奥穂高山への山旅

                               2001.8.27

                                跡部正明、キヨエ

平成13年の夏休みは、最近の夏では珍しく、山に登る意欲がわきました。

山仲間の皆さんからの登山報告の刺激を受けたのかもしれません。

それで北アルプスまで、未探索ルートを極めようということで、妻と2人ででかけました。

 

8/4(土)曇りのち土砂降りのにわか雨:

自宅 中央道 奥飛騨温泉街 高原川オートキャンプ場、 車中泊

 

朝に自宅を出たが、奥飛騨に着いたのは昼過ぎ、なるべく24H温泉つきのキャン

プ場は無いかと探しているうちに(ここら辺は宿屋でキャンプ場をもっているとこ

ろがある、その場合は24H入浴可)、2時頃にすごい夕立に遭い、視界がほとん

どゼロで身動きがとれず、しばらく待機して車を洗う。あとで確認したらすっかり

きれいになっていた。小降りになった所で、いつまで降り続くか分からないので、

平湯まで戻り、日帰り温泉に入浴する。

4時頃に晴れて来たの再び、キャンプ場探し。高原川オートキャンプ場を栃尾の手

前で見つける。ここは観光宣伝に載っていないせいか、8月の繁忙期の土曜である

が、ほとんど空でであり、24H入浴可の流しぱっなし温泉がある。雨天の時の待

避用キャンプ場(大きな屋根がついて床板もしっかりしたOpen型の体育館)、サイ

トモも広々、食事の時に使う安楽椅子まであった。(なかなか運べませんが、安楽

椅子と机があるとキャンプは結構、満足なものになる)。そこで4000円のサイ

ト料金を払い、隣にスーパーがあったので、鮎を買い込みバーベキューの夜食を楽

しんだ。その後は個室(結局、誰も来なかった)の露天風呂にたっぷり入り、明日

の鋭気を養う。まだ初日のせいもあり、妻もあまり文句をこの段階までは言わなか

った。

 

8/5(日)快晴:

奥穂高:3190mへの登り、登りの標高差、約1800m 行程:10H

河童橋(6:45)―(7:00)登山口―(9:45)岳沢ヒュッテ(10:00)―(11:20

カモシカの立場(11:30)―(13:45)紀美子平(14:00)―(16:30)奥穂高山頂

(17:00)山荘 

 

60度近い、一気の登りのためか岳沢を登るのは、なかなかいないらしく、途中で

降りてくるパーティにはたくさん会ったが追い抜いていったのは2組だけ(我々は

遅いので、いつも追い抜かれるだけで、追い抜いたことはない。これは、これでな

かなか我慢がいる)。昨日とうって変わって快晴に恵まれ、槍、白馬まで澄みきっ

て見渡せる。登っても登ってもすぐ下に岳沢ヒュッテがいつまでも見える。ヒュッ

テの隣のテントサイトでは上半身裸になって朝から昼寝をしているのが、いつまで

も見える。登っていく途中では心地よい風が谷から吹き抜けてゆく、なかなか快適。

さすがに奥穂高の頂上付近では5時近くなり、雲が湧いてきた。明日のためとジャ

ンダルムをしっかり観察しておく。山荘で500ccのビールを各1本、750円/本

で買って飲むが、これがなかなか飲み干せない、2時間ほどかけてじっくりと飲む。

いつも簡単に飲んでしまい、まだ足りないはずであるが、10時間の登りがきつ過

ぎたのか、いつも通りのおにぎり2ヶの昼飯が足りなかったせいか、めずらしい事

もあるものだ。一番最後のほうに小屋に着いたため、残りの部屋に割り当てられ、

まだ大分余裕があった。2人1枚の布団の指定を守らず、最初は気遣いながら、そ

のうちにどうどうと1人1枚を確保する。食事は、最後の回で、後まわしのため、

夕日が真っ赤になって、西に沈むのをじっくりとながめる。だんだん寒なってきた

が、なかなか雄大で、小屋から直接眺められるのが良い。途中から、遅着の客があ

り、若干混んできたようだが、しっかり1枚の布団は確保しているので、早めに就

寝。

 

8/6(月)快晴:

上高地までのパノラマコース経由での下り、行程:11H

山荘(6:00)―(8:00)涸沢(8:30)―パノラマコースー屏風のコル(10:00)―

(12:45)新村橋(13:10)―徳沢園(14:00)―明神館(15:00)―(16:30)上高地(17:00

―バスで平湯まで戻り、奥飛騨健康センターで入浴、近くの道の駅、泊

 

   起床4:15、食事5:15、昨日は一番遅い食事の組であったが、最初に並んで、

最初の組で朝食を取る、宿泊した時の朝はいつもしっかり食べる事にしているので、

みそ汁、ご飯とも3杯は食べる、昨日の到着時より食欲は回復。

食事の前に東側の峰峰から、雲海の上に日が昇って来るのを眺める。昨日の夕日と

全く反対側から昇ってきた。(当たり前はあるが、同じ場所で見られるのが良い)

下山に当たってジャンダルムー西穂高―ロープウェーで新穂高へ下山のコースを提

案するが、妻の同意が得られず。なかなか当初の自分の予定通りには行かないと諦

め、別の機会を考える事にする。次に降りる前に北穂高経由にしようかと、昨日は

前穂高をバイパスして登らなかったの、1山かせいで行こうかととも思うが、余裕

を持って降りる事にする。

早朝から晴れ渡り、空気が冴えていて気持ち良い下り。どんどん昇ってくる人達を

上からみて、降りて行くのも気持ちよい。一面のカールの中に、ミヤマダイコン、

ウラジロ、時々チングルマと咲き乱れている。涸沢で暇そうにしていたパトロール

の人から30分、話して聞いた花の名前だから、まあー確かでしょう。一方ではヘ

リの荷揚げの爆音が涸沢中に響き渡っている。この爆音だと小屋の何日分だろうか

と思う、まさか荷揚量と爆音が比例するはずはない。

涸沢からパノラマコースをとる。涸沢ヒュッテからの入り口に、危険につき初心者

禁止、雪渓時には絶対禁止と書いてあるせいか、誰も通らない。結局途中で、追い

抜かれたのが1組とパトロールらしき人、1人。何故かこの人には2回追い抜かれ、

2回とも道を教えて貰っている。迷った訳ではないが、妻が迷おうとしている所で

2回とも遭遇した。道は整備されているとは言えないが、山道ならば、こんなもの

でしょう、確かに雪渓が残っていたら、いい気持ちはしない急傾斜の山道が多い。

でも雪渓も消えた8月は、花もたくさん咲いており、それこそパノラマ、なかなか

良いコースです。しかし上高地までの道はとにかく長い。新村橋(シムラバシ)付

近で妻が、足に豆ができたと遅れ出す。最近は登山回数が減っているので、2日目

になると、疲れた、豆が出来そう、次には豆ができたと言い出す。これを慰め、元

気付けて、何とかご機嫌を保ちながら、連れ帰るのがなかなか難しいし、またまた

我慢のしどころになる。余裕所ではなく、ようやく5時の上高地発のバスに乗れて、

6時過ぎには入浴施設を探し出し、入浴。その前に昨日のスーパーで夜食の総菜を

買っておく、その後、目をつけておいた近くの道の駅で車中泊。

 

8/7(火)曇り、時々雨、特に朝方雨で昼からは曇り。

 

昨日の登山の疲れからか、妻はご機嫌が悪い。今日は絶対に登らないぞとの意気込

が伺える。あいにく天気も良くないので、移動日、兼温泉巡りにする。

栃尾の荒神の湯―奥飛騨の槍見の湯、各約1H。いずれも無人で早朝営業、キチン

と入浴料として協力金を払う。早朝に行ったので、ほとんど入浴者は居ない、2人

で混浴しているのに、後から入ってくるのが1人いた。この人は釣りに来たけど、

雨が降っているので、温泉に切り替えたのだそうだ。

この後、松本の浅間温泉を目指すが、火曜定休日を案内書で発見、穂高温泉で入浴。

その後、温泉つき道の駅、美麻で泊、都合4回、十分に温泉巡りをする。どれほど

の温泉効果があったかは疑問であるが、本日の妻は文句を言わなかった。

 

8/8(水)曇りのち晴れ:

白馬鑓温泉2100m、日帰り登山。登りの標高差、約900m、行程11H

猿倉(:5)−鑓温泉への分岐(7:10)一(9:00)水場(9:20)−小日向のコル(9:45)

―(12:00鑓温泉小屋(13:50)−小日向のコル(16:00)―(18:00)猿倉

 

時間が早かったせいか、猿倉の駐車場に車を停めることことができた。白馬はどこ

に来てもきれいな山です。花が季節を通して楽しめ、登りがゆるやかでなプロムナ

ードコースになっている。水場では水割りを飲む、水が冷たく水割りもうまい、花

を眺めながら飲むのが、また良い。登るにつれてミヤマキンポウゲ、クルマユリの

群落が増えてきた。鑓温泉には約30分、谷からの風が気持ちよいが、それ以上は

入って居られなくなったので出る。妻はまだまだ頑張っていた。出てきたら小屋泊

まりにしたいと言い出したが、まだ1時だし、小屋に泊まっても、ここには図書館

もないし、夕日も見えないから、やることが無くて困るよと言って、ようやく説得

に成功する。いつも、いろいろ言い出して、なかなか手強い。

(クリック)
白馬鑓温泉にて

帰りは、登りと同じコースを戻るが、朝に見たときより、咲いている花が萎んで見

える。気温がさして上がっている訳でもないのに、なんとなく朝に見た時の方が、

お花畑も賑わって、美しかったような気がしてならない。帰り道は、カールを周遊

するルートになっているが、晴れ上がってきたので、道すがら、ずうっと鑓温泉が

見える。8倍の望遠鏡で覗くと、混浴用(男性用)に入浴している様が、つぶさに

伺えた。ふりかえりつつ、たびたび覗くが女性は入って居ていない、野郎ばかり。

まさか2キロ先から除いているのを感づかれた訳でもあるまいが、残念でした。

猿倉についたら小屋はしまっており、我々の車だけが残っていた。

近くの塩の湯で汗を流し、道の駅、小谷で泊。ここは夜間のトラック便の往来が激

しく、夜中じゅう、づうっと五月蠅い。選択を間違えたようだ。

 

8/9(木)朝は時々雨、昼からは曇り。

 

昨日の登山の疲れからか、妻ご機嫌が悪い。再び、今日は絶対に登らないぞとの意

気込みが伺える。ここまで来たので、まだ登っていない白馬朝日岳か、黒姫山に行

きたかったが同意が得られず。あきらめて、再び移動日、兼温泉巡りにする。

小谷温泉の露天風呂、約1H。ここも無人で早朝営業、キチンと入浴料として協力

金を払う。早朝に行ったので、だれも入浴者は来なかった。ここはアブが五月蠅く、

じっとして涼んでいると、いつの間にかさされる。手ぬぐいでたたいて2匹を仕留

め、湯をかけ引導を渡してやった。

妙高高原の笹ヶ峰に抜ける林道を通ってみたが、さすがに、すごい悪路。道幅は広

いが手入れされていないので凸凹が激しい。通行に約1H。いつも工事中で通行止

めになっており、前から1度は通ってみたいと思っていた林道であったが、通行し

ている車に行き会わなかった。乙見湖の湖畔の茶屋で休憩。早朝ではあったが、営

業していたので味噌汁とコーヒーをいただく。笹ヶ峰には数度きているが昔より小

屋も大きくなり繁盛しているようだが主人はかわっていた。

妙高ランドマークで入浴。ここはスキーヤー用の24H営業の日帰り温泉ですが、

夏のこの時期は閑散としており、入浴客はおらず、ゆっくりできた。

昼すぎに出て、妙高ICから上信越道―関越経由で明るいうちに帰宅。

夏休みはまだまだあったが、妻に先約があったので帰京。

 

夏休みの後半は高校仲間の山中湖テニス合宿に参加、有効な休暇がすごせました。

                                  (完)