八海山―米山―鳥甲山

                               2002.8.13

                                    跡部正明

夏休み、これから何回あるかと考えると一生懸命登らなくてはということで、今年は

会社の休みが取りやすいお盆休みの頃に出かけました。その前に山中湖にテニス合宿

に行ったので、そこから北アルプスの3000m峰を目指したかったのですが、奥さ

んが一旦、帰ってテニス後の洗濯しないと着る物がないと頑張るので、諦めて翌日か

ら心機一転して関越道経由八海山経由佐渡島金北山を目指して出かけました。今回も

奥さん同行の山行でしたので、あいかわらず手強い山旅でした。

8/13(火)晴:

八海山ケーブル山頂口(1210m)12:30―女人堂13:45

   八海山へのチャレンジも確か4回目である。最初の5月の連休初めに着た時は5/

   3日から運行しますとかで、諦めた。次に行ったのは秋口で、会社の温泉仲間と宿

   泊の帰りに行ったが、皆さん登山する気はさらさらなしで、山の紅葉を楽しいだに

   止まった。次に同じく秋口に行ったがケーブルの付替え工事の真っ最中で、ヘリの

   荷揚げの真っ最中で爆音を聞いただけ、駐車場への進入の禁止されていて諦めた。

   そして今回は4回目であったが、登り始めが遅かったのと、単調な登りと暑すぎて

   うんざりで、女人堂で退散。とにかく登ったことになった。

   降りてきてからキャンプ場所と温泉をさがす。地元のcoopで夜食を買い、畔地

   (アゼチ)温泉で入浴する。翌朝は昨日探しておいた三国川ダムのたもとの温泉に浸か

   る。旅に出て、朝湯があるとなによりの幸せである。

8/14(水)晴:

寺泊―米山登山口―姉崎海岸(泊)   

   この日は佐渡島を目指し寺泊まで行くが、お盆休暇との最中で、佐渡までの船は混

   雑、現地でのレンタカーの借用は予約なしではだめとのことで、また来る機会もあ

   ろうと諦める。それではと言うことで寺泊でカニの浜焼き、うに丼を楽しむ。この

   後、田中角栄の記念館のある西山町を見学して、米山の下見を済ます。あいにくと

   米山付近の海岸線には温泉がなく、海水浴する気にもならずでシャワーのみ浴びる。

   この日は日本海の夕日が紅く染まってすばらしかった。潮風にあたりながら眺めて

   いたが暗くなったなったので車に入る。常連らしき車が数台、海岸線に泊っていた。

   釣りにでもきたのだろか、賑やかにやっていた。

   

   

8/15(木)晴ときどき雷雨

水野林道終点715m(:30)(7:05)米山女人堂993m(7:30)

―駐車場戻り(7:55)

日本海の夕日   女人堂にて(今回の山旅は、どう言う訳か女人堂が多い。)

   昨日、下見をしてあるので、天気は心配だったが、朝から登ることにする。早朝登

   山は風が心地よい。難なく登れると思うとさらに心地よい。この山からは日本海の

   眺めがすばらしい。山頂から日の出を拝みたかったが、いつも通りで出足が遅かっ

   た。先ほどから時雨が激しく、天気予報では佐渡付近は特に気象が不安定との事で

   すので傘を持って行く。

   山頂から眺めると、日本海が広く広く横たわっている、海岸線は山陰に入っていて

   あまり定かではない。米山は北陸の唯一の独立峰なので周りに高い山は見当たらな

   い、低い山は脈々と連なるが、山脈ではない。雲に隠れて霞がかって遠くに少しの

   山塊が見える。秋にになり、晴れ渡った時の紅葉はきれいだろと思う。山頂には女

   人堂の他に薬師堂があり、避難小屋も良く整備されていた。トイレも別棟になって

   いる。いつかこの避難小屋で夕日を眺めてもよいな思う。でもここまで来るには本

   当に遠い。

   柏崎で温泉に浸かり松之山温泉()

   次は黒姫山と考えたが、地図を眺め結果、明日は秋山郷の鳥甲山にする。

8/16(金)晴:

鳥甲山2038m

屋敷登山口(9:20)−(11:30)赤くらノ肩―(14:30)山頂(15:00)

−(18:30)

   切明口に8:00到着、さて登ろうと準備を始めようとすると、朝の連続ドラマ

   の開始の時間なので、それを見てからと言うことで奥さんは動こうともしない。

   その間に地図を見てみたら屋敷口の方が1時間は歩く時間が少ない、駐車場に戻

   るコースならばと屋敷口から登る事に変更、しかし車は連ドラが終わるまでは動か

   せない、結局、車を移動させ、それから支度をして登り始めたのが9:20。いつ

   ものパターン化しているところではあるが、早朝の大事な時間をと思うと辛いとこ

   ろです。丁度、一緒に登り始めた人が1人いた。今日はこの人と我々の2組だけ

   が登山した様だ。しかしこの人に、結局6時間以上の差をつけられるとは、この時

   は思っていませんでした。

   蒸し暑く、汗三斗、汗だくのシャツを絞りながら登る、疲れ気味の時に一気に12

   00mの谷登りはきつい。風も無く、暗く、前もよく見えない谷をただひたすらに

   登る。尾根らしきところに出た所で休憩、ここが赤くらの肩になるのか、表示もな

   いので分からない、食事をしてビールを飲んでいると、先ほど登り始めに出会った

   人が降りてきたので、頂上の様子を尋ね。そには答えず、これがその人にとって8

   回目の鳥甲登山であるが、今日は蒸し暑いので中でもキツイ、これからが大変だよ

   と行ってしまう。この山に8回も登りに来るのとは珍しい人もいるものだと思って

   みたが、あとから考えてみると既に6時間ほど差がついていていた事になる。

   尾根に出たと思ったのが間違いで、霧で周りはよく見えないが小さなピークが限り

   なく続く、先が見えて景色が見渡せれば、爽快なのだろうが、何も見えないので、

   ピークを越えるたびにため息ばかり、また次のピークに取りかかる。こうなってく

   ると先ほどのビールが効いてきてダルさが先に立つ、やるせなくなるが、ここまで

   来ては退散する訳には行かない。8つめまでは数えていたがその後は分からなくな

   り、その倍のピークがあったろう。マツムシソウ、ちいさなツリガネニンジン、薊、

   等が道端に咲いているのが和みになる。蜻蛉が群れをなしていて時折肩にに止まり

   羽を休めて行く。雨上がりのせいか先ほどの谷登りよりは涼しく、時折霧がはれ谷

   風が吹き上げてくると視界が開け、眼下に切り立つ崖が競り上がっていて爽快感が

   あるが、すぐにまた霧に閉ざされる。そうこうするうちに山頂まで200mの表示

   にたどり着く、この山で初めて出会う表示かと思う、ここが鳥甲山の両翼を広げた

   形の付け根のところで、これから鶏冠の部分の山頂に向かう。

   山頂に景色は無く、ようやくたどりついたという安堵感で満足する。蜻蛉が群れて

   おり、しばらく蜻蛉と遊んでから下山にとりかかる、ビールは既に飲んでしまった

   のが残念だが、水で水分を補給する。下りもまた汗をかくだろう。

   下りは、また、同じように数え切れないほどのピークを越え、暑い蒸し風呂のよう

   な谷を下り、6:30に屋敷口に戻り着く。

   支度を解いて、着替えをした頃には既に真っ暗、完全にまっくらで、方向が分から

   なくなっている。仕方が無くカーナビ頼りで切明温泉を目指す。しかしこの地域は

   周回道路になってカーナビの指示通りで探していたら一向に同じ所を巡るだけで行

   きつかない。それに気がついて、修正した時にはほとほと疲れはてており、湯に浸

   かれた時は食欲もなく、ひたすらホットした次第です。

   今回は登り始めが遅れたので始まりで、辿りついてからも、手強い山行でした。で

   も翌朝は、早起きし少し小雨でしたが河原の湯に浸かり、朝湯を楽しみました。こ

   こは河原から湧き出ているのですが、湯加減、湯船の広さ、石の配置の適当なのを

   探すのがコツで、皆さん早めに起きて丁度よいのを探します。一度入ってしまうと

   ヤドカリと同じでななか出てこないので待っていても無駄の様で、他のを探します。

鳥甲山は苗場山から眺めた時も、以前に秋山郷に来た時も、両翼を広げた姿に憧れて、

いつか登りに来たいと思っていた山でしたが、実際に登ってみると、地元の人でも1回

ぐらいしか登らないと言う、登り始めの急登が苦しく、夏場の暑い時期にはあまりにキ

ツイ山でした。天候がもう少し味方してくれて晴れていればよかったのかも知れません

が、もう一度行きたいとは思いません。

                                  (完)