流送設計の実例:第4期計画

第4期流送設計は、日本海ルートを延長して四国及び九州地区にも全国天然ガス供給を完成させることにある。四国・東九州地区は瀬戸内ラインで、西九州地区には山陰経由で供給することにした。
北海道陸上導管は第1期並びに第3期計画の導管に沿って更に1本追設することで流送容量を確保した。大導管(1,422mmOD x 7.5MPa)3本を敷設した世界最大の天然ガスパイプラインとなった。
瀬戸内地区は、沿岸敷設ではあるが陸上輸送並みの許容ガス流送圧力7.0MPaにて山陽・四国地区に天然ガスを供給しつつ、志布志を終端とした。
山陰地区は、沿岸敷設を採用するが日本海地区よりも低い許容ガス流送圧力10.0MPaを満足する様に導管サイズを設定した。近隣の離島を含めた西九州各地に天然ガスを供給しつつ、串木野を終端とした。



北海道幹線での天然ガス流送量は 10,000t/hr
・北海道地区  600t/hr
太平洋ルートでのガス流送量は 4,800t/hr
・東北地区   700t/hr 
・関東地区  1,100t/hr
・京浜地区  2,200t/hr 
・東海地区   800t/hr

第4期計画では北海道幹線では第3期と同一の導管を追設し、大導管を合計で3本を敷設した。圧送ステーション数は変わらず5ヶ所で、圧送用の圧縮機が増設された。
太平洋沿岸では第3期の6ヶ所圧送ステーションに2ヶ所の圧送ステーションを追加し、流送設計が成立した。
太平洋ルート東海地区では中京地区バックアップの意味合いから圧送ステーションが3ヶ所設置されるが、第3期と同様に通常流送では必要無いことが結論となった。










日本海ルートでのガス流送量は 4,600t/hr
・日本海地区  800t/hr 
・中京地区   900t/hr
・関西地区  1,200t/hr 
・瀬戸内地区  800t/hr
・九州地区   900t/hr

第4期計画の日本海ルートでのガス流送量は導管定格流量に達したので、2ヶ所を追設し合計6ヶ所の圧送ステーションを稼働させることで、流送設計が成立した。
日本海ルート瀬戸内地区では2ヶ所の圧送ステーションが必要となった。
日本海ルート山陰地区、九州地区では圧送ステーションの必要が無いこととなった。












日本海の新潟付近で地震が発生した場合には、中京・阪神地区並びに四国・山陰・九州地区には太平洋ルートを使って供給する。
日本海ルートは新潟をバイパスして温海−相馬間の交流ラインにて太平洋ルートに合流し、東海地区の圧送ステーション3ヶ所を稼働し、中京地区に供給する。
更に名古屋−敦賀間の交流ラインにて通常の日本海ルートに戻し、通常の経路にて各地区に供給する。

しかし、太平洋ルートの導管の流送容量が限界に達し、天然ガス供給は新潟地区を除く各地で72%しか確保出来無いこととなった。
新潟地区への供給確保は第3期と同様に稚内、相馬の貯槽を用いてバッチ処理することにする。













”緊急事態の発生は新潟地区の地震だけとは限らない。”
”各単一地区即ち三陸沖、秋田沖、東海沖、新潟沖地区での全ての緊急事態に短時間でバックアップ対応を実施出来ることを確認した。”




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