■第3回 三国山

1994年5月15日 (日)
参加者10名

山行記 

高8回 岩堀弘明 記

三国山集合写真雨天決行ということになってしまった。
行ける所までという約束で、17号国道三国トンネル手前登山道より入る。峠迄の山道は、雨もさほどのこともなく静かな山林を分け入る感じだが、峠に出て、強い風と横殴りの雨、視界3mのガスに驚く。突風で飛ばされそうだ。
「これは…ダメだな!」下見の経験で山頂から降りる時の危険と年齢に考慮して、登頂を断念。
一同納得して峠から引き返し、前回下見した旧道をくだることにする。

残雪はすっかり消えていて、薄緑色に化粧した若木のブナ林に包まれる。
野鳥が飛びかう中に身を置き、しばし詩人になった心境。去り難い気持ちを振り切って歩くうち、小さな沢を越す。
忘れていた谷川の水の味だ。昔駕籠で峠を越えた時、この清水を手ですくって飲んだそうで往時がしのばれる。

この頃から雨もやみ、この季節特有のモヤに包まれた中を歩く。
こんな1000m程の高い山中に、広い広い往還が現れる。不思議な空間である。
この旧道は、古くは謙信の駒返しの湯とか、近くは戊辰戦争の古戦場跡とか、往時より重要な街道であったことがうかがえる。
その古戦場の大般若塚からが、急な40分の下り坂だが、この辺りのヒメシャラやブナの原生林はみごとである。

膝が笑い出した頃、バスを回してくれた17号国道に到着。
あとはいつもの通り温泉へまっしぐら。
今日は法師の湯。極楽、極楽。



 第3回山行の下見会

 1994年3月23日 (日) 晴れのち曇(山人4名―金子勇二、岩堀弘明、長島威、高野七郎)

創始者の金子先生と 春の彼岸はまだちょっと寒い。が本番の5月15日の山行に金子先生の都合が悪いとおっしゃるので下見山行にご一緒して頂いた。
前もって先生のお話に「山頂 又は 途中かなりの雪が残っているかも知れない。」ということで 軽アイゼンを買い込みピッケルのチリを払ったが何のことは無かった。山道には必要無かったけれど、ワザワザ雪の所を選んで遊んだ。とはいっても峠の三國権現社の鳥居の前は2m〜3mの吹溜まりでちょっとした雪庇である。そこからの急登はガレ場でなかなかのもの「本番での山行で苦労するかな。」と人の心配をした。

さて三國山頂(1636m)で一服。北斜面に残雪が残りグリセードのマネをする。
折角用意した装備だから何としても使わなくては・・・といぢましいこと。
帰路は健脚者ぞろいで休みなしに下る。旧三國街道の往環が見事で疲れを忘れる程だ。ブナ林が少し赤く色づいて芽吹きを感じる。色々と花の名を教わる。
まだ咲くには早いが、シャクヤク、ツツジ、ヒトリシズカ、ショージョーバカマ、と教わって見ると大変な賑わいだ。金子先生そして高野さんと、お二人は大変な物知りで楽しくてご一緒して頂いて良かったなあ・・・と思うゆとりが中高年の山行の良さか。他の一名は風流とは無縁のようだ。

下山、法師の湯でくつろぐ。 ここの湯は良い。

高8回 岩堀弘明 記


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