この急行について語る時、まず一番始めに疑問に思うのは使用された車輌についてである。

私は今まで多くの鉄道関連雑誌を読んできたが、真の‘東海型’はどの車輌を言うのだろうか?

客車からスタートして、153系(185系の時あり)・165系と移り渡ってきてはいるが、某雑誌は153系が東海型で

あると記述し、また別の雑誌は165系が東海型と言い、さらに別の雑誌は153系は旧東海型で165系は新東海型と

述べている。

一つの列車愛称名から複数の車輌が型としてあがるのは、おそらく国内の鉄道で例がないだろう。

しかも、“東海型の ‘東海’ は列車の愛称名でなくて東海道線そのものを示している。” と書いている雑誌もあり、

ここまでくると一つの論争に発展しても不思議ではないだろう。

ただ、私が思うには153系を元に勾配の激しい山岳仕様にしたものが165系であり、主に上信越線や中央本線に

投入されていることから、153系が真の ‘東海型’ ではないだろうか?

急行「東海」と東海型

時代は21世紀。 現在東京駅を出発する東海道線で昼行急行は1本もなく、夜行急行で「銀河」が残る以外

全て特急・快速・普通列車で占めていることは、鉄道ファンならばもうお分かりであろう。

私が小学生(1970年代)の頃の時点で既に昼行急行は2愛称に減っていたが、運転本数自体は決して

少なくなく、急行型(もはやこの言葉自体が死語かも・・・)車輌独特のモーター音を響かせながら多くの乗客を

運んでいたのである。

1つは急行「伊豆」、そしてもう1つは急行「東海」である。(2愛称合わせて約10往復〜13往復ほど。)

残念ながら急行「伊豆」は特急「踊り子」となり、車輌(153系)ごと廃止されたが、急行「東海」は20世紀末まで

かろうじて存続し、東京発東海道線昼行急行の最後の砦を守り続けていたのである。

〔1993年 …… 管理人が社会人4年目の頃の記憶から〕

急行「東 海」 乗車記

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