2006年3月議会報告

 3月議会では、一般会計496億6000万円、特別会計を合わせると878億4400万円の2006年度予算や、各種条例議案などを審議しました。条例には、今後緑地の保全を目的にした緑の公募債の発行準備として減債基金条例や、各種基金の見直しが行われました。また、国民保護法の施行を受けて関連条例2つが提案されましたが、「有事=戦争」を前提としたこれらの条例は受け入れることができず反対しました。
 一般会計予算には、自治基本条例づくりのための講演会や支援、市民活動支援の公募補助事業が新たに盛り込まれ、市民とともに市政をつくり上げるという性格が色濃く出ています。


苗村洋子一般質問

特別支援教育を実のあるものに

 昨年12月中央教育審議会から「特別支援教育を推進するための制度の在り方について(答申)」が出されました。それを見ると、障がいの有無にかかわらず、子どもたちが地域の学校の同じ教室で、ともに学び育ちあうことができるようになるのか、たいへん疑問です。しかし、少なくとも今支援を必要としている子どもたちへの対応という点で、この特別支援教育を前進させていかなければならないと思います。就学前や現在通常学級に通っているLD・ADHD・高機能自閉症などの子どもたちへの支援を中心に質問しました。
  まず就学支援から始めるために、狛江市の具体例を紹介しました。将来的には、乳幼児期から学校卒業後まで、ライフステージに合わせたサポートをつないでいくために、教育だけでなく保健・医療、福祉、労働などとの連携が欠かせません。答弁では、教育委員会は義務教育の9年間を担当しているので、リーダーシップをだれがやるのかも含めて今後の検討課題であるとのことでした。中心になるのが市役所の中のどこでもかまいませんが、ともかく話し合って、全体を見通した支援のあり方を担当する部署を決めるべきではないかと求めました。
  また、教員の理解と周りの保護者の理解を得ていくことが重要です。とりわけ周りの子どもの保護者から理解を得られないことが、わが子の障がいを認められないハードルになっている場合も多いようです。市は、教員向けの講習会に保護者も参加してもらっている、今後も参加の声かけをすると言っていますが、理解を得るためにも、当事者の保護者や周りの保護者も入った準備検討委員会を立ち上げることが必要です。
本来、障がいの有無にかかわらず、その子のニーズに合った指導を考えるべきです。障がいのレッテルを貼るのでなく、障がいと支援方法を理解し、ともに育つ学校教育をめざして、今後もはたらきかけていきます。

 

情報の公開・提供をさらにすすめるために

 昨年9月に適用が始まった「市民参加の推進に関する指針」では積極的な情報公開が示され、特にホームページの活用や審議会等の公開などの方針が出されています。今回は会議や会議録の公開、また選定・選考過程の透明性について質問しました。
  審議会等の公開はかなり進んでおり、会議の要旨もホームページに早く掲載されるようになりました。会議要旨の内容や会議録の作成との関係では、時間と人手がかかるため、当面要旨の内容を充実することを考えているということでした。また、会議録を市政資料コーナーに置くことは実現するようです。しかし、事業者や補助金交付団体の公開プレゼンテーションには否定的な答弁でした。選定・選考過程の透明性という観点から、決定の議論は非公開としても、プレゼンテーションを公開で行うことは、市民に興味を持ってもらう効果も期待できます。市民団体から手始めにやってみたらどうかと提案しました。


岩本ひろ子 一般質問

学校の安全対策に力を入れて取り組もう

 通学途中の子どもを狙った悲惨な事件が続けて起きたことなどから、今、子どもの安全・安心に対して、大きな不安が広がっています。
 何とか子どもの安全を守りたいということで、各地で実施され始めているのが、防犯カメラの設置や警備員の配置です。東京都より1/2の補助を受け、小平市でも2006年度より全小学校で防犯カメラの設置が予定されています。子どもの安全を守る万全策がない中で、小平市としてはできる限りの対策をとる必要があるとの判断であり、今の社会状況の中では設置を望む声もあると聞きます。しかし、実効性には疑問を感じますし、子どもを心配するあまり子どもたちの自由な行動が奪われたり、監視強化が進むことに対しては注意を払う必要があると感じています。
  不安に煽れて、監視を強め治安強化をして、ただひたすら囲い込むだけでは子どもを守ることはできません。学校内や通学路の安全点検を行い、関係部署が連携して危険箇所をきちんと改善し、犯罪や事故が起こりにくい環境整備をしっかり行うこと、児童・生徒に対しては、事故や防犯に対するリテラシー教育が必要であること、また犯罪情報など情報の出し方についてはまだ課題が多く、迅速かつ正確に伝達されるよう検討が必要であることなどを主張しました。また、子どもの安全を考える時、最近の凶悪な犯罪の発生により全体的に防犯対策に偏りがちですが、登下校中や休み時間などでの事故の確率の方がずっと高いのですから、交通安全対策や遊具の点検等もきちんと行うよう求めました。
  これまで小平市では学校を地域に開いていくことで、子どもの安全を守っていくという考え方であり、今後もこの考え方には変わりはないようです。防犯カメラなどの不審者対策に偏らず、学校・地域・庁内の関係部署が子どもの安全という視点でしっかりと連携をとりながら、子どもの安全対策に力を注ぐことが必要です。

福祉施設の第三者評価システムの活用について・・・岩本ひろ子

 「福祉サービスの第三者評価」は第三者の評価機関が事業者と契約し、専門的かつ客観的な立場からサービスの内容や質、事業者の経営やマネジメントを評価するものです。そしてその評価結果を情報公開することで、ともすると閉鎖的になりがちだった事業所のサービス内容が明らかになることで、サービス選択の際の参考になります。またサービスの質の向上に向けた事業者の取り組みを促すことにもなり、利用者本位のサービスシステムの確立にもつながるという効果も期待されています。小平市では都からの全額補助を受け、2005年度は、市内の認証保育所7箇所と認知症高齢者グループホーム1箇所で実施されました。2006年度についても更に受審施設を増やす予定です。
  評価結果については、市のホームページや窓口でも公表すること、保育所など、実際には待機児が出ている施設については、利用者の選択の余地などないという面はあるわけですが、市として保育サービスなどの質の向上につなげられるよう、この第三者評価の活用をはかるべきであることなどについて求めました。