森野と全く仕事ができずに二死一二塁。
これでノリにかかったプレッシャーは相当なものになったはず。
それをボールが甘かったとは言え、一気に逆転するタイムリーを放つわけやから、さすがに元二冠王。
この一打こそ、奴がその強い精神力を見せたものやったと思います。
奴が入団した頃はそれまでの奴の自分中心な考え方に対し、私には強い拒否反応があったわけやけど、今季奴が見せてきた「無私」のプレー、口先だけやない勝利への執念を見て、ようやく最近は奴をドラに必要なメンバーとして、受け入れることができるようになりましたわ。
8回の大ピンチに見せたファインプレーも見事であり、この日のヒーローは紛れもなく奴やったと思います。
そのノリは、打撃スタイルを最近変えてきたように見えます。
全盛時の奴は強靭なリストのパワーで長打を量産してきたわけやけど、故障でそのパワーを失ったため、ずっと新たなスタイルを模索してきたのと違うかな。
具体的には、ミートポイントを投手側にズラしたようですわ。
手首に負担をかけず、遠心力でライナーを打つのが、奴の新打法やないかと思います。
したがって軸の回転が直立しないため、打球は上がりにくく本塁打は減る(特に右方向)でしょうが、打率は上がるし外野を割る打球は増加するはずです。
後半になって奴の状態が上がってきたのは、この打法が定着してきたからでしょう。
故障が気がかりやけど、奴の今後が楽しみですわ。
しかし阪神は強い。
JFK以外に、ダーウィン、渡辺、江草、上園…。
打線はそこそこやけど、あの投手陣は12球団ナンバーワンでしょうな。
あのチームに勝っていかんと優勝はないわけで、これは相当ハードルが高いと思いますわ。
まぁ、先日の巨人戦で、私ゃ半ば折れてしまいましたが。 |
9/2 広島東洋カープ 2-6
● 中田 11-7 / [本]
前田2000本安打フィーバーにボロボロにされたような週末でしたな。
前日の大逆転負けに続いて、この日はフィーバー渦中の前田にボコボコに打たれての2安打負け。
勝機は…若干あったけど、そこで策が当たったとしても勝てたかどうかは微妙やったかなぁ。
確かに大竹は良かったけど、こんな風に力負けする投手やないと思うたんやけどね。
何かグラウンドやベンチに活気がないというか、ドラの選手がかすんで見えるとというか…。
そもそも三連戦の緒戦も朝倉の頑張りでモノにはしたけど、チーム全体には力強さは感じられなかったですから。
落合体制になって初めての感覚ですわ、こんなに頼りないドラゴンズは。
中田は悪かったですな。
軸足に力がない感じで、制球が全く定まらない。
また生命線のストレートに威力がないためか、配球が変化球に偏り、これがボールになることで投球そのものを苦しくしてましたわ。
(元々奴の制球はストレートの方が正確なんやけどね)
上位打線の出塁を許しては前田に痛打される、広島にとっては理想的な展開で、勝機はどんどん薄くなっていったように思います。
最近の中田はそれなりに安定した投球を見せてくれていただけに、前日の小笠原ともども、この豹変ぶりには少々ショックを受けてしまいました…。
今、一番安定感のある先発三枚で、広島戦はあわよくば三タテを期待してたんやけどね。
唯一勝機を掴めたかも知れなかったのは、6回表・二死満塁の場面でしたな。
左投手の佐竹に対して、左打者の李をそのまま打席に送りましたが、あそこは代打・立浪を送るべきやったね。
もう李の起用については諦めてますし、あそこも代打は送らんやろと予想はしてましたが。
ホンマの決定機では李は打てん。
そこまで打てるほどの信頼感は奴にはないはずやけど、それでも「打たさざるを得ない」のか?
まぁ、チーム内には奴の扱いについて説明済みなんでしょうが(個人的推測)、こんな状況下でも起用法を貫かないかんと思うと辛すぎますわな。
来週からは本拠地での9試合。
初っ端の巨人戦は、今季の趨勢を決定付ける三連戦になるかも知れない、本当の天王山です。
幸運なことに相手の巨人は、ナゴヤでの三連戦の後に東京ドームで阪神を迎え撃つことになっており、高橋尚と内海をドラにぶつけることが難しいかも知れまへん。
一方のドラは、ひょっとして昌は広島で使って中田を巨人にぶつけるかと思うたんですが、前回同様に山井−昌−憲伸の三本になりそうですな。
今のドラはリリーフ陣が不安だらけで、勝つには先発が7〜8回を抑えるしかないため、先発予定の三人には死力を尽くして頑張って欲しいわ。
頑張れ、ドラゴンズ! |
8/25 阪神タイガース 0-2
● 小笠原 6-4 / [本]
このゲームは勝たないかんかった。
あれだけ先発投手がスーパーピッチングを見せたんやから、それを生かす必要があった。
「生かす」というのは、その先発投手たる小笠原を勝たせることやなく、チームが勝つこと。
それを全て無に帰したのは、落合監督やったと断じます。
この日だけは監督の判断を、はっきり糾弾させてもらいますわ。
8回表、無死三塁のピンチを三者連続三振で切り抜けた小笠原には、さすがに熱いものを感じました。
既に投球数が100球を超えてきた時点での、絶体絶命の場面で見せた熱投には、見る者の心を揺さぶるものがあったと信じます。
そして奴はあの場面、120球余の投球数で完全燃焼した。
だからこそ奴には、上位打線から始まる9回の阪神打線を抑える余力は、残ってなかったはずですわ。
それなのに監督は9回も奴を続投させた。
奴に決着を着けさせたい、勝たせたい気持ちからそういう判断をしたんでしょうが、直前の投球を見ていただけに私は無謀やと思いました。
「情にほだされた」、そう感じたわけです。
案の定、小笠原は一死一三塁の大ピンチを迎えてしまいました。
シーツを迎える頃には投球が真ん中に集まり、ガス欠は顕著になっている状態で、金本を敬遠したところで監督は奴を降板させました。
しかし私は「ちょっと待て」と言いたい。
このゲームは奴に任せたのと違うのか?
無理を承知で9回も続投させたのであり、このピンチは想定内のはずやろ?
だったらここで打たれて負けようが、最後まで奴にゲタを預けるべきやったのと違うのか?
そうでなければ、続投を指示した意味なんてないだろうが。
その中途半端な温情が、奴のそれまでの好投も、チームの勝利も、全てを無駄にしてしまった。
これは指揮官として、大きなマイナスやと断じますわ。
ピンチにリリーフした岩瀬やけど、既に奴には塁の埋まったピンチを切り抜ける力はありまへん。
イニングの始めに登板して、打者四人か五人から三つのアウトを取る。
これが今の奴の投球スタイルなのであり、一つのミスも許されんような場面でのリリーフは、もう奴には無理なんですわ。
(投手交代には不満やけど、ここで交代するなら高橋聡やったね)
だからこそ、交代は9回の頭でなければならなかった。
あそこの判断で後手に回ったことが、このゲームの全てやったと思います。
それにしても、小笠原は一軍ボーダーラインの投手から一段上がったと思うてたら、先日の巨人戦から二段ブーストでさらにグレードアップしましたな。
制球力とボールのキレが、どちらも昨季から数段向上してますわ。
30才を過ぎた投手で、ここまで目覚しい進化を見せた投手は、他にあまり見たことがありまへん。
それだけに勝ち星を付けてやりたいところなんやけどなぁ…。
憲伸も、後輩に負けとったらアカンで! |
8/19 横浜ベイスターズ 6-3
○ 中田 10-6 S 岩瀬 1-4-32S/ [本] 中村紀13号2ラン、英智1号ソロ
言いたいことも山ほどあるけど、まぁ、見所もあるゲームでしたな。
前半はバタバタとミスのオンパレード、特に英智は牽制死にゲッツー、極めつけは奴が捕るべきボールを森野とお見合いして後逸。
これが失点に結び付いて同点とされ、中盤まではイヤなムードが漂ってましたな。
結局、6回に英智が失地回復の一発を放ってからは、ふん詰まり状態が解消されてゲームは動き出しましたが、ミスで失点し、一方で決定機に打てないという、今季のドラの下手な野球をまた見せられて、私ゃ面白くない思いをしてたんやけどね。
この日、一番嬉しかったのは、中田が2試合続けて安定した投球を見せてくれたことですわ。
課題である与四球が前回1、今回3。
もともと奴は超一級のポテンシャルを持つ投手であり、10勝目はある意味当然の成績やと思います。
最初の失点は、まだ手探りの2回に強打者・村田へ与えた四球からやったけど、「気をつけよう」とか「慎重に」とか、コースを細かく狙いだすと奴にはロクなことがありまへん。
内角はボールが抜ける、外角は軸が背中側に倒れて全部ボールゾーンへ。
相手を見下ろして投げられる場面では、それなりの制球力を発揮して、相手打者を全く寄せ付けないだけに、奴の場合はとにかく気持ちが守りに入らないこと。
リーグを代表する自らの球威を信じて、どんどん打者を攻めれば、結果は後からついてくるはずですわ。
今の調子なら15勝も手が届くはずなんで、頑張って欲しいですな。
先述の通りミスをしまくった英智が、その後ホームランとタイムリーと、見事に汚名をすすぎました。
まぁ、牽制死とゲッツーは置いとくとして、お見合いについては本職でない森野をセンターに起用する布陣のため、両者の連携がうまくできないという面もありますんで、奴だけを責めるのもどうかと思いますが。
それにしても、こんな風にインケツになったゲームでは、それを取り返そうとした選手は精神的に不安定となって、結局はそのままで終わるケースが殆どですわ。
しかし奴は強い意志で、それをやり遂げた。
こういう強さは日本一奪取のために不可欠であり、そういう意味では監督はひそかにほくそ笑んだのと違うかな。
ノリは3番では機能し始めましたな。
奴の本塁打王獲得の原動力である手首のパワーは失われ、もうホームランを期待するのは難しい。
しかし外野を抜く打球であれば、まだまだ十分に打つことが出来ますわ。
もともと出塁率も悪くないため、ウッズの前に置くには悪い人材ではありまへん。
森野は第二の強打者として、ウッズの直後の5番に配置する必要があるため、孝介が抜けた3番の穴を埋める選手を探してましたが、これでようやく固定できるのかも知れまへんな。
奴の存在が、ようやく輝き始めたような気がします。
ウッズは「打ちたい」んやねぇ。
まともに勝負してくれるはずがないのに、外角のボールになる変化球にクルクルと空振り。
あれを見逃して森野に繋ぐ意識を持ってくれ…っちゅーても、打ちたいのは打者の本能やからな。
後は奴が中軸の自覚によって、そういう自らのハートを抑え込んでくれることを期待しておきまっさ。
藤井は守備固めで出てきましたが、英智を押しのけて右翼に起用されました。
代走ではマークをかいくぐって一発で盗塁を決めて見せるなど、その存在感は徐々に高まってきていると思いますわ。
監督は、今季はこういう途中起用に終始するつもりかも知れまへんが、李を起用するくらいなら奴を優先して欲しいんやけどなぁ…。
私ゃ奴のスピードに魅せられた人間やから。
さて火曜日からは、首位を争う巨人、阪神との六連戦。
いよいよ正念場です。
相手ローテーションもズラリとエース級が並び、ドラ包囲網といったところ。
ここを何とか、最悪3勝3敗で乗り切りたいですな。
頑張れ、ドラゴンズ! |
8/10 読売ジャイアンツ 5-6
● 川上 9-6 / [本] 森野13号ソロ
憲伸の独り相撲。
さすがにこの日の投球を擁護することはできまへん。
あまり良くない今季とは言え、その中でも最悪の部類に入るのと違うやろか。
問題の4回表、小笠原にヒットを許したのはええとして、李にカウント2-1から四球、続く阿部にはいきなりの死球で、あっと言う間に無死満塁。
しかし打線が下位に回るだけに最小失点で頑張れるか…と思うたら、ゲッツーを焦った憲伸がホリンズの投ゴロを本塁へ悪送球。
さらに谷繁の失策で1失点した後、投手の内海に四球。
最悪の形で走者を貯めて、谷・高橋由にタイムリーを打たれて5失点。
ある程度打たれるのは仕方ないと思うし、綺麗に勝つのも難しいやろ。
しかし味方やファンを萎えさせるような投球はして欲しくない。
言い訳せず、次には魂のこもった投球を見せて欲しいもんや。
この日も1〜3番の李・荒木・井端で12打数1安打。
4〜7番の4人で8安打してるだけに、この毎度の不振はしんどいわ。
特に、もう100試合近く消化しているにも係らず、首脳陣は一向に調子の上がらない李と荒木に拘り続けてますな。
そりゃ、これから代えようにも選手を用意しとらんのだから。
ようやく監督も、試合後に大幅な(選手の?打順の?)入れ替えを示唆したそうやけど、私に言わせりゃ「何を今更」というところですわ。
阪神の岡田監督も、我慢に我慢を重ねていた不振のシーツ、今岡、濱中をとっくに外し、そしてシーツは二軍の調整期間をもらって復活してきました。
落合監督はズルズルと不振の選手を使い続けてきましたが、結果的には無駄な時間に終わったわけですな。
考えられ得る最悪の展開になってきましたわ。
不振の選手に調整させる時間を与え、そしてその間に若手にもっとチャンスを与えていればと、悔やまれてなりまへん。
まぁ、「大幅」とか言う入れ替えを見させてもらいますわ。
しかし収穫もありましたな。
1点取られたとは言え、菊地は投球は悪くなかったと思いますわ。
びっくりするような球威もキレもありまへんが、何より評価できるのはボールが低めに集まることですわ。
マウンドに慣れた2イニング目の内容は、はっきり良かったと言えます。
小林や石井、久本、高橋聡と言ったノーコン左腕に悩まされていただけに、ようやく出現した投手らしい投手という印象を持ちました。
ボールに決め手がないとは書きましたが、一軍の最低限の水準にはあると感じるだけに、このまま戦力になってくれることを期待しとります。
最後に、入れ替えと言うなら良太をスタメンで使ってくれ。
あの思い切りと熱いハートは、今のドラに必要なものやと思うんやけどな。
今なら、思い切りの消えた堂上剛よりは、良太の方が使えるはずや。
そんなサプライズを明日のメンバーに希望します。 |
8/4 横浜ベイスターズ 0-5
● 小笠原 6-2 / [本]
前日は17安打13得点の大勝で、しかも相手が初先発の秦と聞けば、普通ならこの日も打線爆発を期待するものなんやけどねぇ。
この日の生観戦を予定しながら前日の試合を見て、「やな予感がする」と思うてしまったのは、私だけやろか(苦笑)。
今のドラ打線に対しては、そういう信頼が置けないと思うてたら、案の定やったわけやけど。
それにしても4安打は、あんまりと言えばあんまりやと思うわ。
ボールになる球とか緩急に、簡単に手を出して空振りするケースが目立つなど、全体的に雑な感じは否めまへんでした。
いよいよ巨人や阪神が調子を上げてきたという時期に、こんな野球しててホンマに大丈夫か?
ホンマにドラゴンズに上がり目はあるんやろか??
■小笠原
(A)(B)(C)(D)
(E)(F)(G) |
6回2失点は上出来でしょうな。
決め球に乏しいという欠点を抱えながら、コースを丹念に突いて、打者のうち損じを待つ投球。
コースを狙うだけにボール球が増えたり、相手にファールで粘られたりするため、どうしても球数が多くなるんやけどね。
ここで辛抱が切れたら打ち込まれるというところを、粘りに粘って最小失点に抑える。
枯れた味というところやろか。
球数が多くなるため、どうしてもロングイニングを任すことができまへんが、防御率2.80はドラのローテーション投手では一番であり、まだまだ奴の安定感は必要やろね。 |
■朝倉
(A)(B)(C)(D)(E)(F)
広島での登板予定が流れたため、ローテーションを一回飛ばすための調整なのか、この日の登板となりました。
立ち上がりの良いタイプやないだけに、さすがにビシッと抑えるというわけには行きまへんでしたな。
それでも威力のあるストレートを見ることができたのは嬉しかった。
奴を生で見るのは久しぶりやったけど、実績を作った投手の貫禄というものを感じたような気がしますわ。
それにしても、(D)のテークバックを見ると、普通の投手なら右肩を痛めそうな気がするくらい腕が背中に回ってるんやけど、奴はよっぽど肩の稼動域が広いんやろね。
こうして腕が遅れてくるところが、奴の武器のひとつなんやろね。
■荒木
(A)(B)(C)(D)
攻守とも(ヒット一本はあったとは言え)ええところが少なかったと思います。
特に打球をバックハンドで処理しようとして後逸したのは、いささか雑なプレーやと指摘されても仕方ないのと違うやろか。
今季の奴は、打撃も物足らんけど、特に守備の精彩を欠いとるのが気になります。
昨季まで課題とされたスローイングだけやなく、捕球の方までおかしくなっており、奴の売りのはずであった守備の安定性もかなり落ちてますな。
一方、打撃の方も進塁打とヒットはあったものの、ポップフライも二本。
奴はステップ幅が小さく、軸回転が不足してるだけに、どうしてもスイングスピードが鈍い。
(C)の時点で、奴ほど両足が揃っている打者は、なかなかおらんはず。
それを無理におっつけようとすると簡単に詰まってしまうわけで、1・2番を打つ打者としてこの打撃内容では食い足らんのが実情ですわ。
根本的に打撃技術に欠陥があり、しかも売りである守備の安定性が低下している以上、今の奴を積極的に起用するのはきついところなんやけど、すぐに奴以上の選手を用意できんのも事実やもんな。
もっと早くから森岡あたりを積極的に起用して、戦力化しておいて欲しかったんやけどね…。
■ウッズ
(A)(B)(C)(D)
孝介の離脱後は、徹底して勝負を避けられるようになりましたな。
孝介がいる間は、孝介が歩いて奴を迎えるケースが多く、それだけに奴との勝負は避けられなかったものが、今は3番を簡単に討ち取って奴を敬遠というパターンになってます。
この攻めに対して奴も打ちたい気持ちが強いようで、ボールになる変化球に手を出し始めて、調子を崩してしまいましたわ。
相手の攻め方に対しては、これまでは配球を読んで対応してたはずやのに、今は打ちたい一心で頭が混乱しているようですな。
この日も当てにいくようなスイングが目立ち、自分の間合いでスイングできてまへんでした。
もう少し頭をリフレッシュして、冷静に四球を取るよう切り替えて欲しいところなんやけど、なかなか打者の本能としてそれは難しいことなんやろね。
■森野
(A)(B)(C)(D)
先述の通り、チャンスでウッズは歩かされるため、そこで勝負されるのは奴になります。
球宴前には調子を上げて来てたんですが、決定機の打席が増えたことから、相手のマークは奴に集中することになり、そして奴の打率は再び下降しつつあります。
昨季の奴は5番を打つのも実力的に厳しかったのに、今季は立派に5番として機能するようになったんやけど、それでもさすがにチームの浮沈を握るような打撃は厳しいか。
じわりじわりとオールスター選手への階段を登ってきた奴やけど、今回のこの試練を乗り越えれば、今度はチームの主軸への扉が開かれるはず。
是非、もうひと踏ん張りして欲しいですな。
■堂上剛
(A)(B)(C)(D)(E)
ウエスタンで116打数47安打の打率.405をという高打率を引っさげ、ようやく一軍で初安打を記録したと思うたら、猛烈な勢いでヒットを量産し始めました。
ウエスタンとは言え、100打数以上で打率四割というのは尋常やない数字であり、それだけの実力があることを証明しつつあるというところでしょうな。
奴の打撃の特徴は、あまり下半身を使っていないところやろか。
(D)の時点で、普通は軸回転のために左ヒザが内側に絞り込まれなければなりまへんが、奴の場合は左ヒザは伸びたままですわ。
普通は下半身が使えていないと強いスイングはできず、右肩を開いて打とうとするため、体勢を崩して変化球に泳いでストレートに差し込まれるようになってしまうんやけど、奴は腕力が相当強いようで、上半身だけでもバットをコントロールできるようです。
右肩のカベを維持したままボールにコンタクトするわけやけど、身体が開くことがないため、いろんなコースに柔軟に対応できるようですな。
内角をライトへ、外角をレフトへ、教科書通りの打撃を披露しています。
特に外角は一番強くスイングできるコースであり、左中間への打球はよく伸びるのと違うやろか。
一方で内角は、さすがに軸回転できないために、落ちるボールや速いボールへの対応に難がありますが、右腕をヒジでコントロールしてミートすることもできるようで、今のところ致命的な弱点をあまり見せずに済んでますわ。
この日は結果を出したかったのか、ミートすることを意識し過ぎてボールに合わせるようなスイングが目立ち、小さい打撃になっていたのを心配しましたが、翌日には強いスイングを取り戻していたので安心しました。
打球に角度の出ないラインドライブヒッターのため、本塁打はそれほど出ないかも知れまへんが、外野を抜く打球はかなり期待できると思いますわ。
主軸に育ってくれることを期待してます。
■新井
(A)(B)(C)(D)
ベイのクローザー、クルーンに対して代打で登場。
結果は三振やったけど、思い切りのええスイングでタイミングの合ったファールも見せてくれました。
打つ方は、自分の間合いでフルスイングできるため、立場の似た中村公や森岡からは一歩リードしており、確実に戦力として考えられてますな。
配球にも気を配り始めており、あとは打席を与えれば、その機会の数だけ進歩していくものと思います。
うーん、守備力があれば、スタメンも考えられるのになぁ…。
試合そのものは、ドラファンにとって退屈極まりないものでしたが、グラウンドから少し目を外せば、ドアラやチアドラゴンズのパフォーマンスなんかも楽しかった。
そして何より私にとっては、終盤にライトに起用された藤井が見せた、ライト定位位置からレフト線の外側にいた英智へのキャッチボール送球が、胸が躍るプロのプレーでしたわ。
90mはありそうな距離を、ノーバウンドのレーザービーム。
こんなのを見ると、何とか奴にはレギュラーになって欲しいと思ってしまうんやけどね。 |
7/29 東京ヤクルトスワローズ 2-1
○ 中田 8-5 / [本] 堂上剛 1号ソロ
中田が相変わらず四球、四球のフラフラな投球をしていただけに、雨天コールドは正直言うて非常に有難かったですなぁ。
いつボロを出しても不思議やないと思うてましたんで、ホッとしましたわ。
特に4回裏には、二死からヒット、四球、四球であっと言う間に満塁。
カウント有利になっても、決めに行った時に力が入って制球が定まらない。
ストライクゾーンに行ったボールも、制球を安定させるために力を加減しているため、たやすく打者にカットされてしまう。
真中に2-3から投じたフォークが、「偶然にも」ヒザ元に決まらなければ、このゲームがぶっ壊れるほどヤクルトペースになっていたかも知れまへん。
中田はリリーフ登板した時には、スタミナ配分を考えずに済むため、思い切って腕が振れる。
この時が一番バランス良く投げられるようで、加減せずに投げた唸るストレートが相手打者を撫で斬りにするため、奴のリリーフの結果は悪くないはずですわ。
私なら奴をセットアッパーで起用したいところやけど、イニングイーターとしての奴に期待して先発起用を続けるなら、奴には最初からガス欠になるまで飛ばし続けるような投球をした方がええのと違うかな。
妙に加減して投げてボールがバラつくのを見ると、どうにも不完全燃焼な印象があるだけに、もっと挑みかかるような姿勢を見せて欲しいもんです。
堂上兄は鮮烈な神宮デビューとなりましたな。
孝介に続く森野の欠場で、打線から飛車と金が抜けたような状態に陥ったなか、奴の決勝ホームランで勝つというのは、チームが再び上手く回転し始めたということなんやろか?
前回の戯言で指摘しましたが、奴の弱点は第二打席で三振したようなヒザ元の落ちる球です
そして一方、奴の得意なゾーンは、腕を伸ばして一番力強く振れる外角、それもベルトより高いボールになると思います。
従ってこの日の結果は、二打席とも奴の特徴がよく出たものと言えますわ。
しかし、どんなボールでも当たりそうになかったこれまでと違い、高めのフォークやカーブ、スライダーにはついて行けるようになってます。
低めのフォークという「穴」は残ってますが、そこに投げようとしても制球ミスもありうるし、勝負球でそこに投げる前の見せ球を打つケースもあるでしょう。
これからは奴をどう起用するのか、監督も嬉しい悩みを抱えたことになるのかな。
(藤井も忘れて欲しくないからね)
次の六連戦では、広島・黒田、横浜・三浦という、リーグを代表するエースとの対戦が予想されます。
何とか前進できればええけど、森野は大丈夫やろか…。 |
7/27 東京ヤクルトスワローズ 4-11
● 朝倉 7-6 / [本]
4連敗は深刻やけど、この日は少し楽しめましたわ。
序盤から大量リードを許す展開になっただけに、登録されている若手野手4人が全員登場しました。
堂上兄のプロ入り初安打を初めとして、全員それぞれにええところを見せたのと違うかな。
(監督も全員を評価するコメントを出したようで…、嬉しいね)
実はガイエルに二本目を打たれてからは、「これで奴らが見られる」と気持ちを切り替えてましたんで、こうして奴らが結果を出すと、敗戦を忘れて少し明るい気分になれましたわ。
■中村公
結果はセンターフライやったけど、2-0からボールを三球選んでカウント有利とし、ストレートを打ち返した打球は、甘いボールにやや差し込まれたとは言え、悪いものではありまへんでした。
次のチャンスを貰える内容ではあったと思います。
■新井
相変わらず、自分の間合いでフルスイングできるところはええね。
守備が壊滅的やからスタメンはどうかと思いますけど、右の代打としては十分戦力やと思うけどな。
(私ゃ何で奴が降格されたのか、不思議で仕方なかった)
一軍のボールへの適応と言う意味では、現段階では若手で一番やろな。
■藤井
ストレート一本勝負に対して、じっくりボールを選んでカウント2-3。
最後に真ん中外寄りのストレートをライト前へ運びました。
打ったのは甘いストレートであり、変化球を交えられた際にはまだモロさも見せるんやけど、それでも奴は一軍のボールに適応しつつあるように見えます。
今の若手四人衆のうち、奴は私がスタメン起用したい一番手なんやけどな。
■堂上兄
プロ入り初安打、そして初打点おめでとう!
ヒットは二本とも火の出るような当たりでしたな。
低い弾道であっという間に外野を破っていく打球は、その打球スピードだけならクリーンアップ級でした。
これまでの打席と違い、この日は自分の間合いで強くスイングできており、一本目のヒットでさらに落ち着くことができたのと違うかな。
ストレートとスライダーの見極めはそれなりにできており、二打席目にはファール三本でタイミングを測ることもできました。
相手バッテリーも、ストレート系のボールで攻めることには恐怖を感じたはずであり、その証拠に三打席目はストレートもスライダーも交えず、フォークを四球続けてきました。
結局これには対応できず、課題を残すことになりましたが、この日は階段を一つ、いや二つくらい上がったのは間違いないと思います。
奴のスイングは右肩でカベを作ることを意識しているため、両肩を結んだ線が回転しないようですな。
内角をスイングすると左手を離すことになるのは、このためですわ。
左手を離すとミートした打球を押し込むことができず、またタイミングを崩されると左手でバットを握ってスイングを止めることもできまへん。
正直言うてこのまま使い続けても、内角低めに変化球を落とされるとどうにもならんはずやけど、それでも自分で課題を見つけられるなら、しばらく一軍でのチャレンジを続けさせるべきやと強く思います。
明日からの変化球攻めにどう立ち向かうのか、注目したいところやね!
奴らの働きを見て、監督が続けて機会を与えてくれたらええけどな。
明日のスタメンに注目したいですわ。 |
7/24 vs阪神タイガース 5-8
● 岩瀬 1-4-25S / [本]
さて、クローザーをどうする?
孝介が(恐らく)長期欠場となり、そして不安視され続けてきた岩瀬が決定的に沈没。
代役なんているわけがない。
投打の主軸が完全に折れてしまったわけやけど、これをどのようにリカバリーするつもりなんやろね…。
恐らく岩瀬については、ミニキャンプもクローザーからの降格もないでしょう。
監督が見放した瞬間、クローザーは二度と立ち直ることはできまへん。
そして短期間の調整で復調するような状態でもなければ、奴を使い続けるしかありまへん。
奴に逃げ道はなく、必死にコーナーを突いて相手の打ち損じを待つしかない。
スランプのシーツにすら簡単に打たれる状態にある奴が、どこまでその役割を果たしていけるのか分かりまへんが。
平井も二死から出した四球から、一気に崩れてしまいましたな。
普段から奴に対して抱いてきた危惧は、ボールが高いということですわ。
内外角のコースに決まっても、ボールは殆どベルトより高いところに行きます。
全盛期のようにボールに150km近い勢いがあればええけど、最近のように140km半ばが精一杯では非常に怖い。
まぁ、矢野に打たれたのは、長打警戒で外角一辺倒になった谷繁のリードが読まれたためやけどね…。
継投策そのものにも疑問が残りました。
7回表、山井降板から直ぐに岡本に繋がず、ラミレス、久本を経て岡本へ。
単純に勝つだけならこんなリレーはないでしょうが、やはりベンチとしてはセットアッパーとクローザーに不安があるのと違うかな(クルスも終盤でかなり起用してますな)。
一人でも修羅場に使える投手を準備しようと、実験的起用を続けているものと推察します。
正直言うて、今頃…と思わんでもありまへんが、平井、岡本、岩瀬の調子の下降は、ベンチの想像を超えていたんやろね。
個人的には昌、中里、浅尾を先発起用して、中田を後ろに持って行きたいと思うてますが。
先発と違って、ショートイニングなら中田は思い切って腕が振れるみたいですから。
甲子園のデーゲームでホームランを打った堂上兄が緊急招集され、いきなり無死満塁のビッグチャンスに起用されましたな。
ウエスタンでは一軍クラスの能見から二塁打、本塁打と、その実力の高さを見せ付けたんやけど、今回も全く打てる感触がないまま三振に終わってしまいました。
この日は阪神バッテリーが安易な配球をしなかっただけに(ストレートを一球も投げず)、奴には厳しかったと思いますが、それでもベンチに次の機会を考えるような「何か」を見せて欲しかったわ。
これは仕方のないところやけど、不慣れか緊張のためか、ドラの若手は総じて自分の間合いでスイングができてまへん。
まずストレートに遅れてしまう。
これは多分に、デーゲームからナイターに環境が変わることも影響してるはずやけど、これに対応しようとしてヘッドを早く出したがって引っ掛ける、あるいは始動を早くしたため変化球に全くタイミングが合わなくなる。
ある程度、対応ができているのは新井と藤井くらいで、あとは森岡、堂上兄、柳田、中村公といった連中は、これができないレベルにあります。
まずはここを乗り越えないと次はないわけですわ。
そしてこの日の堂上兄に話を戻せば、少なくとも第三ストライクのフォークは見送らないかんかった。
これを乗り越えて、第三ストライクがストレートなのか、それともフォークなのか、それに悩むステージが次にあるんや。
そして監督。
一軍で通用しそうな若手は、森岡を除いて上に勢揃いしました。
一度の失敗で見切るような、そんなことだけはしないよう強くお願いします。
機会を貰うことでブレークする奴が、必ずいると信じてますんで。 |
7/16 東京ヤクルトスワローズ 5-7
● 岩瀬 1-3-24S / [本] 中村紀12号2ラン
完全にナゴヤドームが凍り付いてましたな。
筋書き通りにゲームを進めて、当然のように最後のバトンを岩瀬に渡したところが、これまで見せなかったような奴の大炎上。
5失点は奴にとって、プロ入り後、初めてだそうな。
一時期に比べてええボールが行くようになり、安定度は相当増してたんやけど、一転してこの日はスライダーの曲がりも早く、ストレートにキレもない最悪の状態。
この日は打撃の荒いガイエルでさえ、外角スライダーで崩せず、解説の鈴木孝政氏に「攻めてない」と評される逃げ腰の投球に終始した時点で、かなり怪しいと感じてはいたんやけどね…。
アンラッキーな内野安打を含めて6安打を許し、全くアウトが取れる気配もなく、ショッキングな鉄腕のKOシーンとなってしまいました。
今季の岩瀬は球威がなく、その分、宝刀・スライダーも早めに変化してしまうため、打者に見切られてしまう。
丁寧にコースを突いて打ち損じを待つのが、今季の苦しい奴の投球パターンになっとります。
今後も僅差の最終回には、ハラハラドキドキが待ってるのかと思うと、少々辛いところですな。
とは言え、主たるこの日の敗因は、私は岩瀬ではないと思うてます。
4回に中村ノリの逆転ホームランが出たあと、追加点が取れずに9回に突入したことが、一番痛かったのと違うかな。
この傾向は今季はずっとなんやけど、あと1点取るだけで相手を潰せるというゲームで、ことごとくその1点が取れず、最後は引っくり返されることもある。
中軸の爆発力に欠けるだけに、走者をきっちり進めて理詰めで攻める必要があるのに、進塁打、犠打の精度が低く、昨季までできたことが今季はできない。
守備にも同じことが言えますが、一つ一つのプレーの精度の低さが、今季のドラの最大の課題やろね。
オールスター期間中に、ミニキャンプでもできんかな…。
それにしても、山井の不出来も気がかりやね。
リリースがバラついて制球が散々のまま、たった3イニングで降板してしまいました。
アナウンサーが「ヒジを気にしてた」とか言うてましたが、今後の厳しい連戦を考えると、奴の存在は不可欠なだけに気になりますわ。
また、荒木が復帰してきましたな。
気になる送球の方も問題はなく、さすがに奴が入ると内野守備は引き締まります。
ただし弱いスイングは相変わらずで、最後の好期には木田程度のボールに詰まってしもうた。
まぁ、ゲーム感覚の問題もありますけど、私ゃどーにも奴の技術に懐疑的やから…。
これまでの分まで、爆発してくれたらええけどね。
それにしても孝介の欠場は、一体何やったんやろ…?
今季はホンマ、期待値通りの働きをしてくれる主力が少ないですなぁ。
大きな戦力的上積みがない中で、これから巨人やベイ、阪神、そしてヤクルト?との混戦を戦い抜けるやろか?
(逆に言えば、優勝ラインが下がりそうなのが、ドラにとって幸運するかも知れまへんが) |
7/15 vs阪神タイガース 6-3
○ 川上 8-4 S 岩瀬 1-2-24S / [本] ウッズ23号ソロ
憲伸のボールは今季で一番走ってましたな。
最速148kmやったかな?
140km前後のボールしか投げられんかったものが、暑くなって腰の筋肉のハリが軽減してきたのか、見違えるようなボールが行くようになりましたわ。
それやのに結果的には7回で被安打11の3失点。
6点を先に貰った投手としては、物足らん内容やと言わざるを得まへんなぁ…。
打たれたのは、左打者に対してベルトの高さに浮いた、ボールゾーンから外角に入ってくるカットボールが多かったように思いますが、せっかく球威が復活したんやから内角をもっと突いて欲しかった。
(林にライト前に落とされたのはしゃーないでしょう)
若手の坂あたりに踏み込んでこられるようではアカン。
最近こそ外角への配球が増えたものの、もともとは内角を攻撃的に突くために憶えたのがカットボール。
この日は、こちらの使い方の方が有効やったと思うんやけどね。
ゲームとしては、5回裏の鳥谷の右前打で、孝介が坂を三塁封殺したのが非常に大きかった。
一死後、森野の失策を含めて四人続けてアウトを取れず、坂が三進していれば4点差で一死一三塁。
憲伸の投球が一本調子になっており、かつ金本・林・桜井と最も危険な打者が続くだけに、あのプレーがなければさらに傷を深めていた可能性もあったと思いますわ。
あれは阪神の勢いを削ぐ、そして技量水準の高いビッグプレーでしたな。
付け加えるなら、難しいバウンドを上手く捕球して走者にタッチした、サード・柳田にも賛辞を送っときます。
それにしても阪神には、力のある若手がゴロゴロいますな。
桜井なんて、かなり危険なスイングしてますわ。
まだ若いだけあって、私でも読める外角カーブなんかで三振してましたが、もう少しキャリアを積めば恐ろしい打者になる可能性もあるやろね。
早くドラにもそんな若手が出てきて欲しいもんです。 |
7/7 vs阪神タイガース 3-0
○ 川上 7-4 S 岩瀬 1-2-21S / [本] ウッズ22号2ラン
憲伸は今度こそ完封ペースやったけどなぁ。
この日は、最近二度の無様な投球のイメージを払拭するような、久々にエースらしい投球で、今季初の完封もほぼ間違いないとすら思うてました。
スピードは140kmそこそこで大したことないものの、内外角の出し入れ、特に左打者の外角にボールゾーンから入ってくるカットボールが、最も威力を発揮していたように思いますわ。
エースがエースらしい結果を残せば(相手は打撃不振の阪神ではあるけど)、今後の奴の登板にも好影響を与えることを期待してたんやけど、あのアクシデントだけはしゃあないわな…。
骨折等の大怪我はなかったようで何よりやけど、これからオールスター前に9連戦を控えているだけに、ローテーションを飛ばすようなことにならんかったらええけどね。
それにしても打てんなぁ。
4回にウッズのツーランで先制し、森野がツーベースで続いて無死二塁。
阪神先発の上園を潰すには絶好のチャンスやったけど、後続の中村ノリが合わせたようなスイングでファーストゴロ。
進塁打として評価することはできるでしょうが、奴に期待されてる働きはそういうことではないと、個人的には思うてるんやけどね。
進塁打を狙うとしても、右にも強打できる技術があるだけに、奴にはそういう打撃を見せて欲しかった。
「本塁打王」の肩書きを持つだけに、奴にはその肩書きに見合った打撃を期待したいもんです。
そして岩瀬。
この日の奴は、久しぶりに凄かった。
宝刀スライダーだけでなくストレートにも威力があり、スライダーを見せ球にしてストレートで空振りを誘ったシーンもありましたな。
最近は3つアウトを取るのに走者を二人くらい出して、それでもようやくゲームセットというケースが多かっただけに、この日の四者連続三振は岩瀬健在を思わせる投球やったと思います。
次もこんな投球が見たいもんですな。
それにしても孝介のプレーは大きかった。
立ち上がりにフラフラしていた憲伸を助けたビッグプレーであり、こうしてバックが投手を盛り立てて勝つのが、本来のドラゴンズやと思います。
こういうゲームが何度も見られるようになれば、巨人追撃の体勢も整うんでしょうな。
ちなみに巨人は投手陣にヘバりが見え、初めて低迷期に入ったように見えます。
一方で三位のベイの元気の良さにも気になりますが、今が大事な時期として、きっちり勝っていって欲しいもんやね。 |
7/1 vs東京ヤクルトスワローズ 6-7
● 岡本 2-1 / [本] ウッズ21号ソロ
一点差負けとか言う前に、またもや無様なゲームをやってしまいましたな。
6回表まで3-0、昌も5イニングを被安打2と、そのまま逃げ切りすべきゲームやったはずやけどね。
昌が6回に崩れるパターンは、これで一体何回目やろか。
二度の調整期間を挟んでも、順調に立ち上がりながら中盤で沈没するというパターンから、未だに昌は脱出できまへん。
結局この日も、大原に与えた四球が致命傷になって、あとは立ち直るキッカケもなくKOされてしまいましたな。
もちろんリリーバーが打たれたケースもありましたけど、自ら勝ち星を落としたことの方が多かったのと違うかな。
奴に対して、落合監督は機会は与えるけど、勝利は自分で掴めという方針。
これが周囲のヘルプを得てでも200勝に到達したいという昌の執着心と、噛み合わないままここまできてしまったという気がしますわ。
今季は昌に限らず、勝つべきゲームで勝てない。
巨人とのゲーム差が「5.0」となった今、ドラの現状をどう考えるべきなんやろか…。
監督は今、このゲーム差をどう考えてるんやろか?
昌を、憲伸を、今後どう起用していくつもりなんやろか?
これまでの監督の采配は、「そのゲームに勝つ」という目的を、度外視してきたケースが多々あったと感じられます。
特に先発を過剰に引っ張る起用が顕著であり、それでゲームを落としたこともかなりあったと思いますわ。
短期的な勝利のために、自らの策が効果的ではないことは、当然ながら監督自身も認識しているはずやけど、監督はその場限りの勝利は求めていない。
04年の就任以来そうやったけど、そこに選手の飛躍のチャンス(特にハートの)があるなら、ゲームの勝敗すらもその選手に預け、そして後の2勝、3勝を得る。
それがペナントレースの展開を読み、ここは負けても取り返せるゲームなのかどうかを判断できる、落合采配の凄いところやないかな。
特に昨季の日本シリーズでの敗退を受け、今季はさらに過酷な条件で選手を修羅場に慣らそうとしており、この傾向は一層顕著になってますわ。
しかし現在の5ゲーム差については、監督自身は一体どのように考えてるんやろ?
まだまだ十分射程内で、今まで通りの戦いぶりで十分?
それとも緊急事態であり、何かの手を打たなければならない?
首位の巨人は、全てが上手く回転している状態が継続しています。
投打とも他球団を圧倒する戦力ですわ。
これに追いつき追い越すには、巨人にアクシデントでもない限り、巨人のペース以上に勝ち続ける必要がありますが、今のドラにそれが可能やろか?
個人的には井端・孝介・ウッズ、そして憲伸が額面通りに働かん限り、非常に難しいと感じてます。
そして憲伸の今期中の復調は恐らく望み薄、さらに孝介も微妙のような気がします。
そんな中で、どうやって巨人に追いつくのか。
少ない可能性の中で絶対にするべきことは、今後は勝利に徹すること。
昌の200勝も、憲伸のエースのメンツも、どちらもどうでもええ。
勝利のためなら選手の立場が犠牲になっても、それは仕方がない。
とにかく勝つしかない。
今のように個々の選手を重んじる、ある意味「ぬるい」采配では、今季のリーグ優勝はないと思いますわ。
したがって、昌は5回投げたら交代し、あとはリリーバーを次々につぎ込んで、とにかく勝つ。
(それは奴も望むところでしょうが)
しかしそれは諸刃の剣、リリーバーへの負担は大であり、この日の岡本の投球回数がイニングをまたいでしまったように、リリーバーが打たれたり疲弊させたりすることになります。
それを嫌うなら、下で出番を待っている若手にスイッチすることやね。
山井、中里、吉見あたりは、どれも最近は二軍で抜群の結果を残している奴らです。
結果を残せん選手は、プロ野球の掟に則って排除する。
先発が一人や二人抜けても勝負できる、そのドラの総合力の高さを今こそ示すべきですわ。
…それともリーグ優勝は諦めて、クライマックスシリーズに照準を切り替えるか?
それなら今の順位を維持しつつ、これから使える選手を厳選していくのもアリやけどな。
短期決戦なら、巨人に勝つことは不可能やないし(三位に負けることも十分あり得るけど)。
逆説的に言えば、消耗しやすい優勝の次年度に、故障者の続出や主力の不振があるのも、かなりの確率で予想されたことであり、その状況下ではよく戦っていると思いますわ。
それでも今季も勝つ、勝てるとしばらく前までは確信してたんやけどな…。
せめて孝介だけでも復調しないと、展望が全く開けないのが辛いところやね。 |
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