49 ルイス・マルチネス 75点
18試合 8勝4敗 防御率3.38 投球回109-1/3 被安打109 与四死球32 奪三振88 自責点41 |
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憲伸に続き、中田と並んで先発陣で二番手の勝ち星を稼いでくれましたが、OP戦の頃にはこれほど活躍してくれるとは、殆ど思うてまへんでした(中田の方はシーズン半分なら、かなり勝つと期待してましたが)。
シーズン序盤に組まれたローテーションから、落合、朝倉、山井、中田らが不安定なまま一部は脱落していき、先発投手が2人も3人も足らない状況に陥ったシーズン中盤に、彗星の如く登場してくれました。
OP戦の頃はとにかく140kmに届かないお辞儀するストレートが殆どで、決め球のチェンジアップも生きない状態。
練習嫌いというキャンプ時の報道もあって、コイツは期待できんと思うてたんですが、いきなりの快投には正直驚かされました。
まずストレートが速くなり、バラついていた制球も安定。
その2m近い身長から繰り出される、回転の少なそうなストレートは角度十分であり、これにストンと落ちてくるチェンジアップが加わる。
さらに一番大きいのは、この配球を生かすことのできる低目への制球が、見かけによらず正確なこと。
沈み気味のストレートは角度があり高低差が非常に大きくなるほか、チェンジアップもその球質から低目への制球が生命線となるだけに、奴がこれをきちんと操ることができることは大きいですな。
(A) (B) (C) (D) (E)
課題はスタミナ面やろか。
上の写真を見る限り、奴も外国人特有の上半身ピッチングなんやけど、特に(D)で軸足の左ヒザが捕手側に折れているくらい、体重移動が使えてまへん。
腕の振りがヒジの伸びたアーム気味で、これでそこそこ制球が悪うないというのが分からんところやけど、この投げ方やと腕にばかり頼ることになり、楽には投げられんように思います。
やはり、それなりに体重移動を使い、楽に投げられるようにした方が、スタミナ的には有利やと思うんやけどな。
05年はリリーバーが火の車の時期に、大量リードでも完投できなかったことがあり、この辺は改善の余地ありやと思います。
06年は一層の飛躍を期待したいですな。
たった8勝で日本野球を舐めんように、努力してもらいたいところです。 |
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12 岡本 真也 65点
57試合 10勝3敗1S 防御率3.14 投球回63 被安打60 与四死球32 奪三振65 自責点17 |
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昨季、岩瀬に繋ぐセットアッパーとして、大車輪の活躍を見せた右腕。
チームに不可欠な存在となった今季は、さらなる飛躍を期待されたのですが、やっぱり「二年目のジンクス」にはまったと言うか、必ずしも期待に応えたというシーズンにはなりまへんでした。
シーズン当初からストレートは走らない、コントロールも良くないという二重苦に陥り、首脳陣が昨季の岩瀬のように登板する中での復調を試みてようやく上向きの手応えを得た夏場に、それまでの登板過多が祟ってパンクしてしもうた。
しかし結局これも、最後まで調子を上げ切れなかった、本人の問題やと思うてます。
★05年
(A) (B) (C) (D) (E) (F) (G)
★04年
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昨季と上の(C)を比較して目立つのは、今季の方が左肩が上がって右肩が下がっている、つまりそっくり返り
気味で投げているということやね。
(04年は写真が傾いているようにも見えますが、左肩への顎の乗り方を見ても、今季より両肩の線は平行やと思
いますわ)
このため(F)のリリースの際に、左足がつっかえ棒のようになって腰が引ける結果になっとります。
元々奴のフォームは立ち投げの傾向がありましたけど、今季はこの傾向が悪化したわけで、こうなるとボールに
体重が乗らないどころか、リリースが早くなるためボールは上ずり、低めにはええボールは行きまへん。 |
今季の奴はフォークをグラウンドに叩きつけるケースが目立ちましたが、それも当然という気がしますわ。
06年は、今季終盤に調子を崩した岩瀬に不安が感じられることを考えると、セットアッパーの重要度はさらに上がってくると思われます。
しかし高橋聡や鈴木といった今季ブレーク組は、2シーズン続けての実績がないことや、今季の疲労からの回復が読めないため、実績のある奴の働きがカギになるかも知れまへんな。
是非、タフネス・岡本の復活に期待したいと思います。
頑張れ! |
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23 鈴木 義広 75点
47試合 5勝3敗 防御率3.56 投球回68-1/3 被安打62 与四死球31 奪三振46 自責点27 |
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今から思えば、ホンマに04年ドラフトは大成功でしたな。
多くの指名選手が一軍登録された上に、特に中田と石井、そして鈴木は、チームにとって不可欠な存在になってくれました。
中盤からシーズン終了にかけての奴の貢献は、先発、リリーフのポジションを問わず、きつい連投にも耐え抜くという、新人としては出色のものやったと思います(後に故障が判明してしもうたけど…)。
シーズン序盤のデビュー当初は、クニャクニャと個性的なフォームと、べらぼうに速いストレートに存在感を示しながらも、私の奴へのイメージはハートの弱さが垣間見えたところから「チキン」というものでした。
(中田初勝利の4月の阪神戦、9回に救援した奴の顔面がいかに蒼白やったことか:苦笑)
結局、GWあたりで二軍落ちとなり、5月の一ヶ月をウェスタンでの調整に費やすことになりましたな。
その後、リリーバーの崩壊に苦しんでいた交流戦中に一軍復帰となりましたが、それ以降の奴の活躍は見事でした。
ローテーションに穴が開いた時には先発に回り、また岡本リタイヤでリリーバーが火の車となってからは、重要なセットアップの役割を果たしてくれたと思いますわ。
余裕が出たためか制球の不安定さが影を潜め、特に8月以降はフィジカルが厳しくなる中で、安定した投球を続けてくれました。
9月には阪神のJFKにも負けんような登板間隔で投げまくり、それでも歯を食いしばって投げ抜いたのは、賞賛に値すると言うべきやろね。
(A) (B) (C) (D) (E)
(F) (G) (H) (I)
奴はご存知の通りサイドハンドなんやけど、上の写真を見る限り腕はかなり上から振られてますな。
特徴的なのは、普通オーバーハンドなら左足を踏み出しながら右肩が下がり気味になる(D)で、右肩を上げているところやね。
(G)で右肩が非常に高いところにあり、これが強いボールを投げられる理由やと思いますが、右肩をいったん下げるとサイドハンドでは右ひじを上げにくくなるため、このように対処しているものと思います。
下手をすると(E)の段階で上体が突っ込み気味になるフォームやけど、左腕でしっかりとカベを作って、身体の開きを上手く抑えてるのと違うやろか。
さて来季、重要な戦力となった奴やけど、今季終盤での故障がきちんと癒えるのかが心配ですな。
ここは秋季キャンプを休めたことで楽になれると信じたいところやけど、まだルーキーだけに気になります。
来季の飛躍を大いに期待してまっせ! |
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11 川上 憲伸 80点
25試合 11勝8敗 防御率3.74 投球回180-1/3 被安打189 与四死球32 奪三振138 自責点75 |
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山あり谷あり、起伏に富んだ奴の長い今シーズンは、途中から深い渓谷に沈み込んだまま終わってしまいました。
阪神との優勝争いが激化した8月以降、7月の月間MVP投手とは思えないような変調をきたし、直接対決はおろか下位チームにも全く勝てず。
後半戦に入ってブレークした中田が、神懸り的な投球を見せただけに、その後に投げる奴の体たらくが余計に目立ちましたな。
しかし思うに任せない自らの投球に一番苛立ったのは、責任感が人一倍強い奴自身やったはずですわ。
…今回はこうして一敗地に塗れた奴の05年を、「05年度評価」の一作目として振り返りたいと思います。
4月開幕戦を完封でスタートした後、トラブルでローテーションを一回飛ばしたものの、交流戦までは「エース」として最低限の仕事は果たしていたと思います。
ストレートの威力は明らかに昨季に及びまへんが、相変わらずの正確な制球と、昨季日本シリーズから配球に加えたシュートが威力を発揮し、これを補ってくれました。
そして交流戦、最初の躓きがありましたな。
「パの打者は、自分に対する恐れがない」
奴のカットボールやシュートに怯えることなく、どんどんバットを振ってくる。
セの打者を相手に投げる時は相手が憲伸に対して過剰な警戒心を抱くため、最初から自分のリズムで投げられるのに、パの打者に対しては自分の土俵に引き込んで投げることができまへんでしたな。
結局、ロッテ相手にあわやパーフェクトの快投を見せたことはありましたが、交流戦では勝ち星の上積みが殆どできず、チームの失速の一因になってしまいました。
今季の憲伸の変調に気付いたのは、この頃でした。
昨季の奴は、ウィニングショットのカットボールで左打者を攻めるため、右打者よりも左打者との相性が良かったんやけど、今季は対左打者の被打率が三割を超えてしまいました。
おかしいと思うてチェックしてたら、あるゲームでは全くカットボールを使わんかったり、違うゲームで投げても「曲がらないスライダー」程度のボールを投げたりで、昨季までの切れ味鋭いカットボールは全く見られまへんでした。
シュートを投げ出して右打者は抑えとるんやけど、左に強打者を揃えるセ・リーグではカットボールなしではかなりキツイ。
(結果的にもその後、阪神・金本にボコボコにされたわけやが)
当時の私としては今後の優勝争いを考えると、カットボールの復調はチームの浮沈を握るものとすら思えるものでしたわ…。
そしてオールスターに出場、ここも一つの転機になりました。
SB・松中と対戦して討ち取ったわけやけど、この時使ったカットボールはそこそこの威力を示しました。
これで後半戦はノッていける…と思うたら、7月の月間MVPという結果を見せてくれましたな。
確か7月の防御率は1.00未満やったと思いますが、この投球を見て、その先の変調を誰が予想したやろか?
私ゃこの時点では、今季も憲伸がチームを優勝に導くものと確信してたんやけどね…。
★5/20 vs千葉ロッテ (恐らく今季一番の投球)
(A) (B) (C) (D) (E) (F)
(G) (H) (I) (J) (K) (L)
★9/28 vs横浜 (今季最後の登板、目の前で大炎上)
(1) (2) (3) (4)
(5) (6) (7) (8)
後半戦の失速は、この連続写真を比べて見ると原因が分かり易いと思います。
9/21付の「戯言」で、立てた私の仮説は次のようなものでした。
@左腕の引きが甘い
A右肩が前へ回って行かないため、下半身で回そうとして開き気味になる
B右肩が回らないことで、テークバックが深くなり過ぎ、ボールを持つ右手が頭から離れてしまう
C右ヒジが下がり気味になり、右腕の振りが横振りに、またリリースも早めになる
D制球が定まらず、抜け球や叩きつけるボールが増える
(G) |
(4) |
左が5/20(G)、右が9/28(4)です。
明らかに(G)の方が、グラブの位置が高いところにありますな。
ここで上げたグラブは、この後身体に巻き込んでいくわけですが、グラブは高い
位置から引き降ろすほど、ボールを持つ右腕が高く上がります。
つまり(4)では、この後右腕があまり上がらないということになるんやね。 |
(H) |
(6) |
上述の原因のために、(6)では右ひじの位置が低くなっとります。
さらに左腕を強く引いていないため、上体の回転が不足してテークバックが深く
なり過ぎ、右肩が開いた状態になっとりますな。
(胸のマークが、(H)の方が右肩側が上がっている)
これではボールはシュート回転するし、リリースも早くなって制球が定まりまへん。
ボールが低めにコントロールされず、抜け球や叩きつけるボールが増えたのは、
正にこれが原因やと言えます。 |
如実にフォームの狂いが表れており、ボールの威力も、制球力も奪われることになってしまいました。
しかしこれには明らかに原因がありますわ。
これは奴の持病である右肩のルーズショルダーが、再発したと見るのが妥当やと考えます。
フォームの狂いの元凶たる左腕のグラブの使い方やけど、思い切ってグラブを巻き込めないのは、左腕で上体を回転させて右腕を引っ張るのが怖いからですわ
思い切って左腕を使えないから上体の回転が不足し、これが深過ぎるテークバックの元となる。
さらにグラブの位置が低いために右腕を引っ張り上げることもできず、右ひじが下がって腕が横振りになってしまう。
これは球威・制球に影響するどころか、痛みを庇って逆に故障しやすいフォームになるという悪循環に陥ってます。
本人にとっては投げれば投げるほど、どんどん不調の泥沼に落ちていく感覚があったのと違うやろか。
ちょっと調整して復調できるような、そんな状態やなかったんや…。
確かに今季のドラは、憲伸の好不調がチーム成績へ如実に反映しましたな。
奴が勝っていた交流戦まで、そして月間MVPを獲得した7月のチームは勝ち続け、奴が勝てなかった交流戦、そして8月以降はチームの勢いがピタッと止まってしまいました。
だからこそ奴がエースなのであり、これを考えれば奴がV逸の第一戦犯に指定されても仕方ないんやろうね。
しかし明らかに調子を崩した投手を起用し続けなイカンほど、夏場のドラ投手陣は窮乏に瀕していました。
憲伸という男は、交代すべき時は自ら降板するけど、代わりがおらんとなったらトコトン自らの責務を全うしようとする奴です。
03年シーズン序盤、明らかに右肩に以上を抱えながら、開幕からローテーションが崩壊していたチームでローテーションを守り続け、結局そのために完全にパンクしてGW以降のシーズンを完全に棒に振ったのは、記憶に新しいところですな。
今年も8月に入った頃のチームは03年と同じく、故障者続出のため先発・リリーフともに人を欠く状態に陥り、かつ先発が早期KOを繰り返したため、リリーフへの負荷が相当に大きくなっていました。
このような状況下ではいかに不調であっても、エースという立場にある奴としては、長いイニングを投げつつローテーションを守り続けるしかなかったんですわ。
奴はチームのために、自分がいかに貢献できるかを常に考える奴なんやね。
本当に問題やったのは、奴の投球内容ではなく、故障を疑われる奴に最後まで頼らざるを得なかった、チームの層の薄さやなかったのか。
それにしても完全に結果論になりますけど、8月に奴の不調が明らかになった時点で一度登録を抹消し、休養・調整によって9月の最終決戦に賭けたらどうなったやろ…?
一般的な奴への評価としては、後半戦の無様な投球から「戦犯」とか「落第点」というものになるのかな。
しかしチームで勝ち頭の11勝、そして殆ど最後までローテーションを守り続け、180イニング以上を投げ切ったことを考慮すれば、私は少なくとも及第点には達していると考えます。
チームの役には立ったはずや…!
そして来季。
中田、中里と、新エース候補の超新星も現れただけに、憲伸も負けられまへん。
そして今季の悔しい思いは、必ずや来季で晴らしてくれるものと確信しております。
そのためにはひたすら休養すること。
キャンプに食い込んででも休み続け、右肩を復活させてもらいたい。
フィジカルさえ万全なら、04年シーズン以上の成績さえ十分に可能なはずなんやから。
頑張れ、憲伸!
来季は頼むで !!
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