赤湯温泉への山旅

                               2001.9.16

                                    跡部正明

平成13年の秋は、身辺にいろいろあった事もあり、何かもの悲しく秋山登山の意欲がわ

きました。既にいろいろの所へ行っているので、記憶をたどりながらなるべく近場で満足

度の高いルートを探すようにしています。

 

9/16(日)曇り:

赤湯温泉:1000m、登りの標高差、約250m 行程:約3.5

駐車場(12:20)―(13:10)鷹巣峠―(14:00)赤湯温泉(15:00)―(14:00)鷹巣峠―

14:40)駐車場 

 

今日は単独行。谷川連邦最高峰の仙の倉岳を目指して出かける。簡単な沢沿いの道

で、駐車場に戻れる巡回コースが組めるので期待して出かける。ところが、なかな

か思うように行かないことを知りました。

最近はカーナビを活用しており、なかなか利口にできていて役に立ちます。山奥の

温泉もメモリーに入っているので、温泉名で探すと、容易に登山口まで案内してく

れます。今回は川古温泉で入力して、猿ヶ京温泉方面から入りましたが、途中まで

は順調だったのですが、川古温泉への脇道が入力されていなかったようで、分岐の

看板があるので車を止めてみたのですが一見どこへ行く道か分からない。カーナビ

のアナウスはないし、案内は先を示しているので、ここはカーナビを信用して、そ

のまま行くと水上温泉口まで着いてしまった。結局元に戻って、看板のあった所か

ら入り、しばらく行くと川古温泉であった。ここら辺からすっかりツキが無くなっ

たようです。

川古温泉から登山口までの林道が今年は工事中で、車は立ち入り禁止の通行止め。

宿の人に聞くと歩けば2H、往復だと4H余計にかかるとの事。今は、ここから登

る人はなく、谷川岳から縦走してきて、下山路に使われるだけとの事。それでこの

コースをあきらめて急遽、平標山→仙の倉岳に切り替え、気持も切り替える。

平標山は以前に登った事があり、林道がかなり上まで行っているので日帰り可能。

ところが湯沢よりの登山口まで行ってみると、17号沿いに立派な駐車場が出来て

いて、そこから登るようになっている。歩けば1H、往復だと2Hは余計にかかる。

もう遅くなりかけているので、時間的にみて2Hは大きい。以前の平元林道は別荘

地帯へのアプローチになっていて、一般の登山者は通行止めになっており、入り口

には立派な監視所ができている。果敢に突破を試みるが、監視人が出てきて「どの

別荘にご用ですか」と聞かれると当てずっぽで誰ですと言う訳にもいかない。実は

突破をしようとしているのだが、何とか見逃してくれまいかと頼んだが、あっさり

つかまってしまった。聞いてみると、最近の登山者はマナーが悪いので、この林道

は別荘在住者の専用道路になっているとの事。別荘の案内所を兼ねるとは言え、監

視所つき林道とあっては退散せざるを得ない。

さればということで、今度は赤湯温泉までの日帰りを考え、赤湯林道を行く。ここ

も前に行った事があり、かなり奥まで林道が通じていたはずであった。

ところが、またまた終点の大分手前に駐車場が出来ており、そこから先の林道は鍵

がかかっている。さすがに気落ちするが、ここまできたからにはと、歩く事にする。

しかし、あまりの巡りあわせの悪さに興奮気味になっていたのだろう、表示は車止

めから片道1時間30分となっているが、以前に行った時の記憶では約1時間で、

高低差もあまり無く、たいした事無く行けるはず。それで、身支度もせず、携帯も

持たず、運動靴で歩き出す。これが良くなかった。この赤湯温泉へのアプローチは

実に立派な苗場山の山道で、途中から岩場はあるし、水は出てるし、岩ころ道は滑

るしで、運動靴では歩きずらい。時間も表示の通りにかかって、いっこうにはかど

らない。ついに岩場で滑って脛を擦りむき怪我した上に、崖から落ちかける。一瞬

やってしまったかと思ったが、何とか歩けてほっとする。次は途中で下って来た人

に携帯電話を貸してくれと頼まれる。苗場山から下りて来て駐車場までタクシーを

頼もうとしたら、電源が切れていたのだそうだ。車に置いてきたので人助けもでき

ない。今日は巡りあわせが悪いと考え以後はおとなしく行動する事にする。

赤湯温泉は入浴してみるとなかなか気持が良い。鉄分を多く含むせいか茶赤色系の

色をしており、岩場の湯船も茶色く染まってはいるが、なかなか適温で、直ぐ下を

流れる川音を聞きながら、川面を吹き抜ける涼風に頭を冷やしかつビールを飲みな

がら、読書をしながら入っていると、時間がたつのが口惜しい。どういう訳か誰も

やってこない、1人で約1時間ほど入ってから出ようとすると、すっかり体がだる

くなっていたので大分入浴効果があったようだ。巡りあわせが悪くイライラしてい

たのも落ち着きをとりもどす。

今日は日帰りであったが、ここの赤湯温泉山口館は泊まってみるのも、ひなびた

感じでよさそう。今夜の夜食にだすのだろうか、朝取りのキノコが笊にのせて並べ

てあった。残念だが泊まるのはまたの機会にしよう。

帰りの山道も地図の時間表示の通りでちっとも短縮できないどころか、少し余計に

かかってしまった。このような苦難の単独行も珍しい。帰りは途中の猿ヶ京温泉の

共同湯(無料)を探してもう一度入浴。最近はなるべく無料の共同湯を探す事にし

ているがこれは趣味の領域。

 

結局、赤湯温泉まで行ってよかったか?いろいろあったが楽しんできたのだから良

かった良かった。遊びに行ってレフレッシュしないはずはない。

 

                                (完)