2004年3月議会報告 

苗村洋子 一般質問

障がいのある人が働くための サポート体制を
 障がい者の就労の場は、現在一般就労と作業所などの福祉的就労の2種類ですが、一般就労については大変厳しい状況が続いています。また、福祉的就労は就労というよりもむしろ日中活動の場という位置づけです。障がいのある人が働けるように、さまざまなサポートが必要であるという観点から、就労支援センターと「事業所型作業所」について質問しました。

 事業所型作業所は、就業または一般企業等に雇用されることが困難な障がい者に就労の場を提供し、福祉的配慮のもとで、介助や職業の支援等必要な援助を行い、地域社会に根ざした障がい者の就労の促進ならびに社会的、経済的な自立を図ることを目的としています。滋賀県では「機能強化型障害者小規模通所授産施設設置要綱」をつくり、事業所型作業所に障がい者雇用のための助成金を出しています。金額だけで言えば従来型の作業所と大差ないようですが、障がい者の労働権に着目した点は画期的です。

 滋賀県でこのような取り組みがされるようになったのは、障がいのある人もない人も対等な関係でともに働き運営する「共働事業所」づくりの市民活動が盛んに行われ、実態をつくってきたからです。重度の人も雇用契約をむすんで最低賃金が支払われます。もちろん、運営の大変さは言うまでもなく、福祉的視点と経営能力の両方が必要です。

 答弁は、少しでも一般就労が増えることをめざし、2007年度までに都の補助を受けて就労支援センターを設置する、現在ある作業所で生産性を高めていくのは難しいというものでした。

 事業所型作業所のような場は行政がつくれるものではありません。ただ、これからの障がい者施策を考えると、労働の視点は欠かせません。ノーマライゼーションの実現に向けて、一般就労以外の労働の視点を持つよう求めました。

水道事業一元化について
 昨年3月東京都水道局から「多摩地区水道経営プラン21」が出され、これに基づいて、小平市では、今年2月に「水道業務移行計画(案)」が示されました。それによると、今年4月から5年間で業務移行することになっています。つまり、これまで東京都から受託してきた市の水道事業がなくなり、すべての業務が東京都に移ってしまうのです。

 これによって、私たちの飲み水である水道水について、市との関わりが全くなくなってしまうことに対する危惧があります。とりわけ多摩地域は地下水が豊かで、水道水にも入っています。地下水を飲み続けていくために、市から都にはたらきかける必要性を主張しました。

 「これからも地下水は活用されるものと考えている」という答弁でしたが、正式水源としての位置づけが地下水にはありません。市からの積極的なはたらきかけを重ねて要望しました。


岩本ひろ子 一般質問

障がいがあっても高齢でもだれもが自由に移動できるしくみをつくろう
 高齢者や障がい者が積極的に社会参加する機会をつくり、地域の中で自立して安心して暮らしていくためには移動サービスを充実させることが必要です。生活の場が施設から地域へと移行が進められている中で、移動を保障する仕組みをつくることは、社会的にも大変ニーズが高まっています。

 現在、小平市がおこなっている障がい者に対する移動サービスには、車椅子の人が無料で利 用できるリフトバス「おおぞら号」の運行、心身障害者ガソリン費ン費補助、福祉タクシー利用補助がありますが、障がいの程度によって対象者が制限されているため、必ずしも必要な人に十分サービスが提供されているとはいえません。また高齢者に対しては、介護保険制度の中での介助サービスや施設側の送迎サービスがあるだけで高齢者の移動サービス全般を考える施策はありません。現状では、障がい者についても高齢者についても、制度の適用にならない多くの方は、サービスの対象から外れてしまっていることが課題といえます。
   
 今後は、移動困難者の実態をきちんと把握して、縦割りではなくトータルな視点で、移動を保障するための施策をつくっていくべきであるということ、また行政だけではなくNPO、民間事業者との協働、支援についても積極的に進めていくことなどを主張しました。

 市からは、総合的な施策を考えると言う答弁は得られず、それぞれの基盤の整備をおこなっていく、NPOなどとの協力関係については、認識しているとの答えでした。だれでもいつでもどこへでも自由に移動できる社会をめざし、今後も働きかけを続けます。

小平元気村おがわ東の運営について
 小平元気村おがわ東は、今年1月に旧小川東小学校を複合施設としてリニューアルオープンしたものです。この元気村おがわ東にできた青少年センターとあゆみ教室について子どもたちの居場所としての視点から質問しました。 
 
 青少年センターについては、市内ではじめて中高生のための施設としてつくられたものであり、今後の運営に大変期待していますが、まだまだ当事者に知られていないという状況です。今後の活動については実行委員会形式で子どもたちも関わって考えていくとのことですが、実行委員会のメンバーもあまり集まっていないようです。大勢の子どもたちが集う場所となるよう、広報の仕方、実行委員会での子どもの参加の仕方などについて引き続き見守っていきたいと思います。

 あゆみ教室(不登校の子どもたちのための適応指導教室)はこの4月からこの場所に移転になりました。場所も2.5倍ほどの広さになり、元体育館や運動場なども使えるようになることから、活動の広がりが期待できます。複合施設としてのメリットを生かし、一階部分の福祉作業所の人たち、青少年センターに遊びに来る地域の子どもたちとの交流について提案しました。

 作業所との交流については活動のひとつとして考えていくとの答弁でした。あゆみ教室に通う多くの子どもたちが学び、遊ぶためのより良い環境を整えること、一人ひとりの子どもに配慮しつつ、交流の場を広げていくことを求めました。