04年投手

11 川上 憲伸  99点
   27試合  17勝7敗 防御率3.32  投球回192 被安打173 与四死球42 奪三振176 自責点71
(A) (B) (C) (D) (E) (F) (G) (H)

ようやく昨季、ルーキーイヤー以来私が念願してきた、球界を代表するエースの一人まで上り詰めてくれました。
投手最高の栄誉である沢村賞を始め、MVP、最多勝、最優秀投手、ゴールデングラブ等を獲得し、優勝チームのエースに相応しい大活躍やったと思います。
MVPについては、立浪の働きがフルシーズン続いてたら、恐らく両者一騎打ちやったと思いますが、立浪の成績が落ちていったことで奴の受賞は確信してました。
(一部には古田なんちゅー声がありましたが、Most Valuable "Player"、プレイヤーとしての働きは段違いやったからね)
ただ10の貯金を稼いだだけやなく、絶対勝利が必要なチームの分岐点でことごとく勝利し、「チームを勝たせる」在でしたな。
これこそ大黒柱、絶対的エースという活躍やったと思いますわ。
こんな奴のピッチングを待っとったんです。
私ゃホンマに嬉しい!

さて、ここで先に述べた分岐点として、私は次のゲームを挙げたいと思います。

 ■5/15 vsBS 2-0
  私が初めて名古屋の地で観戦したドラゴンズのゲーム。
  5月のドラはここまで4勝6敗、うち3得点以下が7ゲームと貧打に苦しんでおり、憲伸も前回の登板で援護なく0-1で敗戦。
  前日も9回に岩瀬が打たれて敗れており、ここで憲伸が負けたらズルズル沈んでいきそうな前半最大のピンチ。
  このゲームも全く打線の援護が得られず、ジリジリするような展開の中、7回に憲伸自ら決勝ツーラン!
  憲伸は結局この日、無四球・13奪三振でチームを救う完封!
  チームはこの日以降、9勝2敗で5月を乗り切っただけに、いかに大きな勝利やったかが伺えますな。
  (雑誌Numberで川相もそのように告白)

 ■8/10 vsG 4-0
  首位を走るドラを必死に追走するG。
  「史上最強打線」がヤクルト、阪神相手に大爆発するなど絶好調でこの日を迎えました。
  ドラが初回に1点先取するも、スミ1が続く投手には非常にキツイ展開。
  しかも8回には一死2塁の大ピンチを迎え、元木、ローズを迎える通常ならリリーバーの救援を受ける場面。
  この修羅場を、奴は徹底的な力勝負で相手を捻じ伏せて、勝利を呼び込みました。
  ガチンコで戦って勝つことで相手の勢いをストップし、ペナントを一気に引き寄せるゲームやったと思います。

 ■10/22 vsL 6-1 (日本シリーズ第五戦)
  このゲームこそ、奴の昨季のハイライトでしたな。
  2勝2敗で迎えたこの日、絶対負けられないゲームで、己の全てを出し尽くす素晴らしいピッチングを見せてくれましたな。
  通常投げとるストレート、カットボール、カーブから、引き出しに仕舞ってあったスライダー、シュート、フォークまで、持ち球全て
  を外角中心に配するピッチング。
  そして何より、迸る魂!
  このゲームが終われば、もう一球も投げられないと思わせるような、正に鬼気迫る投球やったと思います。
  和田に一本ツーベースを打たれましたが、それ以外はG以上とも思えるレオの強力クリーンアップを封じ込め、チームを勝利
  に導くエースの名に恥じない活躍でしたな。
  8回を投げ切って交代しましたが全てを搾り出したピッチングは、チームを勝利に導くエースのピッチングでした。

次に投球内容に目を移すと、被打率が対右打者.251、対左打者.230と、左に強打者を揃えるセ・リーグでは出色の数字を残しました。
やはり球界隋一と言われるカットボールが、有効に機能しとることが伺えますな。
打者としては逃げるボールより、自分に向かって食い込んでくるボールの方が捌きにくいものであり、バットの芯を外して根っ子に噛み付く奴のボールほど、セの左の強打者達にとって厄介なものはないでしょうな。

チーム別の成績を見てみると、ヤクルト戦:防御率5.45 3勝3敗、巨人戦 防御率2.55 4勝2敗。
Gに対して安定していた一方で、ヤクルト戦での防御率が悪いのが目立ちますな。
地方球場でマウンドが合わずに1回KOされたのを含んでますが、ラミレスあたりには何度も痛い目に遭わされた印象がありますわ。
ただし、正直なところ憲伸が目を吊り上げて投げとったのは、序盤の阪神と、Gに対してだけやったのと違うやろか。
もちろん他のチームに対しても、先述の5/15BS戦のようにポイントになるようなゲームでは力を入れてましたが、大方は肩のシーズンのスタミナを考えてか、自らの燃費を考慮したエコノミーな投球をしとったような気がします。
ヤクルト戦にしても、打たれながらも結局は負け越してはおらんことから、要所はそれなりに抑えてたことが伺えますわ。
まぁ、個人記録(特に防御率)を気にせん限りは、エースとしてこれでもOKなんやけど、ファンとしては防御率のタイトルが欲しいしなぁ(苦笑)。
本来、評価点も100点やりたいところやけど、防御率のタイトルがないということで-1点なんやから。

技術的には、上の写真でケチをつけるところは殆どありまへん。
軸足への重心の乗り、最後まで割れない左ヒザ、強く張られた胸、ほぼ理想に近いフォームやと思います。
最後の(H)で左ヒザが伸びてるところが若干気になるところで、調子が悪い時はこれがつっかい棒になって体重移動を阻害することがあり、これが腕のスイングに悪影響して右肩の故障の遠因になっているように感じます。
きっちり身体を沈めること、きっちり右足で蹴れること、要するに下半身の鍛錬を怠らんように願いたいものですわ。


さて2005年。
大エースの座をさらに強固にするためには、「隔年エース」をどうしても払拭する必要がありますな。
今季は最低でも15勝、そして昨季獲り損ねた防御率のタイトルも狙って欲しいところですわ。
まぁ、数字はある程度度外視しても、昨季のように「ここ一番」で必ず勝つ。
(今季おるかどうか分かりまへんが)G上原やT井川のような他チームの絶対的エースと投げ合っても、それでも必ず勝つピッチャーであって欲しい。
そして、「全日本のエースと言えば川上憲伸」と、皆が口を揃えるピッチャーになってもらいたい。
今季も頼むで!ドラの大エース!!
34 山本 昌  90点
   27試合  13勝6敗 防御率3.15  投球回157 被安打153 与四死球45 奪三振120 自責点55
03年度での奴の評価は「勝ち切れんピッチャー」やったんですが、今季は7つも貯金を作り、再び「勝てるピッチャー」しての姿を見せてくれましたな。
しかも打高投低の04年度、憲伸を上回る防御率二位という安定感を示したのは、私と同じ39才という年齢を考えると大したものやと思いますわ。
さらに変化球ではなくストレートで三振を取れるピッチングスタイルでもあり、これを見る限りまだまだ第一線で活躍が期待できそうやね。

昌と言えばシンカーと言われたくらい代表的な切り札を持っとるわけですが、その実この2、3年は、ストレートとカーブが投球の軸になっとります。
特に右打者に対して、カーブを見せておいて内角ストレートで三振を獲るような組み立ては、何回見ても目を見張るものがありますな。
この配球の変化ついては、雑誌インタビューで谷繁が導いたものとのコメントがありました。
曰く、谷繁は移籍当初からスクリューよりもカーブを要求することが多かったが、昌自身はカーブの制球には自信がなかったため、その後きちんと練習したら勝負球にすることが出来たとのこと。
30才台後半になって新たなピッチングパターンを編み出したのはあまり例のないことであり、奴の投手生命を延ばすために、これから劇的な効果が表れるものと思われます。

さて、奴の投球内容を眺めて気付くのが、左に比べて右打者相手の被打率が変わらないこと(対右.260・対左.254)ですな。
これは、普通は右打者に向かって変化してくるカーブは餌食になりやすいところやけど、ボールの出所が分かりにくいことや、一度浮かび上がって鋭く食い込む球筋が効果的なんやと思います。
一方で問題なのが、投げる場所によって安定感が全然違うということやろね。
ナゴヤドームでの防御率1.52は素晴らしいんやけど、これがロードゲームでは格段に低下し、特に甲子園6.11(1勝1敗)、東京ドーム6.64(0勝3敗)は話にならんレベルですわ。
あれだけのベテランだけに、マウンドの傾向にかかわらず一定の結果を出して欲しいところやね。

今年は奴も40才。
しかし無理・無駄のない投球フォームや、新たに構築した投球パターンが、あと27勝に迫った奴の200勝達成を手助けしてくれるものと信じます。
今季もエース級としての働きを期待してまっせ!
13 岩瀬 仁紀  85点
   60試合  2勝3敗22S 防御率2.80  投球回64-1/3 被安打53 与四死球17 奪三振53 自責点20
(A) (B) (C) (D) (E) (F)

開幕直前に足の指を骨折、下半身の踏ん張りが効かない状態となり、「あー、これでGWくらいまで使えんなー」と思うてたんやけど、どうにか開幕に間に合わせて五輪期間以外はフルシーズン登板。
20試合の欠場がありながらも60試合登板やから、普通に投げてたら自己最多の70試合くらいは登板しとったでしょうな。
それでも6月以降は大崩れすることもなかっただけに、奴のタフネスぶりには今季もお世話になりましたわ。

さてその故障やけど、下半身の故障は痛みを気にして力が入れにくくなり、またランニングが出来ないために下半身の筋力維持も難しくなる。
このため、開幕から5月までの足の故障が癒えない間は下半身が全然使えず、何とか強いボールを放ろうとして上半身が頑張るため、右肩が開いて制球は定まらずストレートはおろか変化球にもキレがない状態。
苦心惨憺、ようやくカウント上でバッターを追い込んでも、勝負球に威力がないためファールで粘られて甘いボールを痛打される、安定感のない登板が続いてしもうた。
こんな状態やと普通なら二軍で調整になるところやったけど、最後まで首脳陣、本人ともにその方法は選ばんかったね。
ネット上では「岩瀬が潰れる!」と心配する声もありましたけど、私は苦境から逃げて欲しくないと思いました。
そして森コーチが言った、「岩瀬は一軍で投げ続けなければ復調しない」という言葉の真意が私ゃ今でも分からんのですが、結局は時間をかけながらも完全復活してくれましたな。
6月以降は、昨季まで頼りにしていた奴そのものでしたわ。
ただし評価点としては、不調が長引いたこと、ホンマにしんどい場面は岡本が頑張った印象がありますんで、奴としては低めのこの点としました。

こうした経緯を踏まえて今季の奴の投球内容を見ると、私の主観では昨季よりスライダーが減って、ストレートやシュートが増えたように思いました。
奴の復調も全てが揃って戻ってきたわけやなく、ストレートの球威が先に戻って、スライダーの大きな変化は少々遅れて戻ってきたように記憶しとります。
スライダーはキレは戻ってきても、変化が小さかったかな。
デビュー以来、徐々にスライダーの比率が高まってきた傾向に、ここでブレーキがかかった印象ですわ。
少々不調期間が長引いただけに例年より数字は悪化しており(それでも防御率2.80は立派!)、対左の被打率.186はさすがの一言やけど、対右は.260と奴の数字としては少々不満の残る内容ですわ。
例年、対右の被打率の方がやや落ちるんやけど、今季はやはり決め球たるヒザ元に切れ込むスライダーの威力の回復が遅れたことが、この数字の原因になっとるんでしょうな。
また、ずっと9.00前後を維持してきた奪三振率が、今季は7.42と極端に落ちたのは気掛かりですわ。
それがピッチングスタイルの変化を意味するものなのか、それともボールそのものの威力の低下を意味するものなのか。
来季を注目したいと思います。

ピッチングフォームは、バランスの良いものですな。
(B)で高く足を上げて(C)にかけて十分重心を軸足に乗せ、(D)で弓を引くように大きく胸を張り、(E)で十分ヒジを上げてリリース。
重心移動、力の配分などに無理・無駄がないため、疲労も蓄積しにくいええフォームやと思いますわ。

さて来季やけど、クローザーとして二年目を迎えますな。
開幕から体調十分で臨み、タイトルを獲るほどの活躍を期待したいものです。
18 朝倉 健太  20点
   14試合  3勝3敗 防御率4.08  投球回53 被安打64 与四死球23 奪三振38 自責点24
「こんなはずじゃないのに」、というのが私だけやないドラファン共通の思いでしょうな。
02年に200イニングを投げて11勝。
身体的ポテンシャルを考えれば、その後は安定して15勝出来るような投手になれると思うてたものが、スリ足を捨てて臨んだ昨季からドロ沼にはまって這い出すことが出来ない。
03年1勝、そして今季3勝と全く戦力になれず、マウンドでもがき苦しむばかり。
奴がその才能の翼を再び開いて飛び立つのは、一体いつのことになるのやら…。

今季を見る限りでは、復活には時間がかかりそうな気がしますわ。
不振に陥ってからはいろんなフォームを試してますが、上体が突っ込み、左肩のカベが崩れてしまうため、腕の振りが遅れてしまう。
身体より前でボールをリリースしなければならんところが、頭の後ろでリリースしとる感覚なだけに、ボールは殆ど高めに抜けてしまい、それをストライクゾーンに抑え付けようとすると逆に地面に叩き付けることになる。
これでまともにピッチングせぇと言うのが無茶ですな。
二段モーションとか色々小細工してますが、この辺の欠点は全く改善されんままですわ(5月にナゴヤ球場で見た時には、少々マシやったけど…)。
キャッチボールはちゃんと出来とるんやろな…?

しかし、まともに投げられんはずで、実際に被打率.303も打たれてるのに、防御率4.08は悪い数字やないし球速も常に145km前後は計時しとる。
とっくに故障してもおかしくないとさえ思える投球フォームでありながら、この辺に奴の怪物ぶりを感じざるを得ないんですなぁ。
ちゃんと投げられるようになったら、一体どんなに凄いボールを投げるんやろ?

とにかくキャッチボールに始まり、遠投、ブルペンでの立ち投げ、それらを経由してピッチング練習。
きっちり左肩にカベを作り、重心の位置を右足に意識しながら、指がかかったボールを投げられることを確認してから次の段階へ進む。
今は狂っとる「投げるメカニズム」を思い出すよう、地味でも確実な練習をして欲しいですな。
コントロールとか変化球とかそういう練習は後回しにしても、このメカニズムが身体に定着すれば、それだけで格段に向上するはずですわ。
持てるポテンシャルはエース級だけに、来季は是非とも復活した姿を見てみたいものです。

頑張れ!
12 岡本 真也  95点
   63試合  9勝4敗 防御率2.03  投球回75-1/3 被安打60 与四死球28 奪三振85 自責点17
(A) (B) (C) (D)

「…ちなみに奴については、03年がキャリアハイであり、トレードに出すなら今や…と思うてたりします。」

これ、03年度評価で奴に対して私が書いたものです。
年齢、メンタル等を考慮すると、奴の伸びシロは少ないと思うたんやけど…、今にして思えばアホなこと書いたもんやなぁ。
自分の不明が思い切り恥ずかしいですわ。
岡本さん、すんまへんでした。

最優秀セットアッパーに選出されたように、岩瀬のクローザー異動後のセットアッパーとして、今季の奴は獅子奮迅の活躍を見せたと思います。
140km台後半を計時する直球の球威と、縦に落ちるスライダーのキレは相変わらず。
一方で制球については、内外角はアバウトやけど、縦の変化を武器にしとるだけに高低については悪うないのと違うかな。
奴の被打率.220は立派の一言やと思います。

昨季までは投球テンポやメンタルに問題があり、要所でボールを連発して、カウント不利から痛打されるケースが目立ったように思います。
自分のボールに自信を持ち切れんかったためか、打者から逃げる傾向があるというのが私のイメージでした(私ゃ逃げる投手が大嫌いなんですわ…)。
しかし今季は稀にそういう傾向が顔を見せたものの、堂々としたマウンド捌きで打者を見下ろして投げてましたな。
思い切り腕が振れてる時のボールは威力十分、また連投も効くタフネスぶりであり、切り札セットアッパーにはこれ以上ない適役やったと思います。

奴の投球スタイルは、下半身による体重移動や回転を生かすものやなく、メジャーばりに上半身のパワーで投げるものです。
しかし上の写真(D)にあるようにフォロースルーが小さく、奴はパワー全てを生かし切っとらんように見えますわ。
奴も来季はマークが厳しくなると予想されますし、何か上積みが必要になってくるはずやから、横の変化球を覚えて投球パターンのバリエーションを増やすとか、こうした投球フォームの改善を図るなどの対応が期待されますな。
…とは言うものの、久本と同じく奴も腕が縦振りだけに、横のスライダーの習得が難しいんやねぇ。
目先を変えるようなカーブがええかも知れまへん。

来季は勝負の年になると思いますんで、注目したいところですわ。
47 野口 茂樹  40点
   17試合  4勝8敗 防御率5.65  投球回78 被安打106 与四死球27 奪三振61 自責点49
(7/4)
(A) (B) (C) (D) (E) (F) (G)
(8/21)
(A) (B) (C) (D) (E) (F) (G)

いよいよチームから放出されかねない苦境に立たされましたな。
01年12勝で防御率のタイトルを獲ってから、故障により02年2勝、03年9勝、そしてホンマの復活を賭けた今季は4勝。
昨季ある程度ローテーションを守っただけに、今季は腕を振ることへの恐怖心も払拭されて、元のスーパーレフティな奴を見られるかと内心期待しとったんやけどね…。
何やかんや言うても、一度ファーム落ちを経験した後、走り込みを行ったとして再昇格した直後に見事完封勝ちして見せたように、まだ一線級として活躍できるだけのポテンシャルは間違いなくあると思います。
それだけに自ら残した成績が招いたこととは言え、今の奴の境遇には暗澹たる気分を感じざるを得まへんわ。

上の写真は7/4と8/21のものなんやけど、7/4は私的にはボールは来てたと思うてたのに5回途中でKOされたゲーム、8/21は立ち上がりからヘロヘロで3回二死無走者から7失点と火達磨にされたゲームですわ。
7/4の(E)・(F)と、8/21の(E)を比較すると、8/21の方が明らかに左ヒジの位置の低さが伺えます。
では何故そうなるのか。
8/21の写真には、大きな問題が二つあります。
まず(D)から(E)にかけて右ヒザに割れがあり、特に(E)では外側に開いてしまっているのが分かりますな。
こうした身体の開きは腕を横振りにしてしまい、球離れを早くすることになってしまいます。
そしてもう一つは、7/4(E)と比べると8/21(D)では右腕が上がってまへん。
上げた右腕をグッと巻き込むことで反対の左腕が上がるんやけど、これなら先ほど問題視した左ヒジが上がるわけもありまへん。
これはピッチャーとしては故障の恐れもある、危険なフォームやと思いますわ。
7月は完封時の名残があったと思うんやけど、たった一月でフォームがボロボロやね。
球数は放れるしフィジカルには問題ないと思えるだけに、こんだけフォームが変わるとすると問題は何らかのメンタルやろか…?

奴の場合、現状ではローテーション投手としての資格はありまへん。
しかし問題は安定感であって、ボールを投げる力量ではないと思うてます。
素晴らしいボールはある。
それをコンスタントに1ゲーム、1シーズン投げ切ることができれば、ええ時のイメージに近い野口が戻ってくるのと違うやろか。
少なくとも朝倉に賭けるよりは、分のええ賭けやと思うんやけどね。

あと一年、奴には時間が欲しい。
まだスーパーレフティに戻れる可能性は、大いにあるはずやから。
19 久本 祐一  60点
   38試合  1勝0敗 防御率3.83  投球回42-1/3 被安打47 与四死球18 奪三振32 自責点18
(A) (B) (C) (D) (E) (F) (G) (H)

前半はストレートが全く走らず、制球もバラバラと、全くええところがなく、アッちゅー間に二軍落ちしてしもうた。
その後も少し上に顔出したと思うたらボコボコにされて、その都度二軍へ逆戻りさせられる始末。
奴と山北が機能せんかったことが、序盤のドラにどれだけマイナスやったことか。
前半戦の奴は、殆どチームに貢献することなく終わってしもうた。
オールスターの少し前くらいから一軍定着したんやけど、その後も敗戦処理を中心に登板しながら炎上するケースもあり、正直言うて私ゃ奴が登板する度にウンザリしたくらいでしたわ。

ところが五輪期間に入り、岩瀬が不在になった頃から奴の左腕が輝き出しましたな。
別人のようにストレートが威力を増して、以前にもなかった球速140km台後半をコンスタントに計時するようになり、滅茶苦茶やった制球もかなり改善してきました。
8月半ばには5〜6点あった防御率が最終的には3点台に落ち着いており、投球回数が伸びにくく防御率が下がりにくいリリーバーとしては、いかに後半は安定しとったかご理解いただけると思いますわ。
こうなると敗戦処理から、僅差のゲームでのセットアッパーへの配置転換となり、ようやく自分の働き場所を確保したようです。

奴の長所は上の写真(E)から(F)にかけて表れていように、右足が着地して左腕がスイング開始しても右肩が開かず、十分に重心の乗った軸足がバネのように身体を前方へ押し出せるところですな。
今季の奴の場合、シーズン途中で突然ボールが速くなりましたんで、どこが成長したのか分かりにくいんやけど、球威・制球とも劇的に向上したことを考えると、地味に下半身を強化し続けた成果が出たとしか考えられまへんな。
とにかく後半の内容なら、勝ちゲームのセットアッパーとしても十分使えると思いますんで、フィジカルを維持・向上させるようにオフの間は頑張って欲しいところですな。

課題としては、実は左打者対策なんですわ。
対右打者が.233に対して、対左打者は.375と、左打者は全員がイチローと対するような感覚で打たれてるわけです。
これは左腕の振りが完全にタテであること、横に動く有効な変化球がないことが原因なんやけど、逆に言えばスライダーやシュートを磨くことが出来れば、切り札的な存在に化ける可能性もあると思うてます。
来季も楽しみな存在ですな。


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