■第18回 黒姫山

2002年5月18日 (土)
参加者19名
松崎、川口、岩堀、岩崎、澤田、長島、星野、石井、高野、 田村、戸部、荻原、加島、真下、三瓶、斉藤
[コース] 大橋登山口発(9:20)-古池-新道分岐発(10:50)-しらたま平発(12:40)-黒姫山頂−黒姫乗越−姫見台発(2:45)−黒姫高原スキー場−アスティ黒姫着(4:30)


 水芭蕉(黒姫入山口にほど近い古池の隣の湿原) 黒姫山 山頂

山行記 

高39回 斎藤雄一記

川越を早朝五時三十分に出発し、バスは黒姫山登山口へと向かった。
登山口の大橋に着いたのが、確か九時頃だったと思う。今回の山行は、かなり遠方なのだ。

私はOB会の山行に参加するのは、今回で四回目である。
最初に行ったのが、蓼科山で、その次が赤城山、そしてその次が奥白根山であった。今までの山行は、だいたい、登山口から、三時間ほどで山頂に着いているが、今回は、四時間以上はかかるという。
私は一番若いくせに体力的に心配だった。なにせ、この前、体重を測ったら、八十七キロもあったのだ。これでは、登山中、おなかが重い。また、息もすぐ切れてしまう。

登山口の大橋の標高が、約千百メートル。だいたい、三峰神社の標高と同じである。そして、山頂が二千五十三メートル。雲取山より、高い。これを、四時間で登るのだ。かなり、きつそうなことが予想される。
しかし、私は、数年前、大洞川から和名倉山まで、標高差は何メートルだったか忘れたが、これを一日で登り切っている。今回も、何とかなりそうだと、最初のうちは思っていた。

 登山口の大橋から少し戻り、種池への山道へ入る。最初のうちは、緩い登り坂で、特にきついということはない。
そのうちに、種池へ着いた。木道があり、池畔へ行ってみる。ちなみに、この池は、水の流入口も流出口も無いそうである。どのように、水量を一定に保っているのだろうか。

再び先へとすすみ、しばらくして、古池へ出る。こちらの方は、かなり大きく、また、川をせき止めている、水門もある。どうやら、人造の池のようだ。また、何人かの人がいて、ここで休んでいた。
池の左側にまわり、なおも登山道を進んで行くと、木道となり、湿原になった。池を半周ほどすると、池から離れ、左の山腹へ取りつく。

今まで、書くのを忘れていたが、天気はあまり、良くない。皆、雨具を着けている。雨の中の山行は、袈裟丸山以来だそうだ。このあたりでは、私は、松崎先生と真下と一緒だった。
一瞬、雨の音が強くなったと思ったら、それは、沢の音だった。その沢を渡り、坂が、少し急になると、私は、だんだんきつくなって来た。しかし、この時は、まだそれほどということもなく、じきに、新道分岐に着いた。

真下は、ここでも休まずに、どんどん先へと行っている。さすがに強い。彼は、二十分ほども先に、しらたま平へ、着いてしまい、皆が来ないので、不安になってしまったそうだ。
私は当然のことながら、ここで休む。そして、水を飲んだ。加島さんが、このペースなら山頂まで行ける、と言っていた。しかしながら、私は、この先、しらたま平への登りで、体力の限界をみることになる。

 しらたま平への登りは、最初は緩い登り坂だった。しかし、山頂までの標高差からもわかるように、途中から、かなりの急登となった。おまけに、雨も段々と強くなってきた。道の中央を水が流れていて、足場も悪い。この頃から、私は、皆から、遅れ始めた。足を何回か滑らせながら登って行くと、残雪があった。少し傾斜が緩くなると、そこがしらたま平だった。私はそこに、座り込んでしまい、写真の中に入る、気力も失せていた。
おにぎりを一個食べていると、山頂隊は、すでに出発してしまった。私は、ここから、降りることになった。

 先ほどの登り坂は、下りになっても、なおも悪い。道の中央を水が流れていて、ぐちゃぐちゃである。私のステッキは、途中でポキリと折れてしまった。
岩堀さんは四駆で、着実に降りている。私は何回か転んでしまった。いやになってくると、そこは、新道分岐で、水を少し飲んだ。その先は、車道となり、だらだら歩きをすると、出発点の大橋に着いた。バスの中で着換えをし、ビールを飲んで雑談をした。
そしてバスは、温泉のアスティ黒姫へと向かった。

 今回の山行で残念だったのは、やはり山頂へ行けなかったことだった。しかし、体力トレーニングをする暇もないので、今後は、あまり、無理をしないで参加しようと思う。
しかし、私も年を取ったものだ。

 大橋登山口 集合写真


「先発グループの「黒姫山行」後半紀行」

高9回 岩崎清彦 記

さて、先発グループはしらたま平での昼食もそこそこに後続グループの到着を待ち、記念撮影を早々に済ませて出発、約20分ほどの霧雨に煙る中のしばしの休憩であった。

そういえば今回の山行では殆ど休憩らしいものをとらずの強行軍だ。けっこうきつい、今までの我々グル―プの数ある山行ではあまり感じたことのない程の疲れが襲う。

しらたま平から黒姫山頂へは二重火山である黒姫の外輪山の尾根を、西端からグルと廻って北上する形で往くが南と東が笹原で開けた快適な縦走路である。
天候さえ良ければ素晴らしい眺めだろう。まったく残念だ。

小さなアップダウンをいくつか繰り返してまもなく頂上へ。小さな祠と壊れた方位板があるだけ、ここでもそそくさと記念撮影をして黒姫乗越へと向った。今回は時間的に厳しい行程である上に雨に祟られたことも加わってか、全員ついつい先を急いでしまう。ここから姫見台への下り道は下見をしていないコースである。

地図の上では比較的平易なように見えるが、現実は違っていた。まず踏み跡があまり見られず、すくなくともここ数日は人が通った気配すらない。
その上残雪と倒木や枝が山道の所々を覆いかくすように我々の行く手を阻む。そのため予想以上のロスタイムが生じ、先行する者も時々立ち止まっては全員を確認しながらの下山となった。

やがてケルンのある姫見台を過ぎるころから残雪も無くなるが急な傾斜と岩と木の根が混在する下山路は疲れた身体にはこの上なく堪える。
ようやく黒姫スキー場へとでるが相変わらず霧雨に煙ってまったく見通しがきかない。ここからゲレンデ内を降ることになったが濡れたゲレンデの土も草もとても滑りやすく、何回か足を取られての転倒を繰り返しほうほうの体でスキー場下へとたどりついた。ここからしらたま平からの引き返し組との待ち合せ場所であるアスティ黒姫へはまた車道を結構歩かねばならなず、全体を通してかなりのアルバイトを強いられた今回の山行であった。

しかし大橋登山口から入ってまもなくの古池周辺の湿地地帯で水芭蕉とリュウキンカが混在する群落を見たり、今を盛りのミツガシワやカラマツ林の新緑、それに当地の名産竹細工の原料になるらしいネマガリダケの密生する急斜面を行く登山道など記憶に残ることも多い山行であった。またぜひ天気の良い時にもう一度きて挑戦してみたいものだ。


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